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医真菌学

医真菌学. 2008年4月24日 日本大学医学部3年生. 真菌学. 菌類学ー植物学 基礎真菌学ー酵母を使った生化学 応用真菌学ー醸造学 医真菌学ー真菌による疾患の研究. 真菌感染症. 表在性真菌症=主に皮膚科疾患,粘膜に生じるものは産婦人科,消化器科,歯科,耳鼻科疾患など 深在性真菌症=あらゆる科に関わる.          特に免疫低下時の日和見感染          難治性で生命に関るものが多い. 001. 動物・植物とは独立した界  Kingdom である 自然界のあらゆるところに存在し、従属栄養である(腐生菌) 二次代謝産物が多い→発酵

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医真菌学

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  1. 医真菌学 2008年4月24日 日本大学医学部3年生

  2. 真菌学 • 菌類学ー植物学 • 基礎真菌学ー酵母を使った生化学 • 応用真菌学ー醸造学 • 医真菌学ー真菌による疾患の研究

  3. 真菌感染症 • 表在性真菌症=主に皮膚科疾患,粘膜に生じるものは産婦人科,消化器科,歯科,耳鼻科疾患など • 深在性真菌症=あらゆる科に関わる.          特に免疫低下時の日和見感染          難治性で生命に関るものが多い

  4. 001 動物・植物とは独立した界 Kingdomである 自然界のあらゆるところに存在し、従属栄養である(腐生菌) 二次代謝産物が多い→発酵 一部のものがヒトや動物に寄生→真菌症

  5. 004

  6. 真菌の分類

  7. 003

  8. Sabouraud培地 グルコースおよびペプトンのみよりなる 真菌培地 RaymondSaouraudが開発 (三郎ではない)

  9. 木下杢太郎 (太田正雄)1885-1945 • 足白癬に白癬菌を証明 太田母斑

  10. 真菌の構造 • 菌糸 hyplae 細長い糸状の細胞で、集合体を菌糸体myceliumという.栄養菌糸と気中菌糸よりなる。 • カンジダのように分枝により増殖するものは仮性菌糸pseudohuplaeという • 胞子 spore: 真菌の増殖に関わる。 • 有性胞子と無性胞子がある • 分生子: 菌の先端や側方に形成される胞子  大分生子:多核、小分生子:単核

  11. 真菌の構造 続き • 細胞壁の主成分はキチンchitinである • リソゾーム,グリコーゲン顆粒,プラスミド • 1-2個の核があり、細胞質は隔膜で分節 • 但し、接合菌は多核であり、子嚢菌や担子菌でも隔壁の間に細胞質流動がある

  12. 真菌の生殖 • 無性生殖あるいは有性生殖 • 生殖細胞(半数体)→Plasmogamy 細胞質融合→二核細胞 →karyogamyによる二倍体形成(倍数体)→減数分裂 • 半数体は無性的に胞子を形成し自己を複製 (分生子)

  13. 有性胞子 • 雌雄の配偶子の接合により生じる • 子嚢の中に8個形成される • 子嚢の構造や形態で分類可能

  14. 接合菌 Zygomycota • 接合胞子により有性生殖する • キチンの代わりにキトサンが細胞壁を形成 • 最も原始的な真菌である • 好適な菌と出会った場所で、両者の菌糸が接近し、菌糸の先端がふくらみ、その両者が接合して、中間に球形の接合胞子のうが作られる。 • 減数分裂は、接合胞子の中で行われる • 紹興酒をつくる紅麹(クモノスカビ) • ムコール症 mucormycosis phycomycosis の原因となる(重症糖尿病に合併) • コクイシジオイデス肺炎の原因

  15. コクシジオイデス症 • 接合菌の一つであるCoccidioides immitis感染症 • 深在性真菌症の中で最も感染力が強い • 米国やアルゼンチンからの輸入感染症 • インフルエンザ様症状、発熱、多形滲出性紅斑肺に空洞、血行散布→進行性全身性コクシジオイデス症から死亡することもあるが自然治癒も多い

  16. ムコール症 mucormycosis • Absidia, Rhizopus, Mucor種が病原菌である。 • 種々の臨床症状が知られており、頭蓋-顔面型(糖尿病性アシドーシス)、肺型(糖尿病、白血病)、胃腸型(クワシオルコル)、播種型(白血病)、皮膚型(糖尿病、火傷)がある。診断は肉眼解剖学的に行なわれることが多い。 • 菌は隔壁がなく、枝分かれしており、脈管に侵入する。Gomori-Grocott染色でよく染まる。経過は殆どが致死性である。もしも生存中の患者に診断がなされた場合は、唯一有効な抗真菌剤であるamphotericine Bを用いる。

  17. 子嚢菌 sac fungi • 有性生殖の間に子嚢ascusを形成し、そのなかに子嚢胞子ascosporesを作り,放出 • 分生子(conidia)を形成 • 無性世代(不完全世代=アナモルフ)と有性世代(完全世代=テレオモルフ)を繰り返す。 • 分類学上最も大きなグループである • 酵母(出芽酵母、分裂酵母)、カビ(アオカビ、コウジカビ、アカパンカビ)や、一部のキノコ(アミガサタケ、トリュフ),白癬(水虫),カンジダ,Pneumocystis sp.,地衣(子嚢菌と藍藻の共生)

  18. Sac fungi

  19. 皮膚糸状菌 Dermatophytes • 皮膚、爪、毛など角質に富んだ器官を限局的に侵す菌群 • A) genus Microsporum 小胞子菌属:14種 • B) genus Trichophyton白癬菌属:12種 • C) genus Epidrtmophyton 表皮菌属:2種 • 形態と培養性状 サブロー培地に綿毛状集落。特殊な形態の菌糸:ラケット状、らせん状、結節状器官、シャンデリア状菌糸、櫛状体

  20. 病原性白癬菌 • Trichophyton ruburum・Tmentagrophytes: 最も一般的 • T. tonsurans:10代の柔道・レスリング選手に流行(試合で感染) • T.Verrucosum:牛より感染(酪農農家) • Microsporum canis:猫から感染 • M. gypseum:土壌より感染(小児)

  21. 白癬菌感染症 • 体部白癬(たむし) :被髪頭部・ 手・足・股以外に生じる • 股部白癬(いんきん) :股に生じる白癬菌感染症。 • 足白癬(水虫) :足底・足の指の間に生じる白T. ruburum角化型 高齢者に多く症状軽い • T.mentagrophytes小水疱型 痒みが強く比較的若年者に多い • 爪白癬(爪水虫) 同様

  22. 白癬菌感染2 • 頭部白癬(しらくも) 頭部に生じる白癬菌感染症で毛嚢を破壊し難治性の脱毛を生じる(ケルズス禿瘡) • Microsporum canis・Trichophyton verrucosumが原因の比率が高いが、Trichophyton ruburum・Trichophyton mentagrophytesも起こす

  23. 冬虫夏草 • 子嚢菌門核菌綱ボタンタケ目バッカクキン科冬虫夏草属の菌類の一種。チベット高原やヒマラヤ地方の高山地帯で蛾や蝉の幼虫に寄生 • 漢方薬や薬膳に利用

  24. アスペルギルス属 Genus Aspergillus • A. fumigatus:アスペルギルス症の大部分、 A. niger:集落表面が黒色 ・日和見感染;アスペルギルス症aspergillosis深在性真菌症の約30%を占める • 耳真菌症:外耳道真菌症( A. niger) • Aspergillus属のうち、A. fumigatusやA. flavus、A. nigerなどは,深在性感染(肺アスペルギルス症を来たすが皮膚に生じることは稀である

  25. アオカビと疾患 • 健康なヒトには感染せず非病原性 • 二形性の一部P. marneffeiは AIDS患者に日和見感染を起こす • 稀に爪、耳、肺、尿路においてペニシリウム症と呼ばれる感染症を起こすことがある。

  26. マイコトキシン:カビが産生する毒素 • アフラトキシン:Aspergillus flavusが産生する。強い発がん作用がある • オクラトキシン:Aspergillus ochraceus) やPenicillium viridicatum由来 腎毒性及び肝毒性 • トリコテセン:Fusariumが産生.食中毒性無白血球症(ATA)の原因 • ゼアラレノン:女性ホルモン様作用

  27. バッカク菌 • イネ科植物(小麦、大麦、エンバク)に寄生し、黒い角状の菌核を形成する • エルゴリン骨格を有する麦角アルカロイドにより麦角中毒を起こす(聖アンソニーの火) • 神経毒性と平滑筋収縮作用がある • 偏頭痛や子宮出血の治療薬

  28. LSD D-リゼルギン酸ジエチルアミド • 脳内のセロトニンの働きを抑制し強い幻覚作用を持つ強力な合成幻覚剤であり、サイケデリック誘発剤 • 1938年に、スイスの製薬会社の研究者、アルベルト・ホフマン(Albert Hofmann) によって、ライムギに寄生する麦角菌に含まれるリゼルギン酸から合成された • 無色・無臭・無味の液体で、通常は吸い取り紙や角砂糖、ゼラチンなどに吸収させて経口摂取する • 1970年代にヒッピーに大流行した

  29. ニューモシスチス肺炎 (Pneumocystis pneumonia; PCP 旧名(Pneumocystis carinii 肺炎) は、 • 酵母様真菌 (Pneumocystis jiroveci) による肺炎 • 化学療法やステロイド長期内服、AIDSなどによる免疫低下時に発症 • ヒトのPneumocystisはイヌのP.cariniと別種であること,原虫ではなくて真菌であることが判明 • アフリカではなぜか少ない • 治療はST合薬

  30. 担子菌 club fungi Basidiomycota • 菌糸の一部に担子器basideという棍棒状の生殖器を形成 • 大部分のキノコ • 体は体が多数の菌糸から構成されており、多くのものが肉眼的な子実体を作る • Heterothallic(自分と異なるタイプとしか接合しない型式(自家不和合性)をとるものがある

  31. クリプトコッカスCryptococcus neoformans • もとは不定形菌だったが、テレオモルフより分類 • 日和見感染の原因となる • 厚い莢膜を持つ球形細胞→墨汁法、・分芽により増殖 • サブロー培地:黄白色、粘調の酵母様集落 • 土壌、ハトの糞→吸入→肺に肉芽腫様病変→肺クリプトコッカス→クリプトコッカス髄膜炎       • 皮膚クリプトコッカス症(表在性真菌症:ニキビ様皮疹)

  32. Magic Mushroom アルカロイドの一種・シロシビン・シロシンを含むキノコの総称 一般に「幻覚性」(サイケデリクス)とも言われるが、幻視のみではなく、幻聴、思考の変化(変成意識)など、その内容は人によって様々である。身体的には、体に寒気・しびれを感じたりもする。平均して、4-6時間後には、それらの症状は次第に治まっていく。  南米などでは、この種のキノコでシャーマンが啓示を得る歴史がある。また、マヤ・アステカ文明などで、宗教儀礼に使用されたことが指摘されている。  平成14年6月6日より、これらのキノコの所持、販売、栽培などは違法となった

  33. 不完全菌 fungi imperfrcti • 有性生殖世代がないので不完全という • DNA解析では子嚢菌に近いものが多い • 今後分類上の地位が確定すると考えられる

  34. Candida • 教科書的には不完全菌に含めていた最近では子嚢菌に近いとされる • Candidaalbicans腟,外陰部,皮膚炎の原因として重要 • 口腔、腸管、腟などに常在→内因性感染、日和見感染、菌交代症 • 形態:二相性真菌:サブロー培地(酵母状)→メチオニン合成培地(菌糸形) • 生体内:仮性菌糸、酵母様細胞

  35. Candida 続き • カンジダ症は真菌症の中で最も多い • 表在性カンジダ症: 口腔カンジダ症:鵞口瘡 、膣カンジダ症、耳カンジダ症、皮膚 カンジダ症(指趾間、陰股部)、爪カンジダ症 • 深在性カンジダ症 :腸管カンジダ症、肺カンジダ症、全身カンジダ症

  36. 酵母  yeast=単細胞真菌 • 生活環の大半において単細胞性を示す真菌類の総称.正式な分類群の名ではなく、生活型を示す名称であり、系統的に異なる種を含む • 発酵食品に用いるのは出芽酵母Saccharomyces cerevisiae

  37. ビタミンB群 必須アミノ酸 ミネラル ビタミンB1(チアミン)・ビタミンB12(コバラミン)・ビタミンB2(リボフラビン)・葉酸(フォラシン)・ニコチン酸(ナイアシン)・ビオチン(ビタミンH)・ビタミンB6(ピリドキシン)・コリン・パントテン酸・イノシトール イソロイシン・フェニルアラニン・ロイシン・チロシン・ニリジン・スレオニン・メチオニン・トリプトファン・シスチン・バリン カリウム・ナトリウム・マンガン・リン・鉄・セレン・イオウ・スレオニン・クローム・マグネシウム・亜鉛・コバルト・カルシウム・銅 ビール酵母

  38. スポロトリクス症ー不完全菌 • スポロトリクムsporothrichosis:深部皮膚真菌症 • 土壌、植物→外傷→無痛性膿胞、結節→潰瘍形成(スポロトリックス性下疳) • 関東~九州(高温多湿な太平洋沿岸)

  39. 黒色真菌症 クロモミコーシス • 90%がFonsecae pedrosoi:皮膚クロモミコーシス、疣状皮膚炎, C. devriesii: • 黒色真菌症:外傷より侵入→下肢や頭部皮膚に好発 • 慢性の肉芽腫性病変(疣状皮疹)、潰瘍 • 脳に転移→血行性、リンパ行性→膿瘍

  40. 深在性真菌症の治療 • 原因菌を特定したTargeted therapyが理想であるが現実的には難しい • 真菌感染を疑ったら開始(経験的治療:empirintic therapy)が一般的であったが、副作用の問題がある • 補助診断法に基づく早期推定治療 early presumptive therapyや、さらに先制攻撃治療preemptive therapyがおこなわれる • 予防的投与は副作用や耐性の問題があり適応は限定される(臓器移植後など)

  41. 深在性真菌症の疫学 • 全剖検例の約5% • 最近はカンジダが減ってアスペルギルスが増加 • 全身性感染の約50%、呼吸器感染の約60%がアスペルギルス • 腎・尿路感染,真菌血症の約50%がカンジダ • 中枢神経の約50%がクリプトコッカス • 基礎疾患としては白血病,癌,膠原病,臓器移植後など

  42. 深在性真菌症の診断 • 確定診断:病変部に菌を証明 培養・鏡検・病理学的診断 • 補助診断法:血清診断(βグルカン)・遺伝子診断(PCR) • 確定診断が得られなくても臨床所見と補助診断を組み合わせる • 偽陽性に注意する:常在菌,壊死組織における腐生真菌

  43. 血清診断 β-D- glucan • カンジダやアスペルギルス細胞壁主成分のひとつ • 早期に血中で上昇 • クリプトコッカスや接合菌では上昇しない • 食道カンジダや肺アスペルギローマなど非侵襲性病変では上昇しない

  44. 画像診断 • Halo sign : 侵襲性肺アスペルギローシスに特徴的な肺CT所見.菌糸による梗塞と出血により生じる.改善によりair-crescent sign • 微小膿瘍:カンジダにより肺や脾臓に生じる.CT, エコー,MRI • 肺結節陰影:肺クリプトコッカス • 肺アスペルギローマ:肺内空洞内の腫瘤と輪郭の間の空気層 meniscus sign(単純X-P)

  45. Halo sign

  46. air-crescent sign

  47. 主な抗真菌薬 • アンフォテリシンB(AMPH-B)抗菌力が強くスペクトラムも広いが臓器移行が悪く,副作用も強い • ミコナゾール(MCZ)カンジダに抗菌力強いが心肺毒性 • フルコナゾール(FLCZ)副作用が少なく臓器移行も良好であるが酵母にしか効かない • ミカファンギゾン(MCFG) アスペルギルス,カンジダに有効で副作用少ないがクリプトコッカスには無効 • ボリコナゾール(VRCZ),イトラコナゾール(ITCZ)アスペルギルス、カンジダ,クリプトコッカスなど抗菌スペクトラム強いが腎毒性が強い

  48. 抗真菌剤投与の実際 • 血中濃度を上げるために最初に常用量の2倍を投与(loading dose) • 最小限の併用療法 • 経静脈カテーテルなど感染源の抜去 • 全身状態の改善 G-CSFによる顆粒球増加   アルブミン剤投与による低タンパク血症の改善

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