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企業組織のデザイン:最適階層、ネットワークメカニズム. 犬童健良 関東学園大学経済学部 kindo@kanto-gakuenac.jp. 企業の管理階層と分権的情報処理. 会社組織は分権化された情報処理と意思決定のシステムである。すなわち環境から入力された情報が、経営階層すなわちManagerたちのネットワークによる分権的情報処理を経て、最終結果である意思決定に至る。
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企業組織のデザイン:最適階層、ネットワークメカニズム企業組織のデザイン:最適階層、ネットワークメカニズム 犬童健良 関東学園大学経済学部 kindo@kanto-gakuenac.jp 企業組織のモデル
企業の管理階層と分権的情報処理 • 会社組織は分権化された情報処理と意思決定のシステムである。すなわち環境から入力された情報が、経営階層すなわちManagerたちのネットワークによる分権的情報処理を経て、最終結果である意思決定に至る。 • こうした企業の分権的情報処理モデルでは、各Managerは限られた能力を持った自律的な情報処理単位である。そこで会社組織全体の効率性は、例えば「処理単位の数P」と組織が情報を受けつけてから意思決定に至るまでの「処理時間C」によって計測される。またそれゆえその最適化は経済学的分析と情報科学の境界にある問題である。 • 企業組織の経済学的分析の分野では、企業の活動を、意思決定と意思決定のための情報処理とみなすのが伝統だ。現代の企業におけるマネジメントの仕事は大変複雑な情報処理になっており、多くの人を効率的に使わなければ計算を完遂できない。したがって、かつてH.A. Simonが指摘したように計算主体である人を稀少資源と考えれば、企業組織の最適デザインの問題が、経済学の関心事として浮上することになる。 • いったいどのような会社組織のデザインが上記のような複雑・巨大な知的作業の効率的遂行に適しているのだろうか? それは集中型・集権的な処理主体(いわばビックブラザー)の指示にしたがうシステムだろうか、それとも分散型・分権的に相互に情報がやりとりされる(チーム理論的な)情報共有のクモの巣なのだろうか? • また多くの処理単位をいかに効果的に情報処理に用いるかという問題は、従来計算機科学(とくに並列計算)の分野で扱われてきたが、この両分野の交絡する線上に分権的企業組織の研究が横たわっているわけである。またそれは意思決定と情報処理についての限界合理性モデルに関連する。 • 本論文では企業の階層ないしネットワークの最適デザインの研究分野を紹介し、また筆者が作成したPrologによる最適階層デザインのシミュレーションプログラムを紹介する。 企業組織のモデル
最適階層デザインの諸研究 • 企業の経営組織の経済学的分析はCoase、Chamberlinら制度派経済学者やChandlerによる多事業部制組織の研究の後、その情報処理システムの側面に注目した経済学者ないし経営科学者らによって開拓された。Arrow(1964)の論文からそのパイオニアたちの名をあげれば、J. Marschak, H.A.Simon, L. Hurwicz, T. Marschak、R. Radner、そしてK.Arrow自身である。これに加えるとすれば、”Organizations”でSimonと連名の著者J.G. Marchだろう。ただし、ここでは組織の情報処理やシステム論的側面の研究を網羅することはしない。[*1] • 彼らの共通点は、大企業の情報処理におけるコントロールとコミュニケーションの理論的な相互依存に注目したことである。はやくから形式化の点で進んだのは、動的計画法(DP)による組織モデルであり、Williamson(1967)以来、企業の最適規模や経営管理階層の最適デザインを探求してきた。それは上記の相互依存を制約として企業の意思決定ルールを実施するために、どのような情報処理が適しているかを数学的に論じるものだ。 • すなわち監視する部下の数(SpanOfControl)が多いと、手抜きが起きやすく、減らせば階層数が増し、利益が減る管理の損失(Loss Of Control)あるいは「技能の特殊化とコミュニケーション手間のトレードオフ」の下で、部下の数、階層数、賃金体系をどのように設計すべきであるか(Beckmann,1976; Calvo and Wellisz,1978; Keren and Levhari, 1979, 1989; Rosen, 1982)。 • Prat(1997)はさまざまな能力のマネージャを階層内に最適配置するDP問題---容量付き最小費用木の性質を分析した。Qian(1994)はこれらのDPモデルを要約した上で、誘因(インセンティブ)の問題を追加した。コミュニケーションないし情報システムの側面では、例えばCremer (1981)がチーム理論(Marshak and Radner,1972)の状況で、2次形式の費用関数を仮定し、店集合の最適パーティションを求めた。またBolton&Dewatripontは、最適ネットワーク設計において技能の特殊化(学習)が処理時間を節約することに注目した。Marshak and Reichellstein(1996)によるネットワークデザイン論については後述する。 • Geanakoplos and Milgrom(1991)はCremerと類似の費用関数で、managerたちの限界合理性を導入したとき、階層組織によってチームとしての能力が高まることを論じた。学習する適応ネットワークとしてモデル化する研究も進展しつあるようだ(Dow, 1990)。企業の情報処理に注目したArrowの研究を受け継ぎ、青木昌彦[ノート*2]は日米企業の権限とコミュニケーション様式の比較研究(Aoki,1986)を始めたが、またより最近では比較制度分析を提唱している。 企業組織のモデル
Radnerのパラドックス • 現代の企業におけるマネジメントは、一方では業務レベルの意思決定における分権化が進み、戦略計画レベルでは集権化の特徴が強化されている。これは前段で述べた観点では幾分パラドキシカルであると思われる。Radnerは階層構造が分権的情報処理の効率化に役立っていることを示し、このパラドックス問題(*)を解こうと考えたようだ。 • Radner(1992, 1993)は3タイプの活動に階層モデルを適用する。(1)線形意思決定ルール、(2)プロジェクト選択、(3)パターン照合。(1)は環境の入力信号を単位変換して集計する。典型は会計情報の処理(仕訳や財務諸表の作成)。(3)は事例&類似性ベース意思決定。 • またRadnerはF.Knightの言葉を引用しながら「情報処理としてのマネジメント活動」の分権化に着目し、「行動としての業務的決定」の分権化から区別する。つまり業務的なより下位レベルの仕事は分権化し、権限や監査・査定といった計画機能は集権化するデザインや、その逆に事前に評価・計画を十分民主的に行った上で、業務はマニュアルどおり遂行するデザインがともに考えられる。 • ところで、業務的意思決定の分権化と人事評価・査定・昇進システムの集権化との組み合わせは、知的熟練のインセンティブを与え、これまでの日本企業における経営の特色とされている。だが階層による分権的情報処理の効率化というRadnerのモデルは、むしろ日本企業に見られるマネジメントスタイルとそのパフォーマンスを説明するかもしれない。いいかえれば、日本企業におけるマネジメントの特色を、条件適応性や進化的合理性によって説明する理論の説得力は、割り引かれることになる。先に提示した疑問(*)に対しては、Radner自身が批判的にこう答えている。「だからといって皆さんはこれがありふれた会社内の権限階層を正当化したり、説明したりするものだと推断してはいけません。」 企業組織のモデル
Radnerの最適階層 • もちろんRadnerは会社組織を階層のみと考えているわけではない。より一般的には時間間隔Tで発生するバッチ処理一回分の入力情報量(コーホート)Nを、処理時間(ディレィ)Cで計算するネットワークの中で、最小の処理単位使用数Pをもつものを効率的ネットワーク(Efficient Network)と定義している。 • Radner(1993)は効率的ネットワークの形状を、階層の組み合わせとして特徴づけると共に、大量の情報を比較的単純な階層によって処理することの効率性(いいかえれば、ほぼ効率的なネットワークの形状)を吟味しているわけである。 • また処理単位と処理時間の相対価格pの影響や情報処理システムにおける規模の経済性を明らかにするべく、NとTを変化させて(P,C)効率性フロンティアの形状を調べ、図ような法則性を導いた。 企業組織のモデル
最適階層の作成(1ショットモード) 図のように平衡階層をReductionして効率化したネットワークではSkip-Level Reportingが入れ子状に現われる。 企業組織のモデル
表計算による検算 企業組織のモデル
能力の異なるManagerを最適配置する Prat(1997)は、Radnerに似た足し算をするネットワークで、しかしプロセッサの計算能力を意思決定変数としたときの、DPに基づく最適階層デザイン問題を考察した。以下に紹介するPratの命題1と2はメカニズム設計者にとって指針となるだろう。 ただしモデルの仮定として、階層数が少ないほど情報伝達の遅れが少ないので利益R(L)が上がるが、ただしプロセッサーの能力(入力数 k)は異なり、それに応じた賃金w(k)を支払わなければならないものとする。 ● Pratの命題[*]:賃金関数が差分において非増加のとき、最適階層は能力Nの単一プロセッサである。そうでないとき、最適階層の集合は、以下の3性質を満足する階層を少なくとも一つ含む。 (1)各レベル内で能力の差は高々1である。 (2)能力はレベルにおいて非減少。つまり各レベルの最小能力は前レベルでの最大能力以上。 (3)入力層(レベル1)を除くレベル2より上位階層では、能力1のプロセッサーは使用されない。 企業組織のモデル
Prologによるシミュレーション hierarchy0(a, [ [-1,2,-5,1], [-6,2,3], [ +1] ] ). hierarchy0(c, [ [a,b,c,d], [e,f,g] ], [ [h] ] ). Figure. • Pratが論じた処理能力の内生的制約をもつ最適階層の問題をシミュレーションするプログラムを、筆者はPrologで作成した。プログラム dpfirm0.pl は筆者のホームページからダウンロードできる(http://www.us.kanto-gakuen.ac.jp/indo/)。 • 階層(=木)の表現方法はいろいろ可能だが、ここではPrologのリスト表現を利用するモデル例を紹介する。(右図参照) • 筆者のプログラムでは、情報アイテムは数値でもシンボルでもかまわない。前者については、実際に足し算を実行できる。以下はその実行例だが、右図の木aに対応する木Aに対して、計算数式BとそのコストCを出力している。ただしこの例ではコスト関数は容量(=入力枝数)に等しいと仮定している。 • ?- compute_hierarchy_with_cost(A,B,C). • A = [[-1, 2, -5, 1], [-6, 2, 3], [1]] • B = -3=1+ (3+2+ -6)+ (1+ -5+2+ -1) • C = 11; 企業組織のモデル
最適階層の生成実験 5 2 [ a b c d e ] 3 2 2 [[ a b c ] [ d e ]] 2 2 2 1 [ [[a b] [c d]] [[e]] ] 処理能力の高いプロセッサ(=マネージャ)は階層数を減らし、それゆえ収益を維持すのに役立つが、賃金も高い。最適階層を求めるプログラムでは、所与の情報アイテム集合に対し、可能な木構造を生成し、その中で最大利潤を与えるものを選ぶ。 筆者のPrologプログラムを用いて、名目5アイテムの場合の最適階層を、同一の粗収入関数Rと3種類のコスト関数(総賃金)について、求めてみた(図も参照)。最初のケースは線形賃金ゆえ、Pratの命題1に合致し、単一階層のみが得られる。残りの2つは命題2の条件に合致しないが、他の出力の中に見出せる。なお図中の三角形と中の数字はプロセッサ処理能力を表す。 % case 1-3: revenue(R,L):- R is 100-20*L. % case 1: wage_function(C,W):- W is 10 * C. %---------------------------------------------------------- ?- tell_and_solve([a,b,c,d,e],P). P = tree:[a, b, c, d, e], items:5, levels:1, revenue:80, wages:50, profit:30 ; Yes % case 2: wage_function(C,W):- W is 3 * C ^ 2. %---------------------------------------------------------- ?- tell_and_solve([a,b,c,d,e],P). P = tree:[[a, b, c], [d, e]], items:5, levels:2, revenue:60, wages:51, profit:9 ; P = tree:[[a, b, d], [c, e]], items:5, levels:2, revenue:60, wages:51, profit:9 ; ------<omitted>------ % case 3: wage_function(C,W):- W is 3 * C ^ 3. %---------------------------------------------------------- ?- tell_and_solve([a,b,c,d,e],P). P = tree:[[[a, b], [c, d]], [[e]]], items:5, levels:3, revenue:40, wages:102, profit: -62 ; P = tree:[[[a, c], [b, d]], [[e]]], items:5, levels:3, revenue:40, wages:102, profit: -62 ; ------<omitted>------ 企業組織のモデル
組織のトレードオフ:Quianの最適階層 • すでに見たようにPrat(1997)はさまざまな能力のマネージャを階層内に最適配置するDP問題を、誘因(インセンティブ)や手抜き(モラルハザード)の問題を無視して、純粋に容量付き最小費用木の性質として分析したものだった。一方、経営階層ないし管理階層の役割は、「管理」という中間生産物の出力である。組織設計論では、各マネージャが管理すべき部下の数(SOC)、階層数、賃金体系(誘因スキーム)をどのように設計すべきであるかが議論されてきた(Beckmann,1976; Calvo and Wellisz,1978; Keren and Levhari, 1979, 1989; Rosen, 1982)。 • 監視しないといけない部下の数(SpanOfControl)が少ないと手抜きが起きやすく、一方、管理を万全にするためそれを減らすと、階層の厚みが増し、途中での管理の損失(Loss Of Control)の危険も高まり、より多くの中間管理者に賃金を払わなければならない利益を圧迫する。しかし意欲やモラールの低い人たちを働かせようとして、監視ばかりにコストを掛けるより、作業者に適切な誘因(インセンティブ)を与えて自発的に仕事を進めてもらうのがむしろ合理的であろう。 • Qian(1994)はこれらのDPモデルを要約した上で、誘因(インセンティブ)の問題を追加した。以下ではQuianのモデルと定理を参考に、表計算を用いた0-1努力選択の場合の最適階層のモデリングとシミュレーションを示そう。なおシートモデルはファイル名odesign.xlsとして筆者のホームページ(http://www.us.kanto-gakuen/indoから入手できる。 企業組織のモデル
0-1努力選択のケースの最適階層モデル(Quian,1994)0-1努力選択のケースの最適階層モデル(Quian,1994) • Quian(1994)の本論は微分可能な場合の連続型モデルを主に論じているが、Appendix Aでは離散型モデルについて証明を示している。モデルと定理を右図にまとめた。 • Quianの与えた解は各層tにおいてs(t)=2、したがってx(t)=2^tのマネージャを配置するというものである。 • 表計算を用いたシミュレーションによって後で示されるように、残念ながら、総作業者数Nが所与の場合、この定理は正しくない。 企業組織のモデル
表計算によるシミュレーション:インセンティブ賃金表計算によるシミュレーション:インセンティブ賃金 • Quianのモデルでは作業者(あるいは中間管理者)に支払う効率性賃金を用いている。すなわち、任意の努力水準選択に対し、モニタリング確率の下で各作業者が期待効用最大化するとき、望ましい努力水準をインプリメントする。ただし、モニタリング確率はスパンオブコントロールに反比例すると仮定する(P=1/S)。 • 0-1選択では、努力水準1をインプリメントするために、努力水準0の場合の期待効用よりも努力した場合の賃金支払いから労働負効用を減じた純効用が、大きいことが必要である。この条件はインセンティブスキームと呼ばれ、効率性賃金を導く。(以下の表計算のシミュレーションを参照。) 企業組織のモデル
表計算によるシミュレーション:最適階層 • Quianモデルは比較的単純なDPモデルである。以下の図のように、表計算によるシミュレーション(ファイル名odesign.xls)では、 0-1選択ケースで、むしろPratの定理に類似した結果が得られる。なお管理すべき最下層の作業者数N=100、労働の負効用gはつねに1とした。 • ちなみに最適なSOC組の計算にはエクセルの標準ソルバーを用いた。ソルバーの用いるアルゴリズムについては次のスライドと関連ホームページを参照されたい。実際、以下の解はソルバーが数分で求めたものだが、小さいtでスキップレポートを含むものも出力される。また初期値が最適解に近くても、その解は不安定である。 企業組織のモデル
ソルバーについて • エクセルの標準ソルバーはFrontline社からMS社のエクセルにアドインソフトとして供給されている。また同社から性能の改善されたソルバー製品が販売されている。 (マイクロソフト サポート技術情報 – 214115およびフロントライン社のホームページhttp://www.solver.com/technology.htm参照) • 標準ソルバーにはLasdon とWarenの一般化還元勾配法(GRG2)のコードが用いられている。よって線形計画問題のほかに、非線形計画問題(NLP)を解くことができる。 • 混合整数計画問題(MILP)に対しては連続緩和問題の分岐限定操作を行うプログラムを用いている。連続緩和問題および線形モデルではシンプレックス法を使っているそうである。 • 前ページのシートモデルは0-1整数計画問題20の意思決定変数の比較的簡単なモデルだが、局所最適解が求まっている。 • 実務的な問題を一般的な数理計画用ソルバーで解こうとすると、モデリングのためのテクニックが必要である。業務の問題について十分な知識があれば、論理プログラミングの系譜を引き継ぐ制約処理を用いることもできる。 企業組織のモデル
最適ネットワークの設計 • 企業組織の経営階層の研究と並んで、Hurwicz以来のメカニズムデザイン理論では、市場メカニズムによるワルラス対応の実現にかんする最適メッセージプロセスが議論されてきた。しかしこのアプローチでは伝統的にメッセージ空間のサイズ(変数の数)でメカニズムの複雑性を計っており、計算にかかる時間が無視されていた。また従来のメッセージ空間は各自が他の全員に対して情報送受信するような共有黒板であった。 • 一方、現実の会社組織は、ある程度の規模になれば、すべての情報を共有化するのは明らかに不効率である。Radnerは大規模な企業はそれ自体が小さな市場経済だという。それゆえ情報的分権化の良いデザインが探求される。ちなみに、必要なとき必要なだけの情報を意思決定者に届ける経営情報システム(MIS)の開発は、経営情報管理の長年の夢でもあった。 • この文脈で活躍してきた数理経済学者コンビであるMount and Reiter(1990)は、rdネットワークと呼ばれる一種のニューラルネットモデルを使って上の問題にチャレンジした。彼らの研究は一般均衡理論とニューラルネットの両分野に共通する微分幾何を駆使したものだが、Radnerらに先んじて階層組織による効率的資源配分の分散計算を定式化していたといえる。以下に述べるように、Marschak and Reichelstein(1996)はむしろ彼らの以前のアプローチを一般化する形で、より具体的応用がしやすい定式化を提案した。 企業組織のモデル
標準メカニズム • 従来のメカニズムデザイン理論で扱われてきたHurwicz-Reiter流の「標準的メカニズム」は以下のように定義される。 • E:環境の集合、 • N:エージェントの集合。N={1、・・・、n}とする。 • ●スタンダードメカニズム<S、g~、h> • S:メッセージスペース。Siの直積S1×・・・×Sn、 • fi:エージェントiの応答ルール。fi:S×Ei→Si、 • g~=(g~1、・・・、g~n):合意ルール。 • g~i(s、ei)=fi(s、ei)-si、 • h:結果関数。均衡メッセージsi=fi(s、ei)に対して適用。 • 達成基準(performance standard). • メカニズム<S、g~、h>が達成基準F:E→Zを実現する(realize)というのは、すべてのe∈Eに対して、次の2条件が満たされる場合。 • μ(e)={s|g~=0}≠φ • {h(s)|s∈μ(e)}⊆F(e)。 企業組織のモデル
ネットワーク・メカニズム • 一方、MarschakとReichelsteinの「ネットワークメカニズム」は以下のように定義される。 • E:環境の集合、 • N:エージェントの集合。N={1、・・・、n}とする。 • ●ネットワークメカニズム<M、g、h> • M:送受信にかんして行列表示されたメッセージ空間。 • M^i:エージェントiの送信メッセージ、 • M_i:エージェントiの受信メッセージ、 • Pi(M):Mの第i行と第i列の和。その要素 • Pi(m)はエージェントiの聞く部分メッセージ。 • g:Pi(M)×Ei→M^i。合意ルール。 • すべてのiについて、gi(Pi(M)、ei)=0。 • h:Pi(M)→Z^i。ノンパラメトリック結果関数。 • 達成基準(performance standard). • ネットワークメカニズム<M、g、h>が達成基準F:E→Zを実現するというのは、すべてのe∈Eに対して、次の2条件が満たされる場合である。 • μ(e)={m|g=0}≠φ • {h(s)|m∈μ(e)}⊆F(e)。 企業組織のモデル
例.内部振替価格メカニズム 数量Q1 Agent 1: output:Q1 Cost:e1 Agent 4: Revenue:e4 価格U1 例. A Multiplant Firm(Marschak and Reichelstein,1995) 4部門のマネジャーをエージェントA1、A2、A3、A4とする。 最終製品製造部門A1とA2。各生産量Q1、Q2。それぞれの 費用関数e1(Q1)、e2(Q2、I)は局在的情報である。 中間製品製造部門A3。A2が使用。生産量I。費用関数e3(I) 本社A4。収益関数e4(Q1、Q2)。 • 会社の意思決定ルール: • 内部価格u1、u2、v => 生産量 Q1、Q2、I。 • コミュニケーション・ルール: • A4はA1に価格u1を伝え、A1はA4に局所利潤 π1=u1・Q1-e1(Q1) を最大にする生産量Q1を伝える。 • A4はA2に価格u2を伝え、A2はA4に局所利潤 π2=u2・Q2-e2(Q2、I) を最大にする生産量Q1を伝える。 • A2はA3に価格vを伝え、A3はA2に局所利潤 π3=v・I-e3(I) を最大にする生産量Iを伝える。 • エージェントごとの通信チャネル数は(2、4、2、4)。全体では6回線。これをもって内部価格メカニズムの「通信努力」を計るものとする。 • もしA3が作る中間製品をA1とA2がともに使うとすると、通信回線は各エージェントごとに4回線ずつ、全体で8回線必要となる。 • 上の例題でのネットワークメカニズムMは、次のようなコミュニケーションダイヤグラムとして表せる。行はsenderとしての送信メッセージ、列はrecieverとしての受信メッセージである。 価格U2 数量Q2 Agent 2: Output:Q2 Cost:e2 Agent 3: Output:I Cost:e3 価格V 数量1 企業組織のモデル
例題のメカニズムのPrologモデル 送信\受信 \ 1 2 3 4 ------------------ 1 - - - Q1 2 - - v Q2 3 - I - - 4 u1 u2 - - ------------------ 表1. % the individual agent and the network %--------------- environment(e1,[ %agents agents([1,2,3,4]), agent(1), agent(2), agent(3), agent(4), %output variables outputs([Q1,Q2,I]), %action and its responsibile agent output(1,Q1,agent(1)), output(2,Q2,agent(2)), output(3,I,agent(3)), %local_environments valuations([E1,E2,E3,E4]), valuation(agent(1),cost(E1),[(1,Q1)]), valuation(agent(2),cost(E2),[(2,Q2),(3,I)]), valuation(agent(3),cost(E3),[(3,I)]), valuation(agent(4),revenue(E4),[(1,Q1),(2,Q2)]), end_of_model ]). mechanism(m1,[ %message space for network communication hear(from:agent(4),to:agent(1),price_of(U1,output(1))), hear(from:agent(1),to:agent(4),quantity_of(Q1,output(1))), hear(from:agent(4),to:agent(2),price_of(U2,output(2))), hear(from:agent(2),to:agent(4),quantity_of(Q2,output(2))), hear(from:agent(3),to:agent(2),quantity_of(I,output(3))), hear(from:agent(2),to:agent(3),price_of(V,output(3))), %agreement rules agreement_rule(agent(1),local(cost(E1)),max(arg([Q1]),U1*Q1-E1)), agreement_rule(agent(2),local(cost(E2)),max(arg([Q2,I]),U2*Q2-E2-V*I)), agreement_rule(agent(3),local(cost(E3)),max(arg([I]),V*I-E3)), agreement_rule(agent(4),local(revenue(E4)),max(arg([Q1,Q2]),E4-U1*Q1-U2*Q2)), end_of_model ]). 企業組織のモデル
メカニズムの設計と評価:複雑性の測度とコミュニケーション努力メカニズムの設計と評価:複雑性の測度とコミュニケーション努力 • ●例題のネットワークメカニズムによる達成 • m=(Q1、Q2、I、u1、u2、v)とする。g1(P1(m*)、e1)=g1((Q1*、u1*)、e1)=0ならば、Q1*はu1*・Q1-e1(Q1*)を最大化しており、また逆も正しい。 • 同様にg4((Q1*、Q2*、u1*、u2*)、e1)=0というのは、Q1*とQ2*の下でe4(Q1*、Q2*)-u1*・Q1*-u2*・Q2*が最大化されているということと同等である。 • ●レスポンシビリティ • 結果関数hにより、3つの出力変数(Q1、Q2、I)についてそれぞれ実行責任を割り当てる。上例では、それぞれ4がQ1とQ2について、また3がIについて責任を追うエージェントである。 • h4(P4(m))=h4(Q1、Q2、u1、u2)=(Q1、Q2); • h3(P3(m))=h4(I、v)=I. • ●効率性 • M*をMの非対角成分からなる行列とする。ネットワークメカニズム<M、g、h>が次元数最小である(dimensionally minimal)というのは、任意の<M'、g'、h'>に対して、dim M'* ≧ dim M* ということ。 • またネットワークメカニズム<M、g、h>が(与えられたメカニズムのクラスにおいて)優越されない(undominated)のは、任意の<M'、g'、h'>に対し、あるjについて、dim Pj(M'*)> dim Pj(M*)、またはすべてのiについて、dim Pi(M'*)= dim Pi(M*)であるということ。 • ●努力の計測 • エージェントの個別の努力は、n次元ベクトル(l1、・・・、ln)で表せると仮定すると、「効率的フロンティア上にある」メカニズムは、すべてのiについて、li = dim Pi(M*)である優越されないメカニズム<M、g、h>である。 • dim M* => 総努力(total effort)、 • dim Pi(M*) => 個人努力(individual efforts) • 先の例題から明らかであるように、総努力は個人努力の合計を2で割ったものである(dim M*=Σdim Pi(M*)÷2)。したがってあるクラスで次元数最小であるメカニズムはそのクラスで優越されない。またそれゆえその努力ベクトルは効率的フロンティア上にある。 企業組織のモデル
メカニズム評価のPrologプログラム % no self-addressed messages %------------------------------------------------ star_messages(M,MX):- mechanism(M,X), O=hear(from:J,to:I,_), findall(O, ( member(O,X), J \= I ), MX). メッセージ行列の非対角成分 % Pi(M): hear or send by the agent i %------------------------------------------------ ihears(M,I,PM):- part_of_message_that_i_hears(M,I,PM). part_of_message_that_i_hears(M,I,PM):- output_message_for_i(M,I,P1), mechanism(M,X), Q=hear(from:J,to:I,_), findall(Q, ( member(Q,X), J\=I ), P2), union(P1,P2,PM). 各エージェントのメッセージ %------------------------------------------------ % dimensional complexities of message space %------------------------------------------------ dimension(M,ihears(I,PM),D):- ihears(M,I,PM), length(PM,D). dimension(M,(from:J,to:I,Msg),D):- mechanism(M,X), O=hear(from:J,to:I,Msg), member(O,X), length(Msg,D). dimension(M,star(MX),D):- star_messages(M,MX), O=hear(from:_J,to:_I,MSG), findall(MSG,member(O,MX),MY), flatten(MY,MZ), length(MZ,D). dimension(M,ihears(I,star(PM)),D):- ihears(M,I,PM), star_messages(M,MX), intersection(PM,MX,PMX), length(PMX,D). 各種の次元測度 %total effort %------------------------------------------------ total_effort(M,star(MX),D):- dimension(M,star(MX),D). %individual effort vector (iefforts) %------------------------------------------------ iefforts(M,Is,DV):- individual_effort_vector(M,Is,DV). individual_effort_vector(M,Is,DV):- mechanism(M,_X), findall(agent(I),agent(I),Is), findall(D, ( member(agent(I),Is), dimension(M,ihears(agent(I),star(_PM)),D) ), DV). 全努力と個人の努力 企業組織のモデル
2つの基本命題とレスポンシビリティと関心 %------------------------------------------------ % some claims about minimality and efficiency %------------------------------------------------ %claim: minimality implies both dominance and efficiency %------------------------------------------------ claim(no(1),2*total_effort(D)=sum_of_iefforts(D1),Z):- total_effort(M,star(_MX),D), iefforts(M,_Is,DV), sum(DV,D1), D0 is 2* D, (D0 is D1->Z=true;Z=false). claim(no(2),dimensionally_minimal(D)->efficient_iefforts(DV),Z):- dimensionally_minimal(M,_Class,D), (efficient_iefforts(M,_Is,DV)->Z=true;Z=false). 2つの基本性質 命題1:メッセージ空間全体努力は、個人努力の合計の半分。 命題2:次元最小性が効率性を含意。 %responsibility(i.e., output function) % activities for which the agent is responsible %------------------------------------------------ is_responsible_for(agent(I),output(K,B)):- agent(I), output(K,B,agent(I)). responsibility(agent(I),OUT):- agent(I), findall(output(K,B), ( output(K,B,agent(I)) ), OUT). 各エージェントのレスポンシビリティ % concern %------------------------------------------------ has_concern_with(agent(I),output(K,B,J)):- valuation(agent(I),_V,Con), output(K,B,J), member((K,B),Con). concern(agent(I),Y):- valuation(agent(I),_V,Con), findall((K,B,J), ( member((K,B),Con), output(K,B,J) ), Y0), sort(Y0,Y). エージェントの関心 concerning_agents(X,Js):- X=output(K,B,agent(_I)), X, findall((J), ( valuation(agent(J),_V,Con), member((K,B),Con) ), Js0), sort(Js0,Js). 出力変数ごとの関しあるエージェント 企業組織のモデル
次元最小性と効率性のPrologプログラム % dominance %------------------------------------------------ undominated(M,Class,Dx):- var(Class), findall(M1,mechanism(M1,_),C0), subtract(C0,[pm(0)],Class), iefforts(M,_Is,Dx), M \= pm(0), Case1=( dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D), dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1), D1 > D ), Case2=forall(agent(I), ( dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D), dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1), D1 = D ) ), forall( (member(M1,Class), M1 \= M ), ( Case1;Case2 ) ). undominated(M,Class,Dx):- \+ var(Class), length(Class,_), forall(member(A,Class),clause(mechanism(A,_),true)), iefforts(M,_Is,Dx), member(M,Class), Case1=( dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D), dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1), D1 > D ), Case2=forall(agent(I), ( dimension(M,ihears(agent(I),star(PM)),D), dimension(M1,ihears(agent(I),star(PM1)),D1), D1 = D ) ), forall( ( member(M1,Class), mechanism(M1,_), M1 \= M ), ( Case1;Case2) ). %------------------------------------------------ % evaluation measures for network mechanisms: % minimality, dominance, and efficiency %------------------------------------------------ % minimality of mechanisms %------------------------------------------------ dimensionally_minimal(M,Class,dim(star(D))):- var(Class), findall(M1,mechanism(M1,_),C0), subtract(C0,[pm(0)],Class), %total_effort(M,star(MX),D), dimension(M,star(_MX),D), M \= pm(0), \+ ( member(M1,Class), dimension(M1,star(_MX1),D1), D1 < D ). dimensionally_minimal(M,Class,dim(star(D))):- \+ var(Class), forall(member(A,Class),clause(mechanism(A,_),true)), %total_effort(M,star(MX),D), dimension(M,star(_MX),D), member(M,Class), \+ ( member(M1,Class), dimension(M1,star(_MX1),D1), D1 < D ). %efficiency %------------------------------------------------ efficient_iefforts(M,Is,DV):- undominated(M,_Class,_D), iefforts(M,Is,DV). 企業組織のモデル
メカニズムの評価実験 数量Q1 以下は筆者の作成したPrologプログラム(network0.pl)による。 右側は最初の例題に類似するメカニズムが、次元最小でなく、また効率的でもない。 Agent 1: output:Q1 Cost:e1 Agent 4: Revenue:e4 価格U1 価格U2 価格U2 数量Q2 数量Q2 mechanism:m1 hear(from:agent(4), to:agent(1), price_of(_G292, output(1))) hear(from:agent(1), to:agent(4), quantity_of(_G314, output(1))) hear(from:agent(4), to:agent(2), price_of(_G336, output(2))) hear(from:agent(2), to:agent(4), quantity_of(_G358, output(2))) hear(from:agent(3), to:agent(2), quantity_of(_G380, output(3))) hear(from:agent(2), to:agent(3), price_of(_G402, output(3))) agreement_rule(agent(1), local(cost(_G418)), max(arg([_G314]), _G292*_G314-_G418)) agreement_rule(agent(2), local(cost(_G445)), max(arg([_G358, _G380]), _G336*_G358-_G445-_G402*_G380)) agreement_rule(agent(3), local(cost(_G481)), max(arg([_G380]), _G402*_G380-_G481)) agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G508)), max(arg([_G314, _G358]), _G508-_G292*_G314-_G336*_G358)) end_of_model diagnosis for the mechanism: mechanism =m1 the total effort =6 the individual efforts =[2, 4, 2, 4] the mechanism is dimensionally minimal. the mechanism is efficient. Agent 2: Output:Q2 Cost:e2 Agent 3: Output:I Cost:e3 価格V 数量1 mechanism:m2 hear(from:agent(4), to:agent(1), price_of(_G292, output(1))) hear(from:agent(1), to:agent(4), quantity_of(_G314, output(1))) hear(from:agent(4), to:agent(2), price_of(_G336, output(2))) hear(from:agent(2), to:agent(4), quantity_of(_G358, output(2))) hear(from:agent(3), to:agent(2), quantity_of(_G380, output(3))) hear(from:agent(2), to:agent(3), price_of(_G402, output(3))) hear(from:agent(3), to:agent(1), quantity_of(_G424, output(3))) hear(from:agent(1), to:agent(3), price_of(_G446, output(3))) agreement_rule(agent(1), local(cost(_G462)), max(arg([_G314, _G424]), _G292*_G314-_G462-_G446*_G485)) agreement_rule(agent(2), local(cost(_G498)), max(arg([_G358, _G380]), _G336*_G358-_G498-_G402*_G485)) agreement_rule(agent(3), local(cost(_G534)), max(arg([_G424, _G380]), (_G446+_G402)* (_G424+_G380)-_G534)) agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G570)), max(arg([_G314, _G358]), _G570-_G292*_G314-_G336*_G358)) end_of_model diagnosis for the mechanism: mechanism =m2 the total effort =8 the individual efforts =[4, 4, 4, 4] the mechanism is NOT dimensionally minimal. the mechanism is NOT efficient. 企業組織のモデル
調整者つき価格メカニズム • Marschak and Reichelsteinの価格メカニズムは次のようなネットワークメカニズムである。 • Z(A)-調整者の各出力変数Z(A)に関心のあるエージェント、つまりZ(A)を自分の評価関数の引数にもつエージェントの一人を選出する。 • Z(A)-調整者は、同じ変数の関心を共有する他のすべてのエージェントに、それぞれ限界価格を送信する。またそれとともに彼らからそれぞれ計画数量を聴取する。 • 各自の関心事の集合A[I]とすると、スムースなメカニズムでは個人コミュニケーション努力の下界(命題2)が知られる。dimP*[I](M*)=2abs(A[I]) • 上記の価格メカニズムはこれを実現する。 企業組織のモデル
調整者つき価格メカニズムのメタモデル % a meta model: price mechanism with z(a)-coordinator %------------------------------------------------ metamodel(mechanism(pm(N),[ %------------message space for network communication ------------ ( hear(from:agent(J),to:agent(I),price_of(_U,X)):- coordinator(pm(N),J,C), C=coordinator(agent(J),X,concerning_agents(Ta)), member(I,Ta), I \= J ), ( hear(from:agent(I),to:agent(J),quantity_of(_Q,X)):- coordinator(pm(N),J,C), C=coordinator(agent(J),X,concerning_agents(Ta)), member(I,Ta), I \= J ), %------------agreement rules------------ ( agreement_rule(agent(J),local(VAL),max(arg(ARG),Z+sum(R)-sum(C))):- agent(J), valuation(agent(J),VAL,_Concerns), member((VAL,Z),[(cost(E),-VAL),(revenue(E),VAL)]), findall(A, ( hear(from:agent(J),to:agent(I),A) ), ARG), findall((p(U)*q(Q),to(I),X), ( hear(from:agent(J),to:agent(I),quantity_of(Q,X)), hear(from:agent(I),to:agent(J),price_of(U,X)) ), C), findall((p(U)*q(Q),to(I),X), ( hear(from:agent(I),to:agent(J),quantity_of(Q,X)), hear(from:agent(J),to:agent(I),price_of(U,X)) ), R) ), end_of_model ])). • 調整者つき価格メカニズムのメタモデルを次のように作成した。 • またプログラムnetwork0.plでは、これをエージェントのローカル環境モデルに対して適用する。その結果、次元最小かつ効率的なメカニズムが生成される。 企業組織のモデル
Prologによる調整者と価格メカニズムの自動設計Prologによる調整者と価格メカニズムの自動設計 mechanism:pm(2) hear(from:agent(3), to:agent(2), price_of(_G294, output(3))) hear(from:agent(2), to:agent(4), price_of(_G316, output(2))) hear(from:agent(1), to:agent(4), price_of(_G338, output(1))) hear(from:agent(2), to:agent(3), quantity_of(_G360, output(3))) hear(from:agent(4), to:agent(2), quantity_of(_G382, output(2))) hear(from:agent(4), to:agent(1), quantity_of(_G404, output(1))) agreement_rule(agent(1), local(cost(_G420)), max(arg([price_of(_G430, output(1))]), -cost(_G420)+sum([ (p(_G456)*q(_G458), to(4), output(1))])-sum([]))) agreement_rule(agent(2), local(cost(_G480)), max(arg([price_of(_G490, output(2)), quantity_of(_G498, output(3))]), -cost(_G480)+sum([ (p(_G524)*q(_G526), to(4), output(2))])-sum([ (p(_G546)*q(_G548), to(3), output(3))]))) agreement_rule(agent(3), local(cost(_G568)), max(arg([price_of(_G578, output(3))]), -cost(_G568)+sum([ (p(_G604)*q(_G606), to(2), output(3))])-sum([]))) agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G628)), max(arg([quantity_of(_G638, output(2)), quantity_of(_G646, output(1))]), revenue(_G628)+sum([])-sum([ (p(_G672)*q(_G674), to(2), output(2)), (p(_G692)*q(_G694), to(1), output(1))]))) coordinators(mechanism(pm(2))):[3, 2, 1] coordinator(agent(3), output(3), concerning_agents([2, 3])) coordinator(agent(2), output(2), concerning_agents([2, 4])) coordinator(agent(1), output(1), concerning_agents([1, 4])) diagnosis for the mechanism: mechanism =pm(2) the total effort =6 the individual efforts =[2, 4, 2, 4] the mechanism is dimensionally minimal. the mechanism is efficient. • 同じくnetwork0.plを用いてMarschak and Reichelsteinの価格メカニズムを部分的に模擬生成実験し評価した。 mechanism:pm(1) hear(from:agent(2), to:agent(3), price_of(_G294, output(3))) hear(from:agent(2), to:agent(4), price_of(_G316, output(2))) hear(from:agent(1), to:agent(4), price_of(_G338, output(1))) hear(from:agent(3), to:agent(2), quantity_of(_G360, output(3))) hear(from:agent(4), to:agent(2), quantity_of(_G382, output(2))) hear(from:agent(4), to:agent(1), quantity_of(_G404, output(1))) agreement_rule(agent(1), local(cost(_G420)), max(arg([price_of(_G430, output(1))]), -cost(_G420)+sum([ (p(_G456)*q(_G458), to(4), output(1))])-sum([]))) agreement_rule(agent(2), local(cost(_G480)), max(arg([price_of(_G490, output(3)), price_of(_G498, output(2))]), -cost(_G480)+sum([ (p(_G524)*q(_G526), to(3), output(3)), (p(_G544)*q(_G546), to(4), output(2))])-sum([]))) agreement_rule(agent(3), local(cost(_G568)), max(arg([quantity_of(_G578, output(3))]), -cost(_G568)+sum([])-sum([ (p(_G606)*q(_G608), to(2), output(3))]))) agreement_rule(agent(4), local(revenue(_G628)), max(arg([quantity_of(_G638, output(2)), quantity_of(_G646, output(1))]), revenue(_G628)+sum([])-sum([ (p(_G672)*q(_G674), to(2), output(2)), (p(_G692)*q(_G694), to(1), output(1))]))) coordinators(mechanism(pm(1))):[2, 2, 1] coordinator(agent(2), output(3), concerning_agents([2, 3])) coordinator(agent(2), output(2), concerning_agents([2, 4])) coordinator(agent(1), output(1), concerning_agents([1, 4])) diagnosis for the mechanism: mechanism =pm(1) the total effort =6 the individual efforts =[2, 4, 2, 4] the mechanism is dimensionally minimal. the mechanism is efficient. 企業組織のモデル
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