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5[ 再 ] ・ 異文化理解をめぐって

5[ 再 ] ・ 異文化理解をめぐって. 2009.05.26. 青山 ・文化人類学. 異文化理解とはどういうことか?. 自分たちとかなり・全く異なる文化と接した場合、 「わたしたちとは違うけれども、それをとやかくいうことはできない」「あれはあれでありだろう」は、果たして異文化理解のスタンスとして適当なのか? それは「わかったふり」をしているだけで、実はそれ以上の理解を拒絶・否定している可能性はないか? あるいは 、すべて受け入れて、自分たちも同じようにふるまえば理解したといえるのだろうか? 「自分たちの文化とは違う」という文化の差異に対して、どのようなスタンスで臨むのか?.

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Presentation Transcript


  1. 5[再]・異文化理解をめぐって 2009.05.26.青山・文化人類学

  2. 5[再]・異文化理解をめぐって 異文化理解とはどういうことか? • 自分たちとかなり・全く異なる文化と接した場合、 • 「わたしたちとは違うけれども、それをとやかくいうことはできない」「あれはあれでありだろう」は、果たして異文化理解のスタンスとして適当なのか? • それは「わかったふり」をしているだけで、実はそれ以上の理解を拒絶・否定している可能性はないか? • あるいは、すべて受け入れて、自分たちも同じようにふるまえば理解したといえるのだろうか? • 「自分たちの文化とは違う」という文化の差異に対して、どのようなスタンスで臨むのか?

  3. 5[再]・異文化理解をめぐって 猫食をめぐって(1) • まず大事な点は、1から6までのスタンスに、善悪が存在するわけでは「ない」、という点(真剣に考えて出た答えであるかぎり、どれも正当である) • 次に重要なのは、「1 絶対に許せない」から「6 自分も食べた」へと順々に進みさえすれば、他者理解が実現するわけでも「ない」という点(「食べたらわかる」などということはない)

  4. 5[再]・異文化理解をめぐって 猫食をめぐって(2) • ねこが広州市場で食用として売られているのをみて、中国の文化への不信感を抱くのは短絡的である • ねこを食べるのが中国国内のどのような人々であるのかわかっているだろうか? (部分→全体への安易な拡大) • ねこを食べるという行為が、中国文化(あるいは、中国のある一部の地域・一部の階層の文化)全体のなかに位置づけられる、ある一つの小さな要素であるということをわかっているだろうか? (文化の総体性の無視) • ねこを食べる理由が、たとえば非常に人道的な目的であったりする可能性を考慮しただろうか? (行為の背景にある文脈の無視)

  5. 5[再]・異文化理解をめぐって 「文化の翻訳」という問題(1) • たとえば、日本人―鯨の関係と、中国人-ねこの関係を等値と見ること、はよく試みられる • それはショックを緩和する意味で、大切なはじめの一歩 • ただし、それは「翻訳」であって「理解」ではないのに、「理解した気になる」のが問題 • cf. むずかしい英語の(あるいは独語/仏語の)哲学書を、がんばって日本語に翻訳したとする • それはその哲学書の「内容」を理解したことになるか? というと、ならないはず • 鯨への置換は「文化の翻訳」にすぎない

  6. 5[再]・異文化理解をめぐって 「文化の翻訳」という問題(2) • 古池や 蛙飛び込む 水の音 と、Old pond---frogs jumped in---sound of water(ラフカディオ・ハーンの英訳) • 両者を、完全にイコールで結ぶことは、むり • だからといって、両者がまったく違う、ということでもない • 両者の相互理解について語るには、何万の言葉を費やさなければいけないだろう →文化の問題も同じでは?

  7. 5[再]・異文化理解をめぐって 情報を集めて理解することのメリット • 中国における猫食の背景 • まず、全員が食べるわけではもちろんない • 全ての中国国民に「ペット」という感覚が欠如しているわけでもない • 猫<虎(あるいは蛇<龍)という比喩的関係 • 同様の事例は、他にもないだろうか? • 韓国における犬食 • 日本におけるうなぎ食 • 猫食の背景を知っての「翻訳」と知らないでの「翻訳」は意味が違うし、当然「理解」にも差がでる

  8. 内容A 内容B A B 5[再]・異文化理解をめぐって 「真の(異文化)理解」の不可能性(1) • 言語を媒介とするかぎりは、言語自体のもつ制約によって、100%信頼できるコミュニケーションは行ない得ない • ある語が指す内容について、話者Aと話者Bが想定する内容が一致しているかどうかを確認する手段はない

  9. 5[再]・異文化理解をめぐって 「真の(異文化)理解」の不可能性(2) • 100%信頼できるコミュニケーションが成立しない以上、対話に基づいて得られる理解には、常に誤解がどこかには生じている • では、どうせ誤解があるなら、面倒な思いをして対話しなくてもいいのか? • だれかがそうしたスタンスをとることを止めることはできない(文化相対主義の限界) • だからといって、みんながみんな対話をやめてよいとも思えない……どうせ100点とれないから試験勉強はしない? 30点よりは50点がましだから、ちょっとでもがんばる? • 「理解できる」のではなく「理解しようとすることができる」だけだが、「理解しようとする」のとそれを放棄するのとの間には、大きな差がある

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