1 / 17

小惑星の位置合わせと グリッドの応用

小惑星の位置合わせと グリッドの応用. 寺薗 淳也 ( 日本スペースガード協会 BATTeRS プロジェクト / ( 財 ) 日本宇宙フォーラム ). terakin@spaceguard.or.jp jtv@terakin.com. http://www.spaceguard.or.jp/ http://www.terakin.com/. クレーンで吊り下げられて運ばれる 1m 望遠鏡の架台 (2001.12). 宇宙からの脅威を見張る設備が必要 !. 観測施設整備の背景.

evan-ayers
Download Presentation

小惑星の位置合わせと グリッドの応用

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 小惑星の位置合わせとグリッドの応用 寺薗 淳也(日本スペースガード協会 BATTeRSプロジェクト/(財)日本宇宙フォーラム) terakin@spaceguard.or.jpjtv@terakin.com http://www.spaceguard.or.jp/http://www.terakin.com/ クレーンで吊り下げられて運ばれる1m望遠鏡の架台(2001.12)

  2. 宇宙からの脅威を見張る設備が必要! 観測施設整備の背景 • 近年、「宇宙のゴミ」(スペースデブリ)の数が激増し、人類の宇宙活動に対する脅威となりつつある • また、小惑星の地球への衝突は、人類文明を一瞬にして破壊してしまう、潜在的な可能性を秘めている。 大きさ10cm以上のデブリだけでも9000個以上、もっと小さなデブリは無数に存在していると確かめられている。mmオーダ以下のデブリでも、船外活動中の宇宙飛行士に当たれば、致命的なダメージを与える。 直径10kmの小惑星が衝突すれば、恐竜絶滅時とほぼ同じような事態になり、人類文明は存続の危機に立たされる。

  3. 小惑星・デブリ等観測施設の整備 • 平成10年度から6年計画で、岡山県に観測施設を整備。 • 光学設備(望遠鏡)による監視施設(美星スペースガードセンター=BSGC)と、電波(レーダ)による監視施設(上斎原スペースガードセンター=KSGC)の2つの施設を整備。 • 旧科学技術庁の特別電源所在県科学技術振興事業補助金を利用し、(財)日本宇宙フォーラムが施設整備を実行。 • 平成13年度(2001年度)までに光学施設(BSGC)は整備完了し、現在運用段階。また、レーダ施設(=KSGC)については、平成15年度(2003年度)までに整備完了予定。

  4. 美星スペースガードセンター • 口径1m、50cm、25cmの3種類の光学望遠鏡により、主に地球近傍小惑星、及び人工衛星やスペースデブリの光学観測を行う。 • 観測は、宇宙開発事業団から(財)日本宇宙フォーラムが委託を受け、NPO法人日本スペースガード協会が実施。 中央のドームが大型観測棟(1m望遠鏡)、奥側のスライドルーフに、50cm望遠鏡と25cm望遠鏡がある。手前はラベンダー畑。右手奥は町立美星天文台。

  5. 1m望遠鏡 • 小惑星やデブリ観測の主力となる望遠鏡。 • カメラには10個のCCDがモザイク上に配列され、視野角3°という広い範囲を同時に撮像することが可能。

  6. 1m望遠鏡 左…据えつけが完了した1m望遠鏡(2001.12) 下…CCDカメラを取りつけた1m望遠鏡(2002.2)

  7. CCDカメラ 2000×4000ピクセルの領域を持つ高感度CCDを10枚使用。

  8. 50cm望遠鏡 ↑1m望遠鏡用ドームと50cm望遠鏡50cm望遠鏡及びCCDカメラ→

  9. これまでの状況 • 2001年4月より、50cm望遠鏡、及び25cm望遠鏡によるテスト観測を開始。2000年10月には、BSGC初の地球近傍小惑星発見(2000UV13)。 • 2001年11月に新たな彗星を発見。現在、BATTERS彗星(C/2001W2)として登録。 • 2001年12月に1m望遠鏡の設置完了。 • 2002年1~2月にかけてCCDカメラを設置。現在テスト観測中。 • 100以上の新小惑星を発見。フォローアップ観測も実施。 • MUSES-C計画の候補天体である、1998SF36の光度曲線観測を実施(2001.2) • 現在、6名の観測者が常駐し、観測を行う。 BATTERS彗星発見時の画像→

  10. BSGCのデータ処理 データ公開のポリシー • 内部ユーザは、観測データへのフルアクセスが可能。観測直後のデータなどについてもアクセスすることができる。 • 一般の人を含め、その他のユーザについては、データ発生後2週間で公開を行う。(この2週間というタイミングは、他の科学データに比べても非常に早い) データの流れ • データ量が非常に多い。1m望遠鏡の稼働時に出力されるデータ量は一晩で数十GBにも及ぶ。 • データはまず、BSGC内のサーバに蓄積される。必要な解析をローカルに行うか、画像をそれぞれの機関にダウンロードしてそこで解析する。 • 美星町が所有する光ファイバー網から岡山ギガビットネットワーク(TAO)を経由し、倉敷芸術科学大学を通じインターネットに接続。(最大622Mbps) • 約3TBのネットワークディスクをセンター内に用意。現在、データベースシステムの整備中。

  11. データアーカイブ検索システム • 観測場所や観測対象など、いろいろなパラメータでデータの絞り込みが可能。 • データを分割して、あるいは全体でダウンロードすることができる。 • 複数データの一括ダウンロードが可能。 • データは(自動的に)圧縮されてダウンロードされる。 インターネット経由でデータの検索、ダウンロードなどができるシステムを現在構築中。このシステムの特徴は次の通り。 美星スペースガードセンターのデータアーカイブシステムトップページ

  12. 教育プロジェクト • BSGCで得られた観測データを利用した「国際小惑星監視プロジェクト」を実施した(2000年12月~2001年3月) • このプロジェクトは、主に中学・高校生を対象とした教育用のアウトリーチプログラムだが、プログラムは一般の人々にも配布された。これを利用して、一般の人も多数応募し、一緒に小惑星探しを行った。 • このプロジェクトを実施するため、小惑星発見用のソフトウェア「アステロイドキャッチャーB-612」を新たに開発した。このプログラム自体は、当時のBSGCのネットワーク回線が非常に細かったことを考慮してCD-ROM形態で配布された。

  13. 本格稼働への準備 データ様式の検討(FITSヘッダ) • 現在は、小惑星の判定については、観測者がパソコン画面上でのブリンキングによって判別している。 • しかし、1m望遠鏡が本格的に稼働したら、データ量からみてとても間に合うものではない。 • そのため、ブリンキングを自動的に行い、小惑星を自動発見するためのソフトウェアを開発中。 • 観測データは、天文分野で一般的なFITSというフォーマットで出力されるが、このヘッダの仕様を決めることが、観測データの迅速な流通には不可欠。 • FITSヘッダの様式などについて、望遠鏡の仕様なども考慮しながら検討中。 小惑星の自動判定

  14. 小惑星の同定処理 同定方法については現在検討を進めているところであるが、大体の処理の流れは以下の通り。 CCDから出力されてきたデータを分割 画像補正(Flat field,thermal,biasの各補正) WCSを計算 星像の検出、移動天体ピックアップ

  15. データ処理に必要とされる能力 • これらの同定処理を、リアルタイム、ないしは準リアルタイムで行うとすると、かなりのCPUパワーが必要。 • 少なくとも、所内のネットワークを使ったグリッド処理で、かなり解決できる部分がある? • 汎用性や効率性も考えなければならない。その意味からもグリッド技術を応用するのが最適。 • 大容量のデータを蓄積し、それを送信する技術も必要。 • ネットワーク速度はいくらあっても足りないが、システム内部で限界が来るなら、ネットワークアーキテクチャで克服するしかない。 • グリッド技術を応用して、並列的なデータサーバのアーキテクチャを組めると魅力的。

  16. グリッド技術の応用範囲として • 広い範囲に分散しているディスクを、ネットワーク経由で1つのストレージとしてまとめ上げるような技術。(ネットワーク経由でのLVMのような概念) • 内部ネットワークであれば、ストレージを1つの単位で管理できる。また、ディスクの追加や交換も極めて簡単。 • 外部ネットワークであれば、たとえば、ディスクが余っている組織のディスク領域を(一時的に)借りるなどして、柔軟なディスク構成が組める。 • 並列ネットワークのアーキテクチャ • あえてグリッド技術といわないまでも、現存する技術を組み合わせることによって克服できるか? • 1つのデータを並列で送受信することで、スピードが速くなることは確か。問題はそれをどのように実現するか…。

  17. 今後の予定 • システムのさらなる整備1m望遠鏡からのデータが出はじめるのに合わせて、システムのチューンアップ、総合性能の向上を行う。 • 小惑星同定アルゴリズムの検討、実装プログラム作り、テスト、そして実運用へ。 • 定常運用体制へテスト観測から、定常的な観測へ。小惑星検出やデータ整理など、定常作業をできる限り自動化し、観測に集中できる態勢を整える。 • 他プロジェクトとの連携フォローアップ観測などを通じた連携を。

More Related