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セラミックス. 第 5 回目. 5 月 18 日(火) 担当教員:永山 勝久. 4. イオン結合と共有結合. セラミックスの結合様式. [ 定義 ]. 陰イオンと陽イオン間での静電気力(ク-ロン力),すなわち正と負の電荷が電気的引力によって生じる結合様式. (1) イオン結合 ・・・ (2) 共有結合 ・・・. 隣接原子が互いに電子を出し合って安定スピン結合状態 ( ↑↓ ) を形成し、それを共有することによって生じる結合様式[:配位結合(隣接原子間での最外核電子の交換結合・・・半導体 Si の結合様式]. イオン結合性結晶・・・酸化物系セラミックス
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セラミックス 第5回目 5月 18日(火) 担当教員:永山 勝久
4.イオン結合と共有結合 セラミックスの結合様式 [定義] 陰イオンと陽イオン間での静電気力(ク-ロン力),すなわち正と負の電荷が電気的引力によって生じる結合様式 (1)イオン結合・・・ (2)共有結合 ・・・ 隣接原子が互いに電子を出し合って安定スピン結合状態 (↑↓) を形成し、それを共有することによって生じる結合様式[:配位結合(隣接原子間での最外核電子の交換結合・・・半導体Siの結合様式] イオン結合性結晶・・・酸化物系セラミックス 共有結合性結晶 ・・・非酸化物系セラミックス (半金属-非金属:Si3N4、SiC、BN 金属-非金属:AlN、TiC、TiB2など) 共有結合力>イオン結合力 ∴共有結合性結晶は焼結性が困難(粒同士の反応性に欠ける)で、通焼結性向上を 目的として焼結助剤を添加したり、あるいは高圧力下での焼結法(ホットプレス,HIP法など)が行われている
Si Si Si Si Si Si Si Si Si Si Si Si 図2Si結晶の共有結合 共有結合(最も強固な化学結合) ◎ 共有結合 ・・・ 1つの原子が所有する孤立電子 (不対電子) と,周囲の隣接原子 が有する孤立電子との間で,スピンの向きを逆にして安定な電子 対を形成することによって生じる化学結合形成 [定義] (半導体, 非酸化物系 セラミックスの 結合様式) 隣接原子間で N = S スピン 電子 磁気 双極子 S ・窒化物 ・ホウ化物 ・炭化物 = N 安定な電子対(+,-のスピン の結合) Si4+: 4価 周囲に4個のSi原子 電子を共有する ←電子雲どうしの結合 (a) = 異極結合 安定 反平行スピン =(安定な電子対) 安定結合 = 「共有結合」 (b) 電子雲どうし の反発 同極結合 不安定(反発) 平行スピン =(不安定電子対) 図3 反平行(a),平行(b)スピン間における2原子間の電子密度分布
材料の性質を規定する 化学結合 [ 物性を規定する基礎的因子 ] ①金属結合 ② イオン結合 ③ 共有結合 ④ ファンデル・ワールス結合 ( 気体 分子間結合 ) 化学結合 セラミックスの結合様式 (4つの形式) 表1 化学結合の種類と主な特徴 金属光沢 ◎化学結合=材料の性質(物性)を支配 [金属結合] [イオン結合,共有結合] [共有結合,分子間結合]
+ + + + + + + + + + + + (1) 金属結合 <・・・金属の特徴の起源> [定義] ; 原子の最外殻の価電子が原子核 ( 陽子=正電荷 ) の拘束を 離れ [ ・・・『金属原子の自由電子放出に伴う陽イオン化』 ], 自由電子 として,結晶全体の金属陽イオン ( 原子 ) に共有され て,これを媒介として原子どうしを結合する化学結合様式 ①自由電子・・・熱や電気の伝導媒体 金属は熱や電気の良導体 『金属の特徴』 自由電子に依存 = ②自由電子・・・光により励起 [ 光 (=電磁波) エネルギーにより遷移 ] 金属特有の光沢 ( 金属光沢 ) ③自由電子・・・金属陽イオン間における結合に自由度を寄与 <結合の手が無数存在するために破壊は生じにくい> 金属結晶 の概念図 金属の塑性変形 ( 展延特性 ) 自由電子 金属陽イオン
(単一元素) (2) 無機材料 [半金属(B,Si,C・・・),酸化物,窒化物,ホウ化物,塩化物] の結合形式 “セラミックス” [ 定義 ] ◎「イオン結合」 → 陽(+)イオンと陰(-)イオン間の電気的引力に起因 2つの 結合形式 (静電引力= クーロン力) 代表例):NaCl = Na+-Cl- する化学結合様式 ◎「共有結合」 11Na:1s22s22p63s1 e- ※ [Ne] 17Cl:1s22s22p63s23p5 [Ar] ○イオン間に働く力 1)陽イオン-陰イオン ; 引力 2)陽イオン-陽イオン ; 斥力 ( 反発力 ) 3)陰イオン-陰イオン ; 斥力 ( 反発力 ) ◎3つのクーロン力・・・ 同種イオン間 イオン性結晶 ・・・ 全体として引力が斥力よりも大きくなる ( 図1,図2参照 ) ; +,-イオン間のクーロン引力 ( 静電引力 ) により,結晶を形成する 結晶を構成 ( 引力=斥力 )
100 0 2 4 6 8 10 12 ∞ -100 -200 引力≧斥力 Clの電子 親和力 NaCl結晶のイオン間距離 Naのイオン化 ポテンシャル (核外電子全て) 最適距離 イオン間距離が極端に近くな ると,両原子 (両イオン) が 有する電子と原子核の陽電 荷間におけるクーロン引力が 増大し,ポテンシャルエネル ギーは急激に増大する ( イオン間距離 ) ポテンシャルエネルギー kcal/mol e : 電荷 r : イオン間距離 クーロン引力: 結合力=引力 -e2/r 弱い ポテンシャルエネルギー : (両イオン間の 距離が遠い) 図1Na+とCl-との クーロン引力によるポテンシャルエネルギー 斥力 (同種イオン間のポテンシャルエネルギー) 引力と斥力の 合成 ポテンシャル エネルギー ・最も安定な位置 = イオン間距離 陽イオン,陰イオンの電子雲が重なり合う 合成ポテンシャルエネルギーの 極小値 r ポテンシャルエネルギー (:イオン間距離) 陽イオン,陰イオンが離れている = 引力 “イオン間距離” ・斥力+引力の最小値= ・・・引力と斥力の最適距離 (安定) 陽イオン,陰イオンがひっついている 図2 イオン間距離と 引力 , 斥力 の関係 (引力と斥力の平衡関係)