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“電磁波と人間” -電磁波利用の歴史と未来-

“電磁波と人間” -電磁波利用の歴史と未来-. 静岡 大学大学院 電気・ 電子工学科専攻 桑原 義彦. 目次. 電磁波とは 電磁波の正体 電磁波の基本的な性質 電磁波と人間 電磁波の利用のあゆみ 現代社会における電磁波利用 未来の電磁波利用. 電磁誘導の法則. 電磁誘導の法則 コイルの近くに磁石を置いて磁石を動かすとコイルに電流が流れる。 磁石を動かす:磁場が変化する。 電流 が流れると磁界が発生 する。 磁界 の向きは電流の進行方向に対し時計回り. ファラデーの法則とアンペールの法則.

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“電磁波と人間” -電磁波利用の歴史と未来-

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  1. “電磁波と人間”-電磁波利用の歴史と未来-“電磁波と人間”-電磁波利用の歴史と未来- 静岡大学大学院 電気・電子工学科専攻 桑原 義彦

  2. 目次 • 電磁波とは電磁波の正体電磁波の基本的な性質 • 電磁波と人間電磁波の利用のあゆみ現代社会における電磁波利用未来の電磁波利用

  3. 電磁誘導の法則 電磁誘導の法則コイルの近くに磁石を置いて磁石を動かすとコイルに電流が流れる。磁石を動かす:磁場が変化する。 電流が流れると磁界が発生する。磁界の向きは電流の進行方向に対し時計回り

  4. ファラデーの法則とアンペールの法則 〔ファラデーの電磁誘導の法則〕磁束密度B(磁界)が時間的に変化しているとき、その場所付近には〔磁束密度が増加している方向〕に対して、〔左ネジの方向〕に電場が発生する。 〔アンペールの法則〕電流の周りに、電流の流れる方向に対して右ネジの方向に磁束密度Bが現れることを意味する

  5. マクスウェルの予言 電場が時間的変化する場所では、電流の場合と同じような磁界が現れる。

  6. 電磁波の正体 • 電磁波(でんじは)は、空間の電場と磁場の変化によって形成された波(波動)である。 • 電界と磁界がお互いの電磁誘導によって交互に相手を発生させあい、空間そのものが振動する。 • 電磁場の周期的な変動が周囲の空間に横波となって伝播する。 • エネルギーの放射現象の一種である。

  7. 電磁波の放射 アンテナ 電界 電流 磁界 磁界 アンテナに交流電流が流れる。アンテナの周りに交流磁界が発生する。磁界が変化すると電場(電界)が変化する。電界が変化すると磁界が発生する。

  8. アンテナ • 空間と電子機器を取り持つインターフェース。 • 感度のよいアンテナ微弱な電波で大きな出力(電圧)でとらえる。 • 感度のよいアンテナは大きい。 • 感度のよいアンテナは限られた範囲の電波しかとらえられない。 • アンテナの大きさは波長(周波数)で決まる。

  9. 電磁波の周波数 出典:総務省HP

  10. 波の伝搬速度 t=t0の分布の山をP1,その位置をz0とする。ΔtでΔzだけ移動したとするとv=Δz/Δt P1とP2では位相が等しいので, [m/s] 真空では ε0=8.854✕10-12[F/m],μ0=4π✕10-7 [H/m]を代入するとv=3✕108[m/s]

  11. 電磁波とエネルギー • 電界を電圧,磁界を電流に置き換えて考える。 • 電力は電圧(電界)と電流(磁界)の積。 • 電磁波は空間に広がる。球の面積(4πr2)は距離rの2乗に比例。単位面積当たりの電力は距離の2乗に反比例(P/(4πr2))。電力は電圧の2乗に比例するので電圧(電界)は距離に反比例。

  12. フリスの公式 • 送信電力と受信電力の関係を表し,通信回線の設計に用いられる。 送信アンテナ 受信アンテナ 送信機 受信機 受信アンテナで受信される電力は送信電力が大きく送信アンテナ利得が大きく距離が短く受信アンテナ利得が大きいほど強くなる。

  13. 電磁波の反射・回折 • 光と同じように電磁波は反射・回折が起こる。 • 電磁波は壁やコンクリートも通り抜ける。 • 放送局・携帯電話基地局が見えなくても反射・回折波により受信,通話ができる。 入射波 入射波 反射波 回折波 媒質1 媒質2 屈折波

  14. 偏波 テレビアンテナは電界が横向き携帯電話アンテナは電界が縦向き

  15. 電波伝搬 • 電波は水や金属を除くほとんどの材料を通過できる。壁,コンクリート,地中,人体…. • 電波は少ない電力で遠い場所と通信できる。電離層伝搬を利用すれば10Wの送信機で地球の裏側と通信できる。

  16. ヘルツの実験(1888) • 出典: http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/k3dennjiha/hzexpdenjiha.htm

  17. マルコニーの無線通信実験(1895) コヒーラ検出器 出典:ウィキペディアフリー百科事典 モールス符号をヘルツの実験に適用アースを考案大西洋横断通信に成功(1901)真空管が実用化されるまで広く利用された

  18. 電子管の発明 熱電子放射            2極管(フレミング)3極管(ドフォレスト)エジソン効果            整流(検波)作用               増幅作用 (1882)(1902)(1907) 効率のよい電波の検出を実現増幅作用による通信距離の延長を実現

  19. ラジオ放送 • フェッセンデン(カナダ)交流信号に情報を載せる(変調)2つの信号を掛け合わせ第3の信号を得る(ヘテロダイン)を発明1906 初のラジオ放送に成功 • 商用放送米国(1920),日本(1925) • 短波放送 オランダ(1927:植民地向け)

  20. 戦後のラジオ放送 • 中波ラジオによるステレオラジオ放送(1952-1965) • FMラジオステレオ放送(1963-) • FMラジオ多重放送(VICS・見えるラジオ:1995) • デジタルラジオ

  21. テレビ放送 • ブラウン管の発明(1896) • 機械走査式テレビジョンの実用化ジョン・ロジー・ベアード(英:1925) • 電子走査式テレビジョンの実用化高柳健次郎(日:1926) • 電子式撮像管の発明フィロ・テイラー,ファーンズワース(米:1927) • ベルリンオリンピックの放送(独:1936) • NHK試験放送(日:1939) • 商用放送(米:1941)

  22. テレビ伝送実験装置の再現展示(NHK放送博物館)テレビ伝送実験装置の再現展示(NHK放送博物館)

  23. 戦後のテレビ放送 • 1953 地上波テレビ放送(NHK) • 1956 カラーテレビ実験放送(NHK) • 1958 東京タワー完成 • 1960 カラーテレビ放送開始 • 1968UHF局放送開始 • 1984 衛星放送の試験放送 • 1991BSアナログハイビジョン放送 • 2000BSデジタルハイビジョン放送

  24. レーダー • 強い電磁波を一方向へ向けて放射し、反射して返ってくる電磁波を受信して放射と受信までの時間差を計測することで、その方向にある何らかの電波反射物までの距離を知る。 • クリスチャン・ヒュルスマイヤー(独)5km先の船舶の検出に成功(1904) • 1930-40年,ドイツとイギリスにより実用化。 • 第2次世界大戦の帰趨を決定した。イギリス:対空レーダ網を整備しドイツの空爆阻止。アメリカ:日本海軍の行動を先読み撃滅。 • 日本:マイクロ波マグネトロンと八木アンテナという要素技術を持ちながら優れたレーダーを開発できなかった。

  25. トランジスタ 1948年,AT&Tベル研究所のウォルター・ブラッテン、ジョン・バーディーン、ウィリアム・ショックレーらにより発明された。 最初のトランジスター 日本では1954年頃に東京通信工業(現ソニー)で国産化され、翌1955年に同社からトランジスタラジオが発売された。

  26. マイクロ波通信 • たくさんの情報を遠くに伝送高い周波数(マイクロ波)を使用 • 遠くにたくさんの情報を伝送衛星を打ち上げて中継光ケーブルの出現により主役の座から降りる

  27. 電磁波の利用 • 無線通信携帯電話,無線LAN,ETC,マイクロ波中継,衛星通信,警察無線,列車通信,アマチュア無線,RFIDタグ • 放送TV放送,ラジオ放送,データ放送 • 測位・測距航空管制レーダ,GPS,衝突防止レーダ,船舶,飛行機用レーダ,気象レーダ • エネルギー電子レンジ • セキュリティ電波イメージング • 医療マイクロ波加熱によるがん治療 • 宇宙開発電波天文,地球環境調査

  28. 現代社会と電磁波(1)テレビ • BS・CSデジタル放送周波数は12GHz帯。画質が良い。高利得アンテナが必要。 • 地上デジタル放送(ISDB-T)周波数は470-770MHz。フルセグ(固定・車両):画質が良いが移動に弱い。ワンセグ(移動):画質は良くないが移動に強い。

  29. 統合デジタル放送(ISDB-T)

  30. 現代社会と電磁波(2)ラジオとデータ放送 • VICS(カーナビの渋滞情報)FM(76-90)MHz放送に重ねて放送 • デジタルラジオ試験放送中(地上波:東京と大阪,衛星:外国のみ) • ISDB-Tを使った放送(放送大学) • 新しいマルチメディアサービス地上デジタル放送移行後のVHF1-3ch音声,動画

  31. VICS

  32. 現代社会と電磁波(3)携帯電話(1) • 自動車電話からスタート • 第1世代:アナログ音声(-1990) • 第2世代:デジタル音声(1990-2000)通信速度10kbps • 第3世代:CDMA(2000-)インターネット接続,通信速度384kbps • 第3.9世代:高速データ通信(2012-)通信速度10Mbps以上

  33. 現代社会と電磁波(3)携帯電話(2) • 携帯電話の技術見通し外通信 基地局と端末が建物,地形によってさえぎられている:回折,反射,透過波で通信。 低雑音増幅,誤り訂正,デジタル変調移動しながら通信 フェージング,マルチパス ダイバーシチ,等化(イコライジング)電池で動作 • インターネット接続,電子決済 • 多機能化:GPS,テレビ,カメラ…

  34. 現代社会と電磁波(3)携帯電話(3) • 日本メーカーの苦戦スマートホンで出遅れサムスン,モトローラが2強 • 基本特許がQUALCOM(米)に抑えられる • 実際に開発したのはDOCOMOとNEC • 日本市場の特殊性携帯電話のガラパゴス島(インターネット,カメラ,写メール)それなりに大きな市場キャリア(DOCOMO AU softbank)主導

  35. 現代社会と電磁波(4)無線LAN • オフィスから通信ケーブルを一掃 • モバイルコンピューティング • IEEE802.11b/g規格(2.5GHz帯54Mbps) • MIMO(.11n:5GHz帯,600Mbps)アンテナをたくさん使って大容量通信 • アドホックネットワーク基地局を介さないネットワーク • IEEE802.15規格:Bluetooth, UWB, Zigbee

  36. 現代社会と電磁波(5)GPS • 上空にある数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、現在位置を知るシステム。 • 3つの衛星の時刻と端末の時刻を比較し、3角測量で端末の位置を決定。 • 航空機,船舶,ポータブル,携帯電話,カーナビ等に広く利用される。

  37. 現代社会と電磁波(6)レーダ(1) • 航空路管制システム航空路管制レーダ(ARSR)空港監視レーダ(ASR)二次監視レーダー(SSR)空港面監視レーダー(ASDE) • 航法援助装置着陸誘導装置(ILS)電波標識(VOR, DME) • 防衛は別システム警戒管制レーダRAPCON,PATRIOT

  38. 現代社会と電磁波(6)レーダ(2) • 自動車用衝突防止レーダミリ波レーダ:76GHz帯と24GHz帯探知距離:100m複数の車両の検出(トヨタ)アクティブフェーズドアレーレーダブレーキと連動:追従走行 • 警察のスピード違反取り締まりレーダ • 船舶用,航空機レーダ

  39. 現代社会と電磁波(7)RFID • バーコードに代わる技術 • 無線タグ図書館,店舗 • ICカード • 3つの周波数13MHz,900MHz,2.45GHz • パッシブ型とアクティブ型電池の有無 • 物流,在庫管理,認証(セキュリティ,病院) • センサーネットワーク • 位置検索 非接触ICカード ウォルマートのRFIDタグ

  40. 現代社会と電磁波(8)ETC

  41. 現代社会と電磁波(9)電子レンジ • マイクロ波は水に吸収され熱に変わる

  42. 現代社会と電磁波(10)宇宙科学 • 電波望遠鏡可視光を放射しない星間ガスを観測する 出典:国立天文台HP

  43. 現代社会と電磁波(11)セキュリティ • 空港でのセキュリティ検査X線に代わるセキュリティ検査プラスチック爆弾なども検知できる

  44. 電磁波利用の問題点(1)違法電波 • 電波は公共のもの • 電波はどこにでも届く • 違法電波の例市民無線無届携帯電話基地局 • 迷惑電波の例公共交通機関での携帯電話ペースメーカの誤動作 • 違法電波の取り締まりDUERASシステム

  45. 電磁波利用の問題点(2)周波数資源の枯渇 • 電磁波は資源である。 • 電磁波は公共物である。 • 電磁波は低い周波数から用いられてきた。10GHz以下で空いている周波数帯域はほとんどない。 • 10GHz以上の波は使いにくい。降雨減衰,遠くまで届かない,部品が高い • 地上デジタル放送への移行使いやすい周波数(VHF帯)をあけ,新しいマルチメディアサービスを導入する。

  46. 出典:総務省HP

  47. 電磁波利用の問題点(3)電磁波と健康 • 電波による健康への影響電波はエネルギーの流れである。人体の70%は水である。水は電波を吸収し熱となる。携帯電話を用いると脳内温度が上昇する。 • 様様な本が出ているが、科学的根拠に乏しいものも散見される。 • 人類が電波を用いて日が浅い。疫学的検証は不十分。

  48. 未来の電磁波利用医療応用(1) • ハイーパーサーミア癌にマイクロ波をあて温めてダメージを与える(癌は熱に弱い)電極を患部に差し込んで照射 • レーダによる患者の心拍,呼吸の監視電極が不要撮影しないのでプライバシーが守られる

  49.  近未来の電磁波利用~乳がん検診の現状~ 視触診 + X線マンモグラフィ・超音波検診 問題点 • X線による被曝 • 検診部の圧迫が非常に不快 • 検診に高度な読影技術が必要 見落としの可能性 • 装置が高額 • 検診に時間がかかる

  50. マイクロ波マンモグラフィ マイクロ波を用いたマンモグラフィ • 高コントラストが得られ,高度な読影技術は不要 →発見漏れの減少 • 検診部の挟み込みの必要がない →患者の検診に対する拒否感を減少 • 微弱な電波を使用するため,被曝の心配がない • 装置がコンパクトで安価 • 病理診断の可能性(良性・悪性)

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