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○ 資産変換の内容. ① ② ③ ④ ① 例: 銀行が満期の長い貸出をし(満期の長い借入証書を受け取り)、満期の短い預金を提供する(満期の短い預金に変換して預金者に提供する) 問題点:預金の取付けが発生すると、銀行は資金不足で経営破綻する危険性がある。→第 4 章流動性の付与. ②. (資産の)流動性: →第 4 章 流動性変換 例①: 銀行が貸出をし(流動性の低い資産である借入証書を受け取り)、いつでも現金化できる要求払い預金を提供する(流動性の高い預金に変換して預金者に提供する).
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○資産変換の内容 • ① • ② • ③ • ④ • ① • 例: 銀行が満期の長い貸出をし(満期の長い借入証書を受け取り)、満期の短い預金を提供する(満期の短い預金に変換して預金者に提供する) • 問題点:預金の取付けが発生すると、銀行は資金不足で経営破綻する危険性がある。→第4章流動性の付与
② • (資産の)流動性: • →第4章 • 流動性変換 • 例①: 銀行が貸出をし(流動性の低い資産である借入証書を受け取り)、いつでも現金化できる要求払い預金を提供する(流動性の高い預金に変換して預金者に提供する)
例:②証券化:流動性の低い資産である企業向貸出や住宅ローンを、証券市場で自由に売買できるABS(資産担保証券)に変換して投資家に提供する例:②証券化:流動性の低い資産である企業向貸出や住宅ローンを、証券市場で自由に売買できるABS(資産担保証券)に変換して投資家に提供する
③ • 例①:株式投資信託は、多くの株式に分散投資することにより、個々の株式への直接投資よりリスクを低めている(リスクの高い個別株式をリスクの低い投資信託受益証券に変換)( )→第3章:リスクの配分・管理 • 例②:証券化は、リスクのある貸出をリスクのより低い優先債に変換( ) • しかし、同時にリスクのより高い劣後債も生み出される(優先劣後構造) • 例③:銀行は、リスクのある貸出を安全な預金に変換 • どうしてそれが可能か? 証券化の場合はリスクの高い劣後債が生じるのに?
○銀行預金の安全性 • ①専門家の貸出先審査によって貸出をするか否かを判断(情報生産) • ②貸出先を分散して、リスクを分散している。 • ③銀行の自己資本(株主資本)がリスクを吸収し、リスクが預金に及ばないようにしている。 • ④預金保険 • 預金の元本1000万円とその利子については、預金保険機構によって保証されている。
③株主資本(株式)による銀行収益変動リスクの吸収③株主資本(株式)による銀行収益変動リスクの吸収 • 収益悪化:預金の元利返済が優先、銀行収益(株主の取り分)は減少 • 収益が赤字:預金の元利返済は優先、赤字分だけ株主資本が食い潰される • 自己資本(株主資本)によるリスク吸収は、銀行における預金と株主資本との間だけでなく、一般の企業における負債と株主資本との間でも同じ • 株主資本(株式)によるリスク吸収の仕組みは、本質的に証券化の優先・劣後構造と同じ。 • 数値例:前の優先・劣後構造の数値例の証券化SPCを銀行と考える • 銀行は貸出a、bを提供しており、預金と株式で資金調達している。 • 預金:貸出からのキャッシュフローを優先的に1000万円を受け取ることのできる権利 • 株式:預金への支払いが行われた後の残額を受け取ることのできる権利
・優先債のキャッシュフロー 99.75%の確率で1000万円 0.25%の確率で0円 格付:A ・証券化におけるローンの プールと優先劣後構造 SPCのB/S ローンa 優先債 プールされ たローン 劣後債 ローンb ・劣後債のキャッシュフロー 90.25%の確率で1000万円 9.75%の確率で0円 格付:C ・ローンa、b の キャッシュフロー 95%の確率で1000万円 5%の確率で0円 格付:B ・キャッシュフロー 90.25%の確率で2000万円 9.5%の確率で1000万円 0.25%の確率で0円
・ローンa、bをプールした全体の元利返済状況は、以下の・ローンa、bをプールした全体の元利返済状況は、以下の 4つのケースとなる。
・預金のキャッシュフロー 99.75%の確率で1000万円 0.25%の確率で0円 ・貸出のプールと銀行の預金・株式 銀行のB/S ローンa 預金 プールされ たローン 株式 ローンb ・株式のキャッシュフロー 90.25%の確率で1000万円 9.75%の確率で0円 ・ローンa、b の キャッシュフロー 95%の確率で1000万円 5%の確率で0円 ・キャッシュフロー 90.25%の確率で2000万円 9.5%の確率で1000万円 0.25%の確率で0円
④ • 金額の大きい証券・証書を、資金余剰主体にとって保有しやすい小口化された証券・証書に変換する。 • 例①:金額の大きい企業の借入証書を小口の預金に変換する。 • 例②:金額の大きい不動産投資を、金額の小さい不動産投資信託の投資口に変換する。 • 不動産投資信託:不動産を投資対象とする投資信託。通常の投資信託は株式・債券に投資
○直接金融のメリット • 直接金融:本源的証券をそのまま資金供給者に提供 • 間接金融:本源的証券を間接証券に資産変換して資金供給者に提供 手間・暇・コストがかかる • 間接金融では、金融仲介機関(銀行・投資信託会社等)が資金提供者の代理として投資先・貸出先を決定。投資先・貸出先が分かりにくい(不透明)。
間接金融の取引コスト • 銀行の預金・企業貸出における取引コスト: 企業向け貸出金利マイナス預金金利 (=貸出利鞘) = • 信用コスト • 平均的に予想される貸倒損失をカバーするための費用 • 銀行の業務コスト • 借手についての情報生産コスト • 資金管理・口座管理等の事務コスト
・メガバンクの平成23年度決算 各銀行「有価証券報告書」
・信託銀行 間接証券 (投資信託 受益証券) ・投信販売会社 (証券会社・銀行 ・郵貯) 信託財産 の管理 • 投資信託の仕組みと 投資信託の取引コスト: 本源的証券 (有価証券) 投資信託 資金不足 主体(企業) 資金余剰 主体(家計) 資金運用 ・投資信託 委託会社 ・証券会社 本源的証券
・投資信託の運用成績ランキング 日経新聞、2013.03.21夕, 04.04.夕
証券化のためのコスト(間接金融の取引コストの一例)証券化のためのコスト(間接金融の取引コストの一例) • 証券化対象資産の選定・分析のためのコスト • SPCの設立・運営コスト • キャッシュフロー管理のためのシステムの設計・構築コスト • 仕組のアレンジメントのためのコスト • 格付費用
○間接金融のメリット (1) ・資金の出し手と取り手の間の金融ニーズのギャップを資産変換を通じて調整 • ① • 借手には長期資金を供給し、貸手からは満期の短い資金を受け入れる(銀行)。 • ② • 提供された資金はローンという流動性の低い資産に運用されているが、資金の出し手には現金化しやすい資産(預金、証券化商品)を提供 • ③ • 提供された資金はローン、株式というリスクのある資産に運用されているが、資金の出し手には安全性の高い資産(預金、証券化の優先債、投資信託)を提供
④ • 提供された資金は企業向貸出や不動産という金額の大きい資産に運用されているが、資金の出し手には小口の資産(預金、不動産投資信託の投資口)を提供