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Can-Do Statements が日本の外国語教育に対して持ちうる可能性について

慶應義塾大学外国語教育研究センター学術フロンティア 行動中心複言語学習プロジェクト 2008 年度第 3 回全体会議( 2009.01.25 ). Can-Do Statements が日本の外国語教育に対して持ちうる可能性について. 長沼君主. (東京外国語大学). 言語能力発達段階記述の枠組み. ALTE Framework. Common European Framework of Reference for Languages. ACTFL Proficiency Guidelines / LinguaFolio.

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Can-Do Statements が日本の外国語教育に対して持ちうる可能性について

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  1. 慶應義塾大学外国語教育研究センター学術フロンティア慶應義塾大学外国語教育研究センター学術フロンティア 行動中心複言語学習プロジェクト2008年度第3回全体会議(2009.01.25) Can-Do Statementsが日本の外国語教育に対して持ちうる可能性について 長沼君主 (東京外国語大学)

  2. 言語能力発達段階記述の枠組み ALTE Framework Common European Framework of Reference for Languages ACTFL Proficiency Guidelines / LinguaFolio Standards for Foreign Language Learning National Curriculum for England Languages Ladder Canadian Language Benchmarks International Second Language Proficiency Ratings Australian Language Levels Guidelines 各国における様々なCan-Doベースの能力発達段階の記述の枠組み

  3. Can-Do Statements (CDS) の機能と目的 Ⅰ 自己能力評価のためのCDS ・・・ CEFR (Self-assessment Checklist: BICS) - CEFRの6段階のそれぞれのレベルで技能ごとに到達可能な項目のチェックリスト - can do under normal circumstances / easily (80%基準) *学習目標もあり Ⅱ テストスコア解釈のためのCDS ・・・ TOEIC(Can-Do Guide: BICS/Score Descriptors [新TOEIC])cf. JETRO - Can Do / Can Do with difficulty /Cannot Do (スコアバンド)[Guide] - Strength / Weakness [Descriptors] *テスト内容に基づく分析 ・・・ TOEFL iBT(Competency Descriptors: CALP) - Very unlikely (50%) Unlikely (65%) Borderline (80%) Likely (95%) Very likely(スコアバンド) ・・・ GTECfor Students(Can-do Statements: BICS・CALP / Proficiency Guidelines) - 各グレードごとのCan-Doリスト *各活動で4段階の能力段階に基づく分析 ・・・ STEP(英検Can-doリスト: BICS) cf. JLPT - 各級ごとのCan-Doリスト *BULATSではCEFR/ALTEのCDS利用

  4. CDSの回答方式および項目カテゴリー 段階尺度型: TOEIC 【日常(FL)/仕事】 - 75項目 = 15項目×5技能 (Interactive Skills含む) - 「まったくできない(not at all)」から「簡単にできる(easily)」の5段階で評定 - 日常活動(会話・旅行・注文・買い物)/職場活動(聞く/話す・読む・書く)のカテゴリー - スコア帯ごとに、「できない」、「困難を伴う」、「できる」行動をリスト化してFB チェックリスト型: CEFR 【日常(L2)】 - A1/A2/B1/B2/C1/C2のそれぞれのレベルでできる項目をリスト化(80%で到達) - 5技能 (Spoken Interaction含む、その他、StrategiesとLanguage Qualityも含まれる) - 「できない」、「通常の状況であれば」、「簡単にできる」の3段階で評定 到達指標型: GTEC 【学習/日常(FL)】 - 教室内、教室外、国外場面での言語活動をリスト化 - それぞれの活動ができる段階を4(3)段階の具体的な到達指標により評定 - グレードごとにできる可能性の高い(できる>できない)行動をリスト化してFB

  5. フレームワーク 評価タスク テストスコア シラバス 自己評価CDS 内部指標CDS スコア解釈CDS 外部指標CDS 外部指標としてのCDSと内部指標としてのCDS ・ 利用者を限定しない一般的な能力記述(⇔「できるはずのこと」) ・ 個々の学習タスクを扱うには抽象の度合いが高かったり、 扱われている活動の幅が広かったりする ・ 目の前の実践場面においてそのままの形で適用することは難しい ⇒ シラバスに基づいたクラス内の「内部指標としてのCDS」

  6. 1st grade 2nd grade 3rd grade 1st term 1st term 1st term 2nd term 2nd term 2nd term ・・・・・ ・・・ Self-Assessment Checklists (can-do+needs) ⇔ goals/objectives 各段階(グレード)で70-80%ができる活動をリスト化(内部指標) (外部指標としてCEFRなどの該当する記述も併記) ⇒「今、ここ」の教室場面において、過去において現実に達成された到達基準 個々の教室場面に応じて開発された、現実感を伴った能力記述 内部指標としてのCDSの開発

  7. 香住丘Can-Doグレードおよびチェックリスト 4技能統合型シラバスに基づいた「香住丘Can-Doグレード」の開発(2005) 各学年を前半と後半に分けた6つのグレードのそれぞれにおける能力記述 +各グレードにおけるGTECやTOEIC、英検などの外部到達指標 学習者向けの具体的能力記述 各グレードで各技能5項目選択 到達度チェックのための「香住丘Can-Doチェックリスト」の開発(2006-2007) それぞれのグレードで「できる度チェック」(can-do)と「やりたい度チェック」(needs)を4段階で行い、項目の到達度とニーズの分析およびチェック 「やりたい度チェック」(needs) 「できる度チェック」(can-do)

  8. ・現実生活場面や職業場面でのコミュニカティブなタスクではなく、より教室場面に・現実生活場面や職業場面でのコミュニカティブなタスクではなく、より教室場面に 即したアカデミックな学習タスク 清泉アカデミックCan-Do尺度の開発 ・学習発達段階(到達目標)を踏まえた4段階の具体的な選択肢による尺度 「4」: 2年生の上級レベル、「3」: 2年生の普通レベルまたは1年生の上級レベル 「2」: 1年生の普通レベル、「1」: 上記レベルに達していない段階 ・Can-Do尺度に基づくスキルバランスおよび能力発達段階の把握 例: 高校の教科書レベルの短いテキストを音読することができる 1) モデル音声を何回か聞いても、つっかえずに自然に読むのが難しい 2) モデル音声を1回聞けば、つっかえずに自然に読むことができる 3) モデル音声を聞かなくても、1回黙読をすればつっかえずに自然に読むことができる 4) モデル音声を聞かず、あらかじめ黙読しないでもつっかえずに自然に読むことができる *4技能×5項目=20項目のCDS [配布資料参照(長沼・宮嶋, 2006)] *サンプル指標(sample descriptor)としての学習段階の記述 → 小学校版および中学校版Can-Do尺度の開発[中央教育研究所プロジェクト]

  9. 香住丘Can-Do調査2006【SPEAKING】 A1) 高校の教科書レベルの短いテキストを読んで、その内容を英語で説明できる A2) 映像資料を使いながら、よく知っている話題に関するプレゼンテーションができる A3) 授業で練習した表現を使って、日常的な話題に関してペアで会話(ロールプレイ)ができる A4) よく知っている話題に関して、数人のグループで会話(ディスカッション)ができる A5) 日常的な場面を描いた4コマの絵を見て、その内容を英語で説明できる

  10. 香住丘Can-Do調査2006【LISTENING】 B1) 日常的な話題や関心のあるテーマのニュースや、映画などを英語で聞いて理解できる B2) 日常的な話題に関する英語を聞いて、理解することができる B3) あまり専門的でない内容に関する、比較的ゆっくりとした英語の説明を聞いて理解できる B4) 授業中に教師が話す英語を聞いて理解できる B5) 日常的な生活上での英語を聞いて、必要な情報が理解できる

  11. 香住丘Can-Do調査2006【READING】 C1) 日常的に接する英語で書かれたテキストを読んで、必要な情報が理解できる C2) 高校の教科書レベルの短いテキストを、ある程度の速さで読むことができる C3) ある程度の長さの構成のはっきりとした英文を読んで、理解できる C4) 辞書を引かずに英語の物語やエッセイを読むことができる C5) 高校の教科書レベルの短いテキストを音読することができる

  12. 香住丘Can-Do調査2006【WRITING】 D1) 英語で書いた原稿を見て、自分で文法的な誤りを直すことができる D2) 高校の教科書レベルの英語を聞いて、メモを取った上で英語で要約することができる D3) 英語で一貫したまとまりのある文章を書くことができる D4) 英語で出来事や状況を説明する文章をことができる D5) 知人や友人、先生からの英語のメールを読んで、返事を書くことができる

  13. 香住丘Can-Do評価-学習タスクの開発と今後の展望香住丘Can-Do評価-学習タスクの開発と今後の展望 【速読/精読タスク】 「まとまった文章をある程度の速さで読みながら、正確な理解をすることができる」 1. ゆっくりと時間を書けて読んでも理解できないところがある。 2. ゆっくり時間をかければ大体理解できるが、速く読むと分からないところが出てくる。 3. ある程度の速さで読んでも大体理解でき、ゆっくりと読めばほぼ完全に理解できる。 4. ある程度の速さで読んでも、ほぼ完全に理解できる。 【ディクト/コピーグロスタスク】*コピーグロスにおいては「聞く→読む」 「ある程度まとまった量の英語を聞いて、重要な部分を書きとめてまとめることができる」 1. 2回聞いても部分的な理解であり、全体の概要が理解できない。 2. 2回聞けば全体の概要を理解できるが、とりこぼしてしまい、書きとめられない部分もある。 3. 1回聞いただけでは分からない部分もあるが、2回聞けば重要な部分をほぼ書き取れる。 4. 1回聞いただけで、重要な部分をほぼ書き取り、まとめることができる。 ・・・Can-Doに基づいた「評価-学習タスク」作成およびモジュール化

  14. 学習・評価タスク(速精読) まとまった文章をある程度の速さで読みながら、正確な理解をすることができる。 1 ゆっくりと時間と時間をかけて読んでも理解できないところがある。 2 ゆっくり時間をかければ大体理解できるが、速く読むと分からないところがでてくる。 3 ある程度の速さで読んでも大体理解でき、ゆっくりと読めばほぼ完全に理解できる。 4 ある程度の速さで読んでも、ほぼ完全に理解できる。 Material 1) 英検2筆記読解問題 300words程度 2) 英検準1級筆記読解問題 300words程度 3) 英検2級筆記読解問題 300words程度 4) 英検準1級筆記読解問題 400words程度 5) More Reading Power (Reading Faster) 500words程度 【速読タスク】 Criteria 1 問題正答率: 速読・精読ともに2問以下/4問 2 問題正答率: 精読3問/4問 3 問題正答率: 速読3問以上/4問 精読4問/4問(速読130wpm以上) 4 問題正答率: 速読・精読4問/4問

  15. 速精読タスク結果①-④ WPM CDS

  16. 速精読タスク結果⑤ WPM *MRP=More Reading Power NCA

  17. 学習・評価タスク(Copygloss) ある程度まとまった量の英語を読んで、重要な部分を書きとめて、まとめることができる 12回速読しても部分的な理解であり、全体の概要が理解できない。 22回速読すれば、全体の概要を理解できるが、とりこぼしてしまい、書きとめられない部分もある。 31回速読しただけでは分からない部分もあるが、2回読めば重要な部分をほぼ書き取れる。 41回速読しただけで、重要な部分をほぼ書き取り、まとめることができる。 Material 英検2級リスニング問題(モノローグ)70words程度 Criteria 1 情報理解度: 4/9以下(2回目) 2 情報理解度: 5-6/9(2回目) 3 情報理解度: 5-6/9(1回目) 7-8/9(2回目) 4 情報理解度: 7-8/9(1回目) 1文に2~3の情報量を含む。そのうちいくつ理解できているか。

  18. コピーグロスタスク結果 NCA CDS

  19. CDSの段階化と素材レベルの階層化 CDS CDS CDS ②←① ③←② ④←③ 3年 LEVEL03+ LEVEL03 LEVEL02 *大学レベル ②←① ③←② ④←③ 2年 LEVEL03 LEVEL02 LEVEL01 ②←① ③←② ④←③ 1年 LEVEL02 LEVEL01 LEVEL01- *中学レベル LEVEL02を基準としてCDSの段階化 タスクレベル = CDS段階(①~④)× 素材レベル(01-03) language skills language resources

  20. 埼玉PJでの段階的プロジェクト実施計画案 (第1フェーズ)~スキルマッピング~ Can-Doフレームワークを用いて、各Can-Do項目で記述される活動に該当もしくは類似する活動が、各学年の前後期にどの程度行われているかチェックを行う チェックにあたっては、可能な範囲で、よく行っている(◎)、行っている(○)、たまに行っている(△)、ほとんど行っていない(×)の頻度を、その学年の授業科目全体から判断する Can-Do/ニーズ調査の結果を参照した上で、外国語科として重視しているコアスキルを話し合い、授業間および学年間でのスキル連携の可能性を検討する 実際にどの程度現状で行っているかという視点から授業分析を行い、コアスキルとなるスキルに関して、授業間や学年間でのつながりを意識することを目的とする

  21. 共通フレームワークによるスキルマッピング ・・・ 清泉アカデミックCDSの該当レベルをチェック(4:◎、3:○、2:△)

  22. 埼玉PJでの段階的プロジェクト実施計画案 (第2フェーズ)~授業内タスク分析・記述~ コアスキルに関して、現状での各授業内での取り扱い(タスク)を記述する。その際に可能であれば、Can-Do記述の修正を合わせて行う 可能な範囲で授業間および学年間でのスキル連携を踏まえた上で、次年度に向けた英語Can-Doフレームワークの修正を行う。また適宜授業内での取り組みの記録を残していく 上記のコアスキルの意識化をより明確にするために、可能な範囲で現状の各授業における授業内タスクの分析および記述を行った上で、今後の授業間・学年間のスキル連携を具体的にプラニングしていく。その中でスキル的な観点から授業展開を意識し、授業担当者間で対話を行う機会が増えていくことを目的とする

  23. Skill: can’t 1. 2. 3. 4. can CDS作成フォーマット ・・・ オリジナルCDSの作成または共通CDSのカスタマイズ

  24. 埼玉PJでの段階的プロジェクト実施計画案 (第3フェーズ)~評価タスク開発~ コアスキルに関して、授業内での取り組みの実態に合わせてCan-Do記述を修正し、評価タスクを開発および実施する。(事前事後比較を行う) タスクの評価基準を作成し、Can-Do項目の4段階の能力段階の評価を行った上で、結果を分析する。また、評価基準を作成する中で、Can-Do記述および評価タスクの修正を行う 可能であれば、授業タスクと評価タスクを区別し、授業内で行っているタスクのどの部分を評価として利用するか、または別途評価タスクを開発し、実施するのかの検討を行う 評価タスクを具体的に考える中で、コアスキルに関するCan-Do記述や基準がより明確になることを目的とする。また評価タスクを開発することにより、外部スコアだけに依存しない、授業の取り組みの効果検証と、具体的な評価を伴ったスキル連係を可能とし、教員間でスキルに対する視点が共有されることを目的とする

  25. 1.Material/Task 2.Instruction/Procedure 3.Criteria/Evaluation 4.Competence/Limitation 評価タスク作成フォーマット どのような素材や課題を設けるか? どのような手順で行うか?プレ・ポストタスク? どのような基準で評価するか? 限界点は?逆にそこから分かる能力は? ・・・ CDSのタスク化による評価および項目の改訂

  26. SELHi校での共同研究プロジェクト 福岡県香住丘高校 Can-Doフレームワークの構築 → Can-Doリストの開発 → 評価タスクの開発 *同時に外部評価としての清泉Can-Do尺度の実施によるスキルマップ作成 新潟県村上中等教育学校 習熟度別クラスでの単元別Can-Doリストの開発 → Can-Doフレームワークの開発  *スキルマップ作成によるCan-Doリスト中のコア項目の絞込み 埼玉県南稜高校(埼玉県英語運用力向上推進事業参加校) 学習・評価タスクの開発 → スキルマッピング/Can-Doフレームワークの開発  *Can-Doによりタスクをつなぐことによるタスクフレームワークの構築中 何をどのような目的でモデルとするか?

  27. 村上中等教育学校Can-doチェックリスト(単元カリキュラム)村上中等教育学校Can-doチェックリスト(単元カリキュラム) ・・・ 各ユニットを言語スキルと言語素材を切り分けてCan-Doリスト化

  28. 南稜高等学校タスクフレームワーク(内容シラバス)南稜高等学校タスクフレームワーク(内容シラバス)

  29. 南稜高等学校コアスキルCDSおよびタスクリスト南稜高等学校コアスキルCDSおよびタスクリスト 4技能統合目標:「自分の体験や友人や先生の話、及び外部の情報源をもとにして、 自分の意見を発表し、友人と意見の交換ができる」 ・・・ CDSの各段階から次の段階に上がるためのタスクの割り当て

  30. 小学校動機づけ診断調査2007 16.英語を話す人々と友だちや知り合いになりたいので勉強する。 17.社会に出てより良い仕事につくのに役に立つと思うので勉強する。 18.英語を話す国に限らず、外国の人々、文化、歴史、社会などに関心があるので勉強する。 19.英語の歌や映画などをわかるようになりたいので勉強する。 20.自分がやりたいからでなく、英語活動の時間があるので勉強している。 「言語学習動機づけ診断尺度(小学校版)」より

  31. 小学校Can-Do調査2007【SPEAKING】 A01 読んでもらった絵本の内容を、1回だけ聞いて英語で説明することができる。 A02 絵や物を見せながら、そのことについて英語で言うことができる。 A03 授業中に練習した表現を使って、ペアになって英語で会話をすることができる。 A04 数人のグループになって、英語で会話をすることができる。 A05 かんたんな4コマの絵を見て、その内容を英語で説明することができる。 A06 やさしい歌やチャンツを聞いて歌うことができる。

  32. 小学校Can-Do調査2007【SPEAKING】

  33. emotion long-term short-term interest 【individual】 (well-developed) 【situational】 competence Can-Doと動機づけ

  34. Thank You Very Much n.naganuma@tufs.ac.jp

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