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アルゼンチン経済 ~現状と今後の課題~. 2009 年 3 月 18 日 ジェトロ・ブエノスアイレス事務所長 設楽 隆裕. アルゼンチン概況. 1.国土と人口 【 国土 】376 万平方 km (南極・島部含む) 南米大陸分は 279 万平方 km (フ ォークランド諸島含む) ⇒大陸分は日本の 7.5 倍 【 人口 】3,626 万人( 01 年センサス値) ⇒日本の 3 分の 1 主要州別( 23 州 + 首都) ブエノスアイレス市(連邦首都) 278 万人 ブエノスアイレス州 1,383 万人
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アルゼンチン経済 ~現状と今後の課題~ 2009年3月18日 ジェトロ・ブエノスアイレス事務所長 設楽 隆裕 ジェトロ
アルゼンチン概況 1.国土と人口 【国土】376万平方km(南極・島部含む) 南米大陸分は279万平方km(フ ォークランド諸島含む) ⇒大陸分は日本の7.5倍 【人口】3,626万人(01年センサス値) ⇒日本の3分の1 主要州別(23州+首都) ブエノスアイレス市(連邦首都)278万人 ブエノスアイレス州 1,383万人 コルドバ州 307万人 サンタフェ州 300万人 メンドーサ州 158万人 ツクマン州 134万人 平均寿命 73.8歳(男70.0、女77.5) 出生率 18.2% 死亡率7.6% 識字率 97.2% ジェトロ
アルゼンチン人 • 地域に馴染めない移民気質(9割が欧州からの移民) • 自己中心的(デモ運動やストライキ) • 庶民の政府に対する高い依頼心(ペロン時代からの悪習) • CS概念の欠落(殿様家業) • 飢えないという不幸(ハングリー精神に欠ける) (対日感情) • 良好な対日感情(在亜日系社会の功績) ジェトロ
政治概況 1.政体: 大統領制 任期4年(再選1回可能) 大統領 クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル 副大統領 フリオ・セサル・コボス 2.行政: 1大統領府、1首相府、12省 首相 セルヒオ・マッサ(08年7月就任) 外務大臣 ホルヘ・タイアナ(07年12月就任) 連邦計画・公共投資・サービス大臣 フリオ・デ・ビド(07年12 月就任) 経済公共財務大臣 カルロス・ラファエル・フェルナンデス(08 年3月就任) 生産大臣 デボラ・ジョルジ(08年11月就任) 3.議会: 2院制 上院 72名(各州3名) 与党47 野党25 下院 257名(州人口比例代表制) 与党148 野党109 4.主要政党: 与党⇒正義党(ペロン党) 野党⇒同盟急進党、PRO、その他州の政党 07年12月交代 ジェトロ
(注)GDP成長率の2006年は暫定推定値。黒字比率は,全回答に占める黒字と答えた企業の比率。2007年実績は未回答(注)GDP成長率の2006年は暫定推定値。黒字比率は,全回答に占める黒字と答えた企業の比率。2007年実績は未回答 GDP成長率の出所は国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC) 近年のアルゼンチンの経済成長 08年第4四半期7.0% (暫定値) ジェトロ
キルチネルの経済政策 パリクラブや 民間債務問題 ↓ 資金調達難 安定財政 輸出税(5~35%) 対穀物類の段階的引上げ 鉱物投資保護法の反故 対石油関連製品の引上げ 対バイオ燃料の引上げ等 新規投資の足かせ 国債発行 物価指数連動型 エネルギー不足 更なる成長の妨げ 為替切下げ(輸出促進) インフレ抑制の必要性 労働者優遇の労賃高騰 (内需の活性化) 補助金による補填 価格統制政策 ジェトロ
ネストル・キルチネル政権の功績 ジェトロ
1年目のフェルナンデス政権 ジェトロ
アルゼンチンの主要国・地域別輸出入 単位:100万ドル、% 出所:INDEC *マナウス・フリーゾーンは含まない ジェトロ
日本との貿易関係(対日輸出) 単位:100万ドル、% 出所:INDEC ジェトロ
日本との貿易関係(対日輸入) 単位:100万ドル 出所:INDEC ジェトロ
対アルゼンチン投資(分野別) 単位:100万ドル、% 出所:CEP ジェトロ
米国発金融危機の影響 1.農産物などのコモディティーの相場の下落 ⇒輸出減少⇒税収減⇒補助金政策の見直し⇒生活コストの上昇 2.資本流出 ⇒外貨準備高頼り(外貨準備高の減少) 3.内需の低迷 ⇒経済活性化対策(年金基金の国有化)、国内産業保護の動き(輸入許可制度やアンチダンピング制度の導入) 4.投資計画の凍結・延期 ⇒失業率の上昇、雇用不安⇒支持率低下(中間選挙の前倒し案) ジェトロ
アルゼンチン自動車市場 10月以降は前年同月比で減少に転じている。 消費活性化対策 経済対策計画(約39億ドル)のうち約9億ドルが自動車産業に充てられる。 主に政府が指定するモデル(新車)の国産およびメルコスール域内産乗用車、ないしは商用車の購入のための低利融資制度に活用される。 2008年 • 生産台数: 597,086台 • 販売台数: 611,770台 • 国産販売: 238,465台 • 輸出台数: 351,092台 • 輸入台数: 333,235台 伯亜自動車協定 延期し続けている。現在の均衡係数、亜⇒伯(2.50%)と伯⇒亜(1.95%)は2014年まで継続される。 部品 2013年7月~自由化 完成車 2014年7月~完全自由化 ジェトロ
アルゼンチン二輪車市場 2007年 • 販売台数: 680,707台 • 現地生産: 225,397台(CKD含む) • 輸入割合: 完成車67%、CKD26% • メーカー: 19社 • 日系企業シェア: ホンダ(17%)、ヤマハ(5%) 国内部品を購入割合に応じて国内税(所得税除く)を支払いに充てられる租税債券を発行 法律26.457号 (08年12月施行) (現地調達率) 1年目⇒55% 2年目⇒60% 3年目⇒65% 4年目⇒70% 認可されたプロジェクトは、最初の5年間で・・ (メルコスール域外関税支払額の割引の恩恵を受ける) 国内生産向部品⇒-60% CKD & SKD ⇒-40% 完成車 ⇒-20% 更に・・・ 達成すると・・・ 課題は・・ 亜国内の部品不足 ジェトロ
課題①:公的債務問題(パリクラブ) 76~77億ドル (延滞金14億ドル、懲罰金3~4億ドル含む) 債務総額: 1,457億ドル ジェトロ
課題②:一方的な賃上げの是正 2001年の水準を100とし、各年12月末時点での給与指数の前年同月比で見た増減率(民間正規雇用分) 最低賃金は、03年の200ペソから08年の1,240ペソに引き上げられる 暗黙の了解の水準 16.5% 政府と労働者の合意 19.5% 20%? 23-28%? 2009年 ジェトロ
課題③:国内不祥事の改善 1.度重なる経済担当大臣の交代 ①ラバーニャ経済相(03年~05年11月)⇒キルチネル大統領との対立で更迭 ②ミチェリ経済相(05年12月~07年7月)⇒収賄容疑で辞任 ③ペイラーノ経済相(07年8月~07年11月⇒政権交代で入閣せず ④ルストゥ経済相(07年12月~08年3月)⇒フェルナンデス大統領との対立で辞任 ⑤フェルナンデス経済相(08年3月~) ⇒閣僚の汚職、経済相不在の経済政策 2.マクロ数字の政府操作疑惑 国家統計センサス局(INDEC)の内部告発で、政府による物価上昇指数、消費者 物価指数、失業率、貧困率などの各種統計値に操作が疑惑が生じる。 ⇒内外からの、政策全般への不信感 3.国内産業との長期対立 08年3月の穀物類に対する輸出税の引上げ(相場変動型)に農家が反発。流通 の妨害活動、首都抗議(カセロラッソ)などが発生する。 ⇒内外からの信用失墜、大統領支持率低下、財政悪化、金融不安 ジェトロ
02年~06年 農産業セクター 全輸出額の5割以上を占める(外貨獲得の主役) 【亜政府】 通貨切下げ政策で輸出を後押し 02年に高率輸出税が穀物類に対して導入される(当時10%) 【亜政府】 経済の回復⇒インフレ進行⇒国内食品価格の抑制のため輸出税引上げ 輸出許可の停止などの措置も・・・ 2007年 【亜政府】 1.価格統制のための補助金 2.年金上積みによる(選挙対策) 11月に穀物類の輸出税を引き上げ(5~8.5%) 12月10日 フェルナンデス政権 誕生 農家が大反発! 道路封鎖デモ 世論は農業の味方 2008年 穀物輸出の停止 穀物類の輸出税を相場連動型の変動制に改定(決議125) 上院議会で否決! 造反者続出 副大統領が反対票 金融不安 対外信用の失墜 大統領支持率低下 2009年 トウモロコシと小麦の輸出税を5%引き下げ⇒増産意欲の向上を狙う(収益は相場次第のためさほどのインセンティブにはならない)。農家は大豆の輸出税の引き下げも求めており、話し合いは平行線を辿っている。08/09シーズンは旱魃による大幅な生産量の落ち込みも見込まれている。 農業セクターとの対立問題 ジェトロ
課題④:国際問題の解決 1.世界銀行の投資論争調整国際本部(ICSID) ⇒2008年レポートでの未解決案件数は34件に至っている。 ホールドアウトの債権者問題、価格統制によって被害を被っ た企業などからの訴え。アルゼンチン航空の国有化問題も 含まれる。 2.IMF協定第4条の受入れ拒否 ⇒独自の経済政策を推し進めるために同基金の一切の介入 を受け入れない。 3.対ウルグアイ国境封鎖問題 ⇒ウルグアイのフライベントス市に進出した製紙会社のボツニ ア社の排水に対して、対岸のグアレグアイチュ市が抗議し、 両市の間を通る橋の封鎖を行っている。 ジェトロ
課題⑤:エネルギー不足問題の抜本的な解決 実際は旱魃による水不足などもあり、供給が追いつかず・・・ ①チリへのガスの輸出制限 ②ボリビアからのガス輸入 ③ブラジルからの電力輸入 ④ベネズエラからのFuel Oil輸入 ⑤産業界への計画停電(使用制限) などで、不足分を賄っている。 需要は03年~07年の5年間で、平均6.5%増加しているが・・・ -15% 250万㎥(90年) ↓ 488万㎥(99年) 415万㎥(07年) 石油埋蔵資源 価格統制が新規開発の足かせに・・・ ガス埋蔵資源 -43% 579万㎥(90年) ↓ 777万㎥(00年) 441万㎥(07年) 近年の新規ガス田、油田の探索件数は、93年~95年の138件をピークに、08年は39件と激減している。政府は昨年、産業向け電気代の2度目の値上げを行い、据え置いていた家庭向けも値上げることになった。 ジェトロ
アルゼンチン経(K)済政策におけるキーパーソンアルゼンチン経(K)済政策におけるキーパーソン 右腕 モレーノ国内商務長官 キルチネル前大統領 デビド 連邦計画公共投資サービス相 政策踏襲 元?番犬 協力関係 モジャーノ 労働総(CGT)連総長 フェルナンデス 経済相 マッサ 首相 ルイス・デエリア 貧民・失業者代表 フェルナンデス大統領 ジェトロ
それでもある・・・アルゼンチン市場の魅力 1.資源大国(大豆などの穀物、農産物) 2.高い購買力、教育水準、生活の質 3.新規分野のビジネスチャンス ジェトロ
1.資源大国としてのアルゼンチン 1.アルゼンチンの作付け土地面積は約2,900万ha 2.肥沃な土地と高い競争力を持つ産業によって、アルゼンチンは: ①世界一のヒマワリ油の生産国および輸出国 ②大豆油の世界一の輸出国および世界三位の生産国 ③ハチミツの世界一の輸出国および世界三位の生産国 ④世界一の馬肉の輸出国 ⑤世界一の梨の輸出国 ⑥世界二位のピーナッツ油の輸出国 ⑦世界三位の牛肉生産国 ⑧世界三位の大豆生産国 ⑨レモンの世界三位の生産国および世界一の輸出国 ⑩世界五位のワイン生産国(15億リットル) ジェトロ
2.中南米における優位性①(高い購買力 2007) 出所:IMF ジェトロ
2.中南米における優位性②(高い教育水準 2006) 出所:UNESCO ジェトロ
2.中南米における優位性③(Life Quality 2007) Life Qualityランキング 1.フランス 2.オーストラリア 3.オランダ 4.ニュージーランド 5.アメリカ合衆国 6.スイス 7.デンマーク 8.イタリア 9.ルクセンブルグ 10.アルゼンチン 出所:International Living ジェトロ
3.新規分野のビジネスチャンス 1.バイオ燃料ビジネス 「バイオ燃料利用促進方」⇒2010年までにディーゼル油、ガソリンの 中のバイオ燃料(ディーゼル・エタノール)含有率を5%にする。 国内消費の少ない大豆油を用いてバイオディーゼルの生産事業へ の投資が相次いでいるが、殆どが輸出向け(輸出税率が5%と低かっ たため。現在は20%まで上がっている)。 2.鉱業ビジネス 開発可能面積が75万平方kmあり、その75%が未開発。チリ、ボリビ アとの境界(アンデス山脈沿い)に既存プロジェクトが集中している(銅、 鉛、亜鉛、金、銀、リチウム、その他非金属鉱物)。 3.国内インフラ整備ビジネス 鉄道インフラ、首都圏地下鉄網、河川流通浚渫工事 ジェトロ
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