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明治維新前. 長州の人は長州の人であるという自覚は持っていたが、「日本人」であるという自覚はあまりなかった。 ヨーロッパでも、近代以前はよほど身分が高いか経済力が無ければ「国家に所属している」という意識はない。 国より小さな組織、「藩」とか「教会」がすべて。. 下関事件 ー 主権の定義をめぐる問題. 1863 年 下関を通過するアメリカ商船を長州が砲撃 アメリカ、フランスは反撃するとともに幕府に長州の処罰を要請。 幕府は懲罰を実行できず。 アメリカ、イギリス、フランス、オランダと長州が交戦 長州敗戦 賠償は「幕府にどうぞ」 賠償する 長州のツケを払わされる
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明治維新前 • 長州の人は長州の人であるという自覚は持っていたが、「日本人」であるという自覚はあまりなかった。 • ヨーロッパでも、近代以前はよほど身分が高いか経済力が無ければ「国家に所属している」という意識はない。 • 国より小さな組織、「藩」とか「教会」がすべて。
下関事件ー主権の定義をめぐる問題 • 1863 年 下関を通過するアメリカ商船を長州が砲撃 • アメリカ、フランスは反撃するとともに幕府に長州の処罰を要請。 • 幕府は懲罰を実行できず。 • アメリカ、イギリス、フランス、オランダと長州が交戦 • 長州敗戦 • 賠償は「幕府にどうぞ」 • 賠償する 長州のツケを払わされる • 賠償しない 長州と幕府は関係ない。。。長州の独立を認めたことになる。
「国」と関係ない生活の背景 • 「報道」手段が存在しなかった。政府の動向などを知る機会はあまりなく、あっても情報が伝わるまでに時間がかかる。 • 教育を受けていないので、自分の国の地理や歴史について、経験から得られる以外の知識が無い。 • 読み書きをする余裕も必要もない生活だった。
文字が使われるようになってしばらくの間(15世紀くらいまで)文字が使われるようになってしばらくの間(15世紀くらいまで) • 情報を伝えるには、文章をひたすら写す(手書きで!)しかなかった。 • 本は一冊一冊写して作るので、値段が高い。学校でも本は高すぎて授業に使えなかった。教育はすべて口伝で行われた。 • 文字を読める人は聖職者など、一部に限られた。
「学校」という言葉の由来 • レジャーやレクリエーションを意味するギリシャ語scholeに由来している。 • 「討論・教育に使う余暇・自由時間」という意味合いがある。 • 前産業社会では、ヒマとお金のある人だけが学校に行った。
印刷革命 • 1454年、グーテンベルクGutenbergが近代的な印刷術を発明。(印刷術そのものは中国から伝来)。 • 文献や記録を広く利用できる。 • 多種多様な生活領域で文書化された資料の利用が増大。 • 読み書き能力が一般的なものになった。
印刷=人類最初のマスメディア • 多くの社会制度が印刷抜きには存在できない。 • 印刷が無かったら、大学も存在していなかった。 • 「火薬、羅針盤、印刷術は世界を根本的に変えた。」 (Francis Bacon)
インクナビュラ Incunabula • 「揺籃期本」と訳される。 • Gutenbergの活版印刷の発明以来、15世紀末までの半世紀間に、ヨーロッパ各地で刊行された初期活字本の総称。その数訳4万種類、1200万冊といわれる。
印刷技術ができるまで • 写本はすべて手書きで筆写するので、誤記や図の間違いが多かった。 • 写本にはページや目次は存在しない。 • 写本は高価で少量しかできないので、学生の教育には使われなかった。教育の大半は口頭で行われた。
印刷の発明と普及 • Gutenburgがマインツで印刷を開始。 • 1470年代にヨーロッパ各地に広まる。 • 北イタリア、ネーデルラント、ライン地方、南ドイツなど、市民勢力の盛んな土地にまず定着。
印刷と知識労働 • 現在では出版社と著者は完全な分業体制。著者が本ができるまでの工程を間近にみることはあまりない。 入稿→ゲラ→校正(2回くらい)→印刷→製本 • 印刷業者は文字が読めないといけないので、印刷業者自身、かなりの知識人だった。 • 印刷所は地方文化の中心でもあった。
文化に対する影響 • 印刷以前には、一般の人が情報を得るには、知り合いから話を聞くか、教会の説教でニュースを聞くくらいしかなかった。 • 印刷以後は、一人ひとりが本を読んで情報を得るようになった→「個人主義」の成立 • 先生が要らなくなった。 • 記憶力が要らなくなった。
科学に対する影響 • 学者が共通の情報に接触できるようになった。 • 地図や解剖図など、図表の必要な自然科学分野が発達しやすくなった。 • 重要な学説が広く受け入れられ、大きな影響力を持つようになった。 • 学術出版が可能になった。 • 古い情報が整理されて、新しい発見がしやすくなった。
宗教に対する影響 • 印刷革命が無かったら、宗教改革はおそらく無かった。 • カトリック教会は道徳の権威であると同時に、情報と世界観の源泉でもあった。その基盤が、印刷によって崩壊。
ルター、教会に挑戦 • カトリック教会は、「贖宥状(しょくゆうじょう)」を売ってお金を儲けていた。 • 信者はこれを買えば、自分の罪が許されると考えてお金を払っていた。 • ルターは教会の金儲けを批判。1517年に「九十五か条の論題」を発表
オリジナルの「95条」は、ラテン語で書かれている。(一般の人は読めない)オリジナルの「95条」は、ラテン語で書かれている。(一般の人は読めない) • 文体も学術論文風に書かれている。 • しかし、ドイツ語などに翻訳され、またたく間に「ベストセラー」になった。 • 多くの人がルターに共感。 「贖宥状」販売はピンチに。
印刷革命と宗教改革 • ルターの見解は、印刷によって広まり、大きな影響力を持った。 • 最初、法王はルターを無視していたが、無視できない存在になったので呼び出して、意見を変えるように勧めた。しかしルターは応じなかった。 • 各地で法王・カトリック教会に対する反発行動→宗教改革。印刷が無かったらありえなかった(かも)。
想像の共同体imagined communities の成立 • 国民とはイメージとして心に描かれた想像の共同体である。 • いかに小さな国の国民であろうと、これを構成する人々は、その大多数の同胞を知ることも、会うこともない。(『想像の共同体』p.24)
国民 • 「想像されたもの」 • 「限られたもの」 いかなる国民もみずからを人類全体と同一に想像することはない。 • 「コミュニティ」
国民のなかにはたとえ現実には不平等と搾取があるにせよ、国民は、常に、水平的な深い同志愛として心に思い描かれるからである。そして結局のところ、この同胞愛の故に、過去二世紀にわたり、数千、数百万の人々が、かくも限られた想像力の産物のために、殺し合い、あるいはむしろみずから進んで死んでいったのである。(p.26)国民のなかにはたとえ現実には不平等と搾取があるにせよ、国民は、常に、水平的な深い同志愛として心に思い描かれるからである。そして結局のところ、この同胞愛の故に、過去二世紀にわたり、数千、数百万の人々が、かくも限られた想像力の産物のために、殺し合い、あるいはむしろみずから進んで死んでいったのである。(p.26)
国民を想像することを可能にする時間の枠組 • 中世の時間 (メシア的時間) • 均質で空虚な時間
国民もまた着々と歴史を下降し動いていく堅固な共同体と観念される。ひとりのアメリカ人は、二億四千万余のアメリカ人同胞のうち、ほんの一握りの人以外、一生のうちで会うことも、名前を知ることもないだろう。…しかし、それでいて、彼は、アメリカ人のゆるぎない、匿名の、同時的な活動についてまったく確信している。(pp.51-2)国民もまた着々と歴史を下降し動いていく堅固な共同体と観念される。ひとりのアメリカ人は、二億四千万余のアメリカ人同胞のうち、ほんの一握りの人以外、一生のうちで会うことも、名前を知ることもないだろう。…しかし、それでいて、彼は、アメリカ人のゆるぎない、匿名の、同時的な活動についてまったく確信している。(pp.51-2)
新聞 想像の共同体を確信させるメディア • 独立の事件を結びつける。 • 多くの人々によって同時に消費される。 • 繰り返し消費される。
コミュニティとして想像される国民 • 現実の不平等と搾取は隠蔽される。 • 同志愛 • 「国のため」という自己犠牲をも駆り立てる強い感情
想像の共同体を可能にしたもの • 資本主義 • コミュニケーション技術(印刷) • 言語の多様性