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市立小樽病院はどうあるべきか よりよい選択を!

市立小樽病院はどうあるべきか よりよい選択を!. 長 隆 東日本税理士法人・特定医療法人協議会 代表 元 総務省地方公営企業(病院)経営アドバイザー 前 総務省自治体病院経営改善推進研究会 座長. 目  次. Ⅰ .小樽新市立病院建設をめぐって

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市立小樽病院はどうあるべきか よりよい選択を!

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Presentation Transcript


  1. 市立小樽病院はどうあるべきか よりよい選択を!市立小樽病院はどうあるべきか よりよい選択を! 長 隆 東日本税理士法人・特定医療法人協議会 代表 元 総務省地方公営企業(病院)経営アドバイザー 前 総務省自治体病院経営改善推進研究会 座長

  2. 目  次 Ⅰ.小樽新市立病院建設をめぐって Ⅱ.小樽市財政・病院会計の状況 Ⅲ.夕張市:市立病院再生への歩み Ⅳ.これからの自治体病院

  3. Ⅰ.小樽新市立病院建設をめぐって 平成19年2月上旬 新築病院の基本設計に関する公募を始めた市当局 議論は十分であったのか? 住民の声は取り入れているのか? 市の財政は大丈夫なのか?

  4. 山田市長の無謀な挑戦 財政再建団体入りしてもおかしくない小樽市の起債が総務省の同意が得られるはずがない。 小樽ジャーナル紙が深刻な事実を適確に報道している。山田市政の公約だそうです。帰りの燃料なしの戦艦大和の出撃です。しかし巨艦の設計は机上の空論に終わるでしょう。 11月1日付 東日本税理士法人HP「医療経営ニュース過去ログ」より

  5. 新築病院の事業計画の甘さ 小樽市の一般会計健全化7年計画を道がOKしたようですが、総務省が修正したこの基本構想の甘さでは起債に同意するとは到底考えられません。明日からやってくれということです。         18年度で不良債務解消計画を担保できる経営体質に即できるならば格別ですが。 求められる利益を不適切な税金投入で赤字補填など論外な計画で信用されるわけがありません。 12月14日付 医療経営財務協会HPより

  6. 医療制度上の問題点 勤務医の開業医志向をとめることが医師不足を解消するための最良の処方箋。そのため開業医優遇の診療報酬制度、勤務医の過酷な勤務状況など改善が必要。  政治と厚労省が劇的な政策変更を突然決断する日は近い。臨床研修制度が医師不足の原因でないと厚労省が言っているのはこの事がよくわかっているからである。後期研修が始まり自治体病院に医師が戻ると期待しても駄目な理由である 。 12月14日付 医療経営財務協会HPより

  7. 小樽市

  8. 小樽市街地

  9. 小樽の医療提供体制 小樽市内には11の病院があり、そのうち小樽市街 地において急性期を担っている病院は  ・市立小樽病院  ・市立小樽第二病院  ・済生会小樽病院  ・北海道社会事業協会小樽病院  ・小樽掖済会病院 の5病院である

  10. 新病院の診療機能について 新病院の診療科目  内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、外科、整形外科  心臓血管外科、脳神経外科、婦人科、泌尿器科  耳鼻咽喉科、小児科、皮膚科、眼科、放射線科、麻酔科  精神科  医師確保が困難、地域の医療機関との連携               ↓  他の病院との連携を強化し診療科を見直し特化する  ことを考えるべきではないか

  11. 地域の医療提供体制のありかた 現在の医師不足を考えれば、総合病院単独での地 域医療体制の確保は不可能である。 地域の病院・地域の開業医との協力体制により、地 域医療を担っていくべきである。 新病院は担うべき役割をしっかり果たすべき

  12. 医師確保の問題 老朽化した建物を新しくすることが医師確保につな がるとは考えられない。 医師の勤務体制の見直し 医師の労働環境の整備

  13. 建築予定地について 新病院の建築予定地となっている地区は商業地区 (複合商業施設・パチンコ店などが立ち並んでいる) 病院建設の敷地面積は確保できる しかし、療養環境として適しているかは疑問であると いう声も聞かれる

  14. 標準的な建設費について 独立行政法人福祉医療機構の基準 標準建設費 =  対象面積×建築単価 + 設計監理費

  15. 建築面積の比較 病床1床当たりの面積比較 ※小樽市の数値は一般病床+精神病床の数値である。

  16. 建築単価 1㎡当たり建築単価の比較  医療福祉機構の単価と比較すると約2倍となっている ※設計監理費は建築費の5%程度

  17. 建設費の合計の比較 建築単価を下げた場合 建設費=対象面積×建築単価+設計監理費      =33,200㎡×226,500円+375,990千円      =7,895,790 千円 ⇒約80億円!           *小樽市の計画 約110億円 現在の計画の規模で建設した場合

  18. 病床数について 小樽市の構想では、当初の病床数を468床とするが、 これでも多いのでは、という批判に対して 「将来の患者数減少の際の病床数縮小も予定している」 との言い逃れをしている。 だが、小樽市が本当にそのような対処ができるのか?  いったん稼働させた病床規模を縮小するということは、    ・職員も減らさなければならない(公務員をクビに) ・経費も減らさなければならない(業者のカット)  等が必要となるが、このような事まで考えているのか疑問である。

  19. Ⅱ.小樽市財政、病院会計の状況 昨年8月に44億円の“赤字隠し”が発覚! 小樽市は今年の「広報おたる2月号」でようやくこの44億円の赤字を正式に認めた 市への不信感を募らせた 不適切な会計処理 本当に市の財政は大丈夫なのだろうか?

  20. “赤字隠し”の方法 小樽市は「一般会計」と「病院事業会計」という2種類の財布の間での巧妙なやり取りにより、実質的な不良債務が分かりづらい会計処理を行っていた。 但し、一般会計から病院会計へ資金を貸付けることは法律によっても広く認められた制度である。 問題は「同一年度内」でのやり取りではなく、 「年度をまたいだ」処理を行っていたことにある。

  21. 通常の単年度会計間の貸付・借入(例) H15年度 H16年度 H17年度 一般 会計 出 入 出 入 出 入 病院 会計 入 出 入 出 入 出

  22. 不適切との指導を受けた会計処理(例) H15年度 H16年度 H17年度 一般 会計 出 入 出 入 出 入 病院 会計 入 入 出 入 出 ここで返済していない為、あとはずっと自転車操業するしかない (実質的な不良債務) *今月分の給料を、前月に返せなかった借金の返済に使っていながら、  その月内でちゃんと返しているように見せかけているようなもの。

  23. 不適切な会計処理が外から見えない理由 H15年度 H16年度 H17年度 一般 会計 出 入 出 入 出 入 外部からはこの順番や時期は 分からない 外部から分かるのはこの結果のみ 外部から分かるのはこの結果のみ 病院 会計 入 入 出 入 出

  24. 自治体財政特有の「出納整理期間」 なぜ年度をまたいだ処理が出来てしまうのか? 自治体の財政制度に特有の「出納整理期間」なるものが存在 前の年度の未収や未払を整理する4月~5月の2ヶ月間 この2ヶ月間は、前年度と新年度の2種類の予算の処理を行える 年度をまたいだ会計処理が可能

  25. 問題なのは“赤字隠し”だけであろうか 確かに、一般会計から病院会計へ資金を貸付けることは法律によっても広く認められた制度であるし、「年度をまたいだ」処理を行っていたことが不適切と言われても仕方がないであろう。 しかし、そもそも44億円という莫大な金を借りなければならない経営をしていた事こそが、真に責められるべきではないだろうか。 *この44億円の他にも、毎年十数億円づつの税金繰入がある。

  26. 小樽市 財政比較分析表(平成16年度) *以下、平成16年度 市町村財政比較分析表より

  27. 小樽市 財政比較分析表(平成16年度) 最下位!

  28. 小樽市 財政比較分析表(平成16年度) 最下位!

  29. 小樽市 財政比較分析表(平成16年度) 下から2番目!

  30. 他自治体との財政力等の比較 小樽市の財政は赤字隠し発覚前の数値ですら、    決して、良いとは言えない状況 *平成16年度 市町村財政比較分析表より

  31. 高額な建設費調達問題 ハコもの行政の時代は終わった。 意識の転換が必要 「必要だから造る」 時代から、 「必要でも身の丈に合わなければ造らない」 時代へ   この発想の転換ができずに、無策のまま借金を積み重ねている自治体病院が何と多いことか!  →行政が何でもできる(すべき)時代ではない   →市民も意識改革を!

  32. 第五次病院事業経営健全化措置 H14 総務事務次官から各都道府県知事宛の通知 都道府県知事は市町村病院の作成したこれらの計画を総務大臣へ提出しなければならない。 赤字病院がおおむね5年度以内に、自己努力を基本とし、不良債務を解消し、かつ単年度での収支均衡や、その他経営健全化を図るため下記の事項を定めることを求めている。 ○ 経営健全化の基本方針 ○ 各年度の不良債務解消計画 ○ 経営の改善合理化のための具体的措置 ○ 負担区分及び補助の基準 ○ 達成すべき経営指標の目標値

  33. 身の丈にあった行財政運営を!   起債の許可が降りなかった場合はもちろんのこと、   現在の財政状態からみて、不釣合いな建設規模ならば造るべきではない!  また、持続的な病院経営の原則を言えば、既存の病院建設時から、将来の建てかえのための資金準備(積立金や減価償却累計によるストック)を行っているべきであった。  最初から地方債による資金調達(借金)だけをあてにした建設計画しか考えていなかった行政の経営方法にも疑問が残る。

  34. 自治体病院の整備費用の仕組み *へき地医療等国庫補助対象外の通常の建設・改良の場合 病院事業債(地方債)によって建設する場合の例 税金 半分は一般会計からの繰り出し(78億円) これも結局は国からの税金 更に、うち60%は交付税が出る(約47億円) 病院事業債(156億円) 借金 小樽市の実質的な負担額(約109億円)

  35. 起債の可能性について   現在、自治体の起債(地方債の発行)は協議による「同意」を得れば可能であるが、財務の状況等によって、同意よりも厳しい「許可」が必要となる。   小樽市病院事業は、44億円の不良債務追加により、「許可対象事業」となってしまった。   都道府県による許可がなければ起債ができない。   そのためには「公営企業経営健全化計画」の策定が必要

  36. 起債許可の判断基準 平成18年度地方債同意等基準(総務省告示)によると ○資金不足比率による許可公営企業 (略)  公営企業の経営の安全化を図るための計画(公営企業経営健全化計画)を策定するものとし、当該計画の内容、その実施状況等を勘案し、~中略~ 許可を行うものとする。 ○許可(同意)基準について (略)  当該経費が合理的な期間内に、当該事業により生じる収入及び合理的な範囲内における他会計繰入金等によって確実に回収されることが見込まれると認められるもの

  37. 求められるのは健全化計画だけではない ○その他の留意事項 (略) ・行政改革と財政健全化の推進の状況 ・地方債の元利償還の状況 ・地方税の徴収率の向上等税収入の確保 ・定員・給与の適正化 等 これらの内容も踏まえた上で、起債の許可が判断される。 夕張ショックで慎重になった、道及び総務省が安易な許可を  するのか? 安易な許可は責任問題にもなる可能性がある。

  38. 小樽市の病院会計収支計画について 病院会計への税金の繰入は不良債務として表面化した44億円だけではない! 今までも繰り入れられてきた毎年10数億円の税金投入はこれからも続く!   44億円とこれらの金額を合わせるとどれくらいなのか?   「市立病院調査特別委員会資料」によると・・・ 平成18年度~平成23年度の完成までの一般会計繰入金は 合わせて、 98億7500万円 にものぼる! さらに、現在市が予定している事業費(156億)と合わせると、 負担総額は 約255億円!

  39. 病院収支計画の皮算用    経営健全化のための不良債務返済計画では、平成23年度までに44億円を返すことになっている。    しかし、その返済計画は、現在の病院で患者数及び患者単価が増えることをあてにしたもの。 実際に患者が増えなければ、毎年十数億円の税金の繰入をさらに増額することで、数字の辻褄を合わせようとしているのではないか? ここがポイント!

  40. 参考までに・・・ 市の主張する総事業費「156億円」 例えば、これらの金額で他の施設を建てようとした場合・・・    老人ホームや保育園なら、豪華なものを50ヵ所以上も建てられる! ・・・・・・・・・

  41. Ⅲ.夕張市:市立病院再生への歩み 昨年、市の財政破綻状況が明らかになった夕張市 夕張市の経営する「夕張市立総合病院」も存続の危機に立たされていた。 ・病院単体で数十億の不良債務 ・深刻な医師不足 ・人口は最盛期の1/10 ・急速な少子高齢化

  42. 約10年前の夕張市議会 会議録 平成9年3月24日 会議録より ○T議員 「病院は現在・本年度末20億円を越える赤字になると言うことですが、今年も2億9100万の赤字と言うのはどういうことですか?」     ○中田市長 「あと10年したら50億の赤字になる。不良債務は17億円ある。毎年1億ずつ返済して消していきたい。病床を120床に減らし、採算の悪い診療科を廃止したい」  市議も中田市長も危機意識を持った正しい認識をしていたことが伺える。しかし、これ以後実際には行動に移さず問題を先送りして、破綻への道を辿っていった。

  43. 再建への第一歩はスピードが勝負 平成18年8月中旬 夕張市より「病院経営アドバイザー」として委嘱を受ける 約2週間後 平成18年8月末 約100ページ以上に及ぶ 「経営診断書」を市長へ提出 速やかな改革を迫った

  44. 迷走する市と病院 市と病院は経営診断書を受けた後も、 しばらくは方向を決められず・・ この間一向に見えない将来に見切りを 付けた看護師等は次の就職先を探していた

  45. 次第に明らかになる市の再建計画 市長、市議の報酬を全国最低水準へ 市の職員数は半減 住民税等の市民の負担増 施設の閉鎖・売却 市立病院は指定管理者制度による公設民営へ

  46. 夕張再生のため立ち上がった村上医師 平成18年12月 公設民営方式を模索していた夕張病院の運営参画のため、新たな医療法人設立のため動いた 村上智彦医師(前 せたな町立瀬棚国保医科診療所長) 予防医療の第一人者と言われている 医療法人 名称は「夕張希望の杜」

  47. 指定管理者の公募 平成19年2月   病院の運営を委託する指定管理者の応募開始 平成19年2月13日締切~15日選定委員会   村上医師の法人以外に応募がなく、   「夕張希望の杜」が受託することが決定

  48. 夕張市立医療センター開院への道 平成19年2月21日 あらたな医療体制への移行についての記者発表 夕張市立総合病院は・・・・ ・夕張市立医療センター(有床診療所:19床) ・介護老人保健施設(40床)を併設 ・高齢者をはじめとする市民の憩いの場となる施設を目指す ・社会医療法人を視野に ・野村ヘルスケアが資金調達支援

  49. Ⅳ.これからの自治体病院 進む人口減少、少子高齢化 全国的に減り続けている自治体病院の患者数 *総務省地方公営企業年鑑より

  50. 経営改善への遠い道 病院経営の素人である市の職員 が本当に効率的な経営を新病院 で行っていけるのか?   (例)    いびつな人件費構造    管理職級職員が多い。企業経営なのに、    官庁人事を反省なく続けている   専門職・経営職の欠落    行政の事務職に素人経営させている 経営形態の変更による抜本的な改革も視野に  指定管理者、地方独立行政法人・・・

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