150 likes | 313 Views
我が国の食料自給率の現状及び その向上への取組について. 平成20年3月 農林水産省. 総合食料局食料企画課. 我が国の食料自給率の動向. ○ 食料自給率は、国内の食料消費について国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標であり、示し方としては、 品目別自給率 、 穀物自給率 、 総合食料自給率(カロリーベース、生産額ベース) がある。 「食料自給率」 = (国内生産) ÷ (国内消費) ( ※ 生産が需要を上回り、その分が輸出に回れば 100% を超える)
E N D
我が国の食料自給率の現状及びその向上への取組について我が国の食料自給率の現状及びその向上への取組について 平成20年3月 農林水産省 総合食料局食料企画課
我が国の食料自給率の動向 ○ 食料自給率は、国内の食料消費について国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標であり、示し方としては、品目別自給率、穀物自給率、総合食料自給率(カロリーベース、生産額ベース)がある。 「食料自給率」 = (国内生産) ÷ (国内消費) (※生産が需要を上回り、その分が輸出に回れば100%を超える) ○ 自給率を示すため、農産物を共通の「ものさし」で計る必要があり、①重量、②生産額、③カロリー(供給熱量)がある。 ○ 我が国のカロリーベースの食料自給率は、平成18年度で39%となっており、長期的には低下傾向が続いている。また、主要先進国の中で最低の水準となっている。 主要先進国の食料自給率(カロリーベース) 食料自給率の動向 自給率計算式 穀物自給率 総合食料自給率 (重量ベース) 国民1人1日当たり国産熱量 [996kcal] 国民1人1日当たり供給熱量 [2,548kcal] カロリーベースの 食料自給率 = ×100 = 39% 主食用穀物の国内生産量 [959万トン] 60% 主食用穀物自給率 = ×100 = 主食用穀物の国内消費仕向量 [1,600万トン] (注)国内の畜産物については、飼料自給率を乗じ、輸入飼料による供給熱量分を控除。 (米、小麦、大・裸麦のうち、飼料用を除く。) 食料の国内生産額 [10.2兆円] 食料の国内消費仕向額 [14.9兆円] 生産額ベースの 食料自給率 穀物の国内生産量 [971万トン] = ×100 = 68% 飼 料 用 を 含 む 27% = ×100 = 穀 物 全 体 の 自 給 率 穀物の国内消費仕向量 [3,572万トン] (注)国内の畜産物及び加工食品については、輸入飼料及び輸入食品原料の額を国内生産額から控除。 (米、小麦、大・裸麦、とうもろこし等。飼料用も含む。) 1
その他 68% 100 品目別カロリー自給率 [%] 90 果実 86% 大豆 41% 供給熱量割合 総供給熱量 2,548kcal / 人・日 [%] [国産熱量 996kcal / 人・日] 供給熱量割合 総供給熱量 2,459kcal / 人・日 [%] [国産熱量 1,799kcal / 人・日] 野菜 100% 80 魚介類 110% 砂糖類 31% 70 28% 小麦 60 輸入部分 50 油脂類 33% 輸入飼料による 生産部分 米 100% 自給部分 40 畜産物47% 45% 【昭和40年度】 【平成18年度】 30 カロリーベース 食料自給率 73% 39% 20 10 0 0 20 40 60 80 100 食料自給率低下の背景 ○ 食料自給率の低下の要因は、国内生産の縮小というよりも、食生活の大きな変化により ・ 国内で自給可能な米の消費量が減少する一方、 ・ 国内で生産が困難な飼料穀物や油糧原料(大豆、なたね)を使用する畜産物や油脂の消費が増加したこと が大きな原因。 ☆国民が消費する食料(カロリーベース)の5割以上は米、畜産物、油脂類で賄われている状況 【国民1人1日当たり供給熱量の構成の推移】 ☆米が大きく減少し、畜産物・油脂類が大きく増加 ・米の消費の減少(ピーク時の約1/2) 1人1年当たり 118.3kg(昭和37年度) ⇒ 61.0kg(平成18年度) ・肉類の消費の増加(約5倍に増加) 1人1年当たり 5.2kg(昭和35年度) ⇒ 28.0kg(平成18年度) ・油脂類の消費の増加(約3.5倍に増加) 1人1年当たり 4.3kg(昭和35年度) ⇒ 14.5kg(平成18年度) ※平成18年度は概算値 2
食料輸入をめぐる状況 主な輸入農産物の生産に必要な海外の作付面積 主要先進国の人口と農用地面積 人口に比べ農地が狭く平坦でないといった不利な国土条件を有する我が国では、食生活の変化に伴い消費が増大している畜産物や油脂類の生産に必要な ・ 飼料穀物(とうもろこし等) ・ 油糧原料(大豆、なたね等) の十分な生産が困難であり、輸入に依存せざるを得ない状況 現在、我が国が輸入している主な農産物の生産に必要な海外の農地面積は、国内農地面積(467万ha)の約2.7倍に相当する1,245万ha 今の食生活では輸入に依存せざるを得ない 数値は日本が2006年、その他の国が2003年 3
食生活の変化と食料自給率の変化 ○ 食生活の変化を食料消費の推移で比較すると、昭和40年と現在では ・ 米については、1日5杯だったものが、1日3杯 ・ 牛肉については、月1回だったものが、月3回 ・ 植物油については、1.5kgボトルで年3本だったものが、年9本 となっているなど、食生活の変化とともに、品目別の食料消費量が大きく変化してきたことがわかる。 昭和40年度当時 ※ 73% 牛肉料理 (1食150g換算) 月1回 豚肉料理 (1食150g換算) 月2回 植物油 (1.5kgボトル) 年に3本 たまご料理 3週間で 1パック 牛乳 (牛乳びん) 週に2本 野菜 1日300g程度 (重量野菜多い) 果実 1日80g程度 (りんごが3割) ごはん 1日5杯 魚介類 1日80g程度 昭和55年度当時 ※ 53% 1日110g程度 (みかんが約4割) 1日100g程度 1日310g程度 (緑黄色野菜増加) 2週間で 1パック弱 1日4杯 月2回 月5回 週に3本 年に7本 平成18年度 ※ 39% -輸入物増- -輸入物増- 1日110g程度 2週間で 1パック強 1日260g程度 (緑黄色野菜以外は減少) 1日90g程度 年に9本 1日3杯 月3回 月6回 週に3本 4 ※カロリーベースの食料自給率
食生活の変化をめぐる様々な問題 ○ 我が国の食料消費については、かつて、米、野菜、魚、大豆を中心とした伝統的な食生活のパターンに、肉類、牛乳・乳製品、油脂、果実が豊富に加わって、多様性があり、かつ栄養バランスが優れたいわゆる「日本型食生活」が実現していた。 ○ しかしながら、米の消費量が大きく減少する中で、食料自給率が大きく低下するとともに、脂質の摂取過多など栄養バランスの崩れによる国民の健康への影響が懸念される状況になってきている。また、食習慣の乱れなども大きな問題となってきている。 ☆ 食品の廃棄や食べ残しの増加 ☆ 食生活の変化 → 食料自給率の低下 これに加え、栄養バランスの崩れ ○ 食生活におけるPFCバランスの推移(供給ベース) ○ 供給熱量(食料需給表)と摂取熱量(国民栄養調査)の推移 昭和40年度 昭和55年度 平成18年度 P 13.0 P 12.9 P(たんぱく質) 12.2 C 61.5 F 25.5 F 29.1 F(脂質) 16.2 C 58.0 C(炭水化物) 71.6 生活習慣病の増加(平成14年) 糖尿病患者数:228万人(昭和62年の約2倍) 高血圧性疾患:699万人 国民医療費の増加(平成14年度) 総額31兆円(昭和60年度の約2倍) (資料)農林水産省「食料需給表」、厚生労働省「国民健康・栄養調査」 (注)1.酒類を含まない。 2.両熱量は、統計の調査方法及び熱量の算出方法が全く異なり、単純には比較できない ため、両熱量の差はあくまで食べ残し・廃棄の目安として位置付け。 供給熱量に対する両熱量の差分は、食品の廃棄・食べ残しの目安になり、その差分は昭和42年度の12%から平成17年度の28%へ拡大していることから、食品の廃棄・食べ残しは増加していると考えられる。 5
(参考)食事内容による食料自給率の違い ○ 食料消費の変化の大きな要因としては、経済成長に伴う生活水準の向上、ライフスタイルの変化等により食事の内容が変化し、従来、和食中心であったものが、洋風化、多様化してきたことが考えられる。 ○ 米を中心とした和食と洋食・中華等では使用される原料が大きく異なっており、結果的に、このような食事内容の変化が食料自給率の低下につながっている。 6
食料・農業・農村基本法における食料自給率等の位置付け食料・農業・農村基本法における食料自給率等の位置付け ○ 食料・農業・農村基本法における食料自給率目標の取扱い 食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号)(抄) 第二条 2 国民に対する食料の安定的な供給については、世界の食料需給及び貿易が不安定な要素を有していることにかんがみ、国内農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行わなければならない。 4 国民が最低限度必要とする食料は、凶作、輸入の途絶等の不測の要因により国内における需給が相当の期間著しくひっ迫し、またはひっ迫するおそれがある場合においても、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じないよう、供給の確保が図られなければならない。 第十五条 2 基本計画は次に掲げる事項について定めるものとする。 二 食料自給率の目標 3 前項第二号に掲げる食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定めるものとする。 第十九条 国は、第二条第四項に規定する場合において、国民が最低限度必要とする食料の供給を確保するため必要があると認めるときは、食料の増産、流通の制限その他必要な施策を講ずるものとする。 7
食料・農業・農村基本計画における食料自給率目標の考え方食料・農業・農村基本計画における食料自給率目標の考え方 ①カロリーベース ①カロリーベース 平成22年度45% 平成15年度40% 平成27年度45% 平成9年度 41% 基本的には、5割以上を目指す 野菜、果実、 魚介類等 14.7% 野菜、果実、 魚介類等 14.5% 【実績】 H11~H15年 40%で横ばい 野菜、果実、 魚介類等 13.0% 野菜、果実、 魚介類等 12.8% 畜産物 4.3% 畜産物 4.0% 畜産物 2.6% 畜産物 2.5% 小麦・大豆2.8% 小麦・大豆2.4% 小麦・大豆1.5% 小麦・大豆2.3% 米 23.3% 米 24.3% 米 24.0% 米 22.1% 平成9年度 71% 平成22年度74% 平成15年度70% 平成27年度76% 【実績】 H11~H15年 69%~72%で推移 野菜、果実、 魚介類等 42.9% 野菜、果実、 魚介類等 39.9% 野菜、果実、 魚介類等 37.8% 野菜、果実、 魚介類等 38.9% カロリーが低い野菜、果実や飼料自給率が低い畜産物の生産活動を適切に評価 畜産物 19.1% 畜産物 15.9% 畜産物 17.8% 畜産物 14.0% 小麦・大豆 0.4% 小麦・大豆 0.4% 小麦・大豆 0.3% 小麦・大豆 0.5% 米 16.9% 米 17.0% 米 15.4% 米 14.9% 基本的には、5割以上を目指す ○45%目標(27年度)が実現し た次の段階に実現が見込まれ るよう条件整備を推進 新たな国産農産物の需要先の開拓 ・輸出の更なる拡大 ・革新的な新技術を通じた生産性の大幅な向上等 ②金額ベース(参考) ②生産額ベース(①と同等の目標) 8
消費面に関して重点的に取り組むべき事項と具体的な対応方向 消費面に関して重点的に取り組むべき事項と具体的な対応方向 ○今回の食料自給率目標の策定に当たっては、旧目標の達成状況の検証と課題を踏まえつつ、今後、重点的に取り組むべき事項を明確化したところ。 ○ また、施策の推進に当たっては、工程管理を適切に実施し、施策の評価を行い、翌年以降の施策の改善に反映させていくことが必要。 ○ 食料消費の面においては、より分かりやすい、実践的な「食育」と「地産地消」の全国展開、国産農産物の消費拡大の促進、国産農産物に対する消費者の信頼の確保等に特に力をいれて対応していく必要がある。 重点的に取り組むべき事項 対応方向 ・ 一層多くの国民が、自らの食生活を見直し、栄養バランスの改善等に向け具体的な行動を容易に起こすことができるように推進。 ・ 食事バランスガイドの策定及びこれを活用したより分かりやすく実践的な食育の取組を国民的運動として展開するとともに、地産地消の取組を推進。 分かりやすく実践的な「食育」と「地産地消」の全国展開 ・ 米を中心に多様な副食から構成され、栄養バランスが優れた「日本型食生活」の実践を促進する観点に立って、米、野菜、果実等の消費拡大の取組を推進。 ・ 特に、国内で自給可能な農産物である米の消費拡大が図られるよう、米需要の実態やその変化に対応し、消費拡大運動の明確化・重点化や、新規需要の開拓等を推進。 • 国産農産物の消費拡大の促進 ・ 国産農産物が一層消費者から選択されるものとなるよう、生産者・事業者による食品の安全性向上に向けた取組の促進、食品表示やトレーサビリティ・システムを通じた国産農産物に関する情報提供を充実化。 • 国産農産物に対する消費者の信頼の確保 9
農業生産面に関して重点的に取り組むべき事項と具体的な対応方向 農業生産面に関して重点的に取り組むべき事項と具体的な対応方向 ○ 農業生産面においては、経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産の促進、食品産業と農業の連携の強化、効率的な農地利用の推進等に特に力をいれて対応していく必要がある。 重点的に取り組むべき事項 対応方向 ・ 消費者・実需者ニーズに的確に対応した農業生産が行われるよう、経営感覚に優れた担い手の育成・確保に向けて各種施策を集中的・重点的に実施。 ・ 担い手が、地産地消や消費者への直接販売、異業種の知恵を活用した技術開発や新規販路の開拓への取組を含め、主体性と創意工夫を十分発揮できる環境を整備。 経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産の促進 ・ 加工・外食向けの農産物需要が今後とも増大することが見込まれる中で、食品産業によって国産農産物が選択されるよう、食品産業と農業を結びつけるコーディネーターの育成・確保や加工・外食用需要に対応した産地サイドの取組の推進等を通じて、食品産業と農業の連携を促進。 食品産業と農業の連携の強化 ・ 農業生産にとって最も基礎的な資源である農地が最大限に利用され、需要に即した国内農業生産が増大するよう、担い手への農地の利用集積や新規参入の促進、農業生産基盤の整備等を通じて、不作付地・耕作放棄地の解消等を含め、農地の効率的な利用と利用率の向上に向けた取組を促進。 効率的な農地利用の推進 10
食料自給率向上に向けた戦略的対応の強化 取組の強化 従来の取組 最近の食料をめぐる情勢の変化 食料自給率向上に効果が高い4つの重点品目、6つの重点事項に取組を集中 食料自給率は低下し39%(カロリーベース)。45%の目標達成は危機的状況 ① 国際食料需給の引き締まり ・バイオエタノール・開発途上国の経済発展により穀物価格が上昇 ・飼料価格の上昇 ○ 国民の食料自給率向上への関心が深まるよう、メディアミックス(多様なメディアを効果的に組み合わせた広報)の手法を活用するなどの戦略的な広報活動を実施 【食料自給率戦略広報推進事業 1,700百万円】 ○ パンフレット・ホームページ等による情報提供 ○ 内閣府政府広報等の活用 食料自給率に関する戦略的広報の推進 ② 食の安全に関する関心の高まり ・消費者の食に対する志向のうち最も高いのは「健康と安全」 消費面の取組 ○ 「食事バランスガイド」を活用した食育の推進 ○ 食事バランスガイドと教育ファームの展開による食育の一層の推進 食育の推進 ③ 環境に関する意識の高まり ・海外からの農産物輸入の増加に伴う二酸化炭 素の排出量の増加、間接的な水輸入量の増加 (フードマイレージ・バーチャルウォーター) ・食品廃棄物の有効活用の必要 (本年6月には、食品リサイクル法が改正) ○ 食育の推進における食生活全体の中でのごはん食の推進 ○ 米飯学校給食の推進 ○ 米の消費拡大が期待される、「朝ごはんビジネス」の支援等(関連業界等と連携) 米の消費拡大 ○ 油脂類の使用を大きく節約できる業務用フライヤーの普及に向けた食品産業界への働きかけの実施 油脂類の過剰摂取の抑制等 ④ 栄養バランスの悪化 ・脂質の摂取割合の増加 ・メタボリックシンドロームの増加 (成人男性の2人に1人はメタボリックシンドロームの疑いがあるかあるいはその予備群) ○ 食育の推進による脂質の過剰摂取の抑制 ○ 緑肥作物の飼料への転換、耕作放棄地や水田裏における飼料作物作付の普及・促進 【粗飼料増産未利用資源活用促進対策事業 424百万円】 【国産粗飼料増産対策事業 1,822百万円】 ○ リサイクル・ループ(※)の活用等によるエコフィードの増産(※食品関連事業者と農業者等が連携して食品廃棄物を飼料等として再生利用し、得られた畜産物等を利用する循環型の取組) 【エコフィード緊急増産対策事業 792百万円】 ○ 耕畜連携の強化等による飼料増産の推進 ○ エコフィード(食品残さの飼料化)の理解醸成 (シンポジウムの開催、安全性ガイドラインの策定等) ⑤ 耕作放棄地の増加 ・耕作放棄地は38.6万haまで増加 (平成7年 24.4万ha ⇒ 平成17年 38.6万ha) 飼料自給率の向上 生産面の取組 ⑥ 食の外部化の進展 ・中食等、調理食品への支出の増加 ・業務用・加工用野菜の需要の増加と国産野菜等の対応の遅れ (主要野菜の加工・業務用に占める国産の割合) 平成2年 88% ⇒ 平成17年 68% ○ 加工・業務用のモデル産地形成を促進、新たな品目の追加等による対応の強化 【加工・業務用対応型園芸作物生産流通拡大事業 54百万円】 ○ 強い農業づくり交付金については、加工・業務用野菜の需要に取り組む産地の共同利用施設の整備等を強化 野菜の生産拡大 ○ 加工・業務用需要に対応した野菜生産に関するガイドラインの作成・普及 ⑦ 海外における日本食ブーム (太字は20年度予算要求において新規・拡充要求している事項) その他 ○ 食料の未来を描く戦略会議と連携、国民へのメッセージの効果的な発信(打ち出されるメッセージを各種広報に活用、一貫性のある効果的な情報発信を図る) ○ 農林水産物・食品の輸出促進(「我が国農林水産物・食品の総合的な輸出戦略」に沿った総合的な取組を推進する) ○ 耕作放棄地対策の一層の推進(5年程度を目処に、農業上重要な地域を中心に耕作放棄地ゼロを目指す) ○ 大臣官房に「食料安全保障課」(仮称)を新設(食料自給率向上対策の推進体制の充実・強化) 11
食料の安定供給の確保(基本理念) 平常時における安定供給 不測時の食料安全保障 食料自給率目標の実現に向けて の需要に対応した国内農業生産 の増大の取組 農地・農業用水等の確保・整備、担い手の確保・育成、農業技術水準の向上等による食料供給力の確保・強化 食料自給率目標の実現 不測時における生産転換等の円滑かつ確実な実施 不測時の食料安全保障と食料供給力 ○ カロリーベース及び生産額ベースのいずれの場合にも、食料自給率は、平時の食生活とそれを前提とした国内生産を反映したものであり、量より質を求める消費者ニーズや、無駄や廃棄を伴う食生活の在り方に左右される面がある。したがって、食料自給率の水準は、国内農業が不測の事態においても国民に最低限度必要な食料を供給できるかどうかを直接的に示すものではない。 ○ 一方、食料自給率の目標を策定し、その達成に向けて、必要な農地、農業用水等の農業資源の確保、農業の担い手の確保及び育成、農業技術水準の向上等を図ることは、国民が最低限度必要とする食料の供給の確保につながるものであり、これらの取組を通じて食料供給力の確保を図っていくことが重要である。 ○ 食料自給率と不測時の食料安全保障 ○ 食料・農業・農村基本計画における食料供給力の考え方 食料・農業・農村基本計画(平成17年3月25日閣議決定) (抄) 第2 食料自給率の目標 2.食料自給率の目標の設定に当たっての基本的考え方 (1)食料安全保障の確保と食料供給力の強化 (略) 食料自給率の目標を策定し、その達成に向けて、我が国の気候風土に根ざした持続的な生産装置である水田を始めとする農地や農業用水等の必要な農業資源の確保、農業の担い手の確保及び育成、農業技術水準の向上等を図ることは、国内の農業生産の増大や不測時における食料安全保障の確保につながるものであり、これらの取組を通じて国内農業の食料供給力の強化を図っていくこととする。 12
○ なお、国内における需給が長期間にわたり著しくひっ迫するような不測の事態が発生し、国民が最低限度必要とする食料を確保するため必要があるときは、不測時の食料安全保障マニュアルや関係法令等に基づき、○ なお、国内における需給が長期間にわたり著しくひっ迫するような不測の事態が発生し、国民が最低限度必要とする食料を確保するため必要があるときは、不測時の食料安全保障マニュアルや関係法令等に基づき、 ① 熱量効率の高い作物への生産転換等による食料の増産 ② 必要な物資について割当て・配給 等の措置を講ずることとしており、平素からそのための体制を点検・整備しておくことが必要である。 13
(参考)国内生産のみで2,020kcal供給する場合の一日の食事のメニュー例(参考)国内生産のみで2,020kcal供給する場合の一日の食事のメニュー例 2日に1杯 朝 食 うどん (小麦53g/日分) 2日に1杯 みそ汁 (みそ9g/日分) 粉吹きいも1皿 (じゃがいも2個・300g分) ぬか漬け1皿 (野菜90g分) 茶碗1杯 (精米75g分) 3日に2パック 昼 食 納豆 (大豆33g/日分) 6日にコップ1杯 蒸かしいも1個 (じゃがいも1個・150g分) 焼きいも2本 (さつまいも2本・200g分) 果物 (りんご1/4・50g分相当) 牛乳 (牛乳33g/日分) 夕 食 7日に1個 たまご (鶏卵7g/日分) 9日に1食 焼きいも1本 (さつまいも1本・100g分) 焼き魚1切 (魚の切り身84g分) 茶碗1杯 (精米75g分) 食肉 (肉類12g/日分) ○PFCバランス P:12(13)、F:10(29)、C:78(58) ※( )内は平成15年度の値 調味料(1日分) 砂糖小さじ6杯、油脂小さじ0.6杯 14