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今å·ã®è¨˜äº‹. 早稲田大å¦å¿ƒç†å¦ä¼š 瓦版. 第 20 å· ï¼ˆ 2011 å¹´ 12 月発行).  今年ã¯ãªã‚“ã¨è¨€ã£ã¦ã‚‚ 、3 月 11 æ—¥ã®æ±æ—¥æœ¬å¤§éœ‡ç½ 、 津波 、 ãれã«ç¶šã 、 ç¦å³¶ç¬¬ä¸€åŽŸç™ºã®äº‹æ•…ãŒå¤§ããªè¡æ’ƒã§ã—㟠。 戦後 、 当ãŸã‚Šå‰ã®ã‚ˆã†ã«éŽã”ã—ã¦ããŸå¹³ç©ãªæ—¥å¸¸ãŒçµ‚ã‚り 、 æ–°ãŸãªæ™‚代ã«å…¥ã£ãŸã“ã¨ã‚’実感ã›ã–ã‚‹ã‚’å¾—ã¾ã›ã‚“ 。. è°é¡Œ 2 : 2010 å¹´åº¦åŽæ”¯æ±ºç®— ã¾ã æœ€çµ‚çš„ãªæ±ºç®—書ãŒå®Œæˆã—ã¦ã„ãªã„ã®ã§ 、 ã“れã‹ã‚‰ç›£æŸ»ã‚’ã†ã‘ã‚‹ã“ã¨ã«ãªã‚‹ 。 è°é¡Œ 3 : 2011 年度事æ¥è¨ˆç”» â‘ 2011 å¹´ 5 月 21 æ—¥ ( 土 ) 第 11 回教養講座
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今号の記事 早稲田大学心理学会 瓦版 第20号 (2011年12月発行) 今年はなんと言っても、3月11日の東日本大震災、津波、それに続く、福島第一原発の事故が大きな衝撃でした。戦後、当たり前のように過ごしてきた平穏な日常が終わり、新たな時代に入ったことを実感せざるを得ません。 議題2: 2010年度収支決算 まだ最終的な決算書が完成していないので、これから監査をうけることになる。 議題3:2011年度事業計画 ①2011年5月21日(土)第11回教養講座 「睡眠の正常と異常- 臨床心理学からの理解と支援」 松田英子氏 ②2011年6月25日(土)公開講演会 「仮想的身体運動としての心」 月本洋氏 ③2011年10月29日(土)第12回教養講座 「仕事との出会い方、その続け方」~就労支援カウンセリング事例と、就活川柳・一人百句から考える~ 小林源氏 ④「瓦版」年2回発行 ⑤ホームページの運営 ⑥研究部会の開催 議題4:その他 「会員名簿」2007年版を発行してから4年経つ。 近い将来、改訂版を発行する。 • 総会・大会報告 ・教養講座要旨 • 大会アンケート ・会員寄稿 • ・公開講演会要約 ・次年度お知らせ 総会報告 2011年6月25日(土)12時30分~13時30分 早稲田大学・人間総合研究センター分室(高田牧舎2階)において早稲田大学心理学会総会が開催されました。 定数38(会員数190名の5分の1)のところ、総会開始時点で、10名が出席(遅刻1名)、委任状①(1~3号議案委任)が25通、委任状②(議長委任)が20通で、10+25+20=55となり、総会の成立を確認しました。 矢野裕之氏が議長に選出され、以下の議題を討議しました。 議題1: 2010年度事業報告 ①2010年5月22日(土)教養講座 「会社でこんなに役立つ心理学」笠原かほる氏 ②2010年6月19日(土)公開講演会 「ネガティブ・マインド」 坂本真士氏 ③2010年10月3日(土)教養講座 「自治体における職場復帰の取り組み」 木之下みやま氏 ④理事会を6回開催 ⑤「瓦版」17号(2010年4月、18号(2011年1月)を発行 ⑥ホームページの運営 ⑦老年学研究部会を6回開催 大会・懇親会報告 2011年6月25日(土)、15時より17時まで小野記念講堂において、早稲田大学心理学会主催の公開講演会が開催されました。 東京電機大学工学部教授、月本洋先生をお招きし、「仮想的身体運動としての心」のタイトルでお話しをしていただきました。 司会は早稲田大学心理学会理事の中村誠がつとめました。 月本洋氏 - 1 -
講演会 アンケート集計結果 久し振りの小野講堂での公開講演会。夕方からは雨の予報もあったにもかかわらず、熱心な聴衆が集まり、月本先生のユニークなお話しに最後まで耳を傾けました。 Ⅰ.性別・年齢等 1.性別 男女比が6対4であり、性別に大き な違いはないと思われる。 月本先生は、元々は工学部出身で、人工知能、知能情報学、データマイニングなどをご専門とされているが、幅広い守備範囲をお持ちで、講談社からは「日本人の脳に主語はいらない」、「日本語は論理的である」といった、言葉に関する本も出されています。 2.年齢 20代以下と60代以上の両端の 年齢層に集中する傾向がみられた。 本日は、心理学会の講演会ということなので、 乳幼児の心の発生について、脳科学の知見も 交えながらお話しをして下さいました。 3.職業・所属等 学生が24%と多いのは、20代が多いことと関連すると思われる。無職も12%と少なくないが、これは高齢者層が多かったことと関連すると思われる。 メモをとりながら耳を傾ける聴衆 懇親会 講演会のあとは小野講堂の隣の大隈記念タワー15階のレストラン“西北の風”で懇親会を開きました。月本先生もお見えになり、亀山先生や望月先生など大先輩とも一緒に、ビール、ワインを飲みながら、さまざまな話題に花を咲かせました。 ※「学生」の場合の学校名 早稲田大学先進理工学部応用物理学科 早大・文化構想 早稲田大学基幹理工学部 早大文化構想学部現代人間論系 早稲田大学基幹理工学部機械科学航空学科 “西北の風”での懇親会 - 2 -
4.早稲田心理学会の会員か 早稲田大学心理学会会員は28%と約3割を占めていた。 自由コメントから ・宮崎駿さんに似ている。アイディア豊富で 面白い。人工知能に戻ってきてほしい。 ・大学院で人と機械のインタラクションロボットを作りたいと考え、その前に情報学・心理学方面の研究室に進むことにして、少し不安だったが、今日の話を聞いて勇気をいただけました。 5.卒業生かどうか 卒業生は28%と約3割を占めていた。 ・目からウロコの話ばかりで感動した。 ・内容が観念的で、若干まだ現実とのすり合わせが、もう少しあるのかも(生意気ですいません)。 ・「心」にたどりつくまでの過程が刺激的でした。 ・大変、興味深い内容であり、ほとんど知識のない私でも分かるほどの易しい説明だった。 ・面白かった。幽体離脱などの現象。各種失 調症の事例。 Ⅱ.何によって本大会を知ったか 最も多いのは「ポスター・看板」。次は「早稲田大学心理学会報」、「知人・教員からの紹介」。 ・具体例がもう少しあっても良かったと思う。 ・もう少し乳児の心の発生について伺いたかった。 ・大きなテーマへと発展していって刺激的だ った。 今後、希望する企画 ・人工知能、認知系ならうれしいですね。 ・身体的コミュニケーションについて。 ・自意識について。 ・脳構造の解明と心理学的研究。 ・今日のように異分野からの心理学への アプローチは面白い。 ・心の発生や発達について。 Ⅲ.講演への評価 講演への評価は「満足」と「やや満足」の合計が72%と約7割に達していた。 ・ADHD関連の企画。 中上英臣・画 -3 -
月本 洋 (つきもと ひろし) 早稲田大学心理学会・公開講演会(要約) 「仮想的身体運動としての心」 研究分野ですが、元々は人工知能で、私の研究室は、人工知能研究室という名前を付けていますが、身体性人工知能というテーマを掲げると、どうも従来の人工知能では納まらないようになって来ました。もう一つは、脳機能画像からのデータマイニングです。データマイニングとは、大量のデータからの知識やパターンの発見ということです。 約10年前ですか、人工知能には身体が必要であるという結論に達しました。これを聞くと、「えっ」と思われる方が多いと思うんですが、ふつう人工知能の研究では、知能と身体は関係ないというのが前提で、コンピュータで人間の知能の真似事をするということになっていますが、それに対し、そうではないのではないかということを考え始めました。 著書ですが、2002年ごろには「ロボットのこころ」だったんですが、それ以降は「想像」とか「脳機能画像解析入門」とか「日本人の脳に主語はいらない」とか「日本語は論理的である」とか、そういう方に行っています。今日は、一番新しい、去年の4月ナカニシヤ出版から出した、「心の発生」の中から、いくつかお話ししたいと思います。 東京電機大学・工学部情報通信工学科・教授。1980年東京大学・大学院・計数工学科・修士課程終了。工学博士(知能情報学)。2001年より東京電機大学・教授。 主な著書「心の発生」認知発達の神経科学的理論(ナカニシヤ出版)、日本語は論理的である」(講談社選書メチエ)、「日本人の脳に主語はいらない」(講談社選書メチエ)、「脳機能画像解析入門」共著(医歯薬出版)、「ロボットのこころ」(森北出版) これは私が数年前にやった実験なんですが、指のタッピング。「指のタッピングのイメージをして下さい」と言うと、中々難しいんです、そう簡単には出来ない。眼を閉じて、頭の中に指の形を描いて、こうすると言うのはダメなんですね。それは視覚像を作っている、眼球を動かしていることになるんです。気を指先に集中させる。そして、まさに動かんとするという状態にする。動かしてはいけないけど、動かす寸前まで力を入れる。訓練しますと、幻の指が、若干、内側に入って来る感じになる。それが指のタッピングのイメージです。fMRIの画像を見てもらうと分かりますが、ちょっと指の運動野のところがうっすらしてます。指だけに限らず、身体のある部分を実際に動かすときと、イメージするときと同じ部位を使っているというのは、ほぼ確定した事実、これからひっくり返るということは無いと思います。 1.仮想的身体運動としての想像 最初は仮想的身体運動としての「心」ではなくて、「想像」ということです。藤原喜愛さんの「イメージと人間」(1974年)という本の中に「たばこ」と「スキー」の例があります。たばこを吸っているのをイメージして下さいと言うと、当時はまだ今みたいにセンサーが無いんで、電圧計と電流計を付けて筋電図みたいのを撮ると、唇の筋電図が出て来るんですね。だからイメージを作るというのは、頭の中でやっているのではなくて、身体の部位を使っているということが分かるわけです。スキーのできない人に「スキーのイメージをして下さい」と言うと、筋電図の反応がバラバラなんですが、スキーのできる人に言うと、腕と足の動きが連動して出て来る。できる人とできない人の差がそこで現れる。だからスキーのイメージをするとき、頭だけを使っているのではない、身体を使っている。 ⒉運動の抑制でイメージが生成される 脳の中には運動を円滑に行なうための予測器が存在します。自分で脇腹をくすぐっても、くすぐったくない。しかし他人に触られるとくすぐったい。私が指で脇腹をくすぐると運動野から指令が出て、私の脇腹をくすぐる。すると、くすぐったいという感覚が出て来る。しかし脳は運動野から出る運動指令をコピーして、脳の中の予測器に送る。脳はどういう感覚が脇腹に起こるかを予測して、その感覚をキャンセルする。だからくすぐったくない。脳は自分の運動が引き起こす感覚を予測して、それをキャンセルしに行くということをやっている。他人にされる場合は、私の運動野は動かない。運動指令も出ないし、指も動かない。予測器も動かない。他人の場合は、くすぐったいという感覚が残る。キャンセル掛かりませんから、そのままくすぐったい。感覚が運動の邪魔をしないというのが、脳の基本的な設計原理みたいなんです。 -4 -
⒊乳幼児における心の発生 ここで抑制というのが入って来ますが、先程、「指のタッピングをイメージして下さい」とありましだが、指を動かさないで動かすイメージをするというのは難しい。抑制が掛かると筋肉の方は動かない。それを仮想的身体運動と言います。遠心性コピーはそのまま予測モデルに送られ、予測感覚が作られる。これがイメージだというふうに最近、言われています。だからイメージは運動指令のコピーなんだ、イメージは運動をしているときに常に出ている。常に出ているけど、実際の運動や知覚、感覚の方が信号の強度が大きく、圧倒的にイメージの方が小さいので、それに気付かない。運動や感覚がおさまったときに初めて気が付く。 乳幼児のうちにイメージが発生するためには、①予測モデルの発達が必要である。それから②記憶の発達が必要です。当然、運動記憶の発達も必要なわけですね。これが発達しても、③抑制を掛けられないと、動いちゃいますので、抑えなければいけない。3つが必要なわけです。発達はひとことで言うと、運動ですね。子どもを見ていると、同じことを何度もやっている。それで出来るようになって来る。 抑制はいろんなところでやっている。一番重要なのは、この大脳基底核。ここが抑制センターになって、脳全体に対して、抑制信号を常に出している。大脳基底核等の抑制機能の発達により、まず①独立二足歩行が出来るようになる。また運動の抑制による②イメージの発生。三つ目は③共感覚的表象から感覚独立表象へということで、大脳基底核が抑制センターで、それが歩くこと、イメージを作ること、この感覚の独立にも関わっていると思います。 一般的な身体運動を話しましたけれど、運動能力で人間が他の動物と比べて優れているのは、舌、しゃべることだと思うんですね。チンパンジーが人間に一番近いのですが、チンパンジーは中々声を出せない。喉の造りが人間と違う。他の動物と比べて、運動能力で人間が一番優れているところだと思うんですね。眼でいろんなものを見ますけれども、それをですね、自分の身体で真似ようとすると、鉛筆とかクレヨンとかクレパスで描かなくてはいけない。自分の身体だけじゃ出来ない。ところが音に関しては、耳から入って来る音に関しては、我々は飛行機の音であろうが、豚の鳴き声であろうが、こういう叩く音であろうがですね、ほとんど真似することが出来る。 二足歩行と心の発生ですが、言葉の数が増える時期と心の発生がほぼ同時期、18カ月20カ月ぐらいですね。一人で歩けるようになると言葉の数が増える。言葉の数が増える時期、急激に増える時期は、心の発生と同期していると考えていいのではないか。私の仮説としては、大脳基底核の発達が、二足歩行と同時にイメージの発生、それがひいては心の発生と繋がると思うんですね。 言葉ですけど、これが有名な記号=記号表現+記号内容という表記です。これを今のですね、神経的な表現に使うと、こういう風になるんじゃないのかな。記号表現をいちおう音声にしておきますと、私が頭の中で、「机」とか言いますと、抑制を掛けているから音は出て行かない。机という音のイメージだけ頭の中に浮かぶ。そうして眼を閉じると、机という視覚像が頭の中に浮かぶ。実際に絵を作ろうとすると、まぶたを閉じないと出来ないですね。でイメージを作る。視覚イメージが記号内容となる。こんな形が、いわゆる記号表現と記号内容の神経的なモデルではないかと思います。 我々、生まれてきたときは感覚が独立していない、共感覚状態で生まれて来る。それを抑制機能の発達によって分離する。大脳基底核等の抑制機能の発達で、共感覚表象から感覚独立的表象になる。これが何故、重要かと言いますと、音声の神経的基盤と視覚イメージの神経的基盤が分かれている。聴覚と視覚が分かれるからこそ、初めて記号表現、記号内容、つまり言葉に対応したイメージを作ることが出来る。 月本洋氏 - 5 -
ここでは記号表現と記号内容が分離しているという前提でお話ししていますが、乳幼児では、分離されていない。そこが分離して、初めて言語的な表現になるわけです。分離されていないとき、指差しが出るんですね。指差しというのは、記号的な動作なんですけど、言語的な記号ではない。目の前にあるものしか差せない。これが分離することによって、目の前に無いものを記号内容に出来る。目の前に無いものを指し示すことが出来るようになるということは、同時に言語的になるということですね。記号表現、記号内容、両方とも目の前に無いもので構成される。そこで初めて、言語が発達する条件がそろう。ここでは記号表現と記号内容が分離しているという前提でお話ししていますが、乳幼児では、分離されていない。そこが分離して、初めて言語的な表現になるわけです。分離されていないとき、指差しが出るんですね。指差しというのは、記号的な動作なんですけど、言語的な記号ではない。目の前にあるものしか差せない。これが分離することによって、目の前に無いものを記号内容に出来る。目の前に無いものを指し示すことが出来るようになるということは、同時に言語的になるということですね。記号表現、記号内容、両方とも目の前に無いもので構成される。そこで初めて、言語が発達する条件がそろう。 教養講座 要旨 第11回教養講座:2011年5月21日 『睡眠の正常と異常 -臨床心理学からの理解と支援-』 松田 英子 (江戸川大学社会学部人間心理学科) 1.睡眠障害とメンタルヘルス問題日本人成人における睡眠の不調が深刻な状況にあるため、「不眠症」,「睡眠時無呼吸症候群」「(短時間睡眠による)睡眠負債」など、睡眠の不調に関わるキーワードがよく取り上げられている。つまり、満足な眠りを得られない人が増加している。これら睡眠の不調は単純に生産性の低下や事故などの社会的損失と関わるだけではなく,成人の精神的健康と密接に関連している。産業臨床の現場でも、睡眠障害とその他の精神症状を併発しているケースが多くみられ、特に精神障害による休職者が、復職する上でも睡眠の改善は大きな影響力を持つ重要な課題である。 思考というのは、対話の内化というか、そういう訓練をして一人で出来るようになる、という風に言えるのではないかと思います。音声イメージ、聴覚イメージが内部で作れるようになる。イメージが最後には心というものになる。言葉は音声の組み合わせであるが、その音声を現実には存在しないものを意味するように組み合わせることが出来る。その組み合わせにより、自分の内部に、外部の物理的世界とは別の世界が存在するような感じが生まれる。これが心の実感に繋がるんじゃないかと思います。 仮想的身体運動としての心なんですが、別の表現をすると、運動指令としての心なんですね。運動指令というと、神経的な知識を前提としないと出て来ないと思うんですが、心とは(身体)運動指令の「世界」。物とは身体運動の「世界」。デカルト以来、心理学としての哲学、心身二元論というのがありまして、物と心の乖離ですね、どういう風に調和しているのか?それは、そもそも別のものと設定するからですね。二元論を克服するのは難しいし、どういう風に調和しているのか分からないですけれども、そうじゃなくて、心とは(身体)運動指令の「世界」、物とは身体運動の「世界」と考えれば、これで完全に解消するわけではないですけれども、心身二元論を克服出来るのではないか。心と物の乖離、統合失調症なども、運動指令と運動が乖離している、ということで説明することが出来るのではないかと思います。 2.睡眠障害の種類と治療・支援法アメリカ精神医学会のDSM-Ⅳ-TRによれば、睡眠障害は、睡眠時間や睡眠のリズムそのものに問題がある睡眠異常と、睡眠中の行動や体の状態が異常になる睡眠時随伴症のカテゴリーに大別される。発達との関連性でそれぞれの具体的不調と好発時期を挙げると、睡眠異常には、不眠症(児童~高齢者)、過眠症(思春期~中高年)、ナルコレプシー(思春期~中高年)、呼吸関連睡眠障害(中高年)、概日リズム障害(児童~中高年)がある。一方、睡眠時随伴症には、悪夢障害(児童~中高年)、 睡眠時驚愕症(児童~思春期)、睡眠時遊行症(児童)、レム睡眠行動障害(中高年~高齢者)がある。これらの中でも発達とともに自然に問題が消失する、予後の良いもの以外は、薬物療法が主体となる。その中でも不眠症と悪夢に関しては、心理療法のうち、認知行動療法が有効であるというエビデンスが積み重ねられている。 - 6-
睡眠そのものの異常について、判断するポイントは(1)量の問題(短時間すぎる、長時間すぎる)、(2)質の問題(不眠、安眠感が得られない)、(3)位相の問題(朝型か夜型か)、夢の場合には、(1)量の問題(頻繁に想い出しすぎる)、(2)質の問題(内容が恐怖を喚起すぎる)である。夢想起がない状態、健常夢 、不安夢、悪夢と分類可能である。睡眠と夢のいずれも日中に影響が残らないこと、社会的機能の損傷がなければOKである。 (2)不眠改善のための効果研究日本人の4割~5割に不眠の傾向あるが、日本人は服薬への抵抗感強く、極端に医療機関受診率が低いため、非薬物療法(認知行動療法CBT)への期待が高まっている。不眠症の認知行動療法(CBT-I;i.e. Morin, 1993)はいくつかの非薬理学的介入の組み合わせ(①リラクセーション、②認知的再構成(特に入眠前の思考活動に着目)、③刺激統制(環境調整)、④睡眠制限、⑤睡眠に関する心理教育)から構成されている。 CBT-Iによる心理教育を用いた介入実験において、不眠得点の軽減に寄与することを確認した。 3.睡眠に関する臨床心理学研究(1)不眠についての調査研究職業人の職務ストレスと不眠、悪夢、抑うつとの関連について検討した結果、職務ストレスから抑うつへの直接的効果は、有意であるものの弱く、不眠、過眠、悪夢症状から成る睡眠の不調が、抑うつをよく予測するモデルが見出された。抑うつの予防には、ストレスそのものへの対処より、睡眠の改善が効果的な可能性がある。一方、不眠と抑うつは同時的に生じている可能性が考えられ、因果関係の分析にあたり、2波のパネル調査を行った。同時効果モデルで検証した結果、その結果不眠から抑うつの影響が見出された。成人においては、抑うつの予防のためにも不眠の改善が重要であることが示唆された。不眠症は将来のうつ病発症のリスクを高めることや、不眠症のみならず過眠や睡眠障害全般(過眠,悪夢)が自殺企図と関連しているという報告を支持している。 松田英子氏 4.悪夢に関する臨床心理学研究(1)悪夢、不眠を伴う社会不安障害支援の事例研究社会不安障害患者の不眠と悪夢症状に対し、リラクセーション、エクスポージャー、認知療法による認知行動遼による介入によって、主訴が解決された経過の報告を行った。(2)悪夢障害支援の事例研究悪夢障害患者の悪夢症状に対し、認知療法による介入によって、主訴が解決された経過の報告を行った。事例研究からも、不眠や悪夢は心理社会的ストレス,また抑うつや不安などの精神症状との関連性があり,不眠や悪夢の改善が日中の精神的健康を高める可能性がある。非薬物治療である認知行動療法の適用により不眠や悪夢の改善効果が見込める。 戸山キャンパス・第二研究棟・第5会議室 - 7 -
連絡先: 早稲田大学心理学会 〒162-8644 新宿区戸山1-24-1 早稲田大学文学部心理学教室内 電話 03-5286-3743 FAX 5286-3759 問合せ先:木村裕、石井康智 メール:waseda_shinri@yahoo.co.jp 担当:朝岡美好 会員寄稿 食べ物屋稲門会は大学公認の職域稲門会入りし、商議員も二名となった。現会長の安田氏と私である。百二十五周年募金委員も兼ねて、募金活動を楽しんだ。記念ボトル麦焼酎「杜へ」も生まれ、一万本完売し、利益金は全額寄附し、全国でも宮崎県校友会はトップクラスの評価に寄与したようだ。寄附する喜びは早大が教えてくれた。心理学科は中退しても、経営哲学、料理哲学はしっかりと活かされている。「いかにして集客するか」、「いかにして良き人間関係をつくるか」、「いかにして人を喜ばせるか」。私は心理学教室で沢山の友人に恵まれた。故人となった河野昭君、藤田善太郎君は畏友であった。私の知らない事をいろいろと教えてくれた。ワセダは永遠に私の心の故郷である。 ワセダは永遠に私の心の故郷 森 松平(1958年一文・心理入学) 私は「杉の子」という日本料理屋の主人である。早大には調理学部はないにもかかわらず、早大卒の料理屋さんは全国に結構あるから不思議な話である。私は昭和33年度第一文学部心理学科に入学した。四年生の夏、中退して板前修業の道に入った。後悔はしていないが、40歳代中頃まで「卒業するんだ」と復学の夢に悩まされた。私の下宿先は戸山町13番地で大学と至近距離にあった。水戸出身の柳内家に寄宿し、ここで初めて納豆の味を憶えた。昭和55年、私が「杉の子」を創業してから11年目、私の店に柳内のばあちゃんが訪ねてきて、「良かったね、自分の店が持てたんだから中退して良かったわ。卒業してたら、こんなになるとは限らないわよ」と私を励ましてくれた。これでやっと悪夢から解放されることになった。 2012年度・公開講演会・予告 来年度の公開講演会は2012年6月23日(土)15時~17時、小野記念講堂にて開催されます。 全国の食べ物屋さんに呼びかけ、平成12年に早大本部で「食べ物屋稲門会」を設立した。毎年全国各地で総会を開催し、情報交換、親睦を図っている。新宿「くらわんか」(安田校友)の折、講師の谷澤健一氏(元中日)が「早大野球部の集まりにおいて、自己紹介は卒業年次ではなく、必ず入学年次です」と語り、満場大爆笑となった。紆余曲折あって、私は昭和56年推選校友となり、卒業生名簿に記入されることとなった。 講師として、林春男 ・京都大学防災研究所 巨大災害センター教授 をお招きいたします。 奮って御参加ください。 林春男氏 林春男氏略歴 1951年東京生まれ。 1979年早稲田大学大学院博士課程修了 同年フルブライト留学生としてUCLAに留学 1983年同校から博士号(Ph.D)取得。 弘前大、広島大などを経て、1995年京都大学 ・防災研究所・巨大災害センター教授。 森松平氏 うしろに見えるのは、完成まぢかのカラスミ この頃は早大百周年記念募金の最中で、実行委員長の三木一郎先生と出会いがあり、後年、長男耕一郎(昭和62年、政治)の就職相談のご縁を持った。長女省子(平成元年、一文西洋史)も宮崎西高から進学し、無事卒業してくれて、有り難いと感謝している。小林源さん(昭和37年一文心理)は、昭和61年八月号早稲田学報「人・ひと・ヒト」の欄で、「あとは卒業を待つばかりである」と我が一家を紹介してくれた。入学以来の縁は今なお家族ぐるみで健在だ。 早稲田大学心理学会ホームページ http://www.waseda.jp/assoc-wpa/ -8 -