細胞内輸送がわかる 「小胞体 - ゴルジ体間輸送」

1. Sar1 GTPase (secretion-associated and Ras-related protein) 図1 ＣＯＰⅡ小胞形成の現時点でのモデル (酵母)Sec12p(GEF) によりSar1pがＧＤＰ型からＧＴＰ型に変換され活性化されるとカーゴ蛋白質に結合し，その後Sec23p/Sec24p複合体とともにprebudding complexを形成する．その後，さらにSec13p/Sec31p複合体が会合し，小胞の出芽が開始される．小胞形成後，Sar1p上のGTPがSec23pにより加水分解され, COP II 複合体は小胞上から解離する．COP II 複合体が解離した後，小胞はゴルジ体へと輸送される．Sec23p/Sec24p, Sec23p/Iss1p, Sec23p/Lst1pが組み合わさることによって幅広いカーゴの選別を可能にしている． COPII小胞 Figure 13-12（左）.シナプス小胞と神経終末細胞膜のドッキングと融合に関わるSNAREsは3種のタンパク質からなる。v-SNARE synaptobrevin （赤）, t-SNARE syntaxin（青）は共に膜貫通タンパク質であり、それぞれが1つのa-helixを提供する。t-SNARE Snap25（緑）は膜表在性タンパク質であるが、２つのa-helices を提供する。できあがったtrans-SNARE complexは、４つの a-helicesがお互いに巻き付いた構造をとり、そのうち3つは標的細胞膜の側から、残りの1つが小胞側から提供されている。 (Adapted from R.B. Sutton et al., Nature 395:347 353, 1998.) Figure 13-15. A model for how SNARE proteins may concentrate in membrane fusion.二重膜同士の融合は多段階で起こると考えられている。SNARE分子間の結合力が脂質二重膜を引き寄せ、接着させて、水分子は排除される(1)。それぞれの膜の接する側のleaflet (単分子膜)の 脂質分子がお互い行き来できるようなstalk構造が作られる(2)。 残りの遠い側のleafletがさらに接触して、新しい二重膜を作る(3)。それがさらに延長して(3)、中央部が破れれば、融合が完成する(4)。 細胞内輸送がわかる　 「小胞体-ゴルジ体間輸送」 蛋白質核酸酵素　Vol. 49 No. 7 (2004) 910 １ ２ ３ ４ A type of post-translational modification of proteins catalyzed by ADP-ribosyl transferase. コレラ毒素や百日咳毒素は3量体型G-タンパク質を ADP-リボシル化して不活性化する。この反応の補助因子として見つかったのでこの名が付けられた？これら毒素の細胞内輸送に関わっている。Physiologically, the product ADP-ribosylated proteins are involved in cell signaling, DNA repair, apoptosis, etc. ARF (ADP-ribosylation* factor) COPI小胞 細胞内輸送がわかる　 「小胞体-ゴルジ体間輸送」 11．Vesicle Budding & Fusion/Golgi Body 主にMB of the Cellより Figure 13-13. Dissociation of SNARE pairs by NSF (AAA-ATPase) after a membrane fusion cycle is completed.膜小胞が目的の膜に融合した後始末の過程では、NSF がアダプタータンパク質(SNAP)を介してSNARE複合体に結合し、ATP加水分解のエネルギーを利用して、SNARE複合体を解離させる。 NSF: N-ethylmaleimide-sensitive factor, SNAP: soluble NSF attachment proteins, SNARE: SNAP receptor. 細胞内輸送がわかる　 「Rabファミリー低分子量Ｇタンパク質による細胞内小胞輸送制御」 Figure 13-28. (右側左図) Histochemical stains demonstrating the biochemical compartmentalization of the Golgi apparatus.一連の Golgi体の電顕写真 (A) 非染色, (B) オスミウム染色 (cis層板が染まる), and (C and D) 抗体染色。nucleoside diphosphatase (trans Golgi cisternae) (C), and acid phosphatase (trans Golgi network) (D). Figure 13-29. (右側右図) The functional compartmentalization of the Golgi apparatus.糖鎖プロセシング各段階の酵素の局在は、生化学的な各層板の分離や、免疫電顕法によって決定される。各酵素は、特定の層板に局在しているのではなく、局在場所に対応した濃度勾配を作って存在している。. Rabのサイクリカルな活性化機構とトランスロケーションRabは, GEP (=GEF), GDI, GAPの少なくとも３種の活性制御タンパク質により，その活性と局在がサイクリカルに制御されて機能している. GEP: GDP/GTP exchange protein (=GEF), GDI: GDP dissociation inhibitor, GAP: GTPase-activating protein