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ゲーム理論(第8回). 2011 年 11 月 18 日. 今日の講義. 「最適反応曲線」のアイデアを用いる例として,クールノー ・モデルについて学ぶ。 クールノー・モデル:2企業 寡占(複占)モデル。. どんなゲームか?. プレイヤー:企業 A と企業 B 戦略:生産量(両企業ともに,全く同質の財を生産している) 利得:各企業の利潤. 「 ゲーム」としての性格. 市場全体の供給量が,自分の生産量と相手の生産量のみに依存して決まる。 供給 する 財 の 価格 は同一 (ここがポイント)
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ゲーム理論(第8回) 2011年11月18日
今日の講義 • 「最適反応曲線」のアイデアを用いる例として,クールノー・モデルについて学ぶ。 • クールノー・モデル:2企業寡占(複占)モデル。
どんなゲームか? • プレイヤー:企業Aと企業B • 戦略:生産量(両企業ともに,全く同質の財を生産している) • 利得:各企業の利潤
「ゲーム」としての性格 • 市場全体の供給量が,自分の生産量と相手の生産量のみに依存して決まる。 • 供給する財の価格は同一(ここがポイント) • 価格をつり上げようとして生産量を抑えても,相手が生産量を増やしたら価格は上がらない(逆もある)。その点が戦略的相互依存の原因。 • 完全競争市場では起きない現象。
モデル • 需要側:逆需要関数 :市場価格, :需要量 • 供給側:2企業(企業A,企業B) :企業Aの供給量, :企業Bの供給量 • 完全に同一の財を供給している。限界費用は10で一定,固定費用はゼロとする。 • 需給均衡条件: • 市場価格:
各企業の利潤 • 企業Aの利潤 さらに整理: • 企業Bの利潤 さらに整理: • どちらの利得にも,相手の生産量(戦略)が入っている=戦略的相互依存関係
最適反応曲線を求める • 最適反応曲線:相手の行動を与件として,自らの利得を最大にする戦略(行動)を選ぶことによって導ける。 • このモデル:自らの戦略に関する偏微係数を求め,それをゼロとおくことで求まる。 • 企業Aの場合: 整理した結果: • 企業Bの場合: 整理した結果:
グラフにする 90 企業Aの最適反応曲線 45 企業Bの最適反応曲線 45 90
クールノー・ナッシュ均衡 90 企業Aの最適反応曲線 45 30 企業Bの最適反応曲線 30 45 90
計算で求める • 最適反応曲線の交点 = 連立方程式の解 • 企業Aの最適反応曲線を表す式 より, • 企業Bの最適反応曲線を表す式 より, • 裏技:対称的な式(変数を入れ替えただけ)なので,はじめから で計算してよい。→ がすぐ導ける。
一般的なモデル • 需要側:逆需要関数 :市場価格, :需要量 • 供給側:2企業(企業A,企業B) :企業Aの供給量, :企業Bの供給量 • 完全に同一の財を供給している。企業Aの限界費用は で一定,企業Bは で一定とする。また固定費用はゼロとする。 • 需給均衡条件:
ゲーム理論と産業組織論 • New IO (Industrial Organization)と呼ばれる分野がある。 • 1980年代,ゲーム理論が盛んになると共に,ゲーム理論の手法を積極的に利用して独占・寡占の分析を行った。 • 標準的な教科書 Tirole,J.(1988) The Theory of Industrial Organization The MIT Press, Cambridge,MA.