1 / 82

コミュニケーション ダイナミクス

コミュニケーション ダイナミクス. 担当者 総合政策学部  深谷昌弘. 第 Ⅰ 部  ヒューマンコミュニケーションと 社会現象. 人間同士のコミュニケーション、つまり、ヒューマンコミュニケーショ におけるダイナミックな意味の社会的編成可能性が多様性豊かな 文化を地球上に発展させてきた。 しかし、このようなヒューマン コミニケーションを取り扱うには、情報理論的コミュニケーション論 には限界があることを指摘する。そして、新しい理論の必要性と その理論が備えるべき条件を明らかにする。   (1)人間の問題解決能力を考える:フレーム問題   (2)社会関係の成立を考える:

Download Presentation

コミュニケーション ダイナミクス

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. コミュニケーション ダイナミクス 担当者 総合政策学部  深谷昌弘

  2. 第Ⅰ部 ヒューマンコミュニケーションと社会現象第Ⅰ部 ヒューマンコミュニケーションと社会現象 人間同士のコミュニケーション、つまり、ヒューマンコミュニケーショ におけるダイナミックな意味の社会的編成可能性が多様性豊かな 文化を地球上に発展させてきた。 しかし、このようなヒューマン コミニケーションを取り扱うには、情報理論的コミュニケーション論 には限界があることを指摘する。そして、新しい理論の必要性と その理論が備えるべき条件を明らかにする。   (1)人間の問題解決能力を考える:フレーム問題   (2)社会関係の成立を考える:              ダブルコンティンジェンシー問題   (3)情報理論的コミュニケーション論の限界と新理論の必要性

  3. 第II部 新しい言語・コミュニケーション論    人間社会の諸現象は意味の社会的編成と深く関わっている。ここでは、意味の社会的ダイナミズムを取り扱うためにSFCで開発されてきた言語・コミュニケーション論(意味づけ論)を概説する。       (1)会話モデル            (2)創造と迷走:意味の不確定性       (3)会話を支える意味の共有感覚:         意味づけにおける共有の秩序性

  4. これ以後の授業計画を組み替えます!

  5. 第Ⅲ部 人々の意味世界  意味づけは不確定性とともにそれなりの安定性も備えている。だからこそ、そこそこ人々は互いにコミュニケーションすることができるし、社会生活を営むことができる。ここでは意味づけが展開する内的舞台である意味世界の在り方に注目し、社会生活を支える意味世界の安定性や社会化について考える。  (1)表層・深層の意味のダイナミズム と意味世界の社会化 (2)スクリプト分析の紹介     (3)ネットワークと人々の意味世界の研究

  6. 第Ⅳ部 意味の創造を巡って  ヒューマンコミュニケーションは生産的・創造的に機能することもあれば、ときには、迷走し対立を激化させることもある。ここでは、対立しがちなまちづくりや政治などを絡めながら、新しい   パラダイムの視点から、生産的・創造的コミュニケーションを   展開するにはどうすればよいかを考えてみる。   (1)コラボレイティブ・コミュニケーションの創造性     (2)ヒューマン・コミュニケーションの倫理   (3)対立と言説のアゴラ:協働と競争の相互補完

  7. (1)コラボレーティブ・コミュニケーションの創造性(1)コラボレーティブ・コミュニケーションの創造性    まちづくり(ビデオ)から考えてみる

  8. ヒューマンコミュニケーションの創造性 新しい意味・価値は思いがけない引き込み合いから ダイアログはモノローグより創造的になりうる    思いがけない他者のコトバとの出会いが    新しい意味・価値を創発する だが創発は偶発であり制御しきれない    話し合いは生産的・創造的に展開するとは限らない    対立的情況では戦闘的・破壊的になりがち    どうすれば生産的・創造的になるだろうか?

  9. コラボレーションという共同作業 ジャムセッション・製品開発・まちづくり     現象としてのコラボレーション コラボレーション ・個が全体を創り出す営み    ・自律的でしなやかな人々の共同作業    ・ハプニングを含む響き合いからの創発    ・個々の総和以上の価値創出をめざす;分業・協業ではない    ・核心は人間のコミュニケーション協働

  10. まちづくりの話(ビデオ) 次のことに留意してビデオを見よう    都市空間は公共のコラボ財(協働財)       地域社会のみんなに強制される       互いの活動が互いの環境を構成する       空間価値は人々の協働に決定的に依存する    コミュニケーションへの言及

  11. 価値創出による対立克服 なぜ「点の改善・面のスプロール」か? 再開発タイプのまちづくり:    行政・企業・住民の協働が不可欠である 利害対立は価値創出で克服可能である 価値創出の核心はコミュニケーション協働

  12. (参照)     新しいHPが利用できます    http://imi.sfc.keio.ac.jp/mt/index.html 未来を協働創出する営み           ~~まちづくりと合意形成~~

  13. コミュニケーション ダイナミクス            課題レポート      第3回 6・21 提出:7・2 教室       自治体HPに見る情報公開と    パブリック・コミュニケーションの展開 三重県庁、藤沢市など自治体HPを閲覧し、市民と行政体との 間にコミュニケーション・チャネルがどれだけ開かれているかを 探索すること。先進的なものを見つけたらそのHPアドレスも付す。A4用紙1ページ以内にまとめること なおレポート提出は出席票提出機能を兼ねてます

  14. (2)ヒューマンコミュニケーションの倫理

  15. 話し合いを生産的・創造的にするには 製品開発・まちづくり・政治etc.は  闊達・しなやか・丹念な話し合いを必要とする               ↓   先ず共存・共栄への倫理的態度が重要です そして     自由・闊達を許容する雰囲気の醸成        引き込み合いの力学の応用      環境条件の整備(技術および制度)     

  16. なぜヒトには倫理が必要であり重要なのか? ケモノミチとヒトノミチ    インセスト・アボイダンスとインセスト・タブー    インセスト回避の制度化とそれを支える内的規範 人の意味世界が開いている、すなわち、 意味づけに不確定性があるがゆえに、 共存・共栄に方向付ける倫理が必要であり、 かつ、重要となる

  17. 倫理をどういうものとみるか?    行動・態度に関する内的基準則です    ここでは個人的倫理ではなく    社会的倫理について考えます    二つの学説:義務倫理説と価値倫理説    人間コミュニケーションの視点

  18. 行為・態度に関する内的基準則 「モーゼの十戒」 倫理命題は当為・命令形を取る 価値判断(強制性) 事実判断:人は腹が空けば飯を食う 価値判断:人は腹が空けば飯を食うべきである 倫理命題の有効性(内面性) 賛成・是認・支持の気持ちに依存する     上の二つの命題の区別は人工知能やプリミティブな     生物にとって有意味だろうか?

  19. 個人的倫理と社会的倫理 倫理の内面的性格からいえば倫理は全て個人的であるが 社会的倫理    社会の人々に共有された表現形式の当為命題    「人はーーーすべきである(すべきでない)」    個人的倫理    「私はーーーすべきである(すべきでない)」    英雄的行為や奇特な善行は社会的倫理になれない    とすれば    どのような当為命題が社会的倫理の身分を得るのか

  20. 義務倫理説と価値倫理説 義務倫理説:deontology カントの定言的命法      無条件命令文「汝ーーーせよ」      規範・義務・当為を重視する立場      仮言的命法は倫理ではない          「ーーーを欲するならば、---せよ」 価値倫理説(目的論的):axiology, teleology    アリストテレス『ニコマス倫理学』、ベンサム・功利主義    倫理の究極目的は人及び社会全体の幸福にあり、    この目的達成のため人が備えるべき徳性のことである

  21. 人間コミュニケーションの視点 相互に対立・矛盾する二つの倫理学説は ヒューマンコミュニケーションダイナミクスの視点を 導入すれば統合的に理解可能となる   人の意味世界は開いている(不確定性)   人は学習する社会的生き物である   だからこそ倫理を必要とするし、かつ、倫理の   定着が重要である   意味・価値のズレ・齟齬・対立を前提とすれば   広義のコミュニケーションを支える倫理こそが   究極的に重要である

  22. コミュニケーションを生産的・創造的にする倫理的態度コミュニケーションを生産的・創造的にする倫理的態度       闊達・しなやか・丹念な話し合い               ↓         共存・共栄への志向            他者の尊重        自己再編を厭わぬ謙虚さ

  23.   倫理的態度がしっかり定着するには  その遵守が共存・共栄をもたらすという    実感を経験することが必要である   意味知識(記憶連鎖)がコミュニケーションを含む   意味づけの諸経験を通じて社会的に形成される   ということを思い出そう ヒトは学習する生物である!

  24. (参照)意味と意味知識(意味の潜勢態)の        ダイナミズム(参照)意味と意味知識(意味の潜勢態)の        ダイナミズム              意  味               ↑↓              意味知識            (記憶連鎖集合)  意味づけ経験(コミュニケーション経験を含む)         による記憶連鎖の形成

  25. (参照) スクリプト あるモノ・コトに関する意味知識の言語表現(最小単位)    スクリプトは直接意味として浮上したり媒介項として   働いたりする       =コトバを操りつつ縛られる 幾つかの意味図式   AはBである/ない:定義・同定・メタファ   Xは(YをZ)する/ない:行為   人は(YをZ)すべきである/ない:制度・規則・倫理 これらの図式を使いながら人は概念を形成したり、 役割・慣行・制度・倫理などの内なる文化を獲得する

  26.   倫理的態度がしっかり定着するには  その遵守が共存・共栄をもたらすという    実感を経験することが必要である          しかしそれには      人々の心がけだけでなく    環境整備もなされなければならない              ↓             次 回

  27. (参照) HP: 政策倫理論

  28. コミュニケーション ダイナミクス        課題レポート(提出場所変更)    最終回 7・9 提出:7・22 研究室K403 9:00-14:00       自治体・地域社会における  パブリック・コミュニケーションの展開を考える 諸君らは前回の課題で自治体HPを観察しました。その知見、 本日と次回の講義、深谷研究室資料などを活かして 考えを纏めてください。 A4用紙2ページ以内にまとめ窓口時間内に提出すること なおオンライン提出も必要です

  29. (3)対立と言説のアゴラ:協働と競争の相互補完(3)対立と言説のアゴラ:協働と競争の相互補完

  30. 対立が厳しい政治においていかに議論を生産的創造的にするかパブリック・コミュニケーションの       在り方について考える対立が厳しい政治においていかに議論を生産的創造的にするかパブリック・コミュニケーションの       在り方について考える

  31. 民主主義:議論と多数決 民主主義は矛盾した制度か?   リンカーンが掲げた理想:人々の人々による人々のための政治      少数派の意見を尊重し議論を尽くし      多数決に従うべし   後者が少数派の切り捨てを意味するとすれば民主主義は   望みない矛盾を追及する愚かなシステムということになる 創造的合意形成こそが矛盾を止揚する   開かれたコトバの遣り取り(議論)だけがチカラやカネによる   規範的価値の歪曲を極小化しより優れた政策案を創出する   議論が創造的・生産的に機能するとき矛盾は矛盾でなくなる

  32. パブリック・コミュニケーションの課題 民主主義は市民の審判と公論の健在を予定する    開かれた議論(公論)が政治的支配を正当化する唯一の    公認された基盤    議論こそが公共価値を内実化し錬磨することができるから    であり、それはパブリック・コミュニケーションの創造的・生産的    働きに懸かっている 対立から出発しその克服をめざすことの難しさ    原理的には価値創出によって利害対立は克服可能である    しかし原理的に可能であっても現実は容易でない    意味世界を社会的に再編成する人間コミュニケーションを    見据える必要があるーーーヒューマンコミュニケーション・                           ダイナミックスの視点

  33. 対立とコミュニケーション倫理            倫理命題の役割    倫理命題の表現は当為・命令形式をとる    人々の記憶連鎖に定着している類似の倫理命題が秩序を支える    対立・紛争を未然に防止し秩序を支える一般的倫理命題は    歴史過程でコミュニケーションによって形成されてきた          コミュニケーション倫理    しかしそれでも対立は発生する    意味世界の対立はコミュニケーションによってしか解消されない    だとすればコミュニケーションを創造的・生産的に機能させる    コミュニケーション倫理こそが究極的に重要な倫理となる

  34. 対立止揚の倫理とはコミュニケーション協働への信頼対立止揚の倫理とはコミュニケーション協働への信頼 「お互いの良きところを伸張しお互いの悪しき所を 縮減してより良き「共同善」を創出するために 話し合いをしている」という相互信頼がなければ ならない      他者の尊重と謙虚      しなやかな自己再編の姿勢      共同善へ向けてのコミュニケーション努力       

  35.  政治がとりわけ倫理性を要求される理由    権力は特定の私たちの利得を実現できる           しかしそのことが     他の人々に不利益をもたらしかねない      逆説的だが反倫理性への誘惑が   とりわけ強いからこそ倫理性が要請される     しかし倫理性を支える制度も必要です

  36. 公共性・パブリックネスという言葉   Publicness(英):         人々みんなの   人々みんなに開かれた Offentlichkeit(独):         公的な        公開の   すべての人々に共有のーーー言語(ラング)の公共性   すべての人々に開かれたーーパブ  パブリック・スクール ここでは政治的・規範的公共性をとりあげる   公的強制力を行使(公的性格)してでも実現すべきだ(規範   的性格)と誰もが認めざるをえない価値あること

  37. 公共性とは 民主主義の使命は公共価値の達成です 公共性概念  (参考:ハーバーマス『公共性の構造転換』)     古典的公共性        ギリシャ・アテネの自由市民が探求した公共性     市民的公共性        近代民主主義の確立過程に形成された公共性                    (参)具現的公共性(封建制) 懐疑に晒される現代社会の公共性 

  38. 古代アテネのアゴラ    喝采とブーイング:真善美の追及   オイコス         ポリス            オイコス (アゴラ)                         市民              市民                        市民   パフォーマンス  市民 市民市民 市民  市民 市民                               市民  市民    オイコス                         オイコス                  オイコス

  39. ブルジョワ勃興期の市民的公共性            →→→課税など→→→     君主          ブルジョワ市民             ←←議会のチェック←←      統治者                  被統治者     公事の主体               私事の主体    市民側の概念ーーー君主の恣意性に                  対する異議申し立て    論争的性格ーーーー公論への訴え

  40. 政治におけるパブリック・コミュニケーション政治におけるパブリック・コミュニケーション 市民市民        市民             市民       市民     市民    市民                                     市民      市民 市民    市民                                     市民   市民                   閣僚  市民                議員    官僚                 市民 マスコミ 言論人 市民   市民                                    市民     市民   市民   市民                              市民      市民   市民     市民       市民               市民       市民    市民

  41. パブリック・コミュニケーションの現状        広場の共有感覚の喪失           言説の浮遊化         協働意識の希薄化

  42. パブリック・コミュニケーションのアゴラへ      広場の共有感覚の喪失        →開かれた透明な言説空間へ      言説の浮遊化        →良質の信頼できる議論展開      協働意識の希薄化        →よりよき政策案創出の競い合い           (協働・競争の相互補完)  社会的・技術的環境整備が必要です!

  43. 情報公開は現代民主主義の基盤          公共情報の公開(広義)               公開               開示              説明義務  ここではこれらを総称して情報公開としてとらえ      民主主義との関わりを考えます

  44. 政治不信という情況設定   政治不信:政治は公共善を追求すべきなのに          それをしていない   この政治不信は政治言説への不信でもある   戦略的言説の戦略性が暴露されるとき   言説は生産的・創造的機能を喪失する 「不信」という情況設定はコミュニケーションの   生産的・創造的機能を喪失させる

  45. 対立的・戦略的言説の抑止が必要 政治コミュニケーションは     所詮、虚偽・隠蔽・詐術の騙しあい これでは創造的・生産的に機能しようがない 例:  「虚偽が含まれているかもしれない」        情況での5W1H文の意味づけ     63/64のウソと1/64のホント     ホントを読み解くのは神業 →誰が本気で聞くか!

  46. 情報公開はウソを暴く 「虚偽・隠蔽・詐術はない」    という一応の情況設定の確保   これがなければ    パブリック・コミュニケーションは機能しない

  47. 情報公開によって パブリック・コミュニケーショは実質的に開かれる情報公開によって パブリック・コミュニケーショは実質的に開かれる 市民は観衆として言説を判断する材料となる    情報を入手できなければコミュニケーション空間は    実質上閉じている    また談合の密室性は非難されるが    少数の話し合い自体が非難されるわけではない    議論が公開されていれば非難は生じない

  48. 情報公開は政策案創出の競い合いを促す 市民や対抗勢力は自らの言説・政策代替案を構成する   材料となる情報を入手できなければ   良質な政策案創出の競い合いに参画できない            情報公開は     対抗勢力による政策立案を可能にし    よりよい政策案創出の競い合いを促す  生産的・創造的パブリック・コミュニケーションの         社会的制度基盤です

More Related