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「メタ認知」についての記事集

「メタ認知」についての記事集. ㈱ ジェック 行動理論研究所 畑田 敏雄 2004年5月19日. 「教育工学辞典」 2000年6月第一刷. 人間一般や自分自身、他者の 認知についての知識. メタ認知的知識. 課題についての知識. メタ認知. 課題解決の方略についての知識. メタ認知的モニタリング. メタ認知的活動. メタ認知的コントロール. 認知活動についての認知を、メタ認知( metacognition )と呼ぶ。 メタ認知概念は、ブラウン( A.Brown )やフラベル(J.H.Flavell)によって1970年代に

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  1. 「メタ認知」についての記事集 ㈱ジェック 行動理論研究所 畑田 敏雄 2004年5月19日

  2. 「教育工学辞典」2000年6月第一刷 人間一般や自分自身、他者の 認知についての知識 メタ認知的知識 課題についての知識 メタ認知 課題解決の方略についての知識 メタ認知的モニタリング メタ認知的活動 メタ認知的コントロール 認知活動についての認知を、メタ認知(metacognition)と呼ぶ。 メタ認知概念は、ブラウン(A.Brown)やフラベル(J.H.Flavell)によって1970年代に 提唱された。メタ認知は、自己学習力を高めるためにも不可欠である。 メタ認知は、まずメタ認知的知識とメタ認知的活動に分かれ、それぞれがさらに細かく分かれる。                                                  (三宮真知子) 出典:「教育工学辞典」日本教育工学会編 2000年6月第一刷より

  3. 人間一般や自分自身、他者の 認知についての知識 メタ認知的知識 課題についての知識 メタ認知 課題解決の方略についての知識 メタ認知的活動 メタ認知的モニタリング メタ認知的コントロール 1.メタ認知的知識 メタ認知的知識(meta-cognitive knowledge)とは、メタ認知の中の知識成分を指す。 メタ認知的知識は、 (1)人間の認知特性についての知識 (2)課題についての知識 (3)課題解決の方略についての知識 の3つに分けて考えることができる。 (1)人間の認知特性についての知識 これは、さらに次の3つに分かれる。 ①人間の一般の認知についての知識   「就寝前に覚えたことは、忘れにくい」「注意の集中の程度によって、学習効率は変化する」などといった知識を指す。                            これらは誰にでも当てはまる、一般的な認知特性についての知識である。 ②自分自身の認知についての知識     「私は、計算するときにケアレスミスが多い」「私は、考えを文章で表現することが得意だ」などといった知識を指す。                            これらは基本的には他者との比較に基づく、自分自身の認知特性に関する知識である。 ③他者の認知についての知識        「A君は、問題を解くのは速いが正確さに欠ける」「Bさんは、人前で話すことがあまり上手ではない」などといった                            知識を指す。これらは、ある特定の他者の認知活動を注意深く観察することによって得られる知識である。 (2)課題についての知識 「算数の文章題を解くには、ある程度の読解力が必要だ」といった知識を指す。 (3)課題解決の方略についての知識 「わかりやすい説明のためには、具体例が役立つ」といった知識を指す。 ここでいう「課題解決」の「課題」には、「この英単語を覚える」「2桁の引き算を教える」といった小さなものから、 「英語を学習する」「算数を教える」といった大きなものまでが含まれる。 このように、学習方略や教授方略についての知識には、具体的な個々の知識からより一般的な知識まで、幅がある。  こうしたメタ認知的知識に基づいて自分や他者の認知特性を知り、課題を正しくとらえ、適切な方略選択を行うことが効果的な課題解決をもたらす。 なお、メタ認知的知識は、経験から誤って導かれることもある。 出典:「教育工学辞典」日本教育工学会編 2000年6月第一刷より

  4. 人間一般や自分自身、他者の 認知についての知識 メタ認知的知識 課題についての知識 メタ認知 課題解決の方略についての知識 メタ認知的活動 メタ認知的モニタリング メタ認知的コントロール 2.メタ認知的活動 メタ認知的活動(meta-cognitive activity )とは、メタ認知の中の活動成分を指す。 メタ認知的知識は、次の2つに分かれる。 (1)メタ認知的モニタリング (2)メタ認知的コントロール (1)メタ認知的モニタリング メタ認知的モニタリングとは、認知状態をモニターすることである。 たとえば、「ここで理解できていない」といった認知についての気づき(awareness)、       「なんとなくわかっている」といった認知についての感覚(feeling)       「この問題なら簡単に解けそうだ」といった認知についての予測(prediction)       「この考え方でいいのか」といった認知の点検(checking)などが含まれる。 (2)メタ認知的コントロール メタ認知的コントロールとは、認知状態をコントロールすることである。 たとえば、「完璧に理解しよう」といった認知の目標設定(goal setting)       「簡単なところから始めよう」といった認知の計画(planning)       「この考え方ではだめだから、別の考え方をしてみよう」といった認知の修正(revision)などが含まれる。 メタ認知的モニタリングとメタ認知的コントロールは密接に関連して機能する。 すなわち、モニターした結果に基づいてコントロールを行い、コントロールの結果をまたモニターし、さらに必要なコントロールを行う・・・と いった具合に、両者は循環的に働くと考えられる。 メタ認知的活動は、必ずしも正しく行われるとは限らない。 たとえば、自分の認知状態を正しく把握できていない場合や、認知の目標設定が不適切な場合など、 モニタリングやコントロールに失敗することがある。 メタ認知をモニターしたりコントロールしたり、またメタ認知について知識を得ることは、さらに一段高い「メタ・メタ認知」ともいうべきレベルで行われる。 しかし、このような高次の認知を自力で達成することは、きわめて困難である。 そこで、メタ認知を正しく行うためには、自分の認知活動について他者にモニターしてもらい、評価やアドバイスを積極的に受け取ることが大きな助けとなる。 また、思い込みにとらわれない柔軟さを心がけることも大切である。 出典:「教育工学辞典」日本教育工学会編 2000年6月第一刷より

  5. 問題の理解、実行のプロセスを監視する機能は一般的にはメタ認知と呼ばれる問題の理解、実行のプロセスを監視する機能は一般的にはメタ認知と呼ばれる • 問題の理解、実行のプロセスを監視する機能は、モニタリング(monitoring)、より一般的にはメタ認知(metacognition)と呼ばれる。 • この働きにより、問題表現を作り直すことやプランを修正することが促されたりする。                                     (鈴木宏昭) 出典:「教育工学辞典」日本教育工学会編 2000年6月第一刷より

  6. 「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊 匠 英一(たくみ えいいち) 1955年和歌山県生まれ。東京大学大学院教育学 研究科を経て、東京大学医学部研究生修了。90年、㈱認知科学研究所を設立、 教育や経営心理のコンサルタント業務を展開。主な著書に「無意識という不思議な世界」 「第六感の正体の謎」「脳の不思議をおもしろ科学!!」「しぐさと心理のウラ読み辞典」 などがある。 • P5 • 「意識」は、一般的には「自覚」や「注意」「一貫した思考」といった心的状態を意味しています。自覚しているだけでなく、自我(自己)を鳥瞰的に見直すような思考活動をさす場合、とくに心理学では「メタ認知」と呼んでいます。これは、人の認識能力の根幹にかかわるものとして重視されているのです。 • P7 • とくにテレビっ子には、注意力が欠け、散漫な行動をとる「注意欠陥多動性障害(ADHD)」が多く見られるといいます。これらの傾向や症状は、意識の「心をコントロールする力」が落ちていることを意味しているのではないでしょうか。 • P8 • 「自己意識」というのは、自分を意識できる心の状態のことであり、自分の考えていることを他者の視点から見直したり、自己のあり方を反省したりすることです。これは、意識している自分をさらに意識するといった「再帰性」(リカーシブ)であり、実は高度な精神機能なのです。この自分の心の状態をモニターして自覚する意識のあり方は、学習能力の高さを測るキーワードにもなっています。

  7. 「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊 • P40 • 以前の自分のことを覚えているだけの記憶力を持たず、過去も未来もなく、瞬間だけに生きる動物は、鏡を見ても自分だと意識することができないのです。ネズミやそれより原始的な動物は瞬間だけに生きています。この習慣だけの静的な意識を、便宜上「意識1」とよぶことにしましょう。これは、進化した動物やわれわれ人間ももっている意識です。(中略) • われわれ人間やある程度進化した動物は、この「意識1」に加えて、時間の流れの中で自分を捉える意識を持っています。これを便宜上「意識2」と呼ぶことにしましょう。鏡を見て自分の像だとわかるというのも、この「意識2」に含まれます。(中略) • 言い換えれば、「意識1」が空間だけに関する意識なのに対して、「意識2」は時間が関係する動的な意識と言えるでしょう。(中略) • 京都大学のお阪直行教授は認知過程での意識水準を「覚醒」「アウェアネス」「リカーシブな意識」の三段階に分けていますが、このうち「覚醒」と「アウェアネス」を分けている基準が「注意」または「気づき」なのです。わたしが「意識1」と分類したものは、お阪教授の分類では「覚醒」と「アウェアネス」に分かれます。私が「意識2」と分類したものは、お阪教授の「リカーシブな意識」のうちに含まれるでしょう。 • 「リカーシブ」というのは自己反省的ということ、つまり、自分をある程度客観的に見直すことができるような意識レベルを意味しています。 • このように研究者によって分類の仕方が違うのは、意識を作る要素がひとつではないからです。意識をつくるものはさまざまで、どの点に注目するかによって分類法も違ってくるのです。意識の分類というのは、「意識」というものが実際に何種類かに分かれているのではなく、研究したり、説明したりするために、どの点に注目するかをはっきりさせて、それを基準に分けたものだといえます。

  8. 「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊 • P48 • 意識のなかには人間だけが持っているものがあります。それは「メタ意識」と呼ばれるものです。 • では、メタ意識とはいったいどんな意識なのでしょうか。 • これを知るために、動物の意識から考えて見ましょう。わたしが「意識2」に分類した意識を持つ動物は、時間の流れの中で自分をとらえ、自分のしていることをわかっています。先ほど、鏡を見るチンパンジーの実験の話をしました。チンパンジーは、自分が鏡をみていることがわかっているといいました。 • ですが、チンパンジーが次のように考えることがあるでしょうか。 • 「おれは美男子だと思う。メスたちもそう思ってくれるだろう。そう思うのは、おれのうぬぼれだろうか?」・・・鏡に映った自分を見て、こんなことを考えるチンパンジーはまずいないはずです。自分の意識を振り返って、「自分をうぬぼれているだろうか」などと考えることができるのは、この世で人間だけなのです。 • こういった自分の意識についての意識を「意識3」と呼んでおきましょう。自分の意識について意識するためには、自分の意識を一度突き放して、高みから見下ろさなければなりません。この「意識3」を「メタ意識」と言い換えてもいいでしょう。「メタ」とは「~を超える」という意味です。お阪教授のあげた「リカーシブな意識」もメタ意識のことです。 • 人間以外の動物は、このメタ意識を持っていません。意識している自分を振り返り、反省したり、他人から自分がどう見えるかを考えたりするのは、地球上のあらゆる生物のなかで人間だけなのです。このメタ意識を持っているというのが、人間の人間たるゆえんだといってもいいのです。

  9. 「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊「意識のしくみを科学する」より匠英一著PHP文庫2003年3月刊 • P55 • 覚醒レベルの低い「意識1」や「意識2」ならともかく、「自覚」として意識にのぼらせるような思考では、言語を用いずに考えることは難しいはずです。 • 言語というものがあるからこそ、人間はメタ意識のような高度で複雑な意識をもつことができるのだと言っても過言ではないでしょう。 • 言語が意識と密接な関係にあるということは、言語が異なれば意識も異なるということでもあります。(中略)人間の意識は、母国語とする言語によって左右されているといってもいいでしょう。 • では、言語をつかさどっているのは、人間の脳のどの領域なのでしょうか?それは主に二箇所あります。左前頭葉にある「ブローカ領野」と、側頭葉の聴覚野近くにある「ウェルニッケ領域」です。(中略) • このブローカ領野とウェルニッケ領域が脳の中に形成されるようになって、人間は複雑な言語を理解したり話したりすることができるようになったのです。さらに、言語を用いて複雑なことを考えることができるようになり、メタ意識を持てるようになったのです。

  10. 「メタ認知」(認知心理学辞典より) (抜粋) • メタ認知(Metacognition)は、「自分自身の認知過程に関する知識あるいは信念」と定義できるだろう。 • 人が自分自身の認知的能力に関して何を知っているかは必ずしも明白ではない。そこで心理学者は、メタ認知的知識をその人から引き出さなければならない。それは単に質問するだけでよいこともある。 • メタ認知は、記憶の領域で広く研究されている。自分の記憶能力の長所と短所の知識が重要であることは、記憶の発達の研究をしてきた心理学者の強調するところである。 • メタ認知的知識の一種で体験することの多いものに「既知感」(feel of knowing)がある。たとえば「死者の出ることを泣き声で予告する女性の幽霊」を表す単語を思い出すという課題を出されると、のどまで出かかる状態になるかもしれない。そのとき、その単語をしているはずであるということは知っているのだが、それが“banshee”であることを思い出すことができないのである。(のどまで出かかる現象 Tip-of-the-tongue phenomenon) • これと関連して興味ある状態は、「未知感」(feeling of not knowing)である。バッキンガム宮殿の電話番号を知っているかどうか聞かれたら、あなたはただちに知らないと感じるだろう。その答えを探すために記憶の中を十分に探すだけの時間はなかったはずなのだが。 • 心理学研究にメタ認知的な知識を利用することに伴う問題点も存在する。まず、第一に、そしてもっとも中心的な問題としてわれわれのもっているメタ認知的な知識はきわめて限定されているものであって、誤りに陥りやすいということである。認知過程の働きが誰にでもよくわかるものだったら、認知心理学などひつようないだろう。少なくとももっと簡単な学問となっていただろう。実際には、ほとんどの認知過程はわれわれの知らないところで起こっており、何が関係していてどう働いているのかもわからない。動物の名前を思い浮かべるという単純な課題でさえ、その過程で働いている思考過程をよく見てみると、それほどわかりきった機構で実現されているのではない。 『認知心理学辞典』N.W.アイゼンク編 A.エリス、E.ハント、P.ジョンソンーレアード 編集顧問 平島久雄、重野純、半田智久 訳 新曜社 1999年7月7日 第二刷

  11. 「メタ認知」(認知心理学辞典より) (抜粋) • 自分自身の認知過程に関する知識の源泉のひとつは、内観(introspection)だろう。しかしすでに述べたように、多くの認知過程は内観しにくい。その結果、自分自身の行動の多くを説明するために、人は自分の思考や行為の記憶からこしらえた、俗流心理学や常識心理学(folk and common-sense psychology)に頼ることが多い。 • 多くの人がもっている認知過程の原因と性質に関する信念は、間違っていることが多く、さらにそうした信念は認知過程そのものから直接得られた知識でもない。それにもかかわらず、メタ認知の研究を続ける十分な理由が二つある。 • そのひとつは、たいていの認知に人は無知であるが、高次のコントロール過程に関しては必ずしも無知ではないということである。もうひとつは、人の認知過程に関する信念が正確なものであろうとあるまいと、いずれにせよ人の意思決定やプランニングの基礎となっているといことである。 • Nisbett&Wilsonなどが明らかにした、自分自身の認知過程を知ることには限界があるということには、多くの人が同意している。 • 「今あなたが話した文章の最後の単語を、なぜ(どのようにして)、選んだの?」と聞かれたら、多くの人は、文章を構成することの背景となっている過程を意識できないということに同意するだろう。しかし、「あなたの新しい家を、なぜ(どのようにして)、選んだの?」と聞かれれば、費用や場所、便利のよさ、外観などの点を考慮したことを説明できるだろう。さらに、そうした説明はもっともなものであり、すくなくとも家を選んだ決定にいたる過程の一部分を実際に反映しているということは、疑えない。 • どの単語を最後に言うかを決めるのと、家を決めるのとの違いは、他の場合にも存在する。一般的に、人は自分の一生において重大な選択をするときには、その過程の少なくとも一部分に対しては意識的になるようである。そういう場面では、人は自分自身の行動に対して高次のレベルでコントロールを発揮しているし、その行動も比較的複雑で目新しいものである。それに対して、認知システムの中でも十分に熟練しているものや低次のレベルのものに対しては、ほとんど意識しないようである。 『認知心理学辞典』N.W.アイゼンク編 A.エリス、E.ハント、P.ジョンソンーレアード 編集顧問 平島久雄、重野純、半田智久 訳 新曜社 1999年7月7日 第二刷

  12. 「メタ認知」(認知心理学辞典より) (抜粋) • Morris & Hampson(1983)は、プランニングや新奇な行動をコントロールする高次のコントロールシステムである“BOSS”システム(“Boss system“)と、より低次でモジュール化されたシステム”Employees”を区別した。 • Morrisらによれば、意識はBOSSシステムが入手できる情報と結びついているという。したがって、高次のコントロールの決定過程が依存する情報を意識することはできるが、BOSSシステムおよびEMPLOYEEシステムの実際の働きを意識することはできない。 • 人が意味のあるメタ認知的な報告することができるのは、高次の活動について報告する場面である。したがって、たとえば、問題解決におけるそれぞれのステージや記憶課題で利用した方略などに関する報告が役にたち信頼できると述べたが、それらはこうした高次レベルの過程の上に成立しているものだからである。それ以外の過程に関するメタ認知的な報告はもう少し疑ったほうがよい。 • 人がもつメタ認知的な信念が正確であろうとなかろうと、信念そのものは人の行動を決定する上で主要な役割を果たしている。記憶が信頼できないときには、日記やメモのような記憶を補助する道具が利用される。ドライバーが事故の発生率を低く見積もれば、避けられるはずの危険を犯すことになる。チェルノブイリ原子力発電所の白髪のような大規模な事故に至る行動例の中には、その原因のひとつにオペレーターの自分の能力への過信がある(Reason,1987)。 • このように誤って過信するのも不正確なメタ認知のひとつの形態であり、認知的なエラーや過信の危険さをオペレーターに意識させることが、複雑なシステムをより安全にコントロールしていくことにつながるだろう。 • メタ認知は認知心理学(Cognitive Psychology)の領域の中でも、豊かな理論とデータによってさらに洗練していく必要のある領域である。メタ認知は行動の広い範囲に影響を及ぼすが、その性質や源泉、さらにそうした認知の正確さについて今後とも広く研究を進めていく価値があるだろう。 『認知心理学辞典』N.W.アイゼンク編 A.エリス、E.ハント、P.ジョンソンーレアード 編集顧問 平島久雄、重野純、半田智久 訳 新曜社 1999年7月7日 第二刷

  13. メタ認知研究のまとめrep: 村山 航(むらやま こう) • http://www4.ocn.ne.jp/~murakou/metacognition.doc

  14. メタ記憶 出典:http://www.naruto-u.ac.jp/~rcse/m_jugyou_detail.html メタ認知の中でも,メタ記憶についての研究が進んでいる。 メタ記憶的知識 ○メタ記憶チェックリスト(Cohen他, 1986) あなたは,以下のことがらを忘れることがどの程度頻繁にありますか?  約束/言おうとした冗談/人の名前/買い物のとき,買おうとした物/ある場所へ行く道 5段階評価(非常にしばしば:4~決してない:0)  →自己評価と他者評価のギャップを見る ○教授・学習にかかわるメタ記憶的知識 再生vs,再認 長期記憶vs,短期記憶(作動記憶)→記憶容量(注意容量)系列位置効果 処理レベルの効果(Craik & Lockhart,1972) 維持リハーサルvs.精緻化リハーサル(Craik & Watkins,1973) 自己関連づけ効果 事態依存学習(state-dependent learning) 集中学習vs,分散学習 全体学習vs,部分学習 意味記憶vs,エピソード記憶(Tulving,1972) 意味ネットワークの活性化拡散モデル(Collins & Loftus,1975) 順行抑制vs,逆行抑制→系列位置効果 先行オーガナイザーの効果(Ausubel,1968) ツァイガルニク効果 メタ記憶的活動 FOK (feeling of knowing)(Hart, 1965) リアリティ・モニタリング(reality monitoring)(Johnson & Raye, 1981) メタ思考 認知療法 思考の自己制御に向けて 「思考におけるメタ認知と注意」(三宮,1996)

  15. メタ認知の部屋 ― 算数・数学 ― • http://www.sci.hyogo-u.ac.jp/katohi/metalabo/ • - 2002,06,22・23 全国数学教育学会(於:広島大学)個人発表加藤久恵,「数学学習におけるポートフォリオ評価法を用いたメタ認知能力の育成に関する研究― 数学学習におけるルブリックの検討」- 2002,01,27・28 全国数学教育学会(於:岡山大学)個人発表加藤久恵,「数学指導における教師のメタ認知的活動に関する研究― 教師のメタ認知的活動を捉える枠組みの提案を中心に」

  16. 認知心理学の部屋三宮真智子先生のサイト • http://www.naruto-u.ac.jp/~rcse/m_ninchi.menu.html

  17. メタ認知の分類 清水 美憲 (1997) 「わかっていないこと」がわかるというできごとは、「メタ認知的経験」と呼ばれる。 「メタ認知的知識」… 自分の認知過程についての知識 → 人・課題・方略などに関して 「メタ認知的活動」… 自分の認知過程を監視・統御する活動 → 監視(モニタリング)と統御(コントロール) <内在化の問題> 重松 敬一 「子どものメタ認知は、広義の教師のもつメタ認知が内在化し、蓄えられる。」 → 内在化の問題(過程) 長水 壽寛 (認知的)経験・外的環境 (← 教師の影響) ↓ ↓ 意識化 ↓ 内面化 ← ← ↓ ・価値観 ・信 念 … メタ認知的知識(経験)の一部 モニターすることでいろいろな情報を得る。 (学習者) メタ認知 →→→→→ 数学的活動(認知的活動) → 数学的活動の向上 → (コントロール) (モニター) (自己評価) メタ認知の定着 http://www.ge.fukui-nct.ac.jp/~nagamizu/classification.html J.H.Flavell 認知的営みのモニタリングを構成している要素  メタ認知的知識 … 人や認知的課題、目標、行為、経験などと関係ある知識  メタ認知的経験 … 認知的営みに伴う意識的な、認知的ないし感情的経験  認知的目標 … 認知的営みの目的  認知的行為 … 目標を達成するために行われる行為 J.Garofalo and F.K.Lester (1985) Cognitive-metacognitive framework Orientation:問題の評価と理解に関する方略的ふるまい A.方略の理解 B.情報、条件の解析 C.課題についての精通の評価 D.最初のそしてその次の表現 E.成功の難しさと機会のレベルの評価 Organization:行動の計画と選択 A.目標(sub goal)と途中の目標 B.包括的な計画 C.(包括的な計画を実行するための)局所的な計画 Execution:計画に従うためのふるまいの制御 A.局所的な活動の実行 B.局所的または包括的な計画の進行と監視 C.代償の決心(例えば速さと正確さ、エレガントの度合い) Verification:decisions made と実行した計画の評価 A.Orientation と Organization の評価 1.表現の適切さ 2.組織化された決心の適切さ 3.局所的計画と包括的計画の一貫性 4.包括的計画とゴールとの一貫性 B.Execution の評価 1.活動の実行の適切さ 2.行動と計画の一貫性 3.局所的な結果と計画、問題の条件との一貫性 4.最終的な結果と問題の条件との一貫性 重松 敬一 (1995) (1)メタ認知的知識(メタ知識)… 認知作用の状態を判断するために蓄えられた、環境、課題、自己、方略についての知識。 ①    環境に関するメタ知識: 環境の状態が認知作用にどのように影響するかに関する知識。 ②    課題に関するメタ知識: 課題の本性が、認知作用にどのように影響するかに関する知識。 ③    自己に関するメタ知識: 自己の技能、能力が、認知作用にどのように影響するかに関する知識。 ④    方略に監視するメタ知識: 認知作用をよくするための方略に関する知識。 (2)メタ認知的技能(メタ技能)… メタ知識に照らして認知作用を直接的に調整するモニター、自己評価、コントロールの技能。 ①    モニターに関するメタ技能: 認知作用の進行状態を直接的にチェックする技能。 ②    自己評価に関するメタ技能: 認知作用の結果をメタ知識と照合して直接的に評価する技能。 ③    コントロールに関するメタ技能: 自己評価にもとづいて認知作用を直接的に制御する技能。

  18. メタ認知の定義 あれこれ http://www.ge.fukui-nct.ac.jp/~nagamizu/metacognition.html メタ認知の定義 J.H.Flavell (1976) 「メタ認知とはその日との認知過程かつその成果、またそれらに関連するすべての事についての知識を指している。… またメタ認知とは認知的対象に関連して、通常はある具体的な目標や目的のあるところで行われる能動的なモニタリングと、その結果としての認知過程の調整や調和的遂行 (orchestration) である。」 R.Skemp (1979) 「reflective intelligence(反省的思考)」… 意識的な観察についてのメンタルプロセスを 作る能力。 J.Piaget (1976) 「reflexive abstraction(反省的抽象化)」… 知識の抜き取り、再構成および強化のメカ ニズムであり、メタ認知過程とおなじであ る。 D.Klahr (1974) 「むしろ私達は、(a) 事柄それ自体についての知識、(b) その適切な使用に関する知識 というように、知識を二つの形式に分けて考えるべきではないか。」 清水 美憲 (1997) 「メタ認知(metacognition)は、自分の認知過程そのものを対象とする認知的いとなみを指します。… 問題解決過程における「推進力」、あるいは逆に問題解決活動を阻害する高次の要因として、その役割が明らかにされてきました。」 重松 敬一 (1995) 「図に表したり、計算ができるなどの表現・処理の知識はもっていても、それをいつ、どこで、どのように使えばよいのかといった、表現・知識の処理をモニターしたり、コントロールしたりする、いわばもう一人の自分がうまく働かなかったために解けなかった…。…もう一人の自分は、メタ認知(内なる教師)といわれています。」 R.R.Skemp 「既知の決まりきった適用によっては答えられないとき、今もっている方法について、新しい結合あるいは修正を要することになる … これを効果的に行なうには、その人のレパートリーの中で、方法についての自覚的な意識性を必要とするし、正しい結合や修正を試みようとする努力を必要とする。反省的知能の受容器と効果器の両側面が、この点でかかわっている。」 小高 俊夫 「次のようなスキーマの作用があると考えた。 ①    個々の数学的事実を明らかにする時のスキーマ ②    広域的な基本的概念を確立するときのスキーマ ③    それらを運用制御するときのメタ的なスキーマ ③     は認知していることを認知するという心のはたらきである。」

  19. 「考えることの科学」 • 考えることの科学―推論の認知心理学への招待    中公新書 (1345)市川 伸一(著)価格:¥693 (税込) • 発送可能時期:通常24時間以内に発送します。新書- 186p (1997/02) • 目次 • 1 人間は論理的に推論するか(形式論理と日常的推論論理的推論の認知モデル帰納的推論―一を聞いて、十を知って、三誤る)2 確率的な世界の推論(確率・統計的な現象に対する理解と誤解ベイズの定理をめぐる難問・奇問確率・統計問題での推論のしくみと学習)3 推論を方向づける知識、感情、他者(推論は知識に誘導される因果関係を推論する自己の感情と他者の圧力)

  20. 「認知カウンセリング」 認知カウンセリングから見た学習方法の相談と指導市川 伸一(編集)価格:¥2,415 (税込)発送可能時期:通常2日間以内に発送します。単行本(ソフトカバー)- 203p (1998/07) 目次第1部 紹介編―認知カウンセリングとは(「その後」の認知カウンセリング)第2部 実践編―ケース報告と考察(漢字の苦手な小学生への学習指導―構造的な理解と記憶を中心に高校英語における学習方略習得をめざして数学に対する学習観の変容をもたらした認知カウンセリング学習方法とそれを支える環境要因―中1女子への数学・理科・社会の相談を通じて)第3部 討論編―ケース報告へのコメント論文と応答(認知カウンセリングと基礎研究、そして将来への展望認知カウンセリングの学習観コメントに答えて)第4部 理論編―認知カウンセリングと基礎研究の関わり(教訓帰納の有効性に関する実証的研究学習方法を支える学習観と学習動機)

  21. 思考力育成への方略―メタ認知・自己学習・言語論理    国語科授業改革双書 (22)井上 尚美(著)価格:¥2,688 (税込) • レビュー内容(「MARC」データベースより)どうすれば子どもの思考能力を向上させることができるか、をテーマにした、国語科教育に関する論考をまとめる。目次 • 序章 国語教育の哲学1 思考力育成を目指す言語論理教育2 言語論理教育の指導内容3 最近の思考指導の動向4 アメリカの国語教育における「批判的思考」研究の流れ5 基礎学力論6 新・言語教科書待望論7 「読み」の認知心理学と国語科教育8 イメージ形成と読解能力

  22. 「心理学ノート」より ∇メタ認知   私達が自らの働きそのものを自覚すること.   メタ認知は情報処理活動を監視(モニタリング)し制御(コントロール)している   記憶・学習・課題解決において重要な役割を果たしている∴正しい思考をしているかどうかを自ら吟味できるのはメタ認知のおかげ! http://pii-desu.hp.infoseek.co.jp//note5.htm

  23. 福岡教育大学教育学部附属久留米小学校の本(2260円)福岡教育大学教育学部附属久留米小学校の本(2260円) • 第2章  メタ認知の働きを生かした発展的活動- 学習過程をどう構想するか - 1 メタ認知とは何か 2 メタ認知の働き 3 メタ認知が働く条件 4 メタ認知が働く発展的活動 5 発展的活動の5類型 • http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~kurumes/choshoCMP.htm

  24. メタ認知研究会 • http://www.fuchu.pd.saga-u.ac.jp/sample/meta/ • 佐賀大学付属中学校のサイトのようです。

  25. 気づきマラソン • http://www013.upp.so-net.ne.jp/kishiken/kizukimarason.htm

  26. アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター 紀要第24号(2001) • Kenneth D. Butler「Approaches to Advanced Japanese Language Training」7ページ青木惣一「Kenneth D. Butler所長のご退任によせて」3ページ松本隆「動詞由来カタカナ複合語の語形成-カタカナ動名詞の分類およびその複合要素-」  キーワード:カタカナ語、動名詞、語形成、対格性、外項主語、直接項24ページ近藤彩「商談におけるインターアクション-参加者全員の視点から-」  キーワード:商談、韓国人ビジネス関係者、規範の拡がり、規範のゆれ、イーミックな解釈26ページ舘岡洋子「メタ認知を促す評論文読解の試み-文章構造への意識化と読解過程の共有化-」  キーワード:評論文読解、メタ認知、文章構造、精読、ディスカッション30ページ青木惣一「2000-2001年度年間カリキュラム報告」11ページ • アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1横浜国際協力センター5FTel: 045-223-2002Fax: 045-223-2060E-mail:office@iucjapan.org

  27. 論文:「メタ認知を活性化する学習支援システム」論文:「メタ認知を活性化する学習支援システム」 • http://www-kasm.nii.ac.jp/jsai2003/programs/PDF/000229.PDF

  28. 数学的問題解決におけるメタ認知 • http://www.office.hyogo-u.ac.jp/aca/sci/doc/research-list/2001.09.18/ns/katoh.htm • 数学的問題解決におけるメタ認知の機能とその育成に関する研究(2)― メタ認知能力の育成を目指した授業について ―’99『中国四国教育学会 教育学研究紀要』第44巻 第二部 • 数学的問題解決におけるメタ認知の機能とその育成に関する研究(1) ― メタ認知能力の育成を目指した個別指導について -’98『日本数学教育学会 数学教育論文発表会 論文集』第31回 • 数学的問題解決におけるメタ認知の役割に関する研究(Ⅱ)― 小学4年生と6年生のメタ認知に関する実態調査を中心として ―’98『全国数学教育学会誌 数学教育学研究』第4巻 • 数学的問題解決におけるメタ認知の役割に関する研究(Ⅰ)― メタ認知的支援の有効性について ―’97『全国数学教育学会誌 数学教育学研究』第3巻

  29. 6色ハット発想法の性質を用いたメタ認知スキルの育成支援システム6色ハット発想法の性質を用いたメタ認知スキルの育成支援システム • 6色ハット発想法の性質を用いたメタ認知スキルの育成支援システム • 小野崎 伸久 ※1 , 櫨山 淳雄 ※1 • ※1 東京学芸大学 本研究は、メタ認知スキルの育成を目的とする。 • Cognitive Flexibility Theoryでは、多角的な見方を提供することによってメタ認知スキルを育成できると示唆している。 • この理論に基づき、メタ認知スキルを育成するための手法の1つとして、6色ハット発想法の性質を用いた活動を提供することによって、この理論で示唆されている多角的な見方を提供できると考えた。 • そこで、この活動を分析するために予備実験を行い、その結果をもとに支援システムの要件を考察し、設計及び開発を行った。 • http://www.ipsj.or.jp/members/SIGNotes/Jpn/20/2003/050/article003.html

  30. 論文:6色ハット法によるメタ認知スキル育成支援システム論文:6色ハット法によるメタ認知スキル育成支援システム • http://diamond.u-gakugei.ac.jp/~members/cgi-bin/presen2003/onozaki/yokou.pdf

  31. 構成主義に基づく学習環境 などcognitive flexibility hypertext http://www.nakahara-lab.net/cscl4.html Operationalizing Mental Model : Strategy for Assessing Mental Models to Support Meaningful Learning and Design-supportive Learning Environments David H.Jonnassen ■Abstract メンタルモデルは、人間が複雑なシステムとインタラクションしている間に発展させる、概念的かつ操作的な「表象」である。ユーザーのメンタルモデルを適当かつ妥当に操作可能になることで、構成主義者が主張するような学習環境とのインタラクションによって獲得される高度な知識や問題解決能力を、我々は容易に評価できるようになる。加えて、効果的なモデルと効果的でないモデルを判別することができるようになれば、「scaffolding」や「modeling」、「coaching」といったような、学習環境に埋め込まれ、メンタルモデルの発達を支援するさまざまなものを設計する示唆を得ることができる。この論文は、初心者と経験を積んだ熟達者のメンタルモデルの評価に関する最初の研究である。 ■Introduction 構成主義に基づく多くの学習環境、たとえば、「cognitive flexibility hypertext」や「anchored instruction」や「goal-based scenarios」や「causally modeled diagnostic cases」は、ある共通の目的を共有していた。すなわち、学習者によって「構築」された高度な知識は、たとえば問題解決や学習の転移といったような複雑なパフォーマンスを支援するといったことである。これらの学習環境は、「状況に埋め込まれた問題解決」を指向するが、それは、そういった解決が、現実の世界で必要とされている「仕事の本質」であるからだ。多くの職業において、人々は単に「情報」を「蓄積」しているのではなく、「問題」を「解決」しているのである。 それならば、学習者は以下にして高度な知識を「構築」するのか?、また、我々はそれを如何に評価するのか?本論考において、私が主張したいのは、いわゆる学習の結果を操作し、予想するためには、学習内容や問題に関する学習者のメンタルモデルを評価し理解することが必要不可欠であるということである。 なぜか?なぜなら、さまざまな場面における、状況に埋め込まれた問題と不良定義問題を解決するには学習者が複雑かつ多様な「mental representation」を用いることが必要であるからである。問題解決のパフォーマンスは、少なくとも問題解決者のメンタルモデルの質に依存し、それによって説明可能になる。 (以下省略) ■学習環境については、以下の文献を参照のこと ▽Spiro, R.J., & Jehng, J.C. (1990) "Cognitive Flexibility and Hypertext: Theory and Technology for the Nonlinear andMultidimensional Traversal of Complex Subject Matter". In D. Nix and R.J. Spiro (Eds.), Cognition, Education, and Multimedia:Exploring Ideas in High Technology. Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum Associates. ▽Cognition and Technology Group at Vanderbilt (1992) , "Technology and the Design of Generative Learning Environments". In Jonassen and Duffy (Eds.), Constructivism and the Technology of Instruction: A Conversation. Hillsdale NJ: Lawrence Erlbaum. ▽Jonassen, D.H., Mann, E., & Ambruso, D.R.(in press).Using causal modeling to designa diagnostic learnig environment. Inteligent Tutoring Media. ■メンタルモデルについては、以下の論文を参照のこと ▽Johnson-Laird, P.N. (1983). Mental models: Towards a cognitive science of language, inference, and consciousness. Cambridge,MA: Harvard University Press. ▽Norman, D.A. (1983). Some observations on mental models. In D. Gentner & A. Stevens (Eds.), Mental models (pp. 15-34). Hillsdale, NJ: Lawrence Erlbaum. NAKAHARA, JunAll Right Researved 1996 -

  32. 学習者の質問の変容によるself-regulation skillの育成茅島 路子玉川大学文学部、194-8610東京都町田市玉川学園6-1-1 • http://www.ai.sanken.osaka-u.ac.jp/JSiSE-YR/vol2manuscript/kaya/kayashima.htm • 4.3 モデルを用いた相互作用の記述 •  ここでは、上述のモデルを用いて、チュートリングにおける学習者達とチュータ達の相互作用を記述する。最初に学習者の初期の質問とそれに対するチュータの助言をモデルで記述する。 • 学習者達の初期の質問は、理解できない概念に対する気づきを表していると考えられるので、(5)のように表す。理解できない概念に対する気づきはモニタリングのレベルとしては最も低いところに位置づけられると考えられ、"Level"の値を"KNOW-ABOUT"とする。次に、それに対するチュータの助言は、学習者達により高次なレベルのコントロール活動を要求していると捉えることができ、コントロールのレベルは質問時のレベルより高次であることを示すで、"KNOW-ABOUT_higher"とする。したがって、助言は(6)のように表される。 • tell( L, T, monitoring( L, L, KNOW-ABOUT )) (5)want( T, L, control( T, L, KNOW-ABOUT_higher )) (6) • 次に、上述のモデルを用いてチュータの助言が学習者のself-regulation skillを育成する過程を学習者の側面から記述する。 • 学習者達は初期質問を行い(5)、それに対しチュータ達は助言を行った(6)。 • この助言を意識的に認知した学習者達は、この助言を流用し、より高次のモニタリングを行った(8)。 • (8)における学習者のモニタリングは助言として与えられた(6)の流用である。 • この流用により、学習者達の認知活動が変容し、彼らの質問が変容した。 • この変容した質問5、6は(7)として表すことができる。 • 質問4は、(7)として、tell( L, T, monitoring( L, L, PERSUADED))と表される。 • tell( L, T, monitoring( L, L, KNOW-ABOUT_higher )) (7)<- tell( L, T, monitoring( L, L, KNOW-ABOUT )) (5)& want( T, L, control ( T, L, KNOW-ABOUT_higher )) (6)& control (L, L, KNOW-ABOUT_higher ) (8) • 5. むすび • 本論文で述べたself-regulation skillの育成モデルは、ITS(Intelligent tutoring system)において学習者との対話をより効果的にするために有用である。また、CSCL(Computer Supported Collaborative Learning)といった協調学習支援システムにおけるself-regulation skillを育成するための理論的枠組みとして有用であると考える。

  33. 実験報告&コメントMetacognition in Creative Problrem Solving • http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/topics/reviews/96master/nishrev9.html • 【コメント】 創造的問題解決を含む問題解決におけるメタ認知の影響を考察した文献である。この研究で使用されている良定義問題とは、数学の問題のように解答もしくは解法が決まっている問題の事であり、この問題を解くには集束的思考が必要だと考えられている。一方、不良定義問題とは、解答や解法がひとつではなく決まっていない問題をいい、拡散的思考が必要だと考えられており、ほぼ創造的問題解決で扱われる問題と同義である。つまり、不良定義問題についての検討が創造性研究につながっているのである。 実験の手順については簡略して述べられているため不明な点も多いが、不良定義問題についてTA[thnking-aloud]では成績が向上せず(実験1)、メタ認知の教示で成績が向上すること(実験5)は興味ぶかい。創造性における教示の重要性についてはChand and Runco(1993)でも述べられている。おそらく、創造的問題解決には、TAよりもメタ認知や明確な教示のほうが有効なのであろう。TAの効果があまりないのは、おそらくこの手法が拡散的思考ではなく集束的思考を促すものであるためであり、そのため良定義問題には効果があると考えられる。 この研究においても、測定法が明確ではない。解答の評価は専門家によっておこなわれているが、良定義問題については出来る-出来ないという判定が明確であるが、不良定義問題についてはどのように評価したのだろうか。また冒頭に質的分析の重要性が述べられているが、この研究ではプロトコル分析や専門家による評価などの質的な分析を確かに行ってはいるが、分析の最終段階に置いて質的データを量的データに換算して統計を行っており、質的な分析とは言えないのではなかろうか。しかし、創造性における評価・分析の問題点についてはこのレビューでも言及してきたが、このような質的分析の後に量的分析を行なうという方法は折衷的ではあるが、妥協点をみいだせるものとして検討の余地があると思われる。

  34. 上級管理職や経営者にはメタ認知の能力がとりわけ重要上級管理職や経営者にはメタ認知の能力がとりわけ重要 • 自分自身の思考過程をより広い視野から見て検証することを、心理学用語ではメタ認知と呼ぶ。メタ認知の能力に優れた人は、偏見や過去の経験に縛られず、豊富なバリエーションの中から正しい答えを選ぶことができる。(中略)上級管理職や経営者にはメタ認知の能力がとりわけ重要であるといえる。(「『ビジネス心理学用語』徹底活用マニュアル」82ページより) • http://www.president.co.jp/pre/20010430/04.html

  35. ビジネスでのメタ認知の重要性 出典:http://justice.i-mediatv.co.jp/wada/010205/04.html 経験と推論●和田秀樹 それに、いくらインターネットを使ってたくさん情報を得ることができたとしても、その情報が使いこなせないとまったく意味がないわけですから。 ―― そういう勘違いをしているケースはすごく多いですね。 ●和田 多いですよね。情報というのは頭に残って初めて知識になるわけですから、理解できなければどうしようもないわけだし、関心がもてなければどうしようもないわけで、どれかを選ばなければならない。  つまり、いくら脳のキャパシティが大きいといっても、1回で覚えられる量は限られているわけだから、頭の中にどれを入れるのかを「選ぶ能力」も必要なんです。 その意味では、ITの時代であろうがなかろうが、その時に必要であればその道具を使うという発想でいるのがいいでしょうね。  ところで、「認知心理学」という学問の中で頭のよさというと、もちろん知識が豊富であれば、考える材料が豊富なわけですから、あるほどいい。それから、推論のパターンのバリエーションが豊かであれば、いろいろなパターンが考えられる。ところが、知識がたくさんあるとか、いい知識をもっているのに、「推論」が貧困になるというケースが結構あるわけです。 ―― それはよくありますね。それが一番問題かもしれませんね。 ●和田時代が変わってくると、これまで成功していたセールスマンとか、これまで成功していた会社の社長さんがダメになってしまう。それはなぜかというと、知識の中でも、いわゆる英単語を覚えた知識だとか本を読んで覚えた知識だけじゃなくて、こういうやり方をすればセールスがうまくいくとか、こういうやり方をすればこの店が売れ筋になるといった、自分が経験で身につけた知識がたくさんあるわけです。  ところが、経験によって身につけた知識というのは当たっている時はいいけど、別なやり方をしようとしても、ひとつのパターンしか推論ができなくなってしまうということが起こるわけです。そのために「認知心理学」の世界で、最近問題なっている概念に「メタ認知」という言葉があるんです。 ―― 「メタ」というのは、どういう……。 ●和田 「メタ」というのは上から認知するというような意味で、自分の認知パターンを認知するということが「メタ認知」の定義なのです。つまり、自分の思考パターンですね。 推論をするにあたって、知識が量的に十分なだけでなくて、ちゃんと使い物になるぐらい理解されているかといったことも含めて、自分が今問題を解こうとしている時の思考パターンをモニターする能力を「メタ認知能力」というのです。これがあれば、知識がいくらあっても邪魔にならないわけです。 ―― 今の話で言うと、ITの時代は知識そのものが非常に入手しやすくなったし、ある意味では扱いきれないくらい情報がたくさんある。むしろ問題は、推論の能力を非常にうまく使っているかということがポイントになってくるということでよろしいのでしょうか。 ●和田 そうですね。ただ、その知識もたくさんあるように見えたって、選べなければただの「情報」で「知識」にならない。情報は確かに得やすくなっているのですが、情報を理解する能力が必要になってくるわけです。 ■ストレスのたまらない勉強法―― 次に精神科医というお立場から聞きたいのですが、勉強すると疲れてしまうというか、いわゆるストレスがたまるという問題があると思うのです。ストレスのたまらない方法として、具体的にはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか。 ●和田動機を高める能力、つまり動機がなければ勉強する気にはならない。だから、動機を高める能力が勉強をする上ですごく大事なのです。たとえば、日本の大学の先生がなんで10年も15年も前の理論を振りかざしてやっているのかというと、やっぱり彼らは教授になるまでは一所懸命勉強するけれど、教授になってしまったら身分があまりにも保証されているから、勉強をするのはすごく難しいわけです。 ―― もうゴールに入ってしまったわけですね。 ●和田 動機というのは外的なものであれ、内的なものであれ、人によっていろいろな動機があるでしょう。けれど、本当に勉強が好きで勉強する人だったら、教授になってからでも勉強を続けるわけですから、動機を高めていくということはすごく大事なことですね。  また逆に言えば、興味のないことを勉強しているとストレスになりやすいし、勉強が面白ければストレスになりにくい。これは当たり前のことで、あえて嫌なことをやっているとどうしてもストレスになる。たとえば、親に医者になれと言われて毎年国家試験の勉強をしているけど動機がわかないと思っていたら、やっぱりストレスになるでしょうね。  ところが、本当に面白いと思えるのであれば、それはそれで動機になってくる。大人だからこそできることというのは、ストレスになるもの、ならないものを選ぶことができるということなわけです。 ―― そういう意味では、最初に教えていただいた能力の問題で、自分の能力に合わせたものを選ぶということも、ストレスを溜めないためには非常に重要ということですね。それからメンタルテクニックについても、次回教えてください。

  36. 認知心理学の用語 あれこれ ●http://www1.coralnet.or.jp/gluon/sub360.htm Last updated: 08/08/2003 21:51:12 認知心理学 ●記憶内容の自然の変容(Natural Changing of Knowledge)  一つは、自分の持っている既有知識と一致する方向への変容である。最初は矛盾を感じていた断片的知識も、次第に一貫した知識(スキーマ)に体系化されて(認知的不協和の解消)、結局その断片的知識は最初とは微妙に違ったものになってしまう。  もう一つは、そうであってほしい、あるいは、そうあるべきだという方向への変容である。白熱した議論をしたあとの議事録がしばしば物議をかもすのは、それぞれの記憶知識がそれぞれに変容してしまったためである。(認知的均衡理論) ●認知的不協和理論(Cognitive Dissonance Theory)  相矛盾する二つの認知が同時に存在するとき、それを解消するために一方の認知が、自然に変化することを説明する理論。既になされた行動に対しては、更に協和を高めるための、新たな情報を積極的に収集したり、不協和を高めるような選択を避けたりする行動が説明できる。 ●認知的均衡理論・バランス理論(Cognitive Balance Theory)  親友と何か(x)についての意見が合わないと、2人の関係(自分P、他人O)は緊張する。このとき、Oとの関係を変えるか、Xについての考えを変えるかすれば、3者関係は安定する。このように、POX関係を考えることで、関係の均衡-不均衡をとらえる理論。 ●認知不安(Cognitive Anxiety)  何がなにやら、わけが分からない状態。人は認知不安を嫌う。知的好奇心を刺激して、情報の探索行動へと駆り立てる。しかし、その場でとりあえず分かってしまおうとすれば危険である。 ●自己モニタリング能力を向上させる。(Self Monitoring)  (自己目標、達成行動、自己観察、自己検討、自己評価、自己強化) 管理用の注意を残しておく。感情を安定させる。

  37. 認知心理学の用語 あれこれ ●http://www1.coralnet.or.jp/gluon/sub360.htm ●記憶に頼らない  頭の中から、外へ出して整理する(外化)。メモをとる。何かに関連付けて記憶する。チャンキング(Chunking)支援。 ●知識の活性化(Knowledge Activity)  ミーティング、他の人に講義する。(より高度化・体系化する)、新陳代謝をはかる。 ●メタ(超)認知能力(Meta Cognitive Ability)  自分自身の認知行動を認知する能力。誤るかどうかあらかじめ予想が付けられる能力と、誤りに気付く能力。自己フィードバック能力、自己評価能力、自己訂正能力。メタ認知能力のない人→恐いもの知らず。→ホモンクルス(Homunculus) ●スキーマ(Schema)  パターン化された認知や動作のまとまり。 ●知識の質を深める(Knowledge Quality)  ・記憶:定義が言える。・理解:他の事と関連づけられる。・応用:具体例をあげられる。・分析:現実の分析ができる。・総合:新しい関係を作り出せる。・評価:価値を評価できる。 ●ホモンクルス(Homunculus)  頭の中の小人。自己モニタリング能力(Self Monitoring)、メタ知識(Meta Knowledge)を考える上での仮想頭脳。①自己目標の設定、②達成行動、③自己観察、④自己検討、⑤自己評価、⑥自己強化の6つのサイクルで構成される。 ●自己目標(Self Target)の設定  ①外部目標と内部目標の整合をはかる。外部目標を吟味する。②計画する。③実行する。計画-実行-評価を最適化する。④自己モニタリング力をつける。⑤関連知識を増やす。⑥内省する。⑥外に出してみる。⑦外からの支援を使う。の7つの位相を考える。 ●思考実験(Mental Simulation)  仮想的な試行錯誤。短期記憶の容量的制約と時間的制約により完璧ではない。したがって紙に書いたり(外化)、仲間と話し合ったりすることが大切。 ●潜在記憶(Implicit Memory)  突然、昔のある光景が想起されたり(ポップアップ記憶)、20年ぶりの水泳がなんなくできたり(手続き的記憶)などなど、ほとんど意識的な努力なしに過去がよみがえってくることがある。これを潜在記憶と呼ぶ。健忘症患者でも、潜在記憶の部分は、記銘も貯蔵もほとんど損傷を受けないことが知られている。(健忘症)

  38. 認知心理学の用語 あれこれ ●http://www1.coralnet.or.jp/gluon/sub360.htm ●ツァエガルニク効果(Zeigarnik Effect)  目標が達成されないで中断した課題は、緊張が持続して記憶の保持が良い現象。 ●クリティカル・シンキング(Critical Thinking)  日常生活の中では、思考結果の論理的な正しさよりも、その質が問われることのほうが多い。より良質の結論を引き出すためには、人の思考のくせを知った上で、みずからの思考を批判的に吟味する態度や技術が必要となる。それには次の心がけが大切である。知的好奇心、客観性、開かれた心、柔軟性、知的懐疑心、知的誠実さ、論理性、追及心、決断力、寛容性。思考結果を吟味する3つの観点(適切性、真実性、蓋然性) ●ヒューリスティック思考(Heuristic Thinking)  誤るリスクはあっても、その時その場で「とりあえずの解答」を出してみるという思考方略。 (1)思考に使う認知的コストが低い。 (2)論理的には誤っていても、その時その場では妥当なことが多い。 (3)その時その場にある手がかりと、それに駆動され活性化された頭の中の知識が思考に使われる。クリティカル思考がなされないと、とりあえず出した(思いついた)一つの可能性が、最終的な結論として固着してしまう。そこに、ヒューリスティック思考のリスクがある。 ●絶えず知識の活性化を図る(Knowledge Activity)  人が頭の中に貯蔵した知識はすぐに不活性化してしまい、その知識を必要とするときにタイミングよく思い出せない。逆に、その時その場で活性化している知識だけが使われてしまい、思い込みエラーを起こさせることがある。 ●注意の集中と持続(注意を集中することと、それを持続することとは別ものである) (1)真剣勝負型、水準以上の仕事を着実にこなすが、一つのことにのめり込んでしまい視野狭窄、思い込みエラーをおかしやすい。ストレスに注意。 (2)一発勝負型、リスク管理、時間管理がへたなので、危なっかしい。きまぐれであるが壷にはまると凄い仕事をする。たるみによるミスを犯しがち。 (3)気配り型、状況に即応できるし、対人関係も良好。しかし、浅い仕事しかできない。見逃しや、うっかりミスを犯しがち。 (4)じっくり型(耐久型)、マイペースで長期目標に向かって努力できるが、適切な状況認識ができないので、ときには邪魔者的な存在になりがち。時間遅れにならないように、注意が必要。    詳しくは 「人はなぜ誤るのか」 海保博之著(福村出版)を参照。 先頭へ戻る

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