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地球温暖化問題に対応した エネルギー関連税制の在り方について

地球温暖化問題に対応した エネルギー関連税制の在り方について. 平成12年6月 通商産業省. 1.国際的動向. (1)1990年代初頭、欧州諸国の一部(北欧・オランダ)では、地球温   暖化問題への対応を図るため、化石燃料の炭素含有量等に着目   して税負担を定める「炭素税」を導入。但し、税率水準等は導入国    間で異なり、導入後も数次の改正が行われている。(参考1)

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地球温暖化問題に対応した エネルギー関連税制の在り方について

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  1. 地球温暖化問題に対応した エネルギー関連税制の在り方について 平成12年6月 通商産業省

  2. 1.国際的動向 (1)1990年代初頭、欧州諸国の一部(北欧・オランダ)では、地球温  暖化問題への対応を図るため、化石燃料の炭素含有量等に着目  して税負担を定める「炭素税」を導入。但し、税率水準等は導入国   間で異なり、導入後も数次の改正が行われている。(参考1) (2)また、昨年にはドイツ及びイタリアにおいて、地球温暖化問題への  対応を掲げたエネルギー税制改正が行われ、イギリス及びフランス  においても地球温暖化問題への対応を企図した2001年からの新   税導入・税制改正が検討されている。(参考2) (3)これら諸国においては、原料としての使用(コークス・ナフサ等)は基本  的に非課税とされているほか、産業競争力への配慮等の観点から、  国情に応じ、既存の燃料課税との調整や特定部門に対する減免措  置等が行われている。(参考3)    また、税収は一般財源とされているものの、実際には新税導入や  増税と合わせて社会保障負担の軽減を行う等、他の政策目的実現    のための措置と組み合わせられることが多くなっている。

  3. 参考1:欧州諸国における炭素税の現状

  4. 参考2:近年の欧州主要国における温暖化対策の観点からのエネルギー課税に係る取組

  5. 産業用(業務用含む) 輸送用 家庭用 発電用 用途 エネルギー 多くの国で非課税       (フィンランド・オランダ(小口向け)・スウェーデン・デンマーク・   ドイツ・英(政府案))  各種軽減税率・減免措置 ドイツでは石炭非課税 石炭 原料使用は非課税(ex.コークス、ナフサ) 産業用税率は家庭用の1/2、多消費企業には税負担軽減(スウェーデン) エネルギー多消費生産工程には軽減税率、省エネ協定締結でさらに軽減税率(デンマーク) 紙パ・水産加工業は軽減税率(ノルウェー) 一定以上エネルギーを用いた場合に通常税率の1/5適用(独) 政府と省エネ協定結べば通常税率の1/5適用(英政府案) 重油 国際航空・船舶燃料は非課税 石油 軽油/灯油 ガソリン デンマークは非課税 天然ガス 天然ガスは多くの国で相対的に低税率オランダでは一定以上天然ガスを消費した場合に軽減税率適用 (同左) (デンマーク、オランダ(小口向け)、独、英(政府案)で電力消費課税) 電力 再生可能エネルギーから得られる電力は非課税 参考3:欧州諸国の温暖化対策税の課税対象及び主な減免措置 ※温暖化対策税:炭素税、炭素・エネルギー税、「環境税制改革」による増税・新税分※斜線部分は、需要が存在しない又は殆ど存在しない分野

  6. 参考4:エネルギー価格・税額の国際比較①輸送用(ガソリン、軽油)参考4:エネルギー価格・税額の国際比較①輸送用(ガソリン、軽油) 出所:IEA“ENERGY PRICES & TAXES” 994Qの価格 出所:IEA"ENERGY PRICES & TAXES" 994Qの無鉛プレミアムガソリン価格(日本はレギュラー) ※為替レート(994Q平均):1US$=5.73FINM=2.12NEDG=7.89NORC=8.33SWEC=7.17DENC=1.88DM=0.61UK£=6.32FF=1866ITAL=104.5円 ※温暖化対策税:炭素税、炭素・エネルギー税、環境税制改革による既存個別消費税の増税分、他環境税:硫黄税等

  7. 参考4:エネルギー価格・税額の国際比較②産業用(重油、一般炭)参考4:エネルギー価格・税額の国際比較②産業用(重油、一般炭) 出所:IEA"ENERGY PRICES & TAXES" 994QのLow Sulphur Fuel Oil価格(SWEは97、UKは91各税抜価格+最新税額)、994Q平均の為替レート、1KL=40162MJより換算 出所:IEA"ENERGY PRICES & TAXES" 994Q価格(NED,SWEは91、NOR,GERは94、DENは95、UK,FRA,JPNは993Q、ITAは991Q各税抜価格+最新税額)、994Q平均の為替レート、1t=26,000MJより換算 ※為替レート(994Q平均):1US$=5.73FINM=2.12NEDG=7.89NORC=8.33SWEC=7.17DENC=1.88DM=0.61UK£=6.32FF=1866ITAL=104.5円 ※温暖化対策税:炭素税、炭素・エネルギー税、環境税制改革による既存個別消費税の増税分、他環境税:硫黄税等

  8. 参考4:エネルギー価格・税額の国際比較③家庭用(軽油/灯油、天然ガス)参考4:エネルギー価格・税額の国際比較③家庭用(軽油/灯油、天然ガス) 出所:IEA"ENERGY PRICES &TAXES" 994Qの価格(NED,UKは992Q、GERは97、ITAは98各税抜価格+最新税額、日本は99年の東ガス家庭用料金)、994Q平均の為替レートより換算 出所:IEA"ENERGY PRICES & TAXES" 994Qの価格(UKは993Qの価格)、994Q平均の為替レートより換算 ※為替レート(994Q平均):1US$=5.73FINM=2.12NEDG=7.89NORC=8.33SWEC=7.17DENC=1.88DM=0.61UK£=6.32FF=1866ITAL=104.5円 ※温暖化対策税:炭素税、炭素・エネルギー税、環境税制改革による既存個別消費税の増税分、他環境税:硫黄税等

  9. 参考4:エネルギー価格・税額の国際比較④電力(産業用・家庭用)参考4:エネルギー価格・税額の国際比較④電力(産業用・家庭用) 出所:IEA“ENERGY PRICES & TAXES” 994Qの価格(NEDは992Q、SWEは97、GER・FRAは98各税抜価格+最新税額)、994Q平均の為替レートより換算 出所:IEA"ENERGY PRICES & TAXES" 994Qの価格(NED・UKは992Q、NORは91、SWEは97、GER・FRAは98各税抜価格+最新税額)、994Q平均の為替レートより換算 ※為替レート(994Q平均):1US$=5.73FINM=2.12NEDG=7.89NORC=8.33SWEC=7.17DENC=1.88DM=0.61UK£=6.32FF=1866ITAL=104.5円 ※温暖化対策税:炭素税、炭素・エネルギー税、環境税制改革による既存個別消費税の増税分、他環境税:硫黄税等

  10. 2.検討の視点 ー総論 (1)地球温暖化対策においては、今後増勢に転じると予想されるエネ    ルギー消費(民生・運輸部門は景気低迷下でもエネルギー消費増加)の伸びを抑制し、  また、より環境負荷の低いエネルギーへの転換を促し、二酸化炭 素の排出を抑制することが大きな課題。  (2)その解決手段として、規制的手法や自主的取組と並んで経済的 手法があり、その一つとして「税制」が位置づけられている。 特に民生・運輸部門のように不特定多数の主体の行動変化が 求められている場合に、理論的には、他の政策手法に比してより 効果的に機能するとも言われており、部門毎の特性にも留意し、 他の経済的手法等とも比較しつつ、その有効性につき具体的な検 証を行っていくことが必要。 (3)欧州諸国の実状も十分に踏まえ、地球温暖化問題に対応したエネルギー関連税制の在り方について、経済的手法の一つとして、  検討を行うこととする。

  11. 2.検討の視点 -① 二酸化炭素排出抑制効果 ○最も重要なポイントは、二酸化炭素排出抑制効果。 -経済主体の選択に変更を加えるような効果が得られることが、合理的に   予見されるような仕組みを検討。 -二酸化炭素排出抑制効果のない、いわゆる財源対策としての増税は不適当。 (注1)従って、検討を行っていく際には、排出抑制効果を定量的に評価すること    が必要。(参考5)(注2)二酸化炭素排出抑制効果は、経済主体が、①需要を抑制する、②より環     境負荷の低い燃料への転換を行う、ことの両者を含む。(注3)①については、例えば民生・運輸部門の需要の価格弾力性は産業部門    に比して低いと言われており、具体的な検証を行う。 (注4)なお、税収を温室効果ガス排出抑制のために活用するとの議論があるが、    そうした制度設計を考える場合には、対策面の効果は、別途評価するこ    とが必要。

  12. 2.検討の視点 ー② 国際的な連携 ○地球温暖化問題への取組においては、特定の国が自国産業に過重な  負担を負わせる制度を設ければ、製造拠点が負担の軽い海外に移転 することによって、世界全体で見た場合の二酸化炭素排出抑制効果が 改善しない可能性がある。○また、産業部門を対象に含めて新規エネルギー課税又は既存エネルギー 税制の改変を行う場合には、エネルギー多消費産業を中心として我が国 産業の国際競争力が低下する可能性がある。○従って、本来、先進諸国間での協調や国境税調整についての国際合意等の国際的な連携を図ることにより、製造拠点の海外移転を防ぎ、 また、産業の国際競争力への影響を中立化することが望ましい。但し、国境税調整については、技術的・制度的に困難が予想される ことに加え、WTOルールとの整合性の問題も指摘されている。(参考6) ○なお、欧州各国での導入事例においては、産業部門に軽減税率を適用したりエネルギー多消費産業に減免措置を設けたりすることによってこ うした問題に対応しているものと考えられる。

  13. 2.検討の視点 ー③ 経済社会への影響 ○新規エネルギー課税又は既存エネルギー税制の改変を行う場合には、生産活動や家計所得への影響、マクロ経済への影響など、経済社会への 様々な影響が生じることが考えられる。 ○従って、検討を行っていく際には、これらの影響を具体的に評価し、マイ ナスの影響が評価される場合には、その軽減・回避のための方策につい ても、欧州諸国の例等も参照しつつ、合わせて検討することが必要。

  14. 参考5:欧州諸国における温暖化対策税の主な導入効果評価 参考5:欧州諸国における温暖化対策税の主な導入効果評価  1.これまでの導入実績の効果評価 (1)スウェーデン(1995) 1987~1994年におけるCO2排出削減量800万t-cのうち、60%が炭素税導入によって   もたらされたと評価。(残りはエネルギー利用効率化・地域暖房集約化の効果) (2)ノルウェー(1996) 1991-93年における炭素税のCO2削減効果は3-4%と評価。    最も効果が大きいのは紙パルプ産業(石油消費量は対BAU比21%減)。 2.主要諸国における将来効果分析 (1)イタリア:税導入により、今後6年間で約55万t-cのCO2排出削減が可能と評価。 (2)イギリス:税導入により、2010年までに約200万t-cのCO2排出削減が可能と評価。 (3)フランス:税導入により、2010年までに約580万t-cのCO2排出削減が可能と評価。 出所:European Environment Agency(1996),”Environmental Taxes” UK DETR(1999),”The Climate Change Levy” UK DETR(1999),”Climate Change Levy - International Comparisons: Summary of the Position of EU Member States” French Gov.(2000),”National Programme for the Fight Against Climatic Change” 等

  15. 参考6:炭素税等の国境税調整措置とWTOルールとの関係 参考6:炭素税等の国境税調整措置とWTOルールとの関係  A国 外国 ○国境税調整とは、   輸出時に産品への課税の免除又は既払い税の払戻し、  輸入時に産品への(国内産品課税に対応した)課税、  を行うことによって、産品の消費国課税を(全体的 又は部分的に)実現する措置 輸出産品免税/還付 輸入産品課税 ○炭素税等の新規エネルギー課税を行う場合に、国内産品に課せられる税額相当分について、 国境税調整を行おうとすると、WTOルールとの関係で以下のような問題を惹起し得る ①輸出産品免税/還付:WTOルール上禁止されている補助金に該当するかどうか →同種の国内産品(生産工程で投入する燃料部分も含む)に課される内国税を免除/還付することは補助金に当たらない(補助金協定)→但し、調整対象の各産品について、生産工程を把握し、国内消費向けの税額を超えない調整税額を設定していく作業が必要 ②輸入産品課税:WTOルール上求められている内国民待遇原則に反するかどうか→同種の国内産品に課される内国税を超えない水準ならば許容(GATT2,3条)、但し、同種性は外形的特性に着目して判断される傾向    →燃料投入量等の生産工程に着目して、外形的特性が同一の産品に異なる調整税率を設定することは困難    →同種性に関する客観的な基準に基づき、細分化した品目毎に(生産工程は異なっても同一の)調整税率を設定することが必要                                                                         (但し違法リスクは残存) ③環境目的措置:WTOルール上認められている例外として考え得るかどうか→「有限天然資源の保存に関する措置」は例外として認められており(GATT20条)、「大気」が「有限天然資源」に含まれるとの判例あり    →但し、「~に関する措置」と言い得るかどうかの目的と措置の関連性の要件、さらに措置の差別的適用等を禁じている20条柱書の      要件の解釈は極めて不透明であり、違法と判断されるリスクは残存

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