1 / 70

個体と多様性の 生物学

個体と多様性の 生物学. 第1回 多細胞生物への道   ー細胞間の情報交換. 和田 勝. 東京医科歯科大学教養部. 今回のお話の舞台. 細胞膜の構造. 電子顕微鏡で観察すると、上の写真のように二重の膜である。. 細胞膜の構成要素. 脂質とタンパク質から構成される。. 脂質は以下のように分類できる. トリアシルグリセロールなどの中性脂肪. 単純脂質. 複合脂質. グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質など. 誘導脂質. H H-C-OH H-C-OH H-C-OH H. O R 1 -C O -. O R 2 -C O -. O

hollye
Download Presentation

個体と多様性の 生物学

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 個体と多様性の 生物学 第1回 多細胞生物への道   ー細胞間の情報交換 和田 勝 東京医科歯科大学教養部

  2. 今回のお話の舞台

  3. 細胞膜の構造 電子顕微鏡で観察すると、上の写真のように二重の膜である。

  4. 細胞膜の構成要素 脂質とタンパク質から構成される。 脂質は以下のように分類できる トリアシルグリセロールなどの中性脂肪 単純脂質 複合脂質 グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質など 誘導脂質

  5. H H-C-OH H-C-OH H-C-OH H O R1-C O- O R2-C O- O R3-C O- HO O H-C-O-C-R1 R2-C-O-C-H H-C-O-C-R3 H O 中性脂肪 + Rは長い 炭化水素 の鎖。途中に二重結合を含むこともある。

  6. HO O H-C-O-C-R1 R2-C-O-C-H O H-C-O-P-O-X H O- リン脂質(phospholipid) フォスファチド(phosphatide)とも言う X=コリン、セリン、エタノールアミン、   イノシトールなど

  7. OH R1-C-O-C-H OCH3 H-C-O-P-O-CH2-CH2-N+-CH3 R2-C-O-C-H O-CH3 OH フォスファチジルコリン 細胞膜の主要な成分

  8. フォスファチジルコリン 頭部 極性 尾部 非極性 のように簡単にあらわすことができる

  9. フォスファチジルコリンを フォスファチジルコリンをぎっしり並べると、、、

  10. 水分子 水分子 脂質の二重膜 脂質 二重膜 lipid bilayer

  11. 脂質二重膜の性質

  12. 浸透圧 1.溶媒(水)と溶媒+溶質(水溶液)を入れる 3.時間が経つと、両側の濃度は同じになる 2.水も溶質も自由に行き来できるので、溶質は拡散によってしだいに左側へ移動 全透膜

  13. 浸透圧 3.半透膜にかかる圧力と水の移動しようとする力がつりあう 1.水と水溶液を入れる 2.水は半透膜を通って移動できるが溶質はできない 4.この圧力が溶液の浸透圧に該当する 半透膜

  14. 浸透圧 この圧力をかけておけば、浸透はおこらない 半透膜

  15. 脂質二重膜の性質 水のような溶媒分子は自由に通すが溶質は通さない膜を、半透膜 (semipermeable membrane)という。 浸透圧溶血(hemolysis)は、赤血球膜のこのような性質で説明できる。 溶血の原因は、この他免疫性溶血や毒素などによる溶血など、多岐にわたる

  16. 赤血球 水 水 浸透圧溶血 高張(hypertonic) 低張(hypotonic) 等張(isotonic) 破裂 縮む 変化なし

  17. 選択透過性 しかしながら、半透膜の性質だけでは細胞は生きていけない。 細胞の活動にとって必要なグルコースの取り込み、タンパク質合成の原料となるアミノ酸の取り込みなど。 そのための通り道が、タンパク質でつくられている。その結果、選択透過性(selective permeability)が生じる

  18. 膜タンパク質 細胞膜に埋め込まれたタンパク質を、とくに膜タンパク質と呼ぶ。 膜タンパク質の膜貫通部はαヘリックス構造で、脂質二重膜と接する部分の側鎖は疎水性。 αヘリックス構造が何本か束ねられた構造をとる場合が多い。

  19. 脂質二重膜とタンパク質 親水部 αヘリックス 疎水部 親水部

  20. 細胞膜のモデル 脂質二重膜に膜タンパク質が浮かんでいる(流動モザイクモデル)

  21. 細胞膜のモデル 膜タンパク質の性質によって、細胞膜の性質が決まる。 脂質二重膜は海のようなもので、タンパク質は氷山のように浮かんでいて、動くことができる。

  22. 細胞膜のモデル 膜タンパク質には、貫通型、表在型、一部埋め込み型がある。 アクチンフィラメントは、表在型タンパク質を介して貫通型タンパク質と結合できる。 膜タンパク質の外に面した部分からは、糖鎖が出ていることが多い。

  23. 細胞膜のモデル 脂質二重膜が流動性を示すのは、脂質分子が移動できるからである。 コレステロールが埋め込まれると、膜の流動性が減少する。 グリセロリン脂質以外にも、細胞膜を構成する脂質がある(セラミドなど)が今は省略する。

  24. 細胞内顆粒の分泌 開口分泌(exocytosis)は、顆粒膜と細胞膜の融合による。膜タンパク質も 食細胞運動(phagocytosis)はこの過程の逆で、大きな物質はこうして細胞内に取り込まれる。

  25. 貫通型膜タンパク質の種類 1.細胞間の接着・結合に関するもの 2.チャンネルタンパク質 3.運搬タンパク質   エネルギーを必要としない場合と   必要な場合がある 4.受容体タンパク質

  26. 細胞間の結合 細胞は独立しているのではない

  27. 密着結合 細胞同士を結合タンパク質がしっかり繋ぎ合わせている

  28. 密着結合 密着結合のおかげで、膜に区画(compartment)が生まれる。

  29. 接着結合

  30. デスモゾーム結合

  31. ヘミデスモゾーム結合 デスモゾームの半分が基底層のタンパク質と結合している

  32. ギャップ結合 ギャップ結合のおかげで、細胞同士が電気的に結合できる。

  33. 発生における接着の役割 神経管の発生の過程では

  34. 神経管分化とカドヘリン 場所によって異なるカドヘリンタンパク質が発現する その結果、細胞のソーティングがおこる

  35. E-カドヘリンの一次構造 1 11 21 31 41 51 1 MGPWSRSLSA LLLLLQVSSW LCQEPEPCHP GFDAESYTFT VPRRHLERGR VLGRVNFEDC 60 61 TGRQRTAYFS LDTRFKVGTD GVITVKRPLR FHNPQIHFLV YAWDSTYRKF STKVTLNTVG 120 121 HHHRPPPHQA SVSGIQAELL TFPNSSPGLR RQKRDWVIPP ISCPENEKGP FPKNLVQIKS 180 181 NKDKEGKVFY SITGQGADTP PVGVFIIERE TGWLKVTEPL DRERIATYTL FSHAVSSNGN 240 241 AVEDPMEILI TVTDQNDNKP EFTQEVFKGS VMEGALPGTS VMEVTATDAD DDVNTYNAAI 300 301 AYTILSQDPE LPDKNMFTIN RNTGVISVVT TGLDRESFPT YTLVVQAADL QGEGLSTTAT 360 361 AVITVTDTND NPPIFNPTTY KGQVPENEAN VVITTLKVTD ADAPNTPAWE AVYTILNDDG 420 421 GQFVVTTNPV NNDGILKTAK GLDFEAKQQY ILHVAVTNVV PFEVSLTTST ATVTVDVLDV 480 481 NEAPIFVPPE KRVEVSEDFG VGQEITSYTA QEPDTFMEQK ITYRIWRDTA NWLEINPDTG 540 541 AISTRAELDR EDFEHVKNST YTALIIATDN GSPVATGTGT LLLILSDVND NAPIPEPRTI 600 601 FFCERNPKPQ VINIIDADLP PNTSPFTAEL THGASANWTI QYNDPTQESI ILKPKMALEV 660 661 GDYKINLKLM DNQNKDQVTT LEVSVCDCEG AAGVCRKAQP VEAGLQIPAI LGILGGILAL 720 721 LILILLLLLFLRRRAVVKEP LLPPEDDTRD NVYYYDEEGG GEEDQDFDLS QLHRGLDARP 780 781 EVTRNDVAPT LMSVPRYLPR PANPDEIGNF IDENLKAADT DPTAPPYDSL LVFDYEGSGS 840 841 EAASLSSLNS SESDKDQDYD YLNEWGNRFK KLADMYGGGE DD 赤はシグナルペプチド領域、青は膜貫通部 膜貫通部はすべて非極性アミノ酸であることに注意

  36. カドヘリンとアクチン カドヘリンはサイトゾール部でカテニンを介してアクチンと結合している

  37. 膜タンパク質の発現により このように、細胞表面の接着・結合に関するタンパク質が発現することにより、細胞膜の性質が変化する。 こうして細胞間での選別が行なわれ、分化がおこる。

  38. チャンネルと運搬タンパク質 どうして特定のイオンや物質だけを通す選択性が生じるか、不明な点も多い

  39. K+-チャンネル K+は水和している→水和が外れて ポアに入り、フィルター部を通って抜ける

  40. スクロースポーリン Salmonella typhimurium

  41. チャンネルンパク質 電位依存型 K+チャンネル 電位センサー

  42. 受動輸送と能動輸送

  43. 受容体タンパク質の役割

  44. 途中のまとめ  ここまで、細胞の外側を包んでいる細胞膜について、いろいろなことを学んだ。ここまでで細胞の基本的な構造と機能を学んだ。  細胞は孤立しているのではないので、細胞間の情報交換が必要である。

  45. 細胞間の情報交換 ヒトとヒトの間の情報交換の主な手段は言語で、それぞれの単語に意味がある。 生体では、この単語にあたるのが分子で、ここではこれを信号分子(signal molecule)と呼ぼう。

  46. 細胞間の情報交換 ギャップジャンクション 膜表面上分子が直接 情報分子を分泌

  47. 信号分子による情報交換 神経軸索末端から 周囲の細胞間隙へ 血液中へ

  48. ホルモンによる情報交換 細胞がホルモンによる情報を受け取ることができるのは、そのホルモンに対する受容体(receptor)を持つから。 標的器官(細胞)(target organ, target cell) ホルモンの分類 分泌器官による はたらきによる 化学的性質による

  49. ホルモンを  化学的性質によって分類 ●水溶性(hydrophilic) ポリペプチドホルモン、アミン系ホルモン 細胞膜を通過できない ●非水溶性(hydrophobic)、脂溶性(lipophilic) ステロイド系ホルモン、甲状腺ホルモン 細胞膜を通過できる

  50. 受容体のある場所 ポリペプチドホルモンに対しては細胞表面 ステロイドホルモンに対しては細胞質内

More Related