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- 世界の携帯電話市場の動向 -. 2004 年 11 月 9 日 株式会社情報通信総合研究所 移動・パーソナル通信研究グループ 八田 恵子. 世界の携帯電話市場データ 3 主要国における加入者シェア 8 英国 ドイツ フランス 米国 韓国 香港 中国 日本 モバイル・インターネットの普及 14 各国の ARPU と料金 17 規制・政策動向 26. 目 次. 世界の携帯電話市場データ. 世界の携帯電話市場データ 方式別加入者比率. UMTS/W-CDMA 430 万 ( 0.29% ). cdma2000
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- 世界の携帯電話市場の動向 - 2004年 11月 9日 株式会社情報通信総合研究所 移動・パーソナル通信研究グループ 八田 恵子
世界の携帯電話市場データ 3 主要国における加入者シェア 8 英国 ドイツ フランス 米国 韓国 香港 中国 日本 モバイル・インターネットの普及14 各国のARPUと料金 17 規制・政策動向 26 目 次
世界の携帯電話市場データ 方式別加入者比率世界の携帯電話市場データ 方式別加入者比率 UMTS/W-CDMA 430万 (0.29%) cdma2000 8,620万 (5.9%) PDC 6,140万 (4.2%) アナログ 1,650万 1.1% TDMA 1億1,120万 (7.6%) その他デジタル 1,850万 (1.3%) 1G(アナログ) 1.1% 3G(デジタル) 6.2% cdmaOne 1億1,580万 (7.9%) 2G(デジタル) 92.7% GSM 10億4,680万 (71.7%) ※2004年3月末加入者数割合 (総加入数:14億6,070万) 「その他デジタル」はPHS、iDEN等 (2004.5updated) (出典:情総研「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
世界の携帯電話市場データ 地域別加入者比率世界の携帯電話市場データ 地域別加入者比率
世界の携帯電話市場データ 国別加入者数グラフ(2003年12月末)世界の携帯電話市場データ 国別加入者数グラフ(2003年12月末) 加入者数 *プエルトリコ含まず **PHS含む メキシコ 韓国 トルコ タイ イタリア フランス オーストラリア ドイツ ブラジル ロシア 台湾 フィリピン インドネシア 中国 米国* 日本** 英国 スペイン インド ポーランド (出典:情総研「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
世界の携帯電話市場データ 国別普及率グラフ(2003年12月末)世界の携帯電話市場データ 国別普及率グラフ(2003年12月末) 普及率 *人口100万未満の国 デンマーク フィンランド 台湾 アイス ランド* UAE イタリア スイス ポルトガル 香港 オーストリア アイルランド スロベニア ルクセン ブルグ* イスラエル ギリシャ スウェーデン チェコ スペイン ジャージー* 英国 (出典:情総研「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
主要国における加入者シェア 欧州では事業者シェアが比較的拮抗 米国、香港では多数事業者が市場を分け合う 中国、極東では最大手が高いシェア
事業者別シェア(英国、ドイツ) 【事業者別シェア(2003年末)】 既存4社のシェアがほぼ均等 ボーダフォン、O2はかつての支配的事業者 3は3G新規参入事業者 英国 ドイツ T-モバイルとボーダフォンで市場のほぼ8割 2003年、3G新規参入事業者(モビルコム)は3G免許を返還した (出典:情総研「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
事業者別シェア(フランス、イタリア) 【事業者別シェア(2003年末)】 フランス 当初からフランステレコム(オレンジ)、SFR、ブイグの3社体制 この体制は3Gでも受け継がれる イタリア TIMとボーダフォンで市場の8割 スリーは3G新規事業者 (2002年に1社が撤退して3社体制になったが、スリーの参入で再び4社体制へ) 3G新規事業者1社が免許獲得後も活動を停止している。 (出典:情総研「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
事業者別シェア(米国、香港) 【事業者別シェア(2003年末)】 米国 移動体事業者は地域事業者として出発したという歴史的経緯から、多数の移動体事業者が生まれている。 全米規模の大手事業者は上位6社 2004年2月にシンギュラーによるAT&Tワイヤレス買収が発表されている。 香港 1997年から6社体制 最大シェアの事業者(ハチソン)でも23% 期限切れ(2005、2006年)となる2G免許の周波数帯に対して固定事業者からの要望が強く、オークションが検討されている。 (出典:情総研「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
LGテレコム SKテレコム KTF 事業者別シェア(韓国、中国) 【事業者別シェア(2003年末)】 韓国 SKテレコム、KTF、LGテレコムの3社体制。 (1997年、5社体制から合併で現在の3社に至る) SKテレコムのシェアが高い 中国 チャイナ・ユニコムとチャイナ・モバイルの2社体制。 今後チャイナ・テレコム、チャイナ・ネットコムが加わり4社体制になる見込み(これら事業者は既に固定事業としてPHSを運営している)。 チャイナ・ユニコム チャイナ・モバイル (出典:情総研「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
事業者別シェア(日本) NTTドコモ、KDDIグループ(au、ツーカー)、ボーダフォンの3社体制。 ドコモが高いシェアを維持している。 ボーダフォン19%
モバイル・インターネットの普及 日韓のモバイル・インターネット普及が目覚しい 普及と同時に多様なサービスが展開
携帯電話および携帯インターネットの契約数推移携帯電話および携帯インターネットの契約数推移 主要国事業者のデータ加入者比率 携帯電話のインターネット利用は規模、普及率とも世界トップ 契約数は5年あまりでほぼ7,000万に成長 【単位:1千】 【単位:万】 データ加入者比率 データ加入者数 8,120 7,566 ~アジア~ ~西欧~ ~北米~ 6,912 6,094 5,114 4,050 85.9% 韓国 日本 ドイツ イタリア フランス 英国 米国 ※携帯インターネット契約数は、Iモード、Ezweb、J-Skyの契約数合計 ※携帯インターネットは平成11年2月にサービス開始 ※2004年第1四半期 各国の主要な事業者におけるデータ加入者数と、その携帯電話契約数に占める比率 [総務省] [各種資料に基づき情総研作成 ] モバイル・インターネットの普及(1) 日本は携帯インターネット利用で世界を大きくリード ■携帯インターネットの契約数は5年あまりでほぼ7,000万に成長。携帯電話加入者の86%が利用 ■日本の携帯電話のインターネット利用は、韓国と並んで、規模、普及率の両面で世界のトップレベル
モバイル・インターネットの普及(2) 「Brew」開始<au> 「iショット」開始<NTTドコモ> 「ムービー写メール」開始<J-フォン> • 日本のIP接続の高い普及率の裏には、各社の活発なサービス競争がある • IP接続の提供はNTTドコモのiモードで口火が切られたが、その後Jフォン(ボーダフォン)、auが積極的に新サービスを打ち出すことで競争をリードしてきていることがわかる 「グローバル・メール」開始 <ボーダフォン> パケット定額制、番組配信、リアルタイムナビゲーション開始 <au> 【出所: (社)電気通信事業者協会発表資料より作成 (注)J-Skyについては対応機契約台数。 各社とも 動画、ゲーム、位置情報サービスなど開始 カメラ付携帯が一般化 (万人) 6,973 6,246 「iアプリ」開始 <NTTドコモ> 「写メール」開始 <J-フォン> 5,193 「J-Sky」サービス開始 <J-フォン> 「EZweb」サービス開始 <現KDDIグループ> 3,457 99.2「iモード」サービス開始 <NTTドコモ> 732
各国のARPUと料金 日本のARPUは世界的に高レベル 一方、日本の料金は世界的に低廉という結果が出ている
主要事業者のARPU(Average Revenue per User)・年間値(事業者数値) 1. 2003年もしくは2004年度業績に関する各社公表資料に基づく 2. 上記収入は通常、通話料および基本料金(固定料金)収入、データ通信収入 からなるが、定義は各社ごとで若干の相違があるため、異なる会社、 もしくは異系列の会社の数値を必ずしも同列に比較することはできない。 *FOMA及びmova顧客収入 通貨換算(2004年5月1日、http://www.oanda.com/convert/classic) 1英ポンド=196.44円 1ユーロ=132.38円 1米ドル=110.52円 ◆ARPUはプリペイド顧客とポストペイド顧客(コントラクト顧客)で値が大きく異なり、普及率が7~8割に達した欧州の国々では、プリペイドARPUはポストペイドARPUの4ないし5分の1に過ぎないことが多い。そのような国で顧客の大半はプリペイド顧客である。上の表はblended ARPUと呼ばれる両ARPUの総合値を掲載している。 ◆ARPUの値は企業評価に影響を与えるため、事業者は一定期間以上利用のなかった顧客数を「非アクティブ顧客」として計算から除外するようになっている。この措置によって低下の一途であったARPUが前年度よりも向上した事業者もある。また、ARPUだけでなく顧客獲得費用(CAC: customer acquisition cost)も事業成果を判断するうえで重要視されるようになっている。 ◆ARPU低下を早めるもう一つの要因として、欧州では規制による着信接続料金値下げの影響が指摘されている。米国のARPUが高い理由は大量の通話分数を定額で提供するパッケージが普及していることと推察される。 (出典:「移動・パーソナル通信T&S ワールド・データブック」2004年度前期)
各国のARPU(Average Revenue per User)比較・年間値(OECD通信白書) OECD統計によれば、日本のARPUは世界最高水準であり、米国もまた世界的に高いARPUを得ている ■日本のARPUの高さは、iモードに代表されるデータサービスが収益に寄与している、 およびユーザーの利用量が1人あたり月178分という高いレベルにある、 などの要素のため ■ 米国のARPUの高さは、この国の事業者が比較的高い月額固定料金で大量の通話分数を提供する戦略を取っており、 事実このようなパッケージが普及しているため OECDベンチマーク各国ARPU OECD各国の移動体ARPU 出典:OECD通信白書2003年 ※事業者の年次報告書(2001年)の数値をもとに着信料やローミングを含む全ての移動体サービス収益を合計し、これを事業者の加入者数で割ることで推定。
各国の料金比較(2003年OECD通信白書)…ロー・ユーザー…米国を基準とする購買力平価各国の料金比較(2003年OECD通信白書)…ロー・ユーザー…米国を基準とする購買力平価 OECD統計によれば、ロー・ユーザー(小バスケット)の料金が低廉な国はデンマーク、アイスランド、ルクセンブルグ、などである 日本はロー・ユーザーについては比較的割高な料金となっている OECD各国の移動体サービス料金 2002年8月ロー・ユーザー料金 料金比較の方法: 大・中・小の3種類のバスケットを想定してモデル計算を行い、これら3種類の料金による各国比較。バスケットの内訳は、固定、同一移動体網、他の移動体網への、様々な時間帯における通話およびSMSを含める。米国を基準とする購買力平価(2002年8月付)で比較。 出典:OECD通信白書2003年
各国の料金比較(2003年OECD通信白書)…平均的ユーザー…米国を基準とする購買力平価各国の料金比較(2003年OECD通信白書)…平均的ユーザー…米国を基準とする購買力平価 OECD統計によれば、平均的ユーザー(中バスケット)の料金が低廉な国はフィンランド、カナダで、アイスランド、デンマーク、ルクセンブルグ、ポルトガル、日本、フランス、米国などがこれに続いている。 OECD各国の移動体サービス料金 2002年8月平均的ユーザー料金 出典:OECD通信白書2003年
各国の料金比較(2003年OECD通信白書)…ハイ・ユーザー…米国を基準とする購買力平価各国の料金比較(2003年OECD通信白書)…ハイ・ユーザー…米国を基準とする購買力平価 OECD統計によれば、ハイ・ユーザー(大バスケット)の料金が低廉な国は米国、カナダ、デンマーク、ルクセンブルグ、日本、フィンランド、などである。 OECD各国の移動体サービス料金 2002年8月ハイ・ユーザー料金 出典:OECD通信白書2003年
各国の料金比較(2003年OECD通信白書) • OECD統計によれば • ・米国はハイ・ユーザー、ロー・ユーザーに低廉な料金を実現している。平均的ユーザー料金も比較的低廉である。 • → 定額料金で大量の通話分数をカバーする方式が一般的なためと考えられる • → 米国では携帯に着信する通話については、着信者にも課金されることもこのようなパッケージが普及する一因 • ・日本は平均的ユーザーとハイ・ユーザーについて世界でも低廉な料金を実現している。 (同様の傾向が韓国にもあてはまる。) ARPUの高さと料金の高さの関係は ・もし、ARPUの高い国で料金も高ければ、ARPUの高さは割高な料金のせいであると言うこともできるが、ARPUが高くとも料金が低廉ならば、消費者がサービスを多く購入した結果、高いARPUが実現していることになる。 ・OECD数値によると、高ARPUの日本や米国ではむしろハイ・ユーザーを中心とした顧客層に対する割安なサービス提供が効奏しているようであり、その意味で好ましい状況が生じているということになる。 (ただし、購買力平価を使わず為替換算で比較すると、日本の料金は決して世界的に安くないことも事実。) ※ 米国の実態:2004年には無制限通話プランが登場するなど、値下げ競争が激しい。 米国ではAT&Tワイヤレス、スプリントPCSの大手も赤字である。 ARPUの高さは必ずしも収益性の高さに連動しない。
各国の料金比較(平成15年度内外価格差調査 総務省①)各国の料金比較(平成15年度内外価格差調査 総務省①) • ○ 携帯電話の料金は、基本料金に一定時間の通話料金を組み込んだパッケージ型プランが主流になっており、そのプランも多くのバリエーションがある。このため、各国間の料金の単純な比較は困難とした上で、以下のように結論。 • 平成14年度の我が国トラヒックの利用実態に最も近いパッケージプラン料金(月間2時間の利用)を比較すると東京は安い水準。 • 通話料金は、携帯発固定着では安くなっており、携帯発携帯着では、欧米とほぼ同じ水準。 ※各都市の代表的な事業者による代表的な事業者の料金を為替レートで比較。東京の事業者はNTTドコモ。
各国の料金比較(平成15年度内外価格差調査 総務省②)各国の料金比較(平成15年度内外価格差調査 総務省②) • 固定発携帯着の通話料金については、東京は他の都市と比較して最も安い。 • また、日本のトラヒックに基づき、通信距離帯、時間帯等別の平均的な利用実績を算定したモデル(以下「東京モデル」という。)による比較において、東京の料金はパリに次いで安い。 • ※OECDモデルではわが国の利用実態を反映しきれないとして東京モデルを利用 東京モデル 我が国の携帯電話利用者の月間の平均的な利用実績に即して構築したモデル。 平成14年度における日本の全携帯電話事業者の距離別、時間帯別、着信先別の平均利用実績に基づき、 設定(月間約110分通話利用)。 ※東京はNTT東日本の「0036」ダイヤルを利用したNTTドコモ着の料金(52.5円)
規制・政策動向 移動通信は米国では従来から非規制 欧州では音声着信以外は規制を緩和・撤廃の方向
海外の移動通信市場関連の規制(1) ■ 相互接続・アクセス規制…EU 競争促進を目的とした規制であり、支配的事業者に相互接続およびアクセス提供などの義務を課すもの。 ・2003年パッケージでは、委員会勧告[C(2003)497]記載の一連の市場を委員会ガイドライン[2002/C/165/03]に配慮しつつ分析し、結果に基づいてSMP指定を行なう。指定基準は競争法のドミナンス概念と道義(枠組指令[2002/21/EC])。 ・義務付けはアクセス指令[2002/19/EC]記載の義務事項から国内規制当局が選択して行なうが、これについては各国の事情に応じて裁量が与えられる。義務事項を各国共通に定めていた旧1998年パッケージ規制枠組みとは異なっている。 ■ その他の規制…EU 主として消費者保護を目的とするもの。サービス約款作成・公表義務、番号ポータビリティ、緊急通報番号への位置情報提供など、また、卸売規制が不十分な場合における小売レベルの規制などがある。 (ユニバーサルサービス指令[2002/22/EC]) ■ 米国では支配的と認定された移動体事業者はなし 既存3事業者の着信料規制を提案中
海外の移動通信市場関連の規制(2) ■EUの移動通信市場の規制 委員会関連市場勧告は固定・移動合わせて18の市場を指定している。移動体については以下の市場が記載されている。いずれも卸売市場である。 ・移動電話公衆網のアクセスおよび通話発信 ・個別移動通信網への音声通話着信 ・移動通信公衆網における国際ローミングの国内卸売市場 小売市場は、移動通信については勧告に含まれておらず、料金規制などの事前規制は原則適用されない。(ただし、卸売市場の規制のみでは不十分である場合には、適用の可能性が生じる。)規制を行なうためには、NRAは関連市場勧告記載以外の市場を画定、分析することが必要となる。 ■EU2003年パッケージ施行動向 • EU2003年パッケージは2003年7月24日を各国国内法化の期限としていた。現時点では、ベルギー、ギリシャ、ルクセンブルグを除き、法制化は完了している。 • 卸売移動通信アクセス・発信市場-英国は、この市場を競争的として、従来のSMP規制を撤廃した。オーストリアもこれに続いた。-他の国が引き続き同じ市場にどのような判断を出すかが注目されていたが、最近、この市場においてSMP指定を行なうというフィンランドの提案に対して、欧州委員会は拒否権を発動している。-また、移動通信インターネット接続については、同サービスが萌芽期にある欧州では、この分野に関連した規制決定に至る国は極めて少ないものと考えられる。 • 卸売移動通信音声着信市場英国は、既存の全事業者(4社)の着信料を規制することを決定。3Gの新規事業者など、既存事業者以外の事業者の規制義務はこれに比して軽減されている。大半の加盟国がこれに倣うと考えられる。
海外の移動通信市場関連の規制(3) ■移動通信着信接続料 <欧州> • 欧州では、固定/移動発→移動着通話は発側固定/移動事業者が小売料金を設定し、着側移動通信事業者に接続料(着信料)を支払うという、発信者課金の制度である。(日本の固定発→移動着通話では、通常、移動通信事業者が小売料金を設定している。ただし、2003年から固定事業者にも設定権が与えられている。Cf.p29) • 固定/移動発移動着の料金については、EUでは全事業者に市場支配力があるとして、規制対象とする枠組みを設けている*。英国はこの料金を、EUのSMP規制とは別枠で先行して1998年から規制してきた。しかし、上の表にみるように、英国の着信料は必ずしも低くなく、逆に非規制であったドイツの着信料が欧州の中でも低廉という現象が見られる。(ただし上の表はピーク時料金のみの比較) *個別事業者の網による市場画定。着信については事業者毎の個別の市場が存在し(シェア100%)、各事業者が市場支配力を持つためであるとされている。 <米国> • 米国は、固定発移動着通話における着信網側のコストの大半は、着信顧客への小売料金(エアタイムチャージ)として移動通信加入者へ課金・徴収される。 ■トレンド 今後、EUで音声着信以外は非規制という流れが定着するかどうかが、注目される。 ※ ただし、フランスのようにSMSの規制を検討する動きもある。
海外の移動通信市場関連の規制(4) ■移動体着信接続料と移動体事業のビジネスモデル • 移動通信市場は、周波数制約により事業者数は限られているが、小売市場の競争が激しいことが知られている。 • このため、ユーザー料金には値下げインセンティブが働くので、小売レベルの規制が行なわれることは少ない。 • しかし、顧客争奪が加熱する結果、事業者による端末補助などの顧客獲得コスト(端末補助金)が膨張するという事態を生んでいる。 • 一方で、携帯電話に着信する通話の料金のうち、携帯事業者が網使用料としての獲得する額(着信料という接続料)が大きく、これが独占価格であるとして早くから問題視されていた。 • すなわち、顧客獲得で生じた赤字を高額な着信料で回収するというビジネスモデルが、多くの国の移動体業界で成立していることになる。この体質は特に固定事業者から攻撃されている。 • 着信料規制に対する事業者の抵抗は極めて大きく、英国では2001年のオフテルによる着信料規制の提案から3年近くかけてようやく解決した。事業者は、移動体ビジネスを着信市場だけを切り離して規制することは誤りであり、アクセス、発信、着信を一体的に捉えれば着信料のレベルは不当に高いとはみなされないと主張した。 ※米国など、携帯着の通話が着信者にも課金される場合には、このような独占価格は理論的に生じない。 小売市場… 競争 → 料金低下 着信市場… 独占 → 独占価格の設定 加入者獲得・争奪のために端末補助、インセンティブの出費が膨張 着信で得た収益によりコストを回収