290 likes | 316 Views
無衝突衝撃波の PIC シミュレーション. (主に背景磁場の影響について). 加藤 恒彦 (大阪大学レーザー研). 2008/11/16 高原文郎教授還暦祝賀会・高エネルギー宇宙物理学研究会 於 宮津ロイヤルホテル(京都府宮津市). 宇宙空間の無衝突衝撃波. 無衝突衝撃波. シェル = 無衝突衝撃波. 無衝突プラズマ 中の衝撃波. 無衝突プラズマ. 粒子間の衝突がほとんど起きないプラズマ : 粒子間の衝突のタイムスケールよりもプラズマの集団現象のタイムスケールのほうが圧倒的に短い. OR. 典型的な星間物質では. 関係する物理過程:. 加速電子.
E N D
無衝突衝撃波のPICシミュレーション (主に背景磁場の影響について) 加藤 恒彦(大阪大学レーザー研) 2008/11/16 高原文郎教授還暦祝賀会・高エネルギー宇宙物理学研究会 於 宮津ロイヤルホテル(京都府宮津市)
宇宙空間の無衝突衝撃波 無衝突衝撃波 シェル = 無衝突衝撃波 無衝突プラズマ中の衝撃波 無衝突プラズマ 粒子間の衝突がほとんど起きないプラズマ: 粒子間の衝突のタイムスケールよりもプラズマの集団現象のタイムスケールのほうが圧倒的に短い OR 典型的な星間物質では 関係する物理過程: 加速電子 粒子加速、磁場生成など An X-ray image of the supernova remnant SN1006obtained by Chandra satellite.
背景磁場が無いプラズマ中の相対論的な無衝突衝撃波背景磁場が無いプラズマ中の相対論的な無衝突衝撃波 PIC シミュレーション 電子・陽電子プラズマ (G=2.2) 電子・陽子プラズマ (G=15) (Kato 2007) (Spitkovsky 2008) Number Density ne Number Density Magnetic Energy Number Density Magnetic Field Bz Magnetic Energy Weibel 不安定性が強い磁場を生成し、それが衝撃波の実効的な散逸メカニズムとなる
宇宙空間の無衝突衝撃波 星間空間中の衝撃波 = 電子・イオンプラズマ中の衝撃波 超新星残骸の衝撃波 • 星間空間中を伝播する無衝突衝撃波 • 衝撃波の速度 Vsh ~ 3000 km/s ~ 0.01c(非相対論的)
電子・イオンプラズマ中の非相対論的な無衝突衝撃波電子・イオンプラズマ中の非相対論的な無衝突衝撃波 PICシミュレーション 背景磁場無し Kato & Takabe, ApJ, 2008, 681, L93 イオン数密度 磁場 背景磁場なし 電子・陽電子の場合と同様に、Weibel 不安定性で作られる磁場が衝撃波の散逸を担う
今日の話 背景磁場がある場合について 手法: 電子・陽子プラズマの PIC シミュレーション
超新星残骸の衝撃波 星間物質 磁化パラメータ (非相対論的): 典型的な磁場:~ 3mG 典型的な数密度:~ 0.1 cm-3 SN1006 (1002 years old) G1.9+0.3 (~140 years old?) Vs ~ 3000 km/s Vs ~ 14,000 km/s s ~ 5 x 10-5 s ~ 2 x 10-6 超新星残骸の衝撃波では、典型的には 10-6 < s < 10-3
シミュレーション法:Particle-in-Cell シミュレーション Particle in Cell (PIC) Method • 粒子: 運動方程式を解いて個々の軌道を計算する • 電磁場: グリッド上で Maxwell 方程式を解く 粒子 Steps of calculation グリッド 基礎方程式 運動方程式 粒子 電磁場 Maxwell 方程式
無衝突衝撃波のシミュレーション “Injection Method” プラズマを壁にぶつけることで衝撃波を発生させる 壁 V 電子・陽子プラズマ y x ※ シミュレーション系は、衝撃波の下流静止系に対応する
s=10-5の場合 質量比:mp/me = 20 流速:V = 0.45c 垂直磁場
衝撃波の構造(数密度) s = 10-5 t = 5380 フィラメント構造 高密度領域 s = 0
時間進化 t = 5380 s = 10-5 t 背景磁場中のイオンのジャイロ運動のタイムスケール Vsh~0.11c t = 2500 t ~ 0.14 Tc Vsh~0.19c t = 2000 Weibel shock x
衝撃波の構造 (s=10-5) 下流領域 ne0 Bx 電流フィラメントによる磁場 By 圧縮磁場 Bz
プロファイル 高密度領域 t = 5380 np / n0 フィラメントによる磁場 Bx Bz By Bi / B0 (背景磁場方向) x
電流構造 Jx, Jy t = 5380 Jx フィラメント状電流 Jy Jz シート状でない Jz
遷移層付近の構造 np 密度のフィラメントは Z 方向の電流フィラメントに対応する Jz フィラメント状の電流
1次元シミュレーションとの比較 s = 10-5 フィラメント磁場が卓越 Bx, Bz 2D 背景磁場の圧縮のみ 1D By
s 依存性 質量比:mp/me = 20 流速:V = 0.45c 垂直磁場
イオン数密度の時間進化 磁場は y 方向 下流領域 t s = 10-3 s = 10-4 Vsh~0.13c Vsh~0.15c s = 10-5 s = 0 Vsh~0.11c Vsh~0.18c t = 2500 Vsh~0.19c x イオンのジャイロ運動の 1/4 周期程度で構造が変わる
磁場のプロファイル B/B0 By Bz 15 s = 10-3 25 s = 10-4 50 s = 10-5 x s = 10-5の場合には、背景磁場の50倍の磁場 sが小さくなるほど、Bz(電流フィラメントによる磁場)が卓越する→ Weibel Shock に近づく
スケーリング則 s一定で、miと V を変えるとどうなるか =一定 同じ依存性 ジャイロ運動の周期 Weibel 不安定性の成長のタイムスケール 2つのタイムスケールの比は変わらない → おそらく構造も大きく変わらない
背景磁場が平行の場合の構造 s = 10-4 s = 10-5 s = 0 背景磁場が平行の場合には、背景磁場無しの場合とほとんど構造が変わらない
衝撃波のレーザー実験 Laser Counter streaming plasma flow Shock Shock Plasma flowV ~ 1000 km/sn ~ 1020 cm-3 Target レーザー実験では、V ~ 1000 km/s (~0.003c) 程度のプラズマ流を生成することが可能 実験による無衝突衝撃波の生成の可能性 → 無衝突プラズマの方程式系の相似法則により、宇宙スケールでも実験室スケールでも相似的
磁場あり衝撃波実験 無衝突プラズマのスケーリング則を用いて、レーザー実験のスケールにすると ne0 = 1020 cm-3 V = 1000 km/s として 実験できる可能性がある領域 → s~10-3– 10-4の衝撃波が再現できる可能性がある ※ただし、磁化プラズマを作れれば
まとめ • 背景磁場がある場合の電子・陽子プラズマ中の非相対論的な無衝突衝撃波のシミュレーション(2次元) • 垂直磁場と平行磁場で構造が異なる • 垂直磁場の場合、圧縮磁場に加えてWeibel磁場も作られる。特に磁場が弱い場合は、Weibel 不安定性により作られる磁場が卓越する。 • 平行磁場の場合は、背景磁場が無い場合とほぼ同じ構造 • レーザー実験で、Weibel shockや σ=10-3-10-4の磁化プラズマ中の衝撃波を再現できる可能性もある。