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8 ・文明と国家

8 ・文明と国家. 2011.06.14. 青山 ・文化人類学. 「文明」の 登場前夜. 人類がほぼ全世界に拡散したあと、なにが起きたのだろうか? 7,000 ~ 8,000 年前まで遡ると、一定領域の環境が支えうるヒトの数の上限である、 10 ~ 300 人程度のコミュニティが散在する、共通した状態であったと考えられる …… 「ムラ」的状況 周囲の環境から得られる食糧で支えうる人数 対面 状況が保持しうるコミュニティの限界人数 自分の行為の結果を直接に気にする必要性のある 人数 いわゆる「縄文のムラ」的なものが世界中に散らばっていたと考えてよい

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8 ・文明と国家

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Presentation Transcript


  1. 8・文明と国家 2011.06.14.青山・文化人類学

  2. 8・文明と国家 「文明」の登場前夜 • 人類がほぼ全世界に拡散したあと、なにが起きたのだろうか? • 7,000~8,000年前まで遡ると、一定領域の環境が支えうるヒトの数の上限である、10~300人程度のコミュニティが散在する、共通した状態であったと考えられる……「ムラ」的状況 • 周囲の環境から得られる食糧で支えうる人数 • 対面状況が保持しうるコミュニティの限界人数 • 自分の行為の結果を直接に気にする必要性のある人数 • いわゆる「縄文のムラ」的なものが世界中に散らばっていたと考えてよい • さまざまな環境に応じて、さまざまな食糧を森や林、海や河、草原や砂漠から得て暮らしてゆく力は、どの集団も持っていた

  3. 8・文明と国家 「文明」の登場 • 環境に規定される「上限」に対して、人間は、人智をもって働きかけてそれを拡大しようとし始める • そのきっかけとなったのが、 • 栽培農業……自分たちで食糧を計画的に作る • 物資の蓄積……その日暮らしでなく、安定的に暮らす • 王権……複雑化した社会を統御する • 対面状況を超える規模のコミュニティの登場……「マチ」的・都市的状況 • いわゆる4大文明の登場につながっていくのが、こうした「マチ」的・都市的状況の出現

  4. 8・文明と国家 生業~文明のモデル図 王権・行政 職人による手工業 交易・商業 採集・狩猟 牧畜 農耕

  5. 8・文明と国家 ヤノマモとわたしたちの差 • 王権の登場~文明の登場によって、コミュニティが維持し得る人口は飛躍的に増大した • このことにより、 • 過去からの文化の「蓄積」量が等比級数的に増した • コミュニティ自体が、人為的な(疑似)環境として機能するようになった • 上記2点の結果として、環境への適応の幅が広がるとともに、社会が複雑化した • 各地に登場した文明は、周辺コミュニティを呑み込みながら、さらに複雑化した • cf. 中華文明の周辺としての日本列島

  6. 8・文明と国家 文明と文化 • 文化とは: • それぞれの環境に適応しながら、(ムラ的)社会を支えてくれるルールや技術・知識 • 人類のどのコミュニティにも普遍的に存在する • 「文化」を共有する人間集団の単位が「民族」……どの程度似ていれば「文化を共有している」か、逆にどの程度違えば「文化を共有していない」かは、一概には決まらない(民族ごとの「主観的」な感覚が影響するため) • 文明とは: • 採集狩猟/牧畜/農耕//商業交易/手工業//王権 の6要素のセットにより「マチ」的・都市的社会を築くようになったシステム • 地球上のいくつかの地域に偏在して発生し、周辺文化を呑み込みながらより大きなシステムとなっていった • その一つである現代物質文明にわれわれは属している

  7. 8・文明と国家 文化を支える単位 差異が顕在化した結果、そこに境界が作られ、空間に社会A/Bが生じる 社会A ● ▼ ● ★ ▲ ● ★ ■ ■ 個人B ■ ▲ ▲ ● 個人A ◆ ▼ ◆ 社会B Cf. 隣同士は仲が悪い~仲が悪いからこそ同じになれず隣になる

  8. 8・文明と国家 国民国家以前=王国の時代 • 王権の発達により、世界各地で王国/帝国が出現する • 土地と人民は王様のもの、ある王様の持ち物の範囲が「くに」 • 「くに」同士が戦って、負けた方は一部/全部の土地と人民を勝った方の王様にわたす • 王様という「個人」が主体となり全能者となっている限りにおいて、国内の民族間対立自体が国をゆるがす問題にはならない……すべては王の御心のまま • 当然、王国の時代にも「民族」という意識はつくられつつあったが、それが主権を握らないかぎり先鋭化はしなかった(できなかった)

  9. 8・文明と国家 民族の構築(1)―王国の時代― 王 王 王国という空間 ● ▼ ● ★ ▲ ● ★ ■ ■ 領民B ~民族B ■ ▲ ▲ ● 領民A ~民族A ◆ ▼ ◆ 領民Aと領民Bが接触した結果、なんらかの差異から民族は構築される しかしながら、より上位の権威である王により、差異は抑えこまれる

  10. 8・文明と国家 革命=市民国家/国民国家の誕生 • 王の一人決めは許さない→王を打倒 • 王様のものだった土地と人民はだれのものとなるか? • 「わたしたち」のものだ! • では「わたしたち」ってだれとだれ? • それが決まらないとどこまでがひとつの国か決まらない! • 「わたしたち」の再確認作業として「民族=国民nation」の踏み絵が始まる • 1-state内の1-nationとしての純化作業 • ナショナリズムの登場

  11. 8・文明と国家 民族の構築(2)―国民国家の時代― × 国民国家B 国民国家A 王 ● ▼ ● ★ ▲ ● ★ ■ ■ 国民B ■ ▲ ▲ ● 国民A ◆ ▼ ◆ 王の打倒により差異が顕在化した王国空間内に、国民国家A/Bが生じる それぞれの国民国家は国民を同定するために、「言語の同一性」 「人種の同一性」「文化の同一性」「民族の同一性」を新たに創り出す

  12. 8・文明と国家 複数性の罠 • 複数性の罠 • のびちぢみする「わたしたち」:果てしなく膨張可能な範囲 • 「わたしたちがわたしたちのことを決める」:2つの「わたしたち」の中身が同一とは限らない

  13. 8・文明と国家 ナショナリズムの流れ • 第1期ナショナリズム • 「国民」の自決(1830~1880年代、ヨーロッパ) • だれが国民であるのかは自明であり、それにふさわしい国家を求める • 第2期ナショナリズム(1nation-1state=ウィルソン主義) • 「少数民族」の自決(1916年から1920年代、東ヨーロッパ) • まず国民たり得る民族はだれかが問題になり、それを解決した上で、国家の範囲が随伴的に決まってくる • 第3期ナショナリズム(脱植民地主義 decolonization) • 「有色人種」の自決(第二次大戦後~1960年代、アフリカ・アジア) • 国家の範囲は自明であり、その中に国民が形成されていく • 第4期ナショナリズム(エスノ・ナショナリズム) • 「エスニック集団」の自決(1960年代中庸から、アフリカ・アジア・ヨーロッパ・北米) • 既決であるはずの国民の見直しが行なわれ、エスニック集団を単位とする新しい「主人」が発見される

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