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理科学会生物研究部会研修会 生物発光と化学発光 参考資料 徳島大学総合科学部 社会創生 学科 環境共生 コース 生物化学研究室 准教授 佐藤高則

理科学会生物研究部会研修会 生物発光と化学発光 参考資料 徳島大学総合科学部 社会創生 学科 環境共生 コース 生物化学研究室 准教授 佐藤高則 E-mail: tsatoh@ias.tokushima-u.ac.jp URL : http://www.geocities.jp/satokichi2004jp/ (この資料とワークシートは、上記 HP からダウンロードできます).

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理科学会生物研究部会研修会 生物発光と化学発光 参考資料 徳島大学総合科学部 社会創生 学科 環境共生 コース 生物化学研究室 准教授 佐藤高則

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Presentation Transcript


  1. 理科学会生物研究部会研修会 生物発光と化学発光 参考資料 徳島大学総合科学部社会創生学科 環境共生コース 生物化学研究室 准教授 佐藤高則 E-mail: tsatoh@ias.tokushima-u.ac.jp URL : http://www.geocities.jp/satokichi2004jp/ (この資料とワークシートは、上記HPからダウンロードできます) *この実験は、H.20,21年度「高校生の大学研究室への体験入学型学習プログラム」(H21年度は台風のため中止)、H21年度JST サイエンスパートナーシッププロジェクト(SPP)で、高校生を対象に実施しました。 本日の流れ 13:40 全体説明 ③ルシフェラーゼ(酵素)による発光実験 I   ~酵素の作用と温度の影響~   実験1 酵素のはたらき   実験2 冷やしたときにどうなるか、見てみよう   実験3 熱したときにどうなるか、見てみよう まとめ 1 ④ルシフェラーゼ(酵素)による発光実験 I I   ~酵素の作用とpHの影響~   実験4 酵素の作用の酸・アルカリによる影響 まとめ 2 ルシフェラーゼ(酵素)の作用のまとめ (まとめ3) 解説(佐藤) 14:10 終了

  2. 発光タンパク質の実験 はじめに・・ (安全に実験を行うために) ・実験は二人一組で行います。実験結果をワークシートにまとめてください。 ・実験を行う際には、試薬が目、口に入ったり、皮膚や衣服につかないように注意して行う。  (白衣やめがねを持っている人は着用するほうがよい) ・もし、目や口に入ってしまった場合には、大量の水で洗い流す。 ・使用した試薬や廃液は流しなどに捨てず、処理は担当者の指示に従う。 ① 酵素(タンパク質)とは?  酵素をはじめとするタンパク質は、われわれ人間の体を構成する主要な高分子でもある。例えば、髪の毛、皮膚、つめなどはタンパク質が主要な成分である。タンパク質は、20種類の 「アミノ酸」という物質が多数(100個以上)つながった巨大な分子であり、三次元的な特定の「形」をつくることによって生物内で働く。タンパク質のうち、ある反応を触媒するタンパク質を特に「酵素」という。酵素は、特定の物質とのみ結合し、特定の反応だけ触媒する能力を持つ。酵素には肉や油やごはん(でんぷん)を分解するものなどいろいろな種類があり、食物の消化を行っている(表1)。また私たちの身の回りにも、「酵素」を利用した化学製品が多く見られる(例えば、酵素入り洗剤など)。  一見、このようにいいことばかりに見える「酵素」にも弱点はある。例えば、温度や酸・アルカリで影響を受け作用しなくなる(作用する最適な温度やpHがある)。酵素は、温度が高くなったり、強酸や強アルカリにさらされると、作用するときに必要である三次元的な特定の 「形」を維持できなくなり作用できなくなるためである。 表1 私たちの体で働く酵素 ② 「ホタルの光」と「酵素」の不思議な関係 ホタルはいうまでもなくお尻が光る。では、どうして光るのか? ホタルの中に発電機でもあるのか? ホタルの光は、発光物質ルシフェリンとATP(アデノシン三リン酸)、そしてルシフェラーゼという酵素の3つが反応し、発光することにより起きる(図1)。この場合、ルシフェラーゼという酵素が、ルシフェリンという物質を酸化することによって発光物質を生み出す(図2)。同様の生物発光は、海の中にいる発光くらげでも起きている。 従って、「発光」という目に見える形で、「酵素」が働いているのである。このルシフェラーゼが働くためには、図3のような三次元的な特定の「形」をとることが重要となる。 図1 ホタルの生物発光

  3. 発光 (淡黄色) Mg,ATP 酸化反応 + + 酵素 (ルシフェラーゼ) 酵素 (ルシフェラーゼ) 基質 (ルシフェリン) 生成物 オキシルシフェリン (酸化型) AMP (アデノシン一リン酸) CO2 図2 ルシフェラーゼによる酵素反応 目的 では、どのような条件のときに酵素が働き発光するのか、発光しないのはどうしてなのか、そこで何が起こっているのかについて、実験を通して考えてみましょう。また、無機触媒(過酸化水素)で同様の実験を行ったときの結果と比較して、違いを考えてみましょう。 図3 ルシフェラーゼの三次元構造 ③酵素(ルシフェラーゼ)による発光実験 I ~酵素の作用と温度の影響~ 実際にホタルを使うのは大変ですので、ここでは市販の「ホタライト」(キッコーマン)という試薬を用いて、ホタルの光を再現します。原理はホタルの場合と同じものです。 (1) 実験1  酵素のはたらきを見てみよう   まず、実験台にある試薬Aと試薬Bを観察し、反応前の色などを観察する(ワークシートに記入する).その後、駒込ピペットを用いて、試薬Aおよび試薬Bをそれぞれ1mℓずつ目盛りなし試験管に入れ、軽く試験管を振る。 試薬A (酵素:ルシフェラーゼ) 試薬B (ルシフェリン, ATPなど 反応試薬) 観察 観察 1mℓ 1mℓ *駒込ピペットを使って入れてください。 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 目盛りなし 試験管 軽く振る 実験2へ

  4. ③ 酵素(ルシフェラーゼ)による発光実験~酵素の作用と温度の影響~③ 酵素(ルシフェラーゼ)による発光実験~酵素の作用と温度の影響~ (2) 実験2  冷やしたときにはどうなるか、見てみよう。 (1)の実験1で行った反応後の目盛りなし試験管を、氷水の入ったビーカーに入れて冷やす。冷やした場合の発光の変化を観察する。その後、室温の水が入ったビーカーに試験管を入れ、同様に変化を観察する。 温める 冷やす 実験1で 反応後の 目盛りなし試験管 室温の水のはいったビーカー 氷水のはいったビーカー 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) (3) 実験3  熱したときにはどうなるか、見てみよう。 新しい目盛りなし試験管に、実験1と同様に試薬Aと試薬Bを混合したものを作製する。これを、60℃のお湯に約3分間つける。その後、試験管の変化を観察する。さらに、室温の水が入ったビーカーに試験管を入れ、同様に変化を観察する。 冷ます 加温する 60℃のお湯に 3分間つける 室温の水のはいったビーカー 試薬Aと試薬Bを 混合した目盛りなし試験管 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) (4) まとめ1 酵素の作用に対する温度の影響 以上の実験1から実験3の結果をまとめて、発光する理由と発光しなくなる理由について 考えてみよう。 冷やす 冷やす 温める 温める 60℃のお湯 室温 氷水 実験3 実験2 実験1 どうして光る場合と光らない場合があるのか?考えてみよう。

  5. ④酵素(ルシフェラーゼ)による発光実験 II ~酵素の作用とpHの影響~ (1) 実験4 酵素の作用の酸・アルカリによる影響 新しい目盛りなし試験管に、実験1と同様に試薬Aと試薬Bを混合したものを2本作製する。 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 25 mM 塩酸を5滴加える 25 mM 水酸化ナトリウムを5滴加える 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 試薬Aと試薬Bを 混合した目盛りなし試験管(2本) 発光が見られなくなるまで、さらに酸・アルカリを各々滴下する。 (2) まとめ2 酵素の作用に対するpHの影響 以上の実験1と実験4の結果をまとめて、発光する理由と発光しなくなる理由について 考えてみよう。 水酸化ナトリウム 塩酸 アルカリ性 中性 酸性 実験4 実験4 実験1 どうして光る場合と光らない場合があるのか?考えてみよう。 まとめ3 酵素の作用の特徴についてまとめてみよう 実験1~4で行った結果をもとに、酵素が働く温度やpHの特徴についてまとめてみよう。 ・酵素の作用は、温度により影響を受けるか? 受けるとすれば、どのような温度が適しているか? ・酵素の作用は、pHにより影響を受けるか? 受けるとすれば、どのようなpHが適していると考えられるか? ・酵素の作用に対して温度やpHが影響する場合、どのような理由が考えられるか?

  6. 以下、参考資料 ⑤化学試薬による発光実験 I ~化学試薬の作用と温度の影響~ ルシフェリンをオキシルシフェリンに酸化する反応(図2)は、先の酵素と同様に、化学試薬を触媒としても行うことができます。原理はホタルの場合と基本的に同じものです。生物内の酵素による発光を生物発光、化学試薬による発光を化学発光といいます。 ここでは市販の「ホタル液」(富士コスモサイエンス)を使い、ルシフェリンの代わりに青色の蛍光物質(BPEA)と硝酸塩を反応させます。これらが反応すると発光しますが、そのままでは反応が進みませんので、無機触媒(先の酵素と同じ役割)として過酸化水素という物質を使って反応させます。すると、青色の発光(下図)が見られます。今度は、これまでの酵素による実験1~4を化学試薬を用いて行い、酵素を用いた場合との作用の違いについて考えてみましょう。 (1) 実験5  化学試薬による作用を見てみよう   まず、実験台にある試薬Cと試薬Dを観察し、反応前の色などを観察する(ワークシートに記入する)。その後、試薬Cおよび試薬Dをそれぞれ約1mℓずつ目盛りつき試験管に入れ、軽く試験管を振る。 試薬C (蛍光物質BPEAなど反応物) 試薬D (酸化触媒:過酸化水素など) 観察 観察 *試薬袋の先端を切断し、試験管の目盛りで約1mℓずつ入れてください。 1mℓ 1mℓ 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 目盛りつき 試験管 軽く振る 実験6へ (2) 実験6  冷やしたときにはどうなるか、見てみよう。 (1)の実験5で行った反応後の目盛りつき試験管を、氷水の入ったビーカーに入れて冷やす。冷やした場合の発光の変化を観察する。その後、室温の水が入ったビーカーに試験管を入れ、同様に変化を観察する。 温める 冷やす 実験5で 反応後の 目盛りつき試験管 室温の水のはいったビーカー 氷水のはいったビーカー 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する)

  7. 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 25 mM 塩酸を一滴加える 25 mM 水酸化ナトリウムを一滴加える 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 試薬Cと試薬Dを 混合した試験管(2本) (3) 実験 7 熱したときにはどうなるか、見てみよう。 新しい目盛りつき試験管に、実験5と同様に試薬Cと試薬Dを混合したものを作製する。これを、60℃のお湯に約3分間つける。その後、試験管の変化を観察する。さらに、室温の水が入ったビーカーに試験管を入れ、同様に変化を観察する。 冷ます 加温する 60℃のお湯に 3分間つける 室温の水のはいったビーカー 試薬Cと試薬Dを 混合した目盛りつき試験管 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) 結果はどうでしたか? (ワークシートに記入する) (4) まとめ4 化学試薬の作用に対する温度の影響 以上の実験5から実験7の結果をまとめて、発光の強さが変わる理由について、仮説をたててみよう。 冷やす 冷やす 温める 温める 60℃のお湯 室温 氷水 実験7 実験6 実験5 ⑥化学試薬による発光実験 II ~化学試薬の作用に対するpHの影響~ (1) 実験8 化学試薬の作用に対する酸・アルカリによる影響 新しい目盛りつき試験管に、実験5と同様に試薬Cと試薬Dを混合したものを2本作製する。

  8. (2) まとめ5 化学試薬の作用に対するpHの影響(2) まとめ5 化学試薬の作用に対するpHの影響 以上の実験5と実験8の結果をまとめて、発光の変化について考えてみよう。 水酸化ナトリウム 塩酸 アルカリ性 中性 酸性 実験8 実験8 実験5 *注意:実験8は、「化学反応は、酵素反応に比べpHの影響を受けにくい」という実験ですが、試薬CおよびDに有機溶媒が使われているため、塩酸、水酸化ナトリウムの過剰添加により、二層分離(酸)、けん化(アルカリ)が生じます。酸・アルカリは数滴添加で実験を行ってください。 まとめ6 化学試薬の作用の特徴についてまとめてみよう 実験5~8で行った結果をもとに、化学試薬が働く温度やpHの特徴についてまとめてみよう。 ・化学試薬の作用は、温度により影響を受けるか? 受けるとすれば、どのような温度が適しているか? ・化学試薬の作用は、pHにより影響を受けるか? 受けるとすれば、どのようなpHが適していると考えられるか? まとめ7 酵素と化学試薬の作用の違いについてまとめてみよう ・酵素と化学試薬で温度変化による作用の違いはあるか?あるとすれば、何が原因か考えてみよう。 ・酵素と化学試薬でpH変化による作用の違いはあるか?あるとすれば、何が原因か考えてみよう。

  9. 9:00~ 参考資料:教員用実験の手引き 全体的な流れを下記に示します。説明と実験→ワークシート(WS)記入の繰り返しです。WS記入が終わったら次の実験に進みます。 準備 ・試薬A,B 各組1本ずつ(1本には10mlずつ分注) (ルシフェラーゼ実験用:実験1~4) *直前に各試薬袋を蒸留水25mlに溶解し、分注する ・試薬C,D キットの試薬をそのまま渡す (化学発光用:実験5~8) *実験4が終了したら配布する。 ・駒込ピペット 各組2本 (ルシフェラーゼ実験用) ・目盛りなし試験管(スピッツ)各組4本(ルシフェラーゼ用) ・目盛りつき試験管(スピッツ)各組4本(化学発光用)  ・試験管立て        各組1つ ・100mlビーカー(使用済み試薬C,Dを置くため)  各組1個 ・25mM HCl  共通1個+スポイト1本 ・25mM NaOH 共通1個+スポイト1本 ・60℃のインキュベーター 2台  (+試験管立て+軍手配備) ・氷(バケツ)→氷水の入った100mlビーカー 各組1つ ・水(水道水でよい)の入った100mlビーカー 各組1つ ・暗箱 全体説明(10分程度) *ルシフェラーゼの実験は、見えにくいので暗箱で観察 実験1, 実験2の説明と実施(10分程度) ・説明と実施は平行して行う。 ・暗箱で観察させる。 ・結果をワークシートに記入させる。 実験3の説明と実施(10分程度) ・説明と実施は平行して行う。 ・結果をワークシートに記入させる。 ・加熱時はやけどに注意する(軍手使用) インキュベーター内の試験管立てに試験 管をさす。暗箱で観察。 実験4の説明と実施 ルシフェラーゼ実験まとめ(15分程度) ・説明と実施は平行して行う。 ・暗箱で観察。 ・結果をワークシートに記入させる。 実験5, 実験6の説明と実施(10分程度) ・説明と実施は平行して行う。 ・結果をワークシートに記入させる。 ・C,D液は取り扱いに注意する。  皮膚などについたら、すぐ洗わせる。 実験7の説明と実施(10分程度) WSの整理と発光実験(全体)のまとめ(10分程度) ・説明と実施は平行して行う。 ・結果をワークシートに記入させる。 ・加熱時はやけどに注意する(軍手使用)  ゴム栓をしてインキュベーター内の試験管   立てに試験管をさす。 ・各組のワークシート完成 実験8の説明と実施 化学発光実験まとめ(15分程度) 終了、後片付け ・説明と実施は平行して行う。 ・結果をワークシートに記入させる。 ・化学発光で使用した試薬、廃液は有機溶媒へ。 ・ルシフェラーゼ実験で使用した廃液は流しへ。 ・試験管は軽くゆすいでおいてください。研究室に持って帰ります。 ・そのほかの器具は洗浄して、実習室の物干し台においてください。

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