欧州経済は大不況に陥りつつあるか

1. 欧州経済は大不況に陥りつつあるか 田中・蔵内・天水

2. 大不況の定義 欧州の今後を担う主要国として ギリシャ・スペイン・ドイツ の３カ国の現状把握をしていきます！ 「インパクトの大きさ」 など程度で定義することも可能だが・・・ 今回は 「期間の長期化　＝　大不況」 と定義します！

3. ギリシャ ①成長率 大きく低迷…

4. ギリシャ ②失業率 ４人に１人失業している！ しかも２５歳未満では失業率５７．６％。。

5. ギリシャ ③経済構造 公務員の多い中での緊縮により国内消費が低迷している中で、外需に頼れないというのでは景気のけん引役が失われ景気低迷から抜け出せないのも仕方ない… 南欧は振るわず EU内部向けが多い 内需依存型の業種！

6. ギリシャ ④新たな問題 競争の阻害は生産性低迷を招く… + 金融危機の影響で有望投資案件が見逃される懸念… →国際競争力の伸び悩み

7. ギリシャ ギリシャの産業危機 非ユーロ国への企業移転！ ④新たな問題

8. スペイン ①スペイン問題について ＜スペインの実質住宅価格＞ バブル崩壊 住宅価格の低下はまだ続く・・・

9. スペイン • 金融不安 スペイン問題の本質は・・・ バブル崩壊からの金融危機！ ①スペイン問題について • 景気悪化 • 財政悪化 バブル崩壊 貸出減 国債価格下落 銀行への公的資金注入 税収減

10. スペイン ②財政再建 財政健全化 • 財政緊縮策(⇒実体経済の下押しへ) • 中央政府による州政府財政の監督強化 • 銀行部門への不良債権への対応 経済成長に向けた取り組み • 労働市場改革による輸出競争力の改善 • 産業構造改革等による経済活性化

11. スペイン ②財政再建 南欧諸国は労働コストが高い！

12. OMT（ECBによる国債買い入れ） 目的 ・金融安全網の支援能力を補う ⇒イタリア波及不安の解消 ・財政構造や債務問題の根本的な解決にはならない ⇒時間稼ぎ

13. OMT（ECBによる国債買い入れ） 問題の解決には 時間を稼いでいる間に、財政再建に取り組むこと が重要 特徴 ＥＣＢは返済優先権を持たない 無制限買い入れ ECBにリスク・・・ 対象条件を設定

14. ドイツ　　 ①貿易 新興国中心に輸出拡大！ 輸出見通しの改善によって持ち直してきた！ 新興国景気が持ち直せば、再び景気は力強さを取り戻す！

15. ドイツ　　 ②個人消費 良好な雇用・所得 住宅価格の上昇 個人消費の押上げ！

16. 欧州経済は、大不況に陥ってしまうのか・・・？欧州経済は、大不況に陥ってしまうのか・・・？ ＝不況は長期化してしまうのか・・・？ ①労働市場 ②個人消費環境 ③貿易構造 における不均衡を考察してみる！ そもそも… 欧州債務問題とそれに伴う景気悪化の背景には、EU域内の不均衡がある！ ユーロ圏内各国の経済格差 経済格差調整システムの不備・機能不全

17. 労働市場 スペインでは・・・ ①解雇手当を大幅に減額！ ②企業単位での賃金交渉を可能に！ 　ドイツとの間に、大きな失業率の格差！！ 南欧諸国では・・・ 一段の賃下げや社会保障コストの圧縮 を継続する必要性！ ・単位労働コストの格差 ・社会保障給付が手厚い 短期的には・・・ 失業増加による内需下押し。。 長期的には・・・ 輸出競争力の回復！！ 労働移動が行われない！

18. 個人消費環境 住宅価格の下落＆　緊縮財政 　　　　　　　　　　⇒個人消費は下向きに！ ・雇用、所得環境の悪化 ・財政悪化を受けた長期金利の上昇 ・住宅ローン金利の高止まり 内需に期待するのは厳しそう・・・

19. 輸出構造 労働コストの圧縮（賃下げ） の必要性！！ 高い労働コストにより・・・ 大幅なユーロ安にならない限り、EU域外である新興国向けの輸出は見込めない。。 しかし、一筋の光が・・・！！ 労働コストの圧縮が進むスペインは増加傾向！ 内需の拡大が見込まれるドイツ！！ ドイツ向け輸出が増加すれば、 景気回復のカギとなる！！

20. 今後・・・ とてつもなく時間がかかる・・・ 南欧（主にスペイン）の回復！！ 財政再建　＋　競争力回復 ギリシャに集中した支援策を講じることが可能に！ 欧州経済の回復！

21. 結論 今後、欧州経済が回復する可能性は長期的な目線から見ると考えられるが、それまでには多くの時間がかかってしまうため、不況は長期化・・・ 欧州経済は大不況に陥りつつある・・・

22. ご清聴ありがとう ございました！