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トラウマ的な出来事に対する子どもの反応 : 教員向けの研修会

トラウマ的な出来事に対する子どもの反応 : 教員向けの研修会. はじめに. 研修指導員と参加者の紹介 研修資料の配布 研修会の背景. 研修会の目的. 被災 後、社会面、行動面、学業面の回復および向上を意識した学級 環境を整える 被災後に生徒に現れやすい反応を把握する 被災後の学級管理に対する自信を高める 教員のセルフケアの重要性を理解する サポートを必要とする生徒の特定、相談窓口の紹介を自信をもって実践できるようになる. アジェンダ. トラウマ的な出来事に対する子どもの反応(年齢別の反応を含む) 教員がクラスでできること 教員のセルフケア

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トラウマ的な出来事に対する子どもの反応 : 教員向けの研修会

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Presentation Transcript


  1. トラウマ的な出来事に対する子どもの反応: 教員向けの研修会

  2. はじめに • 研修指導員と参加者の紹介 • 研修資料の配布 • 研修会の背景

  3. 研修会の目的 • 被災後、社会面、行動面、学業面の回復および向上を意識した学級環境を整える • 被災後に生徒に現れやすい反応を把握する • 被災後の学級管理に対する自信を高める • 教員のセルフケアの重要性を理解する • サポートを必要とする生徒の特定、相談窓口の紹介を自信をもって実践できるようになる

  4. アジェンダ • トラウマ的な出来事に対する子どもの反応(年齢別の反応を含む) • 教員がクラスでできること • 教員のセルフケア • アクティビティ:セルフケア計画の作成 • 相談窓口を紹介する方法とタイミング • 生徒の事例と意見交換 • 質問と意見交換

  5. トラウマ的な出来事に対する子どもの反応

  6. 脅威の認識 • トラウマ的な出来事に対する子どもの反応は、どのように脅威を認識したかによって左右される • 子どもの脅威の認識方法は大人とは異なる

  7. トラウマ的な出来事に対する子どもの反応 • 子どもの反応は多種多様であり、時間と伴に変化することがある • 発達段階、災害前の機能、人生経験、他者の反応の模倣の有無によって左右される • 親子関係が影響することが多い • 家族の状況や家庭環境が重大な意味を持つ

  8. 時間の経過に伴った反応

  9. 時間の経過に伴った反応

  10. 反応の種類

  11. 喪失と悲嘆 • 多くの子どもが喪失と悲嘆を体験する • 悲嘆: • 悲しみ、睡眠症状、食欲低下、興味関心の低下、身体の症状、苛立ち、退行現象、死について考える • 非複雑性悲嘆-子どもは徐々に回復する • 災害時には、トラウマになるような悲嘆を体験することもある • トラウマに対する症状が悲嘆反応と相互作用し、正常な悲嘆過程が阻害される • 死に関わる侵入的な想起(悪夢)、回避、感情の麻痺、心身の過覚醒の増加

  12. 時間の経過に伴った反応の変化

  13. 時間の経過に伴った反応の種類

  14. 中期~長期の臨床症状 • 心的外傷後ストレス障害(PTSD) • 不安障害:分離不安、全般性不安、特定恐怖症、社交不安 • うつ障害/気分変調症 • 外在化障害:反抗挑戦性障害、行為障害 • 学業の低下 • 薬物乱用

  15. 子どもの回復に影響を与える要因 • 被災前のリスク要因 • 以前からあった精神面および行動面の症状 • 以前からあった家庭のストレス要因 • 過去のトラウマ体験 • 被災関連のリスク要因 • 自分の死や怪我の可能性、大切な人の怪我または死の目撃、大切な人の死 • 親や家からの分離、家や私有物の喪失、避難 • 強い苦痛を抱えた家族を目にする • 突然の出来事 • 被災後のリスク要因 • 家族の変化(親の死、保護者の不在) • 親のメンタルヘルスの問題、家庭の機能不全 • 親子関係の問題、子育て、しつけなどの変化 • 家族に関わるストレス要因 • 社会的な支援の喪失、地域社会や学校の喪失 • 二次受傷

  16. 年齢別の反応

  17. 未就学期の子ども(0歳~6歳) • 6歳未満の子どもでも、トラウマ的な出来事から悪影響を受けることがある • この年齢層に起こりやすい反応: • 出来事の再現(遊び、描画、悪夢、心理的苦痛) • 出来事を思い出させる事の回避、感情の麻痺 • 過覚醒(動揺または驚きやすい、集中困難) • 行動の変化(苛立ち、かんしゃく、気難しい、関心を引こうとする、攻撃的な態度) • 分離不安/親や教員から離れたくない • 退行現象 • 新しいことや物に恐怖心を抱く • 身体の症状 • 食欲の変化 • 養育者、兄弟姉妹、友人との関係性の問題 • 早期介入が推奨される

  18. 6歳~12歳の子ども • 再体験(精神的苦痛を伴う記憶を思い出す、出来事について何度も話したがる、遊びの中で出来事を再現する) • 回避(災害に関連する学校活動への参加を拒否する、出来事について話したがらない、記憶の空白) • 過覚醒(苛立つ、怒りの爆発、集中困難、過剰な警戒心、緊張感) • 感情麻痺 • 心的苦痛 • 行動の変化(怒りの爆発、不従順) • 学業の低下(不登校や記憶力、注意力、やる気の低下が原因) • 身体の症状 • 家族や友人からの引きこもり • 食欲の変化 • 自分や他者の安全に対する不安や恐怖(まとわりつき)

  19. 13歳~18歳の子ども • 再体験(フラッシュバック、侵入思考、出来事を思い出させる事柄によるストレス) • 回避(災害に関連した学校活動への参加の拒否、記憶の空白、出来事ついてについて話したがらない) • 過覚醒(怒りの抑制困難、集中困難、睡眠困難、緊張) • 感情麻痺(感情の起伏がない、感情の麻痺、感情の範囲の縮小) • 心的苦痛(自責の念、罪悪感、気分の上下、苛立ち、自信や自尊心の喪失、自分が「おかしい」のではないかという不安) • 行動の変化(攻撃性、不従順) • 学業困難(不登校、集中・記憶困難、やる気の低下、権威的な存在に対する反抗、対立的) • 活動への不参加(スポーツ、友達と遊ぶ、音楽) • 身体の症状、食欲の変化 • 精神的苦痛を麻痺させるための飲酒または薬物乱用 • 危険で無謀な行為(性行為、飲酒、飲酒運転、ヘルメットなしでオートバイに乗る) • 自殺的または自虐的な思考や行動、将来への希望の喪失 • 人間関係の問題

  20. トラウマ的な出来事のあとに、子どもを支援する学校や教員の役割トラウマ的な出来事のあとに、子どもを支援する学校や教員の役割 教員がクラスでできること 教員、トラウマ、セルフケア

  21. 教員がクラスでできること

  22. 被災後の教員の役割 • 良い先生であり続ける • 子どもを教育面で支え続ける • 災害時に生徒に起こりやすい反応、それが生徒や教員、学級に及ぼす影響を把握する • 相談窓口を紹介する準備を整える

  23. 災害後の学級運営 I • 時間の経過に伴った症状の観察** • 生徒の精神的および心理的な健康を促すための第一のステップ • 生徒の行動や家族の状況の変化に注意し、観察を続ける • 相談窓口の紹介方法について把握する • 学校生活の日課の維持 • 規則正しい環境、明確な目標、スケジュール、アクティビティ • スケジュールの変更を事前に知らせる-1週間の予定など • 不要なストレスを減らし、安全性と一貫性を確保する • 災害直後のみならず、長期的に実施するのが良い

  24. 災害後の学級運営 II • トラウマ的な出来事について話し合いを持つ • 心のサポートに役立つ • 生徒への話しかけ方に注意

  25. 生徒と話し合うときのアドバイス • 災害の話し合いにはルールを設け、必要に応じて、実施内容に変更を加える • 生徒が感じる恐怖を受け止める • 危険やその恐れは過去に起きたことで、今は復興と再建の時期なのだというメッセージを強調 • 適宜、別の教員のサポートを受ける • 教員自身の被災体験について話すときは、先生としての役割を忘れないように意識する • 模範となる冷静さを保つ • 心の強さ、適切な対処方法、前向きな成果を強調する • 「話し合い」の代替策を用意する(絵を描く、遊戯) • 高学年以降の子どもの場合、複雑な問題や人間関係に焦点を当てた話し合いが可能な場合もある

  26. 災害後の学級運営 III • 生徒に期待する行動、行動の許容範囲をはっきりと定める • 生徒が実施する課題やクラス内での行動 • 集中力を高めるため、学級活動の実施方法に変更を加える • 不適切な行動に対しては、論理的な結果を課す • 注意: 行動化の原因を探る必要性が生じるときもある

  27. 災害後の学級運営 IV • 生徒間においての「助け合い」制度 • 感情面や学業面で助け合える環境作り • 安心できるリラクゼーションスペース • スペースを使用する際のルール • 適切であれば、生徒に選択肢を与える • 無力感とコントロール感 • 困難な状況を想定し、事前に準備する • できる限り、事前に対策を練り、サポート体制を整える • 反応を誘発する可能性のある状況に対する備え • 例:消防訓練、嵐、雨、大きな音 • 強さと前向きさを強調する • 望ましい対処姿勢を強調 • 助け合い体制作りのサポートをする

  28. 教員、トラウマ、セルフケア

  29. 教員とトラウマに対するストレス • 教員の反応を複雑化する要因 • 災害から直接的または間接的な影響を受ける • 以前から抱えていたストレス • トラウマ体験を持つ他者を支える • 教員も深刻な影響を受けることがある • 心身ともに疲労する • 自分および生徒の体験に圧倒される • 災害によるトラウマ的なストレス • 二次的外傷性ストレス/共感疲労

  30. 二次的外傷性ストレスのサイン • 集中力や注意力の低下 • (生徒、家族、友人に対する)苛立ちや動揺の増加 • 学級活動や授業の計画、日課の維持が困難 • 感情の鈍麻や解離 • 生徒のトラウマに関する強い感情、侵入思考や夢(時間と伴に軽減しない) • 症状の持続 • 早期の発見と介入が重要

  31. 教員のセルフケア • セルフケアが徹底している教員は、生徒管理も効果的に行うことができる • 教員のストレス = 冷静かつ建設的な方法で生徒に対応することが困難 • セルフケアの方法: • ストレスに気付く • ストレスや情緒反応を適切なレベルに抑制する • 適切な対処方法を実践する • 意見交換-どのようにセルフケアを実践していますか?

  32. 教員のセルフケアのアドバイス • 自身の反応、感情、ニーズを観察する • 災害関連のストレスについて誰かに相談する • 助け合いの体制を築く • 計画性のある学級活動 • 準備や計画を徹底する • リラックスまたは静かにする時間を設ける • 建設的な対処方法 • 呼吸法、筋肉のリラクゼーション、イメージトレーニング • 心理的苦痛の原因となるマイナス思考を抑制する • 建設的(現実的!)な思考や姿勢を心掛ける • セルフヘルプの情報を検索する(例:ウェブサイト、書籍) • 健康的なライフスタイルの維持 • 自分の時間、家族、友達との時間を確保する • 誰かから声が掛かるのを待つだけでなく、積極的に予定を立てる • トラウマ的なストレスを抱えていない生徒と時間を過ごす

  33. ユビキタス・カウンセリングhttp://www.ubiquitous-counseling.com/ユビキタス・カウンセリングhttp://www.ubiquitous-counseling.com/

  34. みんなのメンタルヘルス総合サイト

  35. 兵庫県こころのケアセンターhttp://www.j-hits.org/

  36. Utsu.jp(うつ病と不安の病気の情報サイト) http://utsu.jp/

  37. アクティビティ:セルフケア計画の作成 • 自分のストレスサインを知っていますか? • あなたのストレス解消法は何ですか? • 相談相手がいますか? • 1ヵ月のスケジュールに、いつ、どのようなアクティビティを盛り込むことができますか?

  38. 生徒が特別な支援を必要とするとき 相談窓口を紹介する方法とタイミング

  39. 事例 1:けいこちゃん(7歳)は、ふだんから不安になりやすい性格ではあるものの、森林火災があってから、いつもよりも大人にまとわりつくようになりました。朝、学校に送られる際に泣き出すため、お母さんは娘をなだめるのにいつも時間をとられます。お母さんが立ち去った後も、できる限り最前列に座って先生の近くにいようとします。また、以前にはなかったことですが、おもらしをするようになり、他の生徒もこれに気付くようになりました。お母さんは、けいこちゃんが前よりも怖がりになり、悪い夢を見るようで寝付きも悪くなったと話しています。宿題を終えずに学校に来ることがあり、家に宿題ノートを忘れてくることもあります。お母さんも不安を抱えているようで、娘についてとても心配しています。この家族は、数カ月の修復作業を終えた自分たちの家に近々戻る予定ですが、新しい家に住むことに対して、お母さんは複雑な心境です。

  40. アクティビティ 事例 1 • この児童が抱える精神的苦痛のサインを見て取れますか?どのような反応が現れていますか? • 精神的苦痛の持続に寄与するリスク因子を見て取ることができますか? • どのような追加の情報が必要ですか? • 教員として、今あなたができることは何だと思われますか?

  41. 事例 2:けんじ君(10歳)は、たくさんの友達を持つ、とても外交的な男の子でした。しかし、洪水があってから、前のように友達と関わり合うことがなくなり、お昼の時間には図書館にこもり、スポーツもすることがなくなりました。学校の課題はこなすものの、授業中に積極的に手をあげなくなり、クラスの生徒と関わりを持たなくなったようです。気分も平坦で、前ほど笑わなくなりました。

  42. アクティビティ 事例 2 • この児童が抱える精神的苦痛のサインを見て取れますか?どのような反応が現れていますか? • 精神的苦痛の持続に寄与するリスク因子を見て取ることができますか? • どのような追加の情報が必要ですか? • 教員として、今あなたができることは何だと思われますか?

  43. 情報収集の方法 I • 当人と話し合いを持つ • 生徒が安心できる環境作り • 「いろいろと大変だったね。こういうときの反応はみんなそれぞれだから、話したくないと思うのも普通なんだよ。」 • 理解を示す • 全般的な質問から、具体的な質問に移る(無理強いしない) • 「地震/津波があってから、どういう風にしてる?」 • 「前は楽しんでいたのに、辞めてしまったことがあるようだけど?先生に話してみてくれる?」 • しっかりと耳を傾けている態度を示す(理解度を確認する) • 「地震/津波があってから、家でも大変なんだね。お父さんもお母さんにもストレスがあるんだね。」 • 生徒の苦痛を現実として受け止める • 強さと前向きな対処方法を強調する • 別の職員にサポートを依頼する(教員、校長、スクールカウンセラー、養護教諭) • 守秘義務の遵守

  44. 情報収集の方法 II • 保護者に懸念点を伝え、生徒の基礎的な背景情報を得る • 堅苦しさや威圧感のない温和な雰囲気を心掛ける • 校長、スクールカウンセラー、養護教諭を関与させる • 行動の異変や心配な点があるかを保護者に尋ねる • 「ご家族も大変でしたね。皆さんがどうしてらっしゃるかお伺いしようと思いまして。」 • 「お子さんの様子はどうですか?何か前と変わった事や心配な点はおありですか?」 • 慎重かつ敬意を払った態度で、保護者に心配な点があることを伝える • 「お子さんの行動の変化に気が付きまして、ご意見を伺おうと思った次第です。ご家庭でも、同じような行動の変化が見受けられますか?」

  45. 情報収集の方法 III • 生徒の懸念点について、保護者も教員と同意見であるかを確認する • 子どもの問題行動に寄与する家庭問題の有無について確認する • 「今、ご家庭や家族のことで悩みがあると思われますか?」 • こうした問題は一般的であることを伝え、安心感を与える • 学校や教員に何かできる事はないかを尋ねる • 「今、お子さんにとって特に難しい時のようです。何かサポートが必要なようでしたら、適切な相談機関を紹介することもできますよ。」 • 相談窓口に関する情報やアドバスを提供する

  46. 相談窓口を紹介するタイミング • 症状が持続または悪化する • 学業の深刻な低下が見られる • 生徒の問題が、日常生活に支障をきたし、深刻な心理的苦痛を伴う • 感情のコントロールが困難(例:泣く、怒りなど)で、これが持続または悪化する • 社会的機能の深刻かつ長期的な変化が見られる

  47. 続き… • 頻繁に他者に迷惑をかけるような行動が見られる • 年齢に準じた課題をこなすことが難しい • 下の年齢の子どもに見られる行動への退行現象 • 複数の場面で問題が現れる • 学校外にストレス要因がある • 重大な苦痛や不安を誘発する要因がある(生徒または家族)

  48. 支援を得る方法 • 校内の情報資源を使用する • 校内の情報資源やサポート職員について把握する • 地域のサービス • チャイルドライン(子どものためのホットライン) • こころの健康相談統一ダイヤル • よりそいホットライン • 全国のいのちの電話 • 全国の児童相談センターおよび教育相談機関 • ユビキタス・カウンセリング

  49. 支援を得る方法(続き・・・) • 特別な支援を必要とする生徒を察知したときに活用できる校内の情報資源は何かを参加者に尋ねる • 公立機関: • 全国の児童相談センター、教育相談機関、精神保健福祉センター • 民間機関: • 民間のメンタルヘルスクリニックやカウンセリングセンター • 日本臨床心理士会(JSCCP)を通して、臨床心理士を検索することも可能

  50. 質問と意見交換

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