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医療の質を 高める

医療の質を 高める. みなと生協診療所 倉澤高志. 医療の質を高める. 質のいい医療を求めることは、患者さんにとっても医療従事者にとっても当然のことである。 ベストプラクテイスは十分な研修と経験をつんだ医療者が患者の価値観を尊重しながら、現時点で最善とされるエビデンスを思慮深く、良識を持って活用することによってうまれる( Sackett1995) 。 しかし、質を高めるためにはガイドラインの普及のみでは不十分。 自院所や自分の行為を多施設間比較して、たえず向上するような自己点検が必要。その際に有用なのが 臨床指標 である。. 医療の質に影響する要因.

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医療の質を 高める

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Presentation Transcript


  1. 医療の質を高める みなと生協診療所 倉澤高志

  2. 医療の質を高める • 質のいい医療を求めることは、患者さんにとっても医療従事者にとっても当然のことである。 • ベストプラクテイスは十分な研修と経験をつんだ医療者が患者の価値観を尊重しながら、現時点で最善とされるエビデンスを思慮深く、良識を持って活用することによってうまれる(Sackett1995)。 • しかし、質を高めるためにはガイドラインの普及のみでは不十分。 • 自院所や自分の行為を多施設間比較して、たえず向上するような自己点検が必要。その際に有用なのが臨床指標である。

  3. 医療の質に影響する要因

  4. 様々なガイドラインをネット上でみることができます様々なガイドラインをネット上でみることができます http://minds.jcqhc.orjp

  5. 診療報酬・介護報酬の新しい動向 • 「質を評価する」がトレンド □回復期リハビリテーション • 「入院料1」の算定要件に、以下の医療の質成果指標を導入 –日常生活自立度の尺度となる「日常生活機能評価」の点数が10点以上の重症患者が、新規患者の15%以上 –退院患者のうち、他の医療機関への転院等を除く在宅などへの復帰割合が60%以上 □「サービス体制提供強化加算」を導入 • 介護福祉士割合が50%以上、常勤職員割合が75%以上又は勤続年数3年以上の者が30%以上 • –介護福祉士割合が40%以上又は勤続年数3年以上の者が30%以上

  6. 回復期リハビリに対する 質評価導入の基本的な考え方 • 今後の急速な人口高齢化による脳卒中患者の増加等に的確に対応するため、回復期リハビリテーション病棟の要件に、試行的に質の評価に関する要素を導入し、居宅等への復帰率や、重症患者の受入割合に着目した評価を行うとともに、病棟におけるリハビリテーションの実施状況を踏まえて、当該病棟における医師の専従配置を緩和する。

  7. 褥そう患者管理加算 • 褥創に関する危険因子のある患者、及びすでに有している患者に対し、褥創対策に係わる専任の医師および褥創看護に関して5年以上の経験を有する看護士が別紙様式5の2を参考にして褥創対策に関する診療計画を作成し、褥創対策を実施し、その評価を行っていること。患者お状態に応じて、褥創対策にひつような体圧分散指揮マットレス等を適切に選択する体制が整えられていること。 • 入院中に1回 20点 • 褥創の改善そのものではなく、報告だけが診療報酬の対象になっている。

  8. 医師事務作業補助体制加算 (10年診療報酬改定) • 医師事務作業補助体制加算(入院初日) – 115対1 補助体制加算  810点(新設) – 2 20対1補助体制加算   610点(新設) – 3 25対1補助体制加算   490点←355点(08年) – 4 50対1補助体制加算   255点←185点(08年) – 5  75対1補助体制加算   180点←130点(08年) – 6 100対1補助体制加算  138点←105点(08年) (対届出一般病床数比での医師事務作業補助者の配置数による) • 15対1、20対1 の施設基準は、▽第三次救急医療機関▽小児救急医療拠点病院▽総合周産期母子医療センター▽年間の緊急入院患者数が800人以上の実績を持つ病院―の4つ • 25対1と50対1では、これらの基準のいずれかを満たすか、▽災害拠点病院▽へき地医療拠点病院▽地域医療支援病院▽年間の緊急入院患者数が200人以上の実績を持つ病院▽全身麻酔による手術件数が年間800件以上の病院―のどれかをクリアする必要がある。さらに、75対1と100対1では、50対1までの基準のいずれかに該当するか、年間の緊急入院患者数が100人以上の実績を有する病院としている。

  9. 医師事務作業補助者の業務範囲 (平成20年度診療報酬改定関連通知 08年3月28日) • [医師事務作業補助者の業務範囲] – 1 診断書などの文書作成補助 • 診療記録への代行入力 • 医療の質の向上に資する事務作業(診療に関するデータ整理、院内がん登録等の統計・調査 • 医師の教育や臨床研修のカンファレンスのための準備作業等)並びに行政上の業務(救急医療情報システムへの入力、感染症のサーベイランス事業等)への対応を医師の指示の下に行う – 2  ・医師以外の職種の指示の下に行う業務 • 診療報酬の請求事務、窓口・受付業務、医療機関の経営、運営のための基礎データ収集業務、看護業務の補助並びに物品運搬業務等については行わないこと

  10. 地域連携クリテイカルパスとは? • 地域連携クリテイカルパス – 疾病別に疾病の発生から診断、治療、 リハビリまでを、診療ガイドラインに沿っ て作成する一連の地域診療計画 – 病病連携パス – 病診連携パス – 在宅医療パス

  11. P4Pとは何? • Pay for Performance(P4P)プログラム –米国で始まった医療提供の質に対する支払い方式 • 「高品質の仕事に対して個人がボーナスを得るのと同様、病院もまた高品質の医療に対してボーナスが支払われるべき(HHS長官トンプソンAP通信社 2003年7月)」 • 「質の向上に対する経済的なインセンテイブの欠如が質のギャップを温存する結果になっている(MedPAC モダンヘルスケア 2003年6月)」

  12. P4Pの定義とは? • P4P(Pay for Performance)とは高質の医療提供に対して経済的インセンテイブを、EBMに基づいた基準を測定することで与える方法である。その目的は単に高質で効率的な医療にボーナスを与えることにとどまらず、高質の医療への改善プロセスを促すことにある。(Institute of Medicine 2006年) • 主として米国・英国・カナダ・オーストラリアで導入が進んでいる

  13. 臨床指標の意義 • 医療介護活動の到達段階が客観的に把握できる。 • 課題が明確になる。目標の数字化が可能。 • 経営上にもインパクトを与える。 • P4P(Payfor perfprmance)の時代がくるかもしれない。つまり、臨床指標の良いところにボーナスが支払われる!

  14. 臨床指標とは • 臨床医療の質を評価する定量的指標のこと • 要件 –アウトカム指標もしくはアウトカムに影響を与えるプロセス    指標であること –データー収集が比較的容易であること –医療の質指標としての代表性が高いこと –標準的な成績が目安としてあわせて提示できることと(施    設間ベンチマークができること) –改善への努力が反映されやすいこと –卓越した事例(ベストプラクテイス)を示せること

  15. 聖路加国際病院の場合 臨床指標

  16. (2008)

  17. 聖路加国際病院での臨床指標 • 生活習慣病に関する指標 – 糖尿病患者での血糖コントロール – 降圧剤使用者における血圧コントロール – 腎機能コントロール • 医療安全に関する指標 – 入院患者での転倒・転落率 – 褥瘡発生率 – 処置テンプレート記入率 • 病院経営に関する指標 – 患者満足度 – 救急車受け入れ台数 – 外来待ち時間

  18. (聖路加国際病院)

  19. (聖路加国際病院)

  20. (聖路加国際病院)

  21. (聖路加国際病院)

  22. みなと生協診療所の場合 臨床指標(案)

  23. (みなと生協診療所)

  24. (みなと生協診療所)

  25. (みなと生協診療所)

  26. (みなと生協診療所)

  27. *;全体としてこの診療所に満足している ・治療の結果に満足している ・治療に私の考えが反映されたことに満足している ・この診療所は安全な治療をしている ・この診療所の医師や職員の説明はわかりやすい ・全体としてこの診療所を信頼している ・この診療所を家族や知人に勧めたい*;全体としてこの診療所に満足している ・治療の結果に満足している ・治療に私の考えが反映されたことに満足している ・この診療所は安全な治療をしている ・この診療所の医師や職員の説明はわかりやすい ・全体としてこの診療所を信頼している ・この診療所を家族や知人に勧めたい (みなと生協診療所)

  28. 生活習慣病に関する臨床指標なぜ一致点が定まりにくいか?生活習慣病に関する臨床指標なぜ一致点が定まりにくいか? • 治療方針を厳しくすると、コンプライアンスの悪い患者がドロップアウトしてHbA1c(血圧・血清脂質)が低下する。 • 新患や紹介患者が多いほどHbA1c値(血圧・血清脂質)は上昇する。 • 軽症者が多いほどHbA1c (血圧・血清脂質)が低下する。 • 評判のいい病院や診療所ほど、難しい患者が集まるので、HbA1c (血圧・血清脂質)が上昇する。 臨床指標が改善したからといって、必ずしも医療の質が改善したわけではないかもしれない。

  29. HbA1cのコントロール率 聖路加国際病院の場合

  30. 2010年12月 DMコントロール状態 みなと生協診療所の場合 *参考 聖路加国際病院:HbA1c<6.5%の割合は38.9%(2007)

  31. H22年度 DM 初診患者 半年間のHbA1cの推移 みなと生協診療所の場合 (平均値+標準偏差) N=21 *参考 北野病院:初診/3ヵ月後/6ヵ月後の平均HbA1c8.0/6.8/6.7

  32. 2010年度 高血圧 初診患者 <140/90の割合 N=45

  33. 英国の国営医療(NHS) • 英国の国営医療サービス(NHS)と開業医 – すべての住民に対して、原則無料で、包括的なサービス (予防やリハビリサービス等を含む)を税財源で提供 • 登録医制度(GP:general practitioner) – 住民は、予め登録した診療所のGPの診療を受け、必要 に応じてGPの紹介の下に病院の専門医を受診 – 住民は、診療所の登録と変更を自由に行うことができる。

  34. 英国のGP • 英国の開業医(GP:general practitioner) – 全英で診療所数は10,352(イングランド 8,451、ウェール ズ 497)2005年 – GP数はイングランド(2004年)で31,523人(非常勤、研修 医を除く) – GPは開業医トラスト(PCT :Primary Care Trust)を地域 単位で形成し、地域における保健医療事業の計画立案と NHSからの事業委託を実施 – イングランドで約300の開業医トラストがあり、一つの開業 医トラストは現在、平均して人口14万人をカバー

  35. 開業医の診療報酬体系 • 包括報酬(global sum) – 人頭支払い制度 – 人頭支払いでは、登録住民の年齢別、性別、医療ニードに応じた住民一人当たりの括報酬が支払われる – 包括報酬には、もちろん地域や登録患者の特殊事情も加味される – 包括報酬には、診療所の維持費、各種検診、簡単な外科的処置、時間外診療なども含めた額が支払われる • 追加サービス(enhanced services) – 出来高払い – 診療所が特別なサービスを提供すると報酬が出来高払いで追加される

  36. 第三の診療報酬体系として P4Pを導入 • Quality and Outcome Framework:QOF – 2004年より新たに英国版P4PであるQOFが追加された – 10の疾病グループと146の臨床指標を設定 –臨床指標ごとに標準的な達成目標数値を設定し、目標を達成すれば成果報酬が支払われるという方式である。 –点数スライド制

  37. 2004年以降の変化 • GPの収入 –人頭払い(global sum)は約30% –出来高払い(enhanced service)は約 20% – Quality and Outcome Frameworkは50% • GPの収入は2004年以降、平均4万ドル、それまでの30%程度も増収になったといわれている。

  38. QOFの仕組み • 10疾患・146臨床指標の設定 • 10疾患 –①喘息、②がん、③慢性閉塞性肺疾患 (COPD),④冠動脈疾患、⑤糖尿病、⑥てんかん 、⑦高血圧性疾患、⑧甲状腺機能低下症、⑨重 篤な長期療養を必要とする精神疾患、⑩脳卒中 および一過性虚血発作

  39. QOFの仕組み • 146の臨床指標 – たとえば④冠動脈疾患で「新規に診断された冠動脈疾患 患者のうち、運動負荷や専門医による評価のために紹介がなされた紹介患者割合」という指標がある – この紹介患者割合が25~90%の範囲の中で、紹介患者 割合の応じてP4Pの最低0ポイントから最高7ポイントまで加点がなされる。つまり紹介患者割合が多ければ多いほど高いポイントがつく。 – 1ポイント単価175ポンド

  40. 英国版P4Pの指標 喘息 • 喘息(最高点72ポイント) – 1 喘息患者の登録 最高7ポイント – 2 スパイロメトリーやピークフローメトリーによる診断割合(8歳以 上):最高15点 25~70% – 3 喫煙状態の記載割合(14~19歳):最高6点、25~70% – 4 喫煙状態の記載割合(20歳以上):最高6点、25~70% – 5 禁煙指導患者割合:最高6点、25~70% – 6 喘息手帳を持っている患者割合:最高20点、25~70% – 7 インフルエンザワクチン接種率:最高12点、25~70%

  41. 英国版P4Pの指標 糖尿病 • 糖尿病(最高点99ポイント) – 糖尿病の患者登録が可能 最高6ポイント – BMI記録 最高3ポイント 25~90% – 喫煙状態の記録 最高3ポイント 25~90% – 禁煙指導 最高5ポイント 25~90% – HbA1c記録 最高3ポイント 25~90% – HbA1cが7.4%以下 最高16ポイント 25~50% – HbA1cが10%以下 最高11ポイント 25~85% – 網膜症スクリーニング記録 最高5ポイント 25~90% – 末梢動脈の拍動記録 最高3ポイント 25~90% – 末梢神経障害記録 最高3ポイント 25~90%

  42. 英国版P4Pの指標 糖尿病 – 血圧記録 最高3ポイント 25~90% – 血圧 145/85mmHg以下 最高17ポイント 25~55% – 微量アルブミン尿試験 最高3ポイント 25~90% – 血清クレアチニン値 最高3ポイント 25~90% – ACE阻害剤/A2拮抗剤の服用(蛋白尿、微意量アルブミン尿)最高3ポイント 25~70% – 総コレステロール値記録 最高3ポイント 25~90% – 総コレステロール193mg/dl(5mmol/l)以下 最高6ポイント 25~60% – インフルエンザワクチン接種率 最高3ポイント 25~85%

  43. 英国版P4Pの指標 高血圧 • 高血圧(最高点105ポイント) – 1 高血圧患者の登録 最高9ポイント – 2 喫煙歴の記載   最高10ポイント 25~90% – 3 禁煙指導の実施  最高10ポイント 25~90% – 4 血圧記録の記載  最高20ポイント 25~90% – 5 血圧150/90mmHg以下 最高56ポイント 25~70%

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