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AGN 統一モデル の現状. 西道 啓博 ( 東大宇宙理論研究室 M1). にしみち たかひろ. 目次. 1: AGN とは 2: 遮蔽トーラスモデル 3: クェーサー 2 型の探査 4: モデルの現状. 1. AGN とは. 1.1 活動銀河核 (Active Galactic Nuclei). 銀河の中心部分が非常に明るい。 ( 10 44-48 erg/s )( 普通の銀河は 10 44 erg/s 程度。 ) 非常にコンパクト。 ( 光源は 数 pc 以内 )
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AGN 統一モデルの現状 西道 啓博 (東大宇宙理論研究室 M1) にしみち たかひろ
目次 1: AGN とは 2: 遮蔽トーラスモデル 3: クェーサー 2 型の探査 4: モデルの現状
1.1 活動銀河核 (Active Galactic Nuclei) • 銀河の中心部分が非常に明るい。 (1044-48erg/s)(普通の銀河は 1044erg/s 程度。) • 非常にコンパクト。(光源は数 pc以内) • エネルギー源は「巨大ブラックホール + 降着円盤」と考えられる。
1.2 いろいろな AGN NGC 3370 NGC 1275 普通の銀河(左)とセイファート銀河(右) (HubbleSite http://hubblesite.orgより)
1.2 いろいろな AGN (2) 3C 273 0313 - 192 クェーサー (左) と電波銀河 (右) (HubbleSite http://hubblesite.orgより)
1.3 AGN のスペクトルの特徴 • 狭輝線 (Narrow Emission Line) (ほぼ全ての AGN) • 広輝線 (Broad Emission Line) (あるものとないものがある) • 連続線 (Continuum) (全ての AGN で強力) AGN 銀河 AGN (左) と普通の銀河 (右) のスペクトルの比較 (SDSS DR4 http://cas.sdss.org/dr4/en/より)
1.4 タイプ 1 とタイプ 2 • 1 型AGN 広輝線あり (狭輝線もあり) • 2 型AGN 広輝線なし (狭輝線はある) (SDSS DR4 http://cas.sdss.org/dr4/en/より)
1.5 AGN の分類 • AGN には多様なスペクトル・形状がある。 → 統一的に理解したい。 • 非常に大まかな分類は以下の通り。(radio loud は除く)
2.1 遮蔽トーラスモデルの概要 狭輝線域 広輝線域 ブラックホール 降着円盤 数 pc 未満 遮蔽トーラス 数 10 pc (StarChild http://starchild.gsfc.nasa.gov/images/objects/agn/より)
2.1 遮蔽トーラスモデルの概要(2) Mullard Space Science Laboratory より (http://www.mssl.ucl.ac.uk/www_astro/agn/agn_quasartour.html)
2.3 セイファート銀河の統一 • 見る方向によって 1 型、2 型の差が現れる。(orientation effect) • コアが直接見える → セイファート 1 • コアがトーラスで見えない → セイファート 2 Sy2 2 種のセイファート銀河の統一 !! Sy1 (StarChild より)
2.4 遮蔽トーラスモデルの根拠 total flux • セイファート 2 で軸に平行で大きな偏極 • 偏極スペクトル中に広輝線 → 中心光源からの光がトーラスで反射し、反射光に “隠れたコア” が見えている。(Antonucci & Miller1985) 狭輝線のみ 広輝線が見えた! polarized flux Miller et al 1991 反射! (StarChild より)
トーラスは実際に見えた。(HST image from Jaffe et al 1993) 円錐状に広がった狭輝線域(Allen et al 1998) 2.4 遮蔽トーラスモデルの根拠 (2)
3.1 クェーサー 2 型 • セイファート 2 の高光度対応物として ”トーラスでコアの隠れたクェーサー” の存在が示唆されてきた。 クェーサー 2 (?)
3.2 クェーサー 2 の探査 • 1990 年代までの調査 → 数 10の候補が見つかるにとどまる。 • SDSS による探査 (Zakamska & Strauss 2004) → 150のクェーサー 2 候補。 • 偏光などの追調査で ”隠れたクェーサーコア” を確認 (数例) → クェーサー 2 は実際に存在する。
4.1 統計的アプローチとモデルのテスト • Sy 1 : Sy 2 = 1 : 1.5 ~ 2 • QSO 1 : QSO 2 = 1 : 0.01 (?) • 「遮蔽トーラスモデル + 光度、赤方偏移依存性」で説明できる? • selection effect をうまく考慮した、たくさんのサンプルが必要。 タイプ 2 の占める割合 Log Lx redshift タイプ 2 AGN の占める割合の光度・赤方偏移依存性 (光赤外天文学将来計画検討会編 2010年代の光赤外天文学より)
4.2 遮蔽トーラスモデルの現状 • 遮蔽トーラスモデルで AGN 天体をある程度統一的に記述できた。 • しかし、遮蔽トーラスモデルは実際の空間的構造の ”第 0 近似” に過ぎない。(遮蔽や反射の役割は、トーラス型の構造である必然性はない。) • また、 2 つのタイプを分ける役割は別の機構が担っているとする主張も。(Elvis 2000 など) → 最終的な決着は分解能の向上による、コア(トーラス内部)の直接観測を待つしかない。