1 / 51

和田 勝

細胞と多様性の 生物学. 第7回 細胞外からの情報が核に伝わる. 和田 勝. 東京医科歯科大学教養部. 外部の情報が細胞内へ. 前回はホルモンを例に取り、細胞の外からの情報が、セカンドメッセンジャーを介して代謝の調節をしたり(水溶性ホルモン)、転写の調節をしている(脂溶性ホルモン)ことを学んだ。. ちょっと復習. 脂溶性ホルモンの作用機構. Znフィンガー. ホルモン応答エレメント( HRE). 5’ -AGGTCAnnnTGACCT- 3’. 脂溶性ホルモンの作用機構. ステロイドホルモンが受容体に結合. Hsp がはずれて DNA 結合部位が露出.

Download Presentation

和田 勝

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 細胞と多様性の 生物学 第7回 細胞外からの情報が核に伝わる 和田 勝 東京医科歯科大学教養部

  2. 外部の情報が細胞内へ 前回はホルモンを例に取り、細胞の外からの情報が、セカンドメッセンジャーを介して代謝の調節をしたり(水溶性ホルモン)、転写の調節をしている(脂溶性ホルモン)ことを学んだ。 ちょっと復習

  3. 脂溶性ホルモンの作用機構 Znフィンガー ホルモン応答エレメント(HRE) 5’-AGGTCAnnnTGACCT-3’

  4. 脂溶性ホルモンの作用機構 ステロイドホルモンが受容体に結合 HspがはずれてDNA結合部位が露出 ニ量体となってDNAのHREに結合 下流の遺伝子の転写を促進 タンパク質合成

  5. ふたたび転写について 前回はホルモンを例に取り、細胞の外からの情報が、セカンドメッセンジャーを介して代謝の調節をしたり(水溶性ホルモン)、転写の調節をしている(脂溶性ホルモン)ことを学んだ。 ちょっと復習

  6. 形態 機能 遺伝子と形質 遺伝子 タンパク質 タンパク質をコードする独立した遺伝子がある。 遺伝子は相同染色体上にペアで存在する。

  7. 遺伝子と形質 優性の遺伝子は機能的なタンパク質をコードしているが、劣性の遺伝子は機能が無いタンパク質をコードしている。 したがって、ヘテロであれば劣性の形質は現れないが、劣性ホモだと現れる。 (注)これはもっとも単純な場合で、実際はもっと複雑である。

  8. 遺伝子の発現 ふたたびセントラルドグマ 実際に 転写しているのは

  9. RNAポリメラーゼによる転写 RNAポリメラーゼというタンパク質がDNAと結合して転写をしている。DNAとタンパク質の結合?

  10. 原核生物の転写調節 DNAには、転写の開始と終了を示す部位が存在する。 RNAポリメラーゼ着地点

  11. 転写の方向 RNAポリメラーゼのプロモータ領域への着地の仕方によって、転写の方向性が決まる。 実際は鋳型鎖の3’→5’を転写しているのだが、結果としてはコード鎖を5’→3’に読んだものがmRNAとなる。 プロモータ領域による転写の方向性が決まれば、鋳型鎖を無視してコード鎖だけを考えればいい。 そこで川の流れにたとえて、コード鎖の5’側を上流、3’側を下流という表現が使われる。

  12. lacオペロン 原核生物の遺伝子は、機能的に関係あるタンパク質をコードする領域が複数、連なっている。 これをオペロンという。lacオペロンは、ラクトースを分解するβガラクトシダーゼとその他2つの酵素タンパク質をコードする領域からなり、さらにその上流にオペレータ部を含むプロモーター部位がある。

  13. リプレッサーによる転写阻害 lacオペロンのプロモーター部のさらに上流にある調節遺伝子が常にリプレッサータンパク質を作るように指令している。 リプレッサータンパク質はオペレータ部位に結合してRNAポリメラーゼの結合を阻害する。

  14. ラクトースによる   リプレッサーの不活化 ラクトースはリプレッサータンパク質と結合してリプレッサータンパク質を不活性化する。

  15. 転写のスイッチィング この方式は、ふだんは転写スイッチをオフにしておき、必要に応じてオンにする方式。 ラクト-スしか無い環境では、ラクトースをグルコースに変える酵素が必要になり、スイッチをオンにする。

  16. trpオペロン trpオペロンの調節遺伝子が常に不活性なリプレッサータンパク質を作るように指令している。 そのため、トリプトファン合成の代謝系は稼動している。

  17. トリプトファンによる   リプレッサーの活性化 最終産物であるトリプトファンがリプレッサーを活性化する。

  18. 転写のスイッチィング この方式は、ふだんは転写スイッチをオンにしておき、必要に応じてオフにする方式。 ふだんは必要なトリプトファン合成の代謝系を稼動させているが、最終産物であるトリプトファンがだぶつくと、スイッチをオフにする。

  19. 細菌と真核生物の遺伝子 真核生物の遺伝子は全DNAのホンの一部、しかもコード領域が連続していない。

  20. ヒトβヘモグロビンの遺伝子 プロモータ領域 CCCTGTGGAGCCACACCCTAGGGTTGGCCAATCTACTCCCAGGAGCAGGGAGGGCAGGAGCCAGGGCTGGGCATAAAAGTCAGGGCAGAGCCATCTATTGCTTACATTTGCTTCTGACACAACTGTGTTCACTAGCAACCTCAAACAGACACCATGGTGCACCTGACTCCTGAGGAGAAGTCTGCCGTTACTGCCCTGTGGGGCAAGGTGAACGTGGATGAAGTTGGTGGTGAGGCCCTGGGCAGGTTGGTATCAAGGTTACAAGACAGGTTTAAGGAGACCAATAGAAACTGGGCATGTGGAGACAGAGAAGACTCTTGGGTTTCTGATAGGCACTGACTCTCTCTGCCTATTGGTCTATTTTCCCACCCTTAGGCTGCTGGTGGTCTACCCTTGGACCCAGAGGTTCTTTGAGTCCTTTGGGGATCTGTCCACTCCTGATGCTGTTATGGGCAACCCTAAGGTGAAGGCTCATGGCAAGAAAGTGCTCGGTGCCTTTAGTGATGGCCTGGCTCACCTGGACAACCTCAAGGGCACCTTTGCCACACTGAGTGAGCTGCACTGTGACAAGCTGCACGTGGATCCTGAGAACTTCAGGGTGAGTCTATGGGACCCTTGATGTTTTCTTTCCCCTTCTTTTCTATGGTTAAGTTCATGTCATAGGAAGGGGAGAAGTAACAGGGTACAGTTTAGAATGGGAAACAGACGAATGATTGCATCAGTGTGGAAGTCTCAGGATCGTTTTAGTTTCTTTTATTTGCTGTTCATAACAATTGTTTTCTTTTGTTTAATTCTTGCTTTCTTTTTTTTTCTTCTCCGCAATTTTTACTATTATACTTAATGCCTTAACATTGTGTATAACAAAAGGAAATATCTCTGAGATACATTAAGTAACTTAAAAAAAAACTTTACACAGTCTGCCTAGTACATTACTATTTGGAATATATGTGTGCTTATTTGCATATTCATAATCTCCCTACTTTATTTTCTTTTATTTTTAATTGATACATAATCATTATACATATTTATGGGTTAAAGTGTAATGTTTTAATATGTGTACACATATTGACCAAATCAGGGTAATTTTGCATTTGTAATTTTAAAAAATGCTTTCTTCTTTTA ATATACTTTTTTGTTTATCTTATTTCTAATACTTTCCCTAATCTCTTTCTTTCAGGGCAATAATGATACAATGTATCATGCCTCTTTGCACCATTCTAAAGAATAACAGTGATAATTTCTGGGTTAAGGCAATAGCAATATTTCTGCATATAAATATTTCTGCATATAAATTGTAACTGATGTAAGAGGTTTCATATTGCTAATAGCAGCTACAATCCAGCTACCATTCTGCTTTTATTTTATGGTTGGGATAAGGCTGGATTATTCTGAGTCCAAGCTAGGCCCTTTTGCTAATCATGTTCATACCTCTTATCTTCCTCCCACAGCTCCTGGGCAACGTGCTGGTCTGTGTGCTGGCCCATCACTTTGGCAAAGAATTCACCCCACCAGTGCAGGCTGCCTATCAGAAAGTGGTGGCTGGTGTGGCTAATGCCCTGGCCCACAAGTATCACTAAGCTCGCTTTCTTGCTGTCCAATTTCTATTAAAGGTTCCTTTGTTCCCTAAGTCCAACTACTAAACTGGGGGATATTATGAAGGGCCTTGAGCATCTGGATTCTGCCTAATAAAAAACATTTATTTTCATTGCAATGATGTATTTAAATTATTTCTGAATATTTTACTAAAAAGGGAATGTGGGAGGTCAGTGCATTTAAAACATAAAGAAATGAAGAGCTAGTTCAAACCTTGGGAAAATACACTATATCTTAAACTCCATGAAAGAAGGTGAGGCTGCAAACAGCTAATGCACATTGGCAACAGCCCTGATGCCTATGCCTTATTCATCCCTCAGAAAAGGATTCAAGTAGAGGCTTGATTTGGAGGTTAAAGTTTTGCTATGCTGTATTTTACATTACTTATTGTTTTAGCTGTCCTCATGAATGTCTTTTCACTACCCATTTGCTTATCCTGCATCTCTCAGCCTTGACTCCACTCAGTTCTCTTGCTTAGAGATACCACCTTTCCCCTGAAGTGTTCCTTCCATGTTTTACGGCGAGATGGTTTCTCCTCGCCTGGCCACTCAGCCTTAGTTGTCTCTGTTGTCTTATAGAGGTCTACTTGAAGAAGGAAAAACAGGGGGCATGGTTTGACT…… 翻訳開始 翻訳終了 紫色はエキソン1,2,3 間にはさまれた白色は イントロン1,2

  21. 転写とmRNAの修飾 1)転写開始部位から終了部位まで転写される。   この配列には、エクソン、イントロンとともに翻訳   されない塩基配列を両端に含む。 2)5’側に7-メチルグアノシン(Cap)構造が、3’側    に100-250個の連続したA(ポリAテイル)が付    加される。  3)イントロン部分がスプライシング酵素によってつまんで    切られる(スプライシング、splicing)。  4)完成したmRNA(成熟mRNA)が核膜孔からサイトゾー    ルへ出る。

  22. 転写とmRNAの修飾

  23. 真核生物の転写調節 真核生物では、転写の開始に転写基本因子が不可欠で、たくさん見つかっている。 これらの基本転写因子がプロモーター部に結合して複合体を作ると、RNAポリメラーゼが結合できるようになる。

  24. 真核生物の転写調節 これ以外に、遺伝子調節タンパク質(リプレッサーとアクチベーター)が、転写開始に影響を及ぼす。これらはかなり離れた位置にある場合もある。 原核生物ではDNAは裸だが、真核生物ではDNAはクロマチン構造をとっている。

  25. 真核生物の転写調節 原核生物よりかなり複雑

  26. ホルモンの作用機構 ステロイドホルモン-受容体複合体は、遺伝子調節タンパク質として働く。 水溶性ホルモンは、膜タンパク質である受容体に結合し、細胞内にセカンドメッセンジャーを作り、これが最終的に代謝経路を動かす酵素を活性化(スイッチをオンに)することによって、細胞の働きを調節している。

  27. ホルモンの作用機構

  28. 外部の情報が細胞内へ(2) これとは逆に、セカンドメッセンジャーを介して転写の調節する、また脂溶性ホルモンが膜受容体を介して代謝の調節などをnon-genomicにおこなうことができることがわかってきた。

  29. 転写のスイッチィング

  30. インシュリン受容体 インシュリン が結合 細胞内へ情報が伝わる

  31. 受容体チロシンキナーゼ 二量体型のシグナル分子が結合すると チロシンがリン酸化され 細胞内シグナルタンパク質を活性化する

  32. 受容体チロシンキナーゼ 不活性型Rasタンパク質を活性型に変える Rasタンパク質はras遺伝子の産物で単量体GTP結合タンパク質の一つ

  33. 受容体チロシンキナーゼ 活性化したRasタンパク質は、マップキナーゼリン酸化カスケードを刺激する 最終のマップキナーゼは、さまざまなタンパク質をリン酸化して、活性化する。 この中には、さまざまな遺伝子調節タンパク質が含まれる。

  34. リン酸化反応の相互作用 これまで述べてきたリン酸化酵素、Aキナーゼ、Cキナーゼ、CaMキナーゼ、マップキナーゼは、相互に作用し合って、複雑な「網」を形成している。 細胞は、これらの多数のシグナルを受け取って適切に反応しているようだ。

  35. ステロイドホルモン膜受容体 ステロイドホルモンは、細胞質にある受容体に結合して、核内へ入り転写の制御をするだけでなく、膜タンパク質受容体があって、転写を伴わない(non-genomic)な作用をしているらしいことがわかってきた。

  36. ステロイドホルモン膜受容体 プロゲステロンやアルドステロンなどの例が報告されているが、まだ不明な点が多い。ここではこれ以上触れない が、、、先日、

  37. プロゲステロン膜受容体 http://www.utmsi.utexas.edu/people/staff/thomas/PNAS_2003.pdf

  38. プロゲステロン膜受容体 (b) Western blot analysis of solubilized ovarian membrane proteins using monoclonal antibody PR10-1. I, plasma membrane; II, cytosol; III, partially purified membrane fraction used to generate monoclonal antibodies. (a) Northern blot analysis showing mRNA expression in ovarian (O, gel loading: 1mg) and other tissues (gel loading: 5mg); B, brain; T, testis; P, pituitary; H, heart; K, kidney; L, liver; S, stomach; I, intestine; G, gill; M, muscle. (c) Cellular localization of receptor by Western blot analysis using stmPRapAb1 antibody (gel loading: 10 mg). OC, oocyte cytosol; OM, oocyte membrane; Folli., follicle cell membrane; (d) Folli., follicle cells; PM, oocyte plasma membrane; Cyt, oocyte cytoplasm. (Magnification: 1 cm ' 20 mm.).

  39. プロゲステロン膜受容体 http://www.pnas.org/cgi/reprint/0436133100v1

  40. 遺伝子工学 以下にDNAを人為的に操作する遺伝子工学の手法などを説明しているが、他で学習していると思うので、広義では触れない。

  41. 遺伝子工学 特定の塩基配列(回文構造)を認識して切断する制限酵素が見つかった。 上の例ではAAGCTTを認識して、右のように切断する。

  42. クローニング 制限酵素で切断し、リガーゼでDNA断片を挿入することができる。

  43. DNAライブラリー ゲノムDNAの断片をプラスミドベクターに挿入して、これを大腸菌に導入する と、ゲノムDNAライブラリーができる。

  44. プローブによるコロニーの検出 目的とするDNA断片が導入されたコロニーを選び出す。

  45. DNAライブラリー mRNAから逆転写酵素によってDNAにコピーし、これをDNAポリメラーゼで2本鎖にして組み込む。

  46. PCR(polymerase chain reaction) DNAは加熱すると水素結合が切れて、一本鎖になる。 1組のプライマーと原料となるヌクレオチドを加え、DNAを合成させる。

  47. PCR この操作を繰り返すと、倍々に増えていく。

  48. DNA塩基配列の決定 3’に水酸基がないジデオキシヌクレオシド三リン酸を使うと、5’→3’合成がとまる。

  49. DNA塩基配列の決定 ジデオキシヌクレオシド三リン酸を原料に少し混ぜて、DNAの合成反応を進める。 ジデオキシヌクレオシド三リン酸が取り込まれたところで合成が止まった、いろいろな長さのDNA断片が生じる。

  50. DNA塩基配列の決定 4種の塩基でこれを行い、ゲル電気泳動する。 4つのクロマトグラムを並べ、下から読んでいくと、それが延期の配列になる

More Related