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海外メーリングリストの議論を追う

海外メーリングリストの議論を追う. 常磐大学人間科学部  栗山 正光. DRF の機関リポジトリ中堅研修 2012 年 9 月 27 日(木) @国立女性教育会館. OA/IR に関する主なメーリングリスト. BOAI Forum Global Open Access List (GOAL) JISC-REPOSITORIES LIBLICENSE-L Open Knowledge Foundation (OKFN) open-access Sparc Open Access Forum (SOAF) #今回は GOAL での最近の議論を取り上げて紹介.

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海外メーリングリストの議論を追う

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Presentation Transcript


  1. 海外メーリングリストの議論を追う 常磐大学人間科学部 栗山 正光 DRFの機関リポジトリ中堅研修 2012年9月27日(木) @国立女性教育会館

  2. OA/IRに関する主なメーリングリスト • BOAIForum • Global Open Access List (GOAL) • JISC-REPOSITORIES • LIBLICENSE-L • Open Knowledge Foundation(OKFN) open-access • Sparc Open Access Forum (SOAF) #今回はGOALでの最近の議論を取り上げて紹介

  3. Global Open Access List (GOAL) • 前身はAmerican Scientist Open Access (AmSci) Forum • 管理者:Stevan Harnad (1998-2011) • 2011年12月、管理者がRichard Poynderに交代すると同時に名称も変更 • 特にOAの実現方策に関する議論が活発 • 論争の中心は相変わらずHarnad • 他のメーリングリストとのクロスポストも多い • 特にHarnad

  4. 主な登場人物 • Stevan Harnad • グリーンOA論者 • 機関リポジトリへのセルフアーカイブ義務化を主張 • Jan Velterop • ゴールドOA論者 • OA出版社BioMed CentralやSpringer Open Choiceの設立に活躍 • Peter Murray-Rust • ケンブリッジ大の化学者 • OA論文と称するものの多くがテキストマイニングに利用できないのが不満

  5. 議論の背景:2011年末~2012年初の動き(1) • Research Works Act (RWA)(研究著作法案) • 連邦政府助成研究のOA義務化を禁止する法案 • 成立するとNIHPublic Access Policyは変更を迫られる • 2011年12月、アイサ、マロウニー両下院議員が提出 • アメリカ出版協会(AAP)はこの法案を支持、しかしMIT Press、ロックフェラー大学出版局、ネイチャーグループなどが次々と反対や中立を表明 • エルゼビア社の法案支持に激しい反発 • ボイコット運動に発展→支持撤回 (Academic Spring) • 結局、法案は不成立(2月末)

  6. 議論の背景:2011年末~2012年初の動き(2) • FRPAA(連邦政府助成研究OA化法案)再提出(2012年2月) • Alliance for Taxpayer Access(SPARC主導の組織)が支持活動を展開 • 52人のノーベル賞学者が支持の書簡(2012年3月) • 81の学術出版社が反対表明(2012.3.5)

  7. トピック1:公共アクセスか研究アクセスか(1)トピック1:公共アクセスか研究アクセスか(1) • 2012年3月26日、Rockefeller University Press のMike Rossner がLiblicenseにFRPAA支持の投稿→GOALにも転載 • Richard Poynderがさっそくインタビュー(3/28) • 同日、Harnadが“public access”をOA推進の根拠にするのは公的資金による助成研究に対しては有効だが、すべての研究が公的助成を受けているわけではない、との投稿 • 「研究者のアクセスを最大化する」がすべての研究に適用できる根拠

  8. トピック1:公共アクセスか研究アクセスか(2)トピック1:公共アクセスか研究アクセスか(2) • Wilhelmina Randtkeが「研究者」の定義が重要と指摘 • Peter Murray-Rust が「公衆」と「研究者」を区別することは受け入れがたいと反発 • Harnadは「研究者」は学術機関所属の者に限らないと説明 • 4月27日、議論再燃 • 研究者はアクセスが保証されており、OAは一般大衆に向けてのものという意見に対し、Harnadが反論

  9. トピック1:公共アクセスか研究アクセスか(3)トピック1:公共アクセスか研究アクセスか(3) • Harnadは公衆のアクセス要求があるのは医学などごく一部の分野であること、購読料がまかなえない研究機関、研究者が多く存在することを指摘 • Arthur Saleが公衆をOAのターゲットからはずすことはできないと主張 • Murray-Rust、 Velteropが賛同 • Harnadは、研究者を説得する根拠、戦略を論じているのだと反論 • Velteropが象牙の塔を復活させると反発 • Harnadはイデオロギーではなく実際的な議論が必要と主張 • Velteropは研究者は理屈通り動かないと指摘 (...)

  10. トピック2:英国政府がウィキペディア創設者Jimmy WalesをOAの顧問に迎える? • 5月2日、Richard Poynderがガーディアン紙の報道をGOALに伝える • Andrew A. Adams の反発 • Jan Velterop がOAの推進のためには有名人の関与も歓迎と反論 • Bernard Rentierが「OA=ピアレビューの否定」という誤解につながると懸念を表明 • Harnad(反対)とVelterop(賛成)のやり取り • VelteropがWalesは無料奉仕であることを指摘したら、議論は即終了

  11. トピック3:Finch Report後の議論(1) • Finch Report • 2012年6月18日発表 • ゴールドOAを推奨、グリーンOAは補助的な位置づけ • OA移行には年5~6千万ポンド(62.5~75億円)の追加費用が必要と見積もる • 6月19日、ハーナッドが批判の投稿 • Finch Reportは英国の研究者ではなく出版産業の利益に奉仕するトロイの木馬

  12. トピック3:Finch Report後の議論(2) • Murray-Rust が出版社がセルフアーカイブを認め続ける保証があるのか疑問を呈する • Velteropが出版社は嫌々認めているだけ、ゴールドOAこそ確実な道と主張 • HarnadはOAへの圧力が高まっている今、出版社が後戻りすることは不可能と説明、エルゼビア社の矛盾した(?)セルフアーカイブ方針に矛先を向ける • Alicia Wiseが方針に沿って機関と協定を結んでいることを説明

  13. トピック3:Finch Report後の議論(3) • Murray-Rust がOAの定義を問題にする • HarnadがGratis OAとLibre OAについて説明 • Gratis(無料)OA:無料で読めることにより経済的な障壁を取り去るもの • Libre(自由)OA:二次利用の許諾まで含むもの • VelteropがBOAIにはそんな定義はなく、自由に二次利用できるものだけがOAであると主張 • Murray-Rustは、HarnadとSuberが勝手に決めた定義ではないかと攻撃 • Hélène BoscがHarnadを擁護

  14. まとめ • OA/IRに関する海外のメーリングリスト • GOALではHarnadを中心にOA実現方策に関する議論が盛ん • 2011年末から、米国ではRWA、FRPAAといったOA法案に関する動きが活発 • OAのターゲットは一般市民か研究者かの議論 • 英国政府のウィキペディア創設者招聘をめぐる議論 • Finch Report後のOAの戦略や定義をめぐる議論

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