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高齢福祉関係の計画策定/政策立案 のための基礎分析(地域カルテの作成と活用) (2). 立命館大学文学部地理学専攻 教授 矢野桂司. 本テキスト以外に配布するマニュアル類の説明. (メインマニュアル) 操作手順書 「地域カルテの作成と活用」 本演習は、基本的にこの操作手順書に沿って行う。 (補助マニュアル) 操作マニュアル1 「 ArcGIS 操作マニュアル」 本演習で利用する「 ArcGIS 」について、演習内容に限らずに基本操作について一通り説明したマニュアル 操作マニュアル2 「アドレス・マッチング」
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高齢福祉関係の計画策定/政策立案のための基礎分析(地域カルテの作成と活用)(2)高齢福祉関係の計画策定/政策立案のための基礎分析(地域カルテの作成と活用)(2) 立命館大学文学部地理学専攻 教授 矢野桂司
本テキスト以外に配布するマニュアル類の説明本テキスト以外に配布するマニュアル類の説明 (メインマニュアル) • 操作手順書 「地域カルテの作成と活用」 • 本演習は、基本的にこの操作手順書に沿って行う。 (補助マニュアル) • 操作マニュアル1 「ArcGIS操作マニュアル」 • 本演習で利用する「ArcGIS」について、演習内容に限らずに基本操作について一通り説明したマニュアル • 操作マニュアル2 「アドレス・マッチング」 • ArcGIS以外でGISデータの整備・活用方法を説明したマニュアル。具体内容は以下のとおり。 • 賢早くんR(iタウンページから、特定の市区町村の事業所(例えば、コンビニ)の名前・住所一覧をExcelで作成するマクロの利用方法 • フリーのアドレス・マッチングの利用方法 等
本演習科目の概要 演習の目的 介護保険事業計画などの福祉関連の計画策定や政策検討等に必要となる基礎的なデータの収集・分析にあたり、GISが効果的なツールであることを、実際にGISを操作しながら学ぶ。 演習の特徴(重視ポイント) 高度な機能も有しているGISを活用 考慮すべき各種統計データ等を入手・可視化し、既存の介護施設・介護施設の位置を重ね合わせ・集計、空間的な分析を定量的に実施 演習に必要な環境 ArcGIS(ESRI社)がインストール されたパソコン (一部の分析において、Network Analyst機能 が必要)
本演習科目の概要 • 演習の流れ Ⅰ.演習に入る前に Ⅱ.操作演習 ①手順1:高齢者マップの作成 ②手順2:地域資源マップの作成 ③手順3:任意の圏域内の需要・供給の計算 ④手順4:地域資源へのアクセシビリティ ⑤手順5;地域資源へのアクセシビリティを考慮した需要推計 Ⅲ.演習後のふりかえり
GISとは何か? 地理情報システム(GIS:Geographic Information Systems)は、デジタル化された地理空間情報(一般的な地図情報や統計情報、オリジナルの調査データなど)をコンピュータ上で表示したり、新たに作成したり、分析したりするためのシステムである。 都市計画、マーケティング、防災、保健医療など多様な分野で幅広く利用されており、急速に進歩している。 【GISでてきることの例】 地図による可視化:階級区分図・比例シンボル 空間解析: オーバーレイ解析・バッファ解析・ネットワーク分析 地図の共有・配信:インターネット上で流通
GISのデータ構造 ■データ構造は、以下2種類。 ベクター型 1)点データ (・) 2)線データ (-) 3)多角形(ポリゴン)データ(□) ラスター型 1)衛星画像 2)空中写真 3)メッシュ(グリッド) 4)紙地図(スキャニング) <ベクター> ・ ・ ・ ・ <ラスターの例:空中写真> 出典:国土地理院「電子国土基本図(オルソ画像)」みなとみらい上空
本演習科目で行う内容 A) 地域カルテの作成 手順1:高齢者マップの作成 ・地域別の高齢者の分布の可視化(地図上による表示)方法 手順2:地域資源マップの作成 ・既存の病院や介護施設・介護サービス事業者、生活関連施設等の地図上への表示方法 B) 地域カルテの活用 手順3:任意の圏域内の需要・供給の計算 ・任意の空間単位(日常生活圏域等)内の高齢者の集計方法 ・任意の空間単位(日常生活圏域等)内の施設数やサービス事業者数等の集計方法 手順4:地域資源へのアクセスビリティ ・地域資源から一定距離の範囲の確認 手順5:地域資源へのアクセシビリティを考慮した需要推計 ・各地域資源のサービス圏域内の利用者の集計方法
本演習でとりあげる地域カルテの項目 • 目的:介護保険事業計画などの介護・福祉関連の計画策定や政策検討に必要となる基礎データとして、「地域カルテ」を作成し、その活用方法を提示する。 • 地域カルテの項目(手順1~2で作成) • 高齢者人口 • 65歳以上人口、高齢者単独世帯 • 地域資源(1):福祉関連施設 • 病院、福祉施設、公共施設 等 • 地域資源(2):生活関連施設 • コンビニ、スーパー、鉄道駅、バス停留所 等
【補足】分析対象とする「高齢者」の考え方 1.高齢者(国勢調査) 1)男女別65歳以上人口(5歳年齢階級) 2)男女別75歳以上人口(5歳年齢階級) 3)高齢者のみ世帯 4)高齢者単独世帯 2.高齢者(住民基本台帳) 1)男女別年齢階級別人口(1歳年齢階級) 3.要介護者(要介護者台帳)
地域カルテの「地域」の考え方 ■地域カルテを作成するにあたっては、利用できる統計データの整備単位と、利用目的の双方を考えて設定する。 ■地域カルテ作成にあたって想定される分析単位は以下。 1)市区町村 2)町丁・字等(日常生活圏、学区) 3)基本単位区
【補足】対象地域(京都市11区、小地域(5,348町丁・字等))【補足】対象地域(京都市11区、小地域(5,348町丁・字等)) 市区町村界(政令区) 町丁・字界
地理空間情報の収集方法 1.政府統計の総合窓口(e-stat) http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do 1)国勢調査(2010年はすべてのデータがWeb上に) 2)地図で見る統計(統計GIS) 2.国土数値情報 http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/ 3.基盤地図情報(国土地理院) http://www.gsi.go.jp/kiban/index.html 4.民間 1)iタウンページ(無料Web)http://itp.ne.jp/ 2)日本スーパー名鑑 ※有料 3)DARMS2009(JPS) ※有料
【補足】政府統計の総合窓口(e-stat) http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do
【補足】国土数値情報 http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/
【補足】 2009年版 日本スーパー名鑑 ポイントデータ 項目並び(85項目) 1 店名、 2 郵便番号、 3 店舗所在地、 4 電話番号、 5 開店年月日、 6 改装年月日 7 店舗立地: 駅 ・・・・ 駅前、商 ・・・・ 商店街、住 ・・・・ 住宅街、郊 ・・・・ 郊 外 8 店舗所有形態: 自 ・・・・ 自己所有、賃 ・・・・ 賃 貸、共 ・・・・ 共同所有 9 地下、10 地上、11 テナント面積、12 駐車台数、13 レジ台数、14 売場面積、 • 月平均売上高、16 従業員数、17 正社員数、18 パート数、19 営業時間、 20 定休日、21 SC名称、22 企業体名、23 加盟団体名、24 食品売上構成比 77 テナント区分、78 駐車場区分、79 名鑑情報、80 通番、84 経度、85 緯度
【補足】 DARMS2009(全国157,622、京都市1,704) No 項目名称 1 店舗名、2 フリガナ、3 郵便番号、4 住所、5 方書、6 電話番号、7 企業名、8 業態、9 行政コード、 10 都道府県コード、11 企業コード、12 マスターコード、13 同定レベル、14 経度、15 緯度
自治体の保有する地理空間情報 1.都市計画図(都市計画部門) 2.空中写真(主に固定資産税・都市計画部門) 3.道路台帳(主に土木部門) 4.各種台帳、例えば固定資産税台帳(主に税務部門) 住民基本台帳(主に市民サービス部門)
Ⅱ.演習 手順1:高齢者マップの作成
地域カルテの作成演習 • 手順1:高齢者マップの作成 • 65歳以上人口(小地域(町丁・字等)) • 高齢者単独世帯(小地域(町丁・字等)) ※本演習内容を発展させて、以下のような小地域での高齢者分布の将来予測も可能 1)国勢調査の小地域統計の経年変化 2)5歳年齢階級別人口のコーホート推計 →『操作手順書』p.1~8参照
【アウトプットイメージ】色分け地図(ポリゴンとポイントによる表現)【アウトプットイメージ】色分け地図(ポリゴンとポイントによる表現) • 2010年国勢調査の京都市の町丁・字等単位の小地域統計を用いた高齢者人口比率(65歳以上人口/総人口)の階級区分図 町丁・字等のポリゴン・データ 町丁・字等の代表点データ
【アウトプットイメージ】色分け地図(絶対数と比率をもとにした表現)【アウトプットイメージ】色分け地図(絶対数と比率をもとにした表現) 高齢者人口(絶対数) 高齢者人口(比率) ⇒絶対数は空間単位の大きさに依存するため、階級区分図は不適。
【アウトプットイメージ】値の大小を表現する地図(色分けとシンボルの大きさ)【アウトプットイメージ】値の大小を表現する地図(色分けとシンボルの大きさ) 高齢者人口階級区分図 高齢者人口比例シンボル図 ⇒絶対数の表示には比例シンボル図が適切。
Ⅱ.演習 手順2:地域資源マップの作成
地域カルテの作成演習 • 手順2:地域資源マップの作成 • 既存のGISデータを使った福祉関連施設マップの作成 • 施設の属性から属性検索 • 属性検索結果の確認と出力 • 住所リストからの生活関連施設マップの作成(アドレスマッチング) →『操作手順書』 p.9~11 『操作マニュアル2』参照
【アウトプットイメージ】医療機関・福祉施設マップ【アウトプットイメージ】医療機関・福祉施設マップ 医療機関(点データ) 福祉施設(点データ)
病院(医療機関から属性検索) • 国土数値情報から、「医療機関」データをダウンロードし、「病院」のみを抽出し、データを作成する。
【アウトプットイメージ】道路・公共施設 道路(線データ) 公共施設(点データ)
【アウトプットイメージ】鉄道駅・バス停留所【アウトプットイメージ】鉄道駅・バス停留所 鉄道(駅・路線) バス停
【補足説明】アドレスマッチング →『操作マニュアル2』参照 住所情報があればポイントデータを生成する(アドレスマッチング)ことができる。 <手順> • 住所付のリストをExcelファイルで作成する • アドレスマッチング・ソフトを使って、緯度経度情報を付与する。アドレスマッチングソフトは以下のようなものがある。 • 東京大学CSIS(CSV Geocoding Service) ※無料 • AG2KML ※無料、個人利用に限る • ArcGIS(Geocoding)、Excelプラグイン (Esri mapfor Office) ※ArcGIS付帯サービス • 民間ソフト(Mapple) ※有料 等 • 緯度経度付のリストをExcelファイル(csv形式でも可)で作成する • GISで上記ファイルを読み込み、緯度経度情報をもとに点を発生させる • 発生させた点のshapeファイルを作成する
【補足説明】アドレスマッチング →『操作マニュアル2』参照 • 住所を含むExcelファイル
Ⅱ.演習 手順3:任意の圏域内の需要・供給の計算
地域カルテの活用演習 • 手順3:任意の圏域内の需要・供給の計算 以下のような様々な空間単位があり、着目したい空間単位にあわせて集計する。 (「ポイント・イン・ポリゴン」という) ⇒高齢者数を集計すれば需要、施設・サービス数を集計すれば供給を任意の空間単位で計算することができる。 • 小地域統計(町丁・字等) • 日常生活圏(学区程度) • 行政区 →『操作手順書』 p.12~15参照
【アウトプットイメージ】日常生活圏単位での空間集計イメージ【アウトプットイメージ】日常生活圏単位での空間集計イメージ • 日常生活圏として京都市の元学区を設定。右図は、元学区のポリゴンデータの上に町丁・字の代表点を重ねたもの。 元学区(ポリゴンデータ) 町丁・字代表点(点データ)
【アウトプットイメージ】日常生活圏単位での空間集計結果【アウトプットイメージ】日常生活圏単位での空間集計結果 • 元学区の各ポリゴンに存在する町丁・字等の代表点の高齢者人口を合算し、可変シンボル図で表現。
【アウトプットイメージ】京都市11区での空間集計イメージ【アウトプットイメージ】京都市11区での空間集計イメージ • 右図は京都市11区ポリゴンの上に、町丁・字等の代表点を重ねたものである。 京都市11区(ポリゴンデータ) 町丁・字代表点(点データ)
【アウトプットイメージ】京都市11区での空間集計結果【アウトプットイメージ】京都市11区での空間集計結果 • 11区の各ポリゴンに存在する町丁・字等の代表点の高齢者人口を合算し、可変シンボル図で表現。
Ⅱ.演習 手順4:地域資源へのアクセシビリティ
地域カルテの活用演習 • 手順4:地域資源へのアクセシビリティ 今回は病院を題材とする。 • 医療機関データから「病院」を属性検索 • 病院からの距離バッファの作成 • 円バッファ • ネットワーク・バッファ →『操作手順書』p.16~20参照 ※バッファとは、あるポイント・ライン・ポリゴンから一定の距離の圏域を作成する作業。 図はポイントから一定距離の円を描いたもの。
【アウトプットイメージ】病院から500mの円バッファ【アウトプットイメージ】病院から500mの円バッファ • 病院の点データから直線距離で500mの円バッファを作成する。 病院から500mの円バッファ(拡大) 病院から500mの円バッファ
【アウトプットイメージ】病院から500mのネットワーク・バッファ【アウトプットイメージ】病院から500mのネットワーク・バッファ • 同様に、道路ネットワークを用いて、病院から道路ネットワーク距離500mのバッファを作成する。 病院からネットワーク距離500mのバッファ 病院からネットワーク距離500mのバッファ(拡大)
【アウトプットイメージ】病院から500mの円バッファとネットワーク・バッファ【アウトプットイメージ】病院から500mの円バッファとネットワーク・バッファ • 直線距離500mバッファと道路ネットワーク距離の500mバッファの比較。 病院から500mのネットワークバッファ 病院から500mの円バッファ
【アウトプットイメージ】病院から500mの円バッファとネットワーク・バッファ【アウトプットイメージ】病院から500mの円バッファとネットワーク・バッファ • 円バッファとネットワークバッファの重ね合わせ ⇒ネットワークバッファの方が円バッファよりも小さい。
Ⅱ.演習 手順5:地域資源へのアクセシビリティを考慮した需要推計
地域カルテの活用演習 • 手順5:地域資源へのアクセシビリティを考慮した需要推計 (バッファ内の高齢者) バッファ内に含まれる高齢者を合計 • バッファ内に含まれない高齢者を合計 • 属性テーブルの集計 →『操作手順書』p.21~25参照
【アウトプットイメージ】高齢者人口(円バッファとネットワーク・バッファ)【アウトプットイメージ】高齢者人口(円バッファとネットワーク・バッファ) • 病院から500mの円バッファとネットワーク距離バッファ内のそれぞれの高齢者人口を比例シンボル図で表示。 500m圏内の高齢者人口(円バッファ) 500m圏内の高齢者人口(ネットワークバッファ) ⇒周辺に高齢者が多い病院と、そうでない病院を区別することができる。
【アウトプットイメージ】病院に徒歩でいけない高齢者の特定【アウトプットイメージ】病院に徒歩でいけない高齢者の特定 • バッファ内に含まれる町丁・字の代表点を選択し(左)、反転させることで、バッファ外の町丁・字の代表点を抽出(右) ⇒水色の町丁・字の高齢者人口をエクセルで合計すれば、病院に徒歩で行けない高齢者数となる。
地域カルテの作成と活用 • 応用・展開 • どのような高齢者を想定するか? • どのような地域資源? • 病院、福祉施設 • 駅、バス停留所 • 公共施設(郵便局) • 民間施設 • 需要とは? • アクセシビリティとは?