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A. 戦う研修医のための カンファ. 『 頭痛 』 と戦う!. ~“緊急性の高い頭痛”にプラス α してみよう~. 頭痛の国際分類. 一次性頭痛の分類. 片頭痛. 緊張型頭痛. 片頭痛. 思春期発症が多いが、あらゆる年齢に起こる 女性の方が男性より約 4 倍多い 全ての再発性頭痛症候群の中で最も重度の痛みを生じる 前兆の性質が特徴的であり、詳細な問診を必要とする 約 50 %が非拍動性頭痛をもつ 約 40 %は両側性の頭痛である. 片頭痛の前兆の性質. 片頭痛の症状の特性. 片頭痛の問診“ POUND ”. P ulsating( 拍動性 )
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A 戦う研修医のための カンファ 『頭痛』と戦う! ~“緊急性の高い頭痛”にプラスαしてみよう~
一次性頭痛の分類 片頭痛 緊張型頭痛
片頭痛 • 思春期発症が多いが、あらゆる年齢に起こる • 女性の方が男性より約4倍多い • 全ての再発性頭痛症候群の中で最も重度の痛みを生じる • 前兆の性質が特徴的であり、詳細な問診を必要とする • 約50%が非拍動性頭痛をもつ • 約40%は両側性の頭痛である
片頭痛の問診“POUND” • Pulsating(拍動性) • hOurs(4~72時間) • Unilateral(片側性) • Nausea(吐き気) • Disabling(何もする気が起こらなくなる) 4項目以上⇒片頭痛の可能性が極めて高い 2項目以上⇒片頭痛の可能性が低い
片頭痛の治療原則 • 睡眠 • ストレス • 食事 • くすり • その他
片頭痛の急性期治療 日本神経学会 慢性頭痛治療ガイドライン(臨床神経 42; 330-360, 2002) • Group 1(確実な有効性) トリプタン系製剤 アセトアミノフェン+アスピリン、アスピリン、イブプロフェン • Group 2(ほぼ確実) クロルプロマジン(静注)、ナプロキセン • Group 3(不確実) エルゴタミン、アセトアミノフェン、メトクロプラミド • Group 4(無効) • Group 5(不明)
各トリプタンの特徴 • レルパックス: 確実な効果、半減期の長さ(再発しにくい) • イミグラン: 即効性、ペインフリー効果 • マクサルト: 味、立ち上がりの早さ、飲みやすさ • ゾーミッグ: 携帯のしやすさ、立ち上がりの早さ
予防が必要な場合 • 片頭痛発作の頻度が多い • 頓用薬無効 • 急性期治療薬が使用できない • 急性期治療薬の頻用
緊張型頭痛 • 一般的に月に数回生じ、両側性の絞められるような痛みと表現される • 持続時間は30分から7日間とバラバラ • 吐き気や嘔吐などの前兆はない • 通常の活動では増悪しない • より頻回の緊張型頭痛に侵されている人は、頭痛の無い群と比べ、より高いストレス認識レベルとより低い疼痛閾値をもつ • 活動に支障を来たすことはめったにない
緊張型頭痛の治療 • 適度な運動 • ストレス対策 • 姿勢のチェック・矯正 • 寝具に注意 • 薬物療法
緊張型頭痛に有効とされる薬 • エビデンスレベルA(高い効果) NSAIDS • エビデンスレベルB(ある程度有効) 抗うつ薬(アミトリプチリン、ミアンセリン、マプロチリン) • エビデンスレベルB/C(あまり効果なし) チザニジン、エチゾラム
見逃せない“5 headache” 生命の危険性あり! 失明の可能性あり!
頭痛に重要な3つの質問 突発! 増悪! 最悪! • 以上の質問に対してすべて「いいえ」で答えた場合、危険な頭痛(脳血管障害、脳腫瘍、髄膜炎)はほぼ100%否定できる! Basugi A, Ikusaka M, Mikasa G, et al. Usefulness of three simple questions to detect red flag headaches in outpatient settings. Japanese Jounal of Headache 2006; 33: 30-3. より
くも膜下出血 • 主にWillis動脈輪の嚢状動脈瘤の破裂により起こる(約80%) • 1cm以上の動脈瘤の破裂率は0.5%/年 • 破裂の大多数は40~65歳の患者に生じる • SAHの死亡率は約50% • 「頭痛+発熱+項部硬直」といった髄膜炎様の症状を呈することがある • Typical is atypical/Atypical is typical
こいつは恐い!『警告頭痛』 • 10~50%に、SAHに先行する数週間に警告または見張り頭痛があるといわれている • 要注意はsentinel bleeding! • この頭痛は通常SAHのような雷鳴頭痛と同種であるが、24時間以内に消失する • 警告頭痛がある患者の約50%が、その頭痛の時点で実際に医療機関を受診 している
エビデンスを組み合わせてみましょう • SAHはERの頭痛患者のうち1~4%を占める • ERの頭痛患者のうち『人生最悪の頭痛』を訴える患者の12%、『人生最悪の頭痛』+『神経症状あり』の患者の25%にSAHを認める • 典型的な症状が揃うことは少ない(頭痛90%、項部硬直74%、意識障害60%、昏睡27%) • 頭部CTの感度は時間とともに低下する • 髄液中の赤血球やキサントクロミーの検査は、血管造影に次いで最も正確な診断法である
髄膜炎の身体所見 〔髄膜炎の診断における身体所見の感度〕 〔髄膜炎の重症度別身体所見〕
側頭動脈炎 • 大動脈弓部(特に外頸動脈)など中~大血管の炎症性疾患である • 50歳以上、白人、男性:女性=1:2~3 • 頭痛の他、発熱、貧血(慢性炎症パターン)、疲労感、体重減少など漠然とした症状を呈することが多い • 特徴的な症状として顎跛行と失明がある • リウマチ性多発筋痛症の15%に側頭動脈炎が、側頭動脈炎の60%にリウマチ性多発筋痛症がある
エビデンスを組み合わせてみましょう • ESRは側頭動脈炎の除外に有用(感度96%) ・ESR異常:LR+1.1、LR-0.2 ・ESR>50mm/時:LR+1.2、LR-0.35 ・ESR>100mm/時:LR+1.9、LR-0.8 • 側頭動脈超音波が行われることもあるが、生検を回避できるほどの特異度はない • 診断のゴールドスタンダードは側頭動脈生検 • 側頭動脈生検の感度85%、特異度100%(LR+∞、LR-0.15)
その他の注意点(頭痛のred flag ) ◆今までの頭痛と根本的に違う,進展する。初めての、また は最強の頭痛 ◆急激発症の頭痛(5分以内に最強点に達する超急性のも の。睡眠から目覚めてしまうものも含む) ◆ 全身症状(発熱、るいそう、痙攣) ◆神経局在所見を1時間以上伴う頭痛 ◆ 5歳未満、50歳以上の初めての頭痛 ◆癌を持つ患者、免疫不全患者、妊婦の初めての頭痛 ◆意識障害や意識消失を伴う頭痛 ◆運動、性行為、バルサルバ法により誘発された頭痛 ◆最近の頭部外傷