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コンクリートの施工. コンクリート工学研究室 岩城 一郎. コンクリート工事の流れ. 材料の選定(材料設計)→配合設計→製造→施工 (製造と施工を総称して施工と呼ぶ)→完成(供用) いくら良質の材料を選定し,適切な配合設計を行ったとしても, 施工が悪いとできあがったコンクリートの品質は劣悪なものとなる .製造と施工は業者が異なる. コンクリートの施工手順: 材料の計量 → 練混ぜ → 運搬 → 打込み → 締固め → 養生 ,その他( 型枠 , 足場 , 支保工 ),全ての手順で細心の注意を払うこと.どれか一つでもミス・手抜きがあると N.G.
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コンクリートの施工 コンクリート工学研究室 岩城 一郎
コンクリート工事の流れ • 材料の選定(材料設計)→配合設計→製造→施工 (製造と施工を総称して施工と呼ぶ)→完成(供用) • いくら良質の材料を選定し,適切な配合設計を行ったとしても,施工が悪いとできあがったコンクリートの品質は劣悪なものとなる.製造と施工は業者が異なる. • コンクリートの施工手順:材料の計量→練混ぜ→運搬→打込み→締固め→養生,その他(型枠,足場,支保工),全ての手順で細心の注意を払うこと.どれか一つでもミス・手抜きがあるとN.G. • 材料の計量:ある程度の計量誤差を許容,一般の生コン工場(バッチャープラント)には自動計量装置が配備
練混ぜ • 練混ぜ:均質なコンクリートを作るため,ミキサにより行う行為. • ミキサの種類 ・ バッチミキサ:1バッチずつ分けて練るミキサ (1バッチ:1回分のコンクリート) - 重力式ミキサ:可傾式ミキサ(左下) - 強制練りミキサ:パン型(中央下)と2軸(右下)に大別 ・ 連続ミキサ:コンクリート材料を連続的に投入し, 練混ぜ可能なミキサ→ダム等の大規模構造物 • 練混ぜ時間 少→十分に均質にならない.混和剤が効かない.多→骨材が粉砕しワーカビリティーが変化,エントレインドエアが抜ける等
練混ぜに関する留意事項 • バタリング:練混ぜを開始する際に,ミキサにモルタル分が付着して,配合が変わることを防ぐため,あらかじめミキサにモルタルを付着させておく行為 • 練返し:固まり始めたコンクリートを再び練り混ぜること→加水行為を伴う場合,厳禁!! • 加水行為:固まり始めたコンクリートに意識的に水を加え,練返しを行うことによりコンクリートを軟らかくする行為→コンクリートの品質に悪影響を及ぼす大問題(見た目はわからないだけに悪質→飲酒運転に相当)→現場での単位水量測定試験の導入(アルコールの検査)→測定誤差の問題(誤認逮捕)→今後の課題 • 練直し:打込み前の固まり始める以前にわずかに材料分離したコンクリートを再び練り混ぜること→可(実験でも行っている.)
運搬 • プラントから現場→一般にトラックアジテータを使用 • 場内運搬(荷降し地点から打込み地点までの運搬) ・ バケット(バケツ):分離も少なく最も望ましい.主としてダム工事に適用 ・ コンクリートポンプ:(問題はあるが,施工効率が高いため)主流,材料分離の恐れ,圧送管の閉塞による問題.他に,ベルトコンベア,シュート等 三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社
打込み(打設) • 打込み:現場に運搬されたコンクリートを所定の位置に行き渡らせる作業.練混ぜから打込みまでの時間を管理する必要あり(夏場:1.5hr以内,それ以外:2hr以内) • 打継目:旧コンクリートと新しいコンクリートの継目,旧コンクリート表面のレイタンスの処理が必要 • 打込み計画:1層あたりの厚さは40-50cm以下.基本は,下層のコンクリートが固まり始める前に上層のコンクリートを打込む(打込み時間とボリュームの関係) • コールドジョイント:下層のコンクリートがすでに固まり始めており,上層のコンクリートと一体化しない場合の境界面→コンクリートの水密性,耐久性に悪影響 山陽新幹線のトンネルコンクリート剥落事故(1999):コールドジョイント部で剥落→第三者被害(コンクリートの剥落により人,ものが破損する被害) 大
蒸発 レイタンス 水 骨材 セメント 打設直後 数時間後 硬化後 打込みの概念 コールドジョイントの例 写真:「コンクリート名人養成講座」 日経コンストラクションより
締固め • 締固め:打ち込まれたコンクリートから不要の空気 (エントラップトエア)を追い出す(コンクリートの緻密化)⇔コンクリートを型枠の隅々まで行き渡らせる作業 • 振動機による施工(内部振動機,型枠振動機) • 過度の締固め:エントレインドエアまで追い出す. →耐凍害性上問題 表面振動方式 内部振動方式 型枠振動方式 テーブル振動方式 以上,EXENHPより
セメント セメント 水 水 水和直後 数時間後 数日後~数年後 養生 • 養生:コンクリート打込み後,コンクリートの強度が十分に発揮されるよう(十分な水和反応が進むよう),適当な期間,必要な温度と湿度を確保して,外力が作用しないように保護すること(軽視されがちだが非常に重要な作業) • 水和反応: ・ 水(湿度)による問題:水がないと水和反応できない→乾燥させない.外から水分を供給. ・ 温度による問題:低温では水和反応が遅い.→なかなか強度が出ない.氷点下では凍害を起こす.→所定の温度に保つ.
養生の種類 • 湿潤養生:打ち込み直後:直射日光,風,雨を防ぐ(急激な温湿度の変化を防ぐ)→湿布養生,散水養生(水分の供給:一般に最低5日間) • 封かん養生:コンクリートを不透水性の材料で覆い,コンクリート内部からの水分の蒸発を防ぐ. • 温度制御養生:気温が著しく低い場合→給熱養生,保温養生(打込み直後のコンクリートは決して凍らせない.所定の強度発現性を確保) • 高温下:パイプクーリング等→水和熱の抑制 • 他に,蒸気養生,オートクレーブ養生:工場製品,工期短縮(水和の促進),高強度化
型枠・支保工 • 型枠:コンクリートを打ち込むための枠(鋳型).位置,寸法の精度,継ぎ目の精度→コンクリートおよび構造物の品質に大きく影響 • 支保工:打ち込まれたコンクリートの重量を支えるためのもの.所定の強度と剛性を確保 • 足場:高所の作業をするための作業場 三浦尚著:土木材料学(改訂版),コロナ社