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HEPe 設計の現状について. 高島研 修士2年 小林光吉 2009 年 6 月 30 日 STPセミナー発表. 1. 研究背景 ERG 衛星とは. Energization and Radiation in Geospace. ERG 衛星計画 ・軌道: 静止軌道遷移軌道 ・遠地点: 5.0 Re 近地点: 250 km ・軌道傾斜角: 10 度 ・打ち上げ: 2015 年予定 ・衛星姿勢: 太陽指向スピン衛星 (スピン周期 4秒) ・観測エネルギー範囲: 電子( 0.1eV ~ 20MeV ). ERG 衛星の目的
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HEPe設計の現状について 高島研 修士2年 小林光吉 2009年6月30日 STPセミナー発表 1
研究背景 ERG衛星とは Energization and Radiation in Geospace ERG衛星計画 ・軌道: 静止軌道遷移軌道 ・遠地点: 5.0 Re 近地点:250 km ・軌道傾斜角:10度 ・打ち上げ:2015年予定 ・衛星姿勢:太陽指向スピン衛星 (スピン周期 4秒) ・観測エネルギー範囲: 電子(0.1eV~20MeV) ERG衛星の目的 ①宇宙空間に存在する高エネルギー粒子の加速過程解明 ②宇宙天気予報を確立するためのデータ取得 2
高エネルギー電子観測器HEPe 電子が高エネルギー(MeV以上)まで加速される過程では、 数十~数百keVのエネルギーを持った電子が観測されるはず。 カギとなるエネルギー帯の電子を観測するのが 高エネルギー電子観測器である。 ピンホール コリメータ 観測器外観 隔壁 半導体検出器 観測器概要 広視野 (180°×10°4秒サイクルで全天観測) 高角度分解能 (10°×10°) 観測電子エネルギー領域 50keV~1000keV 感度 3.73×10-3 cm2・sr 3
高エネルギー電子観測器の意義 ・高エネルギー電子のもととなる 数十~100keVのエネルギーを持つ 電子を直接観測し、電子の加速で 断熱加速、非断熱加速のどちらが 優位に働きかけているのかを解明 する。 ・CRRES衛星以後、磁気赤道面での 高エネルギー粒子と電場磁場のその 場観測は行われていない。また、 CRRES衛星についても陽子のコンタ ミのため、210keV以下の電子を観測 出来なかったことも多い。今回陽子に よるノイズ対策を行うことでコンタミの 問題を解決し、より正確なデータ取得 を目指す。 粒子加速メカニズム模式図 4
○陽子 ○電子 109 粒子の存在量 108 107 106 [/cm2/sec/MeV] 200 400600 800 1000 1200 1400 1600 1800 粒子のエネルギー [keV] 陽子によるノイズ 観測器の課題点 電子 ? 陽子 半導体検出器 宇宙空間には観測対象となる電子以外にも多量の陽子が存在しており、 検出器に入射してくることで電子の信号と混ざって正常な観測が出来なくなる。 そこで陽子の信号を除去する工夫が必要である。 5
陽子-電子分別の手法 対策1 低エネルギー陽子 アルミニウムコーティング 陽子 電子 アルミ膜 半導体検出器 半導体検出器の表面にアルミ膜を張り、低エネルギーの陽子は検出器に到達 しないようにする。高エネルギーの陽子のみ半導体検出器に到達出来るように し、通常は高エネルギーの粒子ほど数が少ないという性質を用いて陽子の影響を 低減させる。 6
陽子-電子分別の手法2 対策2 陽子 電子 アルミ膜 半導体検出器 高エネルギー陽子 検出器の複数枚化 粒子の各SSDにおけるDepositEnergyの分布範囲を制限することで、 粒子の分別が可能となる。 7
SSD部内における粒子の軌跡 低エネルギーイベント ② ② SSD1 SSD2 SSD3 SSD4 SSD5 ① ①’ ③ ④ アルミ膜 半導体検出器 高エネルギーイベント 粒子の振る舞いとしては、半導体検出器に吸収される以外に ①後方散乱②外部散乱③複数散乱④貫通 が存在する。 特に、①’や③などのイベントは各半導体検出器にエネルギーを 落とすため、陽子分別に影響を与える可能性がある。 8
SSD1 ○電子 ○陽子 ▲電子理論値 SSD2 SSD3 各SSDのIncidentEnergy VS Deposit Energy SSD4 SSD5 >0.9MeV >0.24MeV この様に、電子と陽子とでは各SSDで落とすエネルギーの値に大きな差がある。 そこで、>5keV以上のエネルギーを電子の信号とし、 さらに SSD1で落とすエネルギー>0.24MeV or SSD2~4で落とすエネルギー>0.9MeV のときに陽子又はバックグラウンド(BG)の信号とする 9
電子の信号を陽子と誤認する場合 入射粒子の落したエネルギープロット >0.9MeV >0.24MeV SSD2 SSD1 これらは半導体内部での飛跡が長くなったり、後方散乱などによって生じる。 このような信号は陽子と判別してしまうことになる。 SSD5 SSD3 SSD4 10
電子の信号を陽子と誤認する割合 SSD2 SSD3 SSD1 SSD4 SSD5 □ hit数 十 >5keV × >0.24MeV(SSD1) >0.9MeV(SSD2~5) ×> 1.0MeV(SSD2~5) 陽子と間違えてしまう電子は2%以下の割合で存在することが分かった 11
バックグラウンド粒子の影響 半導体検出器 半導体検出器部 高エネルギーの粒子では観測器の外殻を貫通して検出器内に入射してくる ものが存在する 観測の妨げとなるバックグラウンド粒子の評価が必要である 12
前回シミュレーションの問題点 球面上にランダムに選んだ一点 バックグラウンド粒子の計測方法 検出器中心から半径R(10cm)の球上に ランダムに点を選び、その点か ら球の内側方向2π(sr)へランダムな 方向に粒子を照射する。 HEPe 前回シミュレーションの問題点 ①乱数性に疑問が残った、入射粒子数に対して十分に一様とは言えない ②入射させた粒子の統計数(10万)が想定flux(1億/sec)に対し、少なかった可能性 13
バックグラウンド粒子の評価方法1 球面上の格子点 バックグラウンド粒子の計測方法 検出器中心から半径Rの球上に 格子状に点を選び、その点か ら球の内側方向2π(sr)へランダムな 方向に粒子を照射する。 粒子の入射エネルギーは0.1MeV、 0.5MeV、1MeV、3MeV 、4MeV 、 5MeV 、6MeVである。 今回は前回よりも統計精度を上げる ため、各エネルギーごとに全球面で メモリ上限の約400万個の粒子を 入射させた。 HEPe 14
バックグラウンド粒子の評価方法2 球上のランダムな点の座標を(RsinθcosΦ,RsinθsinΦ,Rcosθ)、 入射粒子の方向を(sinαcosβ,sinαsinβ,cosα)と表すと、以下の式を モンテカルロ積分することによりバックグラウンドのカウントレートを算出する。 = バックグラウンド粒子のカウントレート[/sec] R=照射点のある球の半径 P=検出項(信号検出時:=1 信号非検出時:=0) J(E)=Differential Flux [cm2*sec*MeV]-1 同様の条件下での、ピンホールから入射する通常の信号のカウントレートを求める。 ジオメトリックファクター ∑Jdiff (E)× ΔE[MeV] ×GF[cm2*sr] / 4π= コリメータを通って入射する粒子の カウントレート[/sec] 15
Y モンテカルロ積分について ランダムなプロット点 × × × f(x) 四角形の面積=A × × × × X 上記のY<f(x)以下の領域の面積を求めたい場合、領域を含む四角形に乱数を ふってランダムに点をプロットする。十分にランダム点を取れば、斜線の面積は と表すことが出来る。 このように、モンテカルロ積分を用いると解析的に解く事が難しい積分値を 得ることが出来る。 16
バックグラウンドノイズの除去方法について 除去すべきバックグラウンド電子 コリメータ 通常取得する 電子の飛跡 半導体検出部 観測する通常の飛跡であれば一枚目の半導体検出器でエネルギーを 落とし、信号が出るはずである。したがってこの一枚目の信号が無い 場合はバックグラウンドとして除去し、ノイズを軽減することが可能である。 さらに各SSDでのDepositEnergyを判別することによってもBGを低減させることが出来る。 17
まとめ • シミュレーションにより、電子-陽子分別について性能を確認した • 外殻の厚みによるバックグラウンドノイズの評価について、 • 現在評価中である。 18