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人と水の関わり. 水の持つ三つの側面 Ⅰ .利用する水:生活・生産のための水:人の生活や経済活動を支える 安定した水量の確保と良好な水質の維持(利水) 生活用水:飲料水等 工業用水:原料や洗浄・冷却用水 農業用水:農耕や家畜の飼育 Ⅱ .危害を与える水:洪水,土石流等による被害 堤防等を築いて水を治める(治水) Ⅲ .環境としての水:生態系の維持,気候,潤い等 第一,第二の側面:人が自然に手を加えて,変える 第三の側面:自然の(に近い)状態が望ましい 各側面のバランスを保つことが必要. 人と水の関わり. 人と水の関わり.
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人と水の関わり • 水の持つ三つの側面 Ⅰ.利用する水:生活・生産のための水:人の生活や経済活動を支える 安定した水量の確保と良好な水質の維持(利水) • 生活用水:飲料水等 • 工業用水:原料や洗浄・冷却用水 • 農業用水:農耕や家畜の飼育 Ⅱ.危害を与える水:洪水,土石流等による被害 堤防等を築いて水を治める(治水) Ⅲ.環境としての水:生態系の維持,気候,潤い等 第一,第二の側面:人が自然に手を加えて,変える 第三の側面:自然の(に近い)状態が望ましい 各側面のバランスを保つことが必要
人と水の関わり • ダム管理所:ダムの管理の中枢。事務室、操作室、機械室、電源室、資料室などがある。 • 洪水吐:洪水時に計画的に洪水調節するの施設。ダム及び貯水池の安全を確保するためダム設計洪水量以下の流量を安全に流下させることができる構造物で、常用洪水吐、非常用洪水吐がある。 • 減勢池:ゲートなどから放流される洪水の勢いを弱め、河床を浸食から守るために作られる構造物。 • 監査廊:ダムの堤体内部につくられた通路。これを使って、ダムの漏水やひびわれなどの異常の有無や観察、計器の計測などを行う。 • 流木止設備:貯水池内に流入してくる浮遊物をせき止めるための設備。 • 水位局:ダムの操作に必要な水位を観測する設備。観測データはテレメータによって管理所へ送信する。
人と水の関わり • 警報局:ダムからの放流をサイレンやスピーカーにより知らせる設備。放流すると下流の水位が上昇し、危険を伴うため、下流住民に注意を喚起する目的で設置されている。
人と水の関わり • 総貯水容量:多目的ダムにおけるすべての容量の総和。 • 有効貯水容量:総貯水容量から堆砂容量を除いた容量。 • 洪水調節容量:洪水時の水を計画的に調節する目的で一時的に貯留するための容量。 • 利水容量:水を発電、かんがい、都市用水などの目的で利用するために確保された容量。 • 堆砂容量:ダム貯水池において、上流から流出してくる土砂の堆積のための計画容量。 • 設計洪水位(F.W.L.):ダム設計洪水流用の水がダムの洪水吐を流下するときの最高の水位。 • サーチャージ水位(S.W.L.):洪水時に、ダムによって一時的に貯めることにしている流水の最高計画水位。
人と水の関わり • 常時満水位(N.W.L.):非洪水時に、ダムによって貯めることにしている流水の最高計画水位。 • 最低水位(L.W.L.):貯水池の運用計画上の最低の水位。最低水位以下の容量は堆砂容量あるいは死水容量として通常の計画では利用されない。
人と水の関わり • 松江市の水道 • 松江市の水道料金 基本料金(1,155円ただし,13mm口径)+給水料金 給水料金 給水原価:183.39円/m3 (平成15年度全国平均) • 1日に供給できる水の量 61,600m3 松江市で供給できる水26,600m3(最大) :千本ダム・大谷ダム等 県から買う水35,000m3(最大):布部ダム10,000m3,山佐ダム25,000m3
人と水の関わり • ダム・貯水池: • 導水管: • 着水井・量水池: • 急速かくはん池・混和池・フロック形成池: • 沈でん池: • 緩速ろ過池: • 滅菌機室: • 浄水池: • ポンプ場: • 配水池:
人と水の関わり • ダム・貯水池:飲み水のもとになる原水をためておくところ。 • 導水管:浄水場まで原水をはこぶパイプ。 • 着水井・量水池:原水を引き込み、導水量を調節するところ。 • 急速かくはん池・混和池・フロック形成池:原水に凝集剤という薬品を混ぜ、細かい濁りや細菌などをフロックというかたまりにするところ。 • 沈でん池:フロックを沈でんさせ、上澄みのきれいな水と分離させるところ。 • 緩速ろ過池:きれいな砂と砂利の層でろ過し、水にとけている汚れを除くところ。 • 滅菌機室:次亜塩素酸ナトリウムという薬品をまぜて消毒し、浄水にするところ。 • 浄水池:できあがった浄水をためておくところ。 • ポンプ場:送水ポンプで、高台にある配水池へ浄水を送るところ。 • 配水池:浄水をためておき、落差を利用して送り出すところ。
千本ダム 大谷ダム 山佐ダム 布部ダム 人と水の関わり • 千本ダム 有効貯水量:378,919m3 • 大谷ダム有効貯水量:1,327,802m3 • 県営布部ダム有効貯水量:5,000,000m3 • 県営山佐ダム 有効貯水量:4,450,000m3
人と水の関わり 山佐ダム 布部ダム
人と水の関わり 山佐ダム 布部ダム
水資源 • 資源:産業の材料や原料としてみた鉱物,森林等 • ある目的に利用され得る物質や人材 • 消費すれば無くなる • 水資源(みずしげん):循環型資源 • 太陽エネルギーによる海面からの蒸発,雲から降水,河川・地下水,海;自然の水文循環 • 水の利用 循環の過程において,一時的に利用し,循環の中に戻す • 水資源の元 降水量:時間的,地域的に偏在,コントロールできない • ダム建設:水資源開発 水を産み出すのではなく,水の量を時間的に平準化して,多くの水量を安的的に利用できる
流出過程 全降水 浸透 余剰降水 損失 表面流出 中間流出 下層の浸透 地下水流出 早い中間流出 遅い中間流出 直接流出 間接流出 全流出
水資源 • 地球上の水:14億km3 • 海水 97.5% • 淡水 2.5%→大部分が南・北極地域の氷 ↓ • 0.8% 河川水,地下水等比較的容易に利用可能 ↑ • 降雨や降雪としてもたらされる • 降水量の多寡,地域条件によって,地球上で偏在
日本の水資源の現状 • 地形:南北に細長く,中央に脊梁山脈等地形が急峻 • 主要河川の流路延長が短く急勾配 • 降雨分布:梅雨期や台風期に集中←季節的な偏り • 河川流量の変動が大きい 河状係数=年最大流量/年最小流量 ↓ • ため池やダムの建設等種々の工夫 • 降雨:全国46地点の年降水量 明治30年~平成9年 100年間 • 平均値 減少 • 近年 多雨と小雨の差の開き大 • 水資源昭和31年~平成7年40年間 • 前後期の20年 昇順に並べた同一順位における同量は後半が小さい
日本の水資源の現状 • わが国の水需要 昭和30年代以降,高度成長期を経て 生活水準の向上,生産活動の拡大→多くの地域で増大 水需要の増大←安定的に供給 ↓ 計画的な水資源開発 現在でも渇水が発生→国民生活に多大な影響
日本の水資源の現状 • 渇水:水需要に対する供給の関係が一時的にバランスを失う状況 • 水不足:長期的な水の需要に対する恒常的な水の供給不足現象 • 水資源開発施設の利水基準年 10年に一度発生する渇水年 • 利水計画に当たって基準とする年 • 暫定豊水水利権による不安定取水→豊水時のみ取水可能 • 水利権:河川の流水を占用(排他的に使用する権利) ①許可水利権,慣行水利権→成立の由来 ②水道用水水利権,灌漑用水水利権→使用目的 ③安定水利権,暫定水利権,豊水水利権→権利の形態
日本の水資源の現状 • 水利用の歴史 • 古代から江戸時代・・・農業における水利用の発展 • 水田による稲作農業を中心として展開 • 稲作の伝来以降、古代のため池の築造,荘園制度の拡大、戦国大名による米生産高の維持増強等のための小・中河川の利用 • 江戸時代 • 利根川など大河川の治水工事と新田開発:沖積平野の水田化が急速に進展 • 江戸のような大都市:神田上水、玉川上水等上水道の萌芽
日本の水資源の現状 • 明治時代から戦前:日本の近代化・社会経済発展の基礎の形成 • 殖産興業政策に引き続き、重化学工業が勃興:工業用水の需要が急激に増大 • 人口増加と伝染病予防に対応:横浜をはじめとして都市部に近代水道の整備 • 都市化・工業化の進展による電力需要の増大:水力発電事業が大きく発展 • 戦後から現在まで・・・社会経済の発展の上で重要な役割 • 経済の高度成長と人口の増加:生活用水、工業用水、農業用水の需要が急増 • 多目的ダムの建設などによる水資源の総合的な開発:安定的な水利用の確保
日本の水資源の現状 • 年間の降水量:約6,500億m3(1971~2000年までの30年間の平均値):1,718mm • 蒸発散約2,300億m3(35%) • 残りの約4,200億m3 • 水資源賦存量(年間降水量-蒸発量)×当該地域面積 • ある地域において,利用しうる可能性のある最大の水資源の量 • 1人当たりの水資源賦存量 地域的に偏在 • 10年に1回程度発生する渇水年:約2,800億m3 • 実際に使用している水量:年間約870億m3:(2000年の取水量ベース) • 平均的な水資源賦存量の約21%に相当 • この比率を水資源使用率 • 使用されない3,000億m3以上の水 • 洪水など,海へ流出 • 地下水
日本の水資源の現状 • 日本の水資源使用率 • 地域別:関東,近畿:大都市 渇水年の水資源賦存量:1971~2000年(30年間)降水量の少ない方から数えて3番目
日本の水資源の現状 • 水の用途別の使用状況(2000年):年間約870億m3 • 農業用水:約572億m3(約66%) • 工業用水:約134億m3(約15%) • 生活用水:約164億m3(約19%) • 取水源 • 約760億m3(約87%):河川及び湖沼 • 約110億m3((約13%):地下水
日本の水資源の現状 • 我が国の水使用量の推移 • 都市用水は昭和50年以降60年代前半までほぼ横這い • 昭和62年以降、生活様式の変化、景気の拡大等を背景に、わずかずつ増加 • 平成5年以降は社会・経済状況等を反映しほぼ横這い • 農業用水の使用量は、ほぼ横這いである。
日本の水資源の現状 • 生活用水 • 家庭用水:家庭で使用される水 • 都市活動用水:オフィス、ホテル、飲食店等で使用される水 • 一人一日当たり使用量は水洗便所の普及などの生活様式の変化に伴い1965年から2000年までの間に約2倍に増加 • この間の人口の増加や経済活動の拡大とあいまって、使用量は約3倍に増加 • 近年の使用量は横這い • 家庭用水:風呂(約26%)、トイレ(約24%)、炊事(約22%)、洗濯(約20%)
日本の水資源の現状 • 工業用水 • 製造業などの産業活動に供給される水:、原料用、製品処理・洗浄用、ボイラー用、冷却用 • 使用量には、一度使用した水を回収して再利用している水量が含まれる • 使用量全体の中で、回収利用している水量が占める割合:回収率 • 使用量は1965年から2000年までの間に約3倍に増加 • 回収利用が進んだため、新たに河川等から取水することが必要となる水量(補給量)は1973年をピークに漸減
日本の水資源の現状 • 農業用水 • 水稲等の生育に必要な水田かんがい用水 • 野菜・果樹等の生育等に必要な畑地かんがい用水 • 牛、豚、鶏等の家畜飼育等に必要な畜産用水
日本の水資源の現状 • 有数の多雨地帯であるアジアモンスーン地帯に位置 • 年平均降水量は1,718mm • 世界の年平均降水量約970mmの約2倍 • 人口一人当たりの年平均降水総量:約5,100m3/年・人 • 世界の平均である22,000m3/年・人の4分の1程度
システムとは何か? • システム(system)の日本語訳 • 組織,系統,体系,系,制度等 太陽系(Solar System)等 • システムの要件 • システムは境界をもち,それによって内部と外部に分けることができる. • 境界によって外部と内部に区別されたシステムはその内部全体で特定の働きをもつ. • システムは複数の構成要素から成り,個々の構成要素自体が固有の働きをもつ.それらが全体として相互関連,
相互作用し合ってシステム全体の働きをしている. 相互作用し合ってシステム全体の働きをしている. • システムは階層性をもつ.個々の構成要素がそれ自体小さなシステム=部分システムとなっている.または,システム全体がさらに大きな部分システムとみなされることが多い. • システムは外部ともなんらかの形で相互作用しあっている.外部から取り入れるものを入力(input),外部へ取り出すものを出力(output)という.入力を取り入れ,システムとしてある働きを加えることによって,外部に出力を出すプロセスと見ることができる
集水域 集水域 水源 ダム ダム 発電システム 取水 河川 農業用水システム 排水 取水 上水道システム 未処理排水 水利用者 下水道システム 処理排水 河川下流へ
要件1 一見したところ,内部と外部の明確な境界は見当たらないが,集水域への降水から河川下流へ流下する一連の水の流れに関わっている部分と関わっていない部分を区別すれば,前者がシステム内部,後者を外部と見なすことができる. 要件2 また,内部では,水を受益者に配水するという働きを持つ. 要件3 また,集水域,ダム,水路,河川,発電システム等の複数の構成要素を持つ. たとえば,集水域は,本域への降水を直接流出,中間流出,基底流出等によって,河川へ流出させる働きを持つ.
ダムは河川へ流出した水を貯留し,下流側に放流する働きを持つ.河川は,水を発電システムや,農業用水システム等へ配水する働きを持つ.ダムは河川へ流出した水を貯留し,下流側に放流する働きを持つ.河川は,水を発電システムや,農業用水システム等へ配水する働きを持つ. 集水域から流出した水をダムが貯留し,ダムから放水された水は,河川を通じて発電システムや農業水利システムへ配水されるなど,構成要素間は相互に関連・作用している. 要件4 また,たとえば,農業用水システムは,用水路,圃場,排水路等の構成要素から構成される一つのシステムと見なすことができるので,部分システムと捉えることができ,全体では,階層性を持っている.さらに,河川流域全体を見れば,本システム自体も,部分システムと考えることができるのは,明らかである.
要件5 集水域への降水を入力とすれば,内部で受益者に水を配分し,一部の利用されなかった水やサブシステムから排水された水は河川下流側に流れていくが,これは出力と見なすことができる.
水資源システム計画の特徴 • 自然法則に大きく支配されるシステム • 多くの不確実性に左右することが避けられない • まれな頻度で生じる現象 • 異常現象:大きな被害や影響 • 異常な大洪水や大渇水 • リスクの分析と評価を適切に行い,対応策を事前に想定
モデル構築 • システムの性能評価 • システムは特定の働き:働きを評価 • システムは利益または損失 • モデルの構築 • システムを構成する要素間には相互関係 • 要素を定量的に表現:変数 • 要素間の関係:数式で表現 • 決定変数(decision variable) • 意志決定しなければならない量を表す変数の組
モデル構築 • 目的関数 • 決定変数の組が良いか悪いか判断する基準.たとえば,費用,利潤,所要時間 • 利益:最大;損失:最小 • 制約条件(constraints) • 許容される決定変数の組がとりうる値の範囲 • 定式化 • 制約条件・目的関数を定めること • 最適化 • システムに課された制約を満たした上で,その特定の働きが望ましい状態となるような決定変数を求める
モデル構築 • 最適化の手法(OR:Operation Research;Operational Research) • 線形計画法(LP):Linear programming • 目的関数・制約条件が線形 • 制約条件が増加→計算量が増大 • 定型化された解法:汎用性が高い • ソフトウエアー開発が容易:市販のソフトウエアー • 動的計画法(DP):Dynamic Programming • 目的関数・制約条件の自由度が高い • 制約条件が増加→計算過程が簡素化 • 決定変数が増加→計算量が指数乗的に増大 • 汎用性が低い:個々の問題に対してプログラムを作成 • シミュレーション • 事象・状況をコンピュータ上で再現 • 計算を反復して,最善と予想されるものを模索
線形計画法 • 表記 • 目的関数:最大化または最小化 • cj:利潤係数 • 制約条件 • a1,j:技術係数
例線形計画法 ある缶詰メーカーは,国産の牛肉と輸入の牛肉を表のように組み合わせて製品A,B,C,Dとして製造販売をしている.各製品の1箱当たりの利潤は,A=4,000円,B=5,000円,C=9,000円,D=11,000円である.すべての肉は,腐敗をさけるために3日以内に缶詰されなければならない.製造工場が処理できる1日当たりの缶詰の総数は500箱である.市場調査の結果から,3日間で製品A,Bは合わせて600箱以上,製品C,Dは合わせて1,000箱以下の売上げが予想される.3日間の利潤を最大化するために,この問題を線形計画法の問題として定式化せよ.
例線形計画法 • ステップ1:目的を明確化 • 3日間の利潤が最大となるような各製品の製造数の組み合わせ • ステップ2:決定変数の定義 • x1=製造すべき製品Aの箱数 • x2=製造すべき製品Bの箱数 • x3=製造すべき製品Cの箱数 • x4=製造すべき製品Dの箱数
例線形計画法 • ステップ3:目的関数の定義 • x0=4000x1+5000x2+9000x3+11000x4→最大化 • ステップ4:制約条件 • 非負条件 • x1≧0,x2≧0,x3≧0,x4≧0 • 製造工場の能力 • x1+x2+x3+x4≦500×3 • 国産の牛肉の利用可能量 • 3x1+5x2+10x3+15x4≦1000 • 輸入の牛肉の利用可能量 • 7x1+5x2+3x3+2x4≦1200 • 需要量の市場調査 • x1+x2≧600→-x1-x2≦-600 • x3+x4≦1000
例線形計画法 • 目的関数 x0=4000x1+5000x2+9000x3+11000x4→最大化 • 制約条件 x1+ x2+ x3+ x4≦1500 3x1+5x2+10x3+15x4≦1000 7x1+5x2+ 3x3 + 2x4≦1200 -x1 - x2 ≦-600 x3 + x4≦1000 x1≧0,x2≧0,x3≧0,x4≧0