1 / 49

複主体 複主語

日本語構造伝達文法. 複主体,複主語. [6-2]. 複主体 複主語. この項は 『 日本語構造伝達文法( 05 版) 』 の第 19 章~第 21 章の内容に基づいています。. 今泉 喜一. 2011 年 10 月. 印刷  1-3,8-28,30-35,37,39,41,43-45,47-48. 複主体. 複主語. 複主体. 日本語の大きな特徴の一つ. A は B が ~ 。. という構文で, A と B が共に 主格 にある場合の構造を考える。. ○. 彼 は 目 が 大きい。. ←  彼 が 目 が 大きい。. ×.

Download Presentation

複主体 複主語

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 日本語構造伝達文法 複主体,複主語 [6-2] 複主体複主語 この項は『日本語構造伝達文法(05版)』の第19章~第21章の内容に基づいています。 今泉 喜一 2011年 10月 印刷 1-3,8-28,30-35,37,39,41,43-45,47-48

  2. 複主体 複主語 複主体 日本語の大きな特徴の一つ AはBが~ 。 という構文で, Aと Bが共に 主格にある場合の構造を考える。 ○ 彼は目が大きい。 ← 彼が目が大きい。 × 桃は彼が食べた。 ← 桃を彼が食べた。 複主体を次の4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  3. まず主格について確認する。

  4. 主格3形式

  5. 私 hasir- 主格3形式 / -u 私,走る。

  6. 私 私 hasir- hasir- hasir- 主格3形式 主格3形式

  7. 私 私 hasir- hasir- hasir- 主格3形式

  8. 私 私 私 hasir- hasir- hasir- hasir- 第1主格 1 主語について述べる 典型的主語 → 主格詞 Ø1 主格3形式 私 Ø1 走る。 第2主格 2 出来事について 述べる 主格詞 が1 私 が1 走る(こと) 3 第3主格 主語が選ばれる → 主格詞 が2 私 が2 走る。

  9. 「は」 [実体ふちどり描写] は,も,こそ [相対化描写](とりたて詞,副助詞,係助詞) 彼Ø1本を読む 彼Ø1は本を読む 彼Ø1は本をは読む [主題にする。] [他と対比する。] 「は」目立つようにしてほかと区別する。 「は」 は [主題化・対比] の機能をもつ。

  10. 主格名詞は Ø,が,は で示される。 1林さんØ来ました。 3,5林さんが 来ました。 2, 4林さんは来ました。 描写詞 「は」 主格詞 「Ø1・が」と 主格 +は 主語の実現形式 機 能 - ~Ø1 1 私Ø1田中です。 主語について述べる。 Ø1 ~Ø1は +は 2 私Ø1は田中です。 主語について述べる。 主題・対比 - ~が1 3 あっ,犬が1います。 事実提示/従属節内主語 が1 事実活写提示/ +は ~が1 は 4 雨が1は降る降る。 従属節内対比主語 が2 - 5 ~が2 質問への回答など(選択主語) 私が2田中です。

  11. 複主体 複主体を4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  12. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 1-1 形容属性の場合 形容実体+形容辞 長 naga+ .k- (形容実体) =形容詞 (属性) naga.k- = .k- 属性 (形容属性) 形容辞 鼻 (主体) 長 鼻-ga naga.k- 鼻が長い .k- 1主体,1属性 =単位構造

  13. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 鼻 長 .k- .k- 象 鼻 長 .k- 鼻が長い… 単位構造 象Ø1 鼻が長い 象… 単位構造を属性とする主体 属性主体 は属性の一部 主体が2つになる … 違いは何? 属性主体 本主体 属性主体 形容実体 形容実体 属性 .k- 中国語

  14. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [特徴1] 属性主体は本主体と常識的に明瞭な関係を持つものであるべき。 本主体は何でもよいが,属性主体には制約がある。 この象 Ø1は 窓が かわいい。 →意味不明 象が象の形のバスなら意味が分かる。 本主体 属性主体 窓はバスとは明瞭な関係がある。 空は指が太い。 ? 富士山は島が純白だ。 ? 川はドアが開く。 ? 東京は人口が多い。 彼は発音が明瞭だ。 ボクは熱が出た。

  15. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 1-2 断定属性の場合 (形容動詞も) 彼 父親 父親 公務員 公務員 de de ar- ar- で格実体 断定属性 主体 本主体 属性主体 2つの主体 父親 Ø1 公務員である。 彼Ø1父親が公務員である。 「単位構造」 [特徴1] 属性主体は本主体と常識的に明瞭な関係を持つものであるべき。 * 彼Ø1は 田中さんが公務員である。

  16. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 1-2断定属性の場合 (形容動詞も) で格実体と属性主体の入れ替えが可能な場合がある。 彼 趣味 彼 陶芸 陶芸 趣味 de de ar- ar- で格実体 で格実体 本主体 属性主体 本主体 属性主体 彼 Ø1趣味が陶芸である。 彼 Ø1 陶芸が趣味である。

  17. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 1-3 動属性の場合 田中 長男 長男 結婚 結婚 o o s- s- を格実体 動属性 主体 本主体 属性主体 長男が結婚する。 田中さん Ø1 は長男が結婚する。 「単位構造」 [特徴1] 属性主体は本主体と常識的に明瞭な関係を持つものであるべき。 *田中さん Ø1 は鈴木さんが結婚する。

  18. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 後ろ 男 五郎 後ろ 気 五郎 気 男 -ru ni i- ni ni i- tuk- ni tuk- 1-3動属性の場合 単位構造が連語の場合 五郎は後ろにいる男に気がつく。 気がつく……単位構造としての連語 他の例 腕が上がる  腕が立つ  手が空く  骨が折れる 気が多い  気が短い  頭がいい  目が高い (形容詞)

  19. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [特徴2] 「のつなぎ」描写① 「本主体」→「属性主体」の方向でなければならない。 象 鼻 本主体 属性主体 長 形容実体 の の .k- .k- 象Ø1 鼻が長い。 本主体 の属性主体が ~ 象の 鼻が長い。 逆向きの のは不可。 *鼻 の 象 が長い。 本主体(象)が単独の属性(長い)の主体になってしまう。

  20. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 彼 父親 田中 長男 公務員 結婚 の o の de ar- s- で格実体 本主体 属性主体 本主体 属性主体 彼 Ø1 は父親が公務員である。 田中さん Ø1 は長男が結婚する。 彼 の父親 Ø1は公務員である。 田中さん の長男 Ø1 は結婚する。 [特徴2] 「のつなぎ」描写は「本主体」→「属性主体」の方向で。 *父親の 彼Ø1は公務員である。 *長男 の 田中さん Ø1 は結婚する。

  21. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [特徴3] 「のつなぎ」描写② 属性で実体修飾をする場合は,双方向の「のつなぎ」描写が可能。 「本主体」→「属性主体」 / 「属性主体」→「本主体」 象 鼻 本主体 属性主体 長 の 形容実体 の .k- .k- 「本主体」→「属性主体」 象の     鼻 長い (属性で実体を修飾) 「属性主体」→「本主体」 鼻 の    象 長い (属性で実体を修飾) いずれも単位属性「鼻が長い」全体が本主体「象」を修飾することになる。

  22. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 彼 父親 田中 長男 公務員 結婚 の の o de ar- s- で格実体 本主体 属性主体 本主体 属性主体 彼 の父親 公務員である 田中さん の       長男 結婚する 父親の          彼 公務員である 長男の 田中さん 結婚する [特徴3] 「のつなぎ」描写② 属性で実体修飾をする場合は,双方向の「のつなぎ」描写が可能。

  23. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [特徴4] 「のつなぎ」描写③ 本主体は,それと特定できる実体であるべき。 妻の賢い弟 ……賢いのはだれ? 妻 弟 弟 妻 賢 の 賢 の 敏子 敏子 .k- .k- 本主体 属性主体 本主体 属性主体 妻は弟が賢い。 弟は妻が賢い。 妻の     弟 妻の     弟 二義 妻の 賢い 弟 妻の 賢い 弟 敏子の 賢い 弟 属性主体は本主体との関係物・人。 属性主体の妻は「敏子」になりにくい。 本主体を敏子のように特定できる 実体にすると二義は生じにくい。

  24. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [特徴4] 「のつなぎ」描写③ 本主体は,それと特定できる実体であるべき。 妻の賢い弟 ……賢いのはだれ? → 敏子の 賢い 弟 (敏子は 弟 が賢い。) 妻を本主体とする場合 →妻の 賢い 俊彦   弟を本主体とする場合 (俊彦は 妻 が賢い。) 親友のフリーターである息子 ……フリーターはだれ? →親友 の フリーターである 大輔   (大輔は 親友がフリーターである。) → 田中さんの フリーターである 息子 (田中さんは 息子 がフリーターである。) 姉の結婚する娘 ……結婚するのはだれ? → 佐藤さん の 結婚する 娘 (佐藤さんは 娘が結婚する。) →姉の 結婚する 林さん    (林さんは 姉が結婚する。)

  25. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 小王 小王 父亲 父亲 死 死 了 了 [中国語] 小王死了父亲。 小王的父亲死了。 的 本主体 属性主体 我腰疼。 这本书内容不错。 中国经济持续发展。 她脸红了。 中国語

  26. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 彼 調子 調子 良 夏 良 .k- .k- 1-4 本主体が複数ある場合 単位構造調子が良い 彼Ø1 は 夏が調子が良い。 実現する場としての本主体 実現する時としての本主体

  27. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 智 雄 雄 夏 調子 智 調子 良 良 .k- 夏 .k- 1-4 本主体が複数ある場合 本 主 体 属性主体 智ちゃん と 雄くんØ1 は 夏が調子が良い。 実現する場としての本主体 時の本主体

  28. 複主体 [1] ある主体が「単位構造」を属性とする構造 彼 読書 読書 趣味 テニス 彼 テニス 趣味 de ar- de ar- 1-5 属性主体が複数ある場合 彼Ø1 は 読書 と テニスが趣味である。 本主体 属性主体

  29. 複主体 複主体を4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  30. 複主体 複主体を4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  31. 複主体 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 私 私 故郷 故郷 懐かし 懐かし .k- .k- 形容属性の場合 私は故郷が懐かしい。 参考 林さんは娘が結婚する。 私が懐かしい。 私…… 感覚主体 ×林さんが結婚する。 ○娘が結婚する。 故郷が懐かしい。 故郷… 帯感主体 感覚主体と帯感主体は常識的な明瞭な関係を持つ必要はない。

  32. 複主体 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 彼 うどん 彼 うどん 好き 好き de ar- de ar- 断定属性の場合 (形容動詞も) 彼はうどんが好きだ。 感覚主体 帯感主体 彼 は うどん が 好き -de ar-u. 彼 は うどん が 好き -de ar-u.

  33. 複主体 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 彼 彼 うどん 好き うどん 好き de 好き ar- 好き de ni ni 格移動 ar- 格移動 連体修飾の場合 うどんの好きな彼 彼が好きなうどん の うどん の 彼 彼 -ga 好き ni ar-uうどん うどん の       彼 彼 -ga 好き ni ar-uうどん うどん の 好き-ni ar-u 彼 連体修飾では「で格実体」が「に」格に うどん の 好き-ni ar-u彼 移動する……格移動

  34. 複主体 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 彼 彼 うどん 好き うどん 好き de 好き ar- 好き de ni ni 格移動 ar- 格移動 連体修飾の場合 うどんの好きな彼 彼が好きなうどん の この二義性 をどう説明するか。 田中さんの好きな鈴木さん この2主体は属性に対して対等な関係にある。 田中さんが好きな鈴木さん つまり,どちらも感覚主体でありうるので二義 を生じている。

  35. 複主体 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 彼 彼 英語 お金 deki- ir- 動属性の場合 彼はお金が要る。 彼は英語が出来る。 語源 「要る」はもともと 「出来る」はもともと 「必要物の中に入る(イル)」の意。 「出現する・生成する」の意。 「彼」は場の主体 「彼」は場の主体 ……「に格」に置くこともできる。 ……「に格」に置くこともできる。 彼にお金が要る。 彼に英語が出来る。

  36. 複主体 複主体を4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  37. 複主体 複主体を4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  38. 複主体 [3] 態を含む構造 彼は英語が分かる。wak-ar- 彼は英語が読める。 yom-e- 彼は目が見える。mi-e-

  39. 複主体 [3] 態を含む構造 彼 英語 彼は英語が分かる。wak-ar- o 彼は英語が読める。 yom-e- wak- ni 彼は目が見える。mi-e- -ar- wak- : 区別する。理解する。 彼に英語が分かる。 別々にする。 属性一体化 彼 英語 o 彼に英語が分かる。 wak- -ar- 彼が英語が分かる。 複主体の出現 彼が英語が分かる。 (を)

  40. 複主体 [3] 態を含む構造 彼 英語 彼は英語が分かる。wak-ar- o 彼は英語が読める。 yom-e- yom- ni 彼は目が見える。mi-e- -e- 彼に英語が読める。 属性一体化 彼 英語 o 彼に英語が読める。 yom- -e- 彼が英語が読める。 複主体の出現 彼が英語が読める。 (を)

  41. 複主体 [3] 態を含む構造 彼 目 彼は英語が分かる。wak-ar- de 彼は英語が読める。 yom-e- mi- ni 彼は目が見える。mi-e- -e- 彼が目で見る +-e- 属性一体化 彼 目 彼が目で見る。 mi- -e- 彼が目が見える。 複主体の出現 彼が目が見える。

  42. 複主体 複主体を4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  43. 複主体 複主体を4種の構造に分けて考える。 [1]  ある主体が「単位構造」を属性とする構造 [2] 複数の主体が同一属性に立つ構造 [3] 態を含む構造 [4]  上置き構造を伴う構造

  44. 複主体 [4] 上置き構造を伴う構造 私 水 水 私 o nom- o ta nom- ta .k- .k- 私は水が飲みたい。 →上置き構造: 私が水を飲む 感覚主体 帯感主体 私は水が飲みたい。 「たい」: 上置き構造が現実世界に実現することを話者が望む。 「私」 感覚主体 「水」 帯感主体 上置き構造の論理関係を優先して表現することもできる。 私は水 を 飲みたい。

  45. 複主体 [4] 上置き構造を伴う構造 彼 水 彼 水 o nom- o ta nom- ta .gar- .gar- 彼は水を飲みたがる。 「たがる」: 上置き構造が現実世界に実現することを 話者以外の主体が望む。 複主体構造を構成しない。

  46. 複主体 終わり

  47. 複主体 正しい? ◎ 戻る

  48. 複主体 ◎ 戻る

  49. 複主体

More Related