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文献紹介1

文献紹介1. 行動計量学研究分野 B4  植村菜穂子. 文献. Hyperactive and antisocial behaviors: Comorbid or two points in the same process? GERALD R.PATTERSON,DAVID S. DEGARMO,NANCY KNUTSON Oregon Social Learning Center, Eugene Development and Psychopathology, 12 (2000),91-106. 概要. 多動→反社会的行動→非行の早期発現 崩壊した親のしつけ

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文献紹介1

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Presentation Transcript


  1. 文献紹介1 行動計量学研究分野 B4 植村菜穂子

  2. 文献 • Hyperactive and antisocial behaviors:Comorbid or two points in the same process? • GERALD R.PATTERSON,DAVID S. DEGARMO,NANCY KNUTSON • Oregon Social Learning Center, Eugene • Development and Psychopathology, 12(2000),91-106

  3. 概要 • 多動→反社会的行動→非行の早期発現 • 崩壊した親のしつけ • 反社会的な親 • これらの関係をSEMで説明しよう!

  4. 選んだ理由 • SEMの勉強 • 女性犯罪には全く関係なし • データ:男子のみ • 犯罪心理的な内容でSEMを扱っている

  5. 観点 • 「多動」と「反社会的行動」は、非行が発展していく過程の中で、併存しているのか、それとも異なる2つの問題なのか? • 「多動」と「反社会的行動」は相関する • 共通のプロセス「崩壊した親のしつけ」を持つ • 反社会的な親を持つ多動児 • 反社会的な子どもになる可能性が高い • ○ 多動→反社会的行動→非行 × 多動→非行

  6. Sample • theOregon Youth Study(OYS) • 太平洋岸北西地域の中都市の高犯罪率地域に位置する学校から、第4学年の男子のいる206家族 • 90%が白人 • コミュニティの民族構成を反映 • ほとんどが下層階級、労働者階級 • 年収の中央値=$14,848 • 約3分の1の家族が公的な援助を受けている • 期間 • 子ども 10歳(1987)から22歳(1999)まで • 現在(2000)も続く • データを集める方法 • 自己報告、インタビュー、観察、公的な記録 など • 対象 • 少年、親、教師、インタビュア など

  7. 第4学年時 子どもの多動行動 子どもの反社会的行動 親のしつけ 親の反社会的行動 第4-9学年の各年 子どもの非行の自己報告 逮捕の裁判所記録 データ

  8. 観測変数と潜在変数 • 観測変数 • 研究者が測定用具を用いて直接測定した変数 • 潜在変数 • 直接観測することができない変数 • 複雑な現実社会を単純化して表現するために導入された構成概念 • 知能、性格、動機づけなど

  9. 因果関係とモデル(1) • 重回帰分析 • 原因:複数の観測変数 • 結果:1つの観測変数 因果関係 走行距離 相関 乗車年数 中古車 価格 誤差 変数 車検

  10. 因果関係とモデル(2) • パス解析 • 観測変数間の因果関係 • 重回帰分析の変形 • 観測変数の構造方程式 乗車年数 走行距離 価格 車検

  11. 因果関係とモデル(3) • 因子分析 • 原因:複数または1つの潜在変数 • 結果:複数の観測変数 • 2つの概念の測定方程式 ゲール語 英語 歴史 計算 代数 幾何 数学的能力 文科的能力

  12. 因果関係とモデル(4) • SEM(Structual Equation Modeling) • 共分散構造分析 • 構造方程式モデリング • 因子分析とパス解析の結合

  13. 用語 • 従属変数 • 少なくとも1つの矢印(パス)を受けている • 独立変数 • 矢印を全く受けていない • 誤差変数 • ある変数の値を予測したとき、予測しきれない変動成分をひとまとめにしたもの • 従属変数に必要なもの • e:観測変数に付随 • d:潜在変数に付随 • 直接観測できない潜在変数 • 構造変数 • モデルの中で積極的な意味をもつ潜在変数

  14. 用語 • 測定方程式 • 潜在変数から、観測変数である従属変数を予測する方程式 • (4)のBの部分 • 構造方程式 • 潜在変数である従属変数を予測する方程式 • (4)のAの部分 • 株式会社インタースコープ • http://www.interscope.co.jp/method/a03.html#top

  15. 潜在変数(構成概念) • 多動(2) • 子どもの反社会的行動(3) • 子どもの早期非行行動(2) • 崩壊した親のしつけ(3) • 親の反社会的行動(1) * 括弧内は指標の数

  16. 指標(indicator) • 漠然とした概念(潜在変数)に関連する要素 • たくさんある • どの指標を採用するかで、違った潜在変数が定義されることになる • 多重指標モデル(multiple indicator model) d e e e e

  17. 多動の指標 • 親の評価(父親、母親別々に→合計) • 教師の評価 • CBC-L(the Child Behavior Checklist) • 多動尺度 • 反社会性の項目は除く • 項目分析で5項目ずつ残る*項目分析・・・テストで測ろうとしている特性の個人差を識別する上で、項目が役に立つ程度(識別力)を分析する

  18. 親の尺度 じっと座っていられない 多くの注意を必要とする 衝動的 神経質 しゃべりすぎ 信頼性係数 父親α=.83 母親α=.73 教師の尺度 じっと座っていられない そわそわする 衝動的 考えなしにしゃべる しゃべりすぎ 信頼性係数 α=.85 多動の指標 *α係数・・・テストに含まれる項目の整合性が高いほど高くなる

  19. ADHD (補足) • attention-deficit hyperactivity disorder • 注意欠陥/多動性障害 • 注意障害 • 注意が持続できない、必要なものを無くす • 多動性 • 手足をそわそわ動かす、離席が多い、しゃべりすぎる • 衝動性 • 順番を待つことが苦手、質問が終わらないうちに答えてしまう • これらの症状が少なくとも6ヶ月以上続き、集団や家庭内において不適応を起こし、周りも本人も困り、生活上何らかのサポートが必要な場合 • 専門医によって診断されるもの

  20. 子どもの反社会的行動の指標 • 友人による指名形式の質問 • 子どもにインタビューしたインタビュアーの印象 • 家庭観察時に観察された嫌悪行動(TAB)

  21. 1 • 9つの質問 • 「乱暴に遊ぶ子」「よくけんかをしている子」「学校で問題を起こす子」など • 友人に指名された頻度を数え、クラスの全人数で割る • 指標 • それらの9つの割合の平均 • α=.88

  22. 2 • 「この子どもは法律に触れるトラブルを引き起こすと感じさせたか」 • 「まさにそう思う」から「全くそう思わない」までの5点尺度

  23. 3 • 家庭観察 • 家で各約1時間の3セッション • TAB(total aversive behaviors) • 無視、いじめ、拒絶、反抗、叩く、蹴る、ネガティヴな命令 など • 3時間の観察時間内で観察されたTABの合計 • FPC(the Family Process Code)を用いて記録 • 評定者間の信頼性 • ICC(級内相関係数)=.86

  24. 子どもの早期非行行動の指標 • 非行行動の自己報告 • Elliott(1983)らによって開発された尺度 • 4-9年生の間に集められたもの • 信頼性係数α= .85 , .82 , .86 , .89 , .91 , .85 • 逮捕の裁判所記録 • 14歳以前に犯した犯罪の全件数

  25. 崩壊した親のしつけの指標 • Nattering,激情的なしつけ、観察者の印象 • 家庭観察の3時間 • 父親、母親のスコアを平均 • Nattering • FPC(the Family Process Code)を用いて記録 • 親が子どものTABに反応する確率 • ICC 母親=.81、父親=.71

  26. 崩壊した親のしつけの指標 • 激情的なしつけ • FPCを用いて記録 • 振幅の高い行動(叩くなど)の頻度 • ICC 母親=.84、父親=.71 • 観察者の印象 • 親のしつけを評価する12項目 • 一貫性、効果、厳しさ など • 信頼性係数α • 母親=.86 、父親=.84

  27. 親の反社会的行動の指標 • 違法行為 • 自動車局、犯罪逮捕記録から • 逮捕と免停の回数の合計 • 0,1,2,3(あるいはそれ以上) • 個人特性 • MMPI(ミネソタ多面的人格特性目録検査) • 軽躁尺度、精神病質的偏奇尺度 • どちらかでスコア70以上→1 • どちらともスコア70以上→2 • どちらともスコア70未満→0

  28. 親の反社会的行動の指標 • 薬物・アルコール使用 • 自分の薬物・アルコール使用を評価する質問4項目の合計 • 最初の子どもを出産したときの年齢 • 母親のみ • これら4つを合わせて親の反社会的行動の指標とする

  29. SEMの計算原理 • Table A . 1 • 以上の11の指標の相関係数 • モデルから導かれる共分散の理論式が、データから算出された共分散(相関係数)にできるだけ適合するようなパラメータの値を求める

  30. Modeling • 仮説 (a)「多動」から「子どもの反社会的行動」への有意なパスが存在する (b)「多動」から「子どもの反社会的行動」へのパスは、「崩壊した親のしつけ」がモデルに取り入れられたときに非有意になる (c)「親の反社会的行動」から「子どもの反社会的行動」へのパスは有意だが、「多動」へのパスは有意ではない (d)「子どもの反社会的行動」が取り入れられたとき、「多動」から「子どもの早期非行行動」へのパスは非有意になる

  31. (a)のモデル d2 友人の指名 λ11 e3 教師の 評価 e1 反社会的 行動 多動 印象 e4 γ21 親の評価 e2 観察 e5

  32. 方程式 • 教師の評価 = 多動×λ11+e1 • 測定方程式 • 観測変数である従属変数の方程式 • 反社会的行動= 多動×γ21+d2 • 構造方程式 • 潜在変数である従属変数の方程式 • 方程式の数=従属変数の数

  33. 分散・共分散 • Var(反社会的行動)=φ1 • Var(d2)=ψ2 • Var(ej)=θj(j=1,・・・,5) • 共分散:なし • 独立変数に分散・共分散を設定する

  34. 独立変数間の共分散 • 独立変数 • 誤差変数:e,d • 独立観測変数・構造変数 • 「誤差変数」と「独立観測変数・構造変数」との間に共分散を設定することはない* • 特別な理由がない限り、誤差変数の間には共分散を設定しない • 特別な理由がない限り、独立観測変数・構造変数の間には共分散を設定しない           * ごく例外的な場合を除く

  35. 計算原理 • モデルに現れる全ての変数(観測変数と潜在変数)の分散・共分散 • パス係数と独立変数の分散・共分散で表すことができる • 共分散構造 • 観測変数の間の分散・共分散をパラメータ(パス係数と独立変数の分散・共分散)の関数で表したもの • モデルから導かれる共分散構造が、データから算出された相関係数にできるだけ適合するようなパラメータの値を求める • 共分散構造モデルで推定すべきパラメータ • パス係数 • 独立変数の分散・共分散

  36. 計算原理 • 最小2乗法 • 最尤法 • 一般的

  37. 識別性 • 識別されないモデル • 解(最適なパラメータの値)が複数通り存在する • 分析できない • モデルが識別されるための必要条件 • 未知パラメータの数 ≦(変数の数)×(変数の数+1)/2 • 右辺 = 観測変数の分散・共分散の数 • 十分条件ではない • これを満たしても識別されないモデルは存在する • どのようなモデルが識別されるかを容易に判別する方法はまだ明らかにされていない

  38. 仮説(a) • 「多動」から「子どもの反社会的行動」への有意なパスが存在する ↓ • 「多動」が「子どもの反社会的行動」の変動を説明する • 先行研究(Barkley,1993) • ADHDと診断された思春期の少年の50%が行為障害と診断された* 行為障害他人の基本的人権や、年齢相応の社会的規範または規則を侵害するような行動を繰り返すもの。その行為の内容が反社会的で攻撃的、反抗的なもの。 • 先行研究(Taylor,1996) • 7歳で多動の子どもは、17歳での反社会的行動と関係がある • 7歳での反社会的行動は、後の多動とは関係しない

  39. 結果(a) • Figure1. • パス係数.54 • 「多動」は「反社会的行動」を有意に説明する • 検証的因子分析より • データは1因子モデルに適合していない • χ2=19.22,p=.001 • 2因子モデルの適合はボーダーライン • χ2=4.3,p=.04 • 適合の改良(the improvement in fit)はそれ自体非常に有意(p<.001) • 適合度指標 • データがモデルと十分に適合している

  40. 適合度指標 • モデルがデータと適合しているかどうか • カイ2乗検定 • RMSEA • GFI • AGFI • CFI • (AIC,CAIC・・・相対的判断)

  41. 適合度指標 • カイ2乗検定 • 「モデルが真である」という帰無仮説を検定 • 標本が特に大きいときは参考にできない • 標本が大きくなれば帰無仮説が棄却されるので • 標本サイズnが数百程度 • CFI(comparative fit index) • n=500前後以上 • 1.0に近いほど適合性の良いモデル • 0.90が目安

  42. 仮説(b) • 「多動」から「子どもの反社会的行動」へのパスは、「崩壊した親のしつけ」がモデルに取り入れられたときに非有意になる • 先行研究(Fagot,1998)  子どもが社会的スキルを学ぶとき、親が援助しない →子どもは社会的発達遅滞 →「多動」と診断される危険性が高い →学校での落第、友人からの拒絶 →反社会的行動

  43. 結果(b) • Figure2. • 「崩壊した親のしつけ」を(a)に導入 • 「多動」→「反社会的行動」のパス係数.54から.06(非有意)になった • 適合度指標から適合度は良い • 「多動」と「反社会的行動」の変動を説明する共通の変数は「崩壊した親のしつけ」である

  44. 仮説(c) • 「親の反社会的行動」から「子どもの反社会的行動」へのパスは有意だが、「多動」へのパスは有意ではない • 多動の子ども+反社会的な親 • 子どもの反社会的行動(盗み、けんか、脅迫、爆発性など)を許したり、積極的に支持したりする • 子どもは反社会的になる • 多動の子ども+反社会的でない親 • 子どもの反社会的行動を許さない • 子どもは他動のみを示す

  45. 結果(c) • Figure3. • 「反社会的な親」から「子どもの反社会的行動」へのパス係数.31は有意 • 「反社会的な親」から「多動」へのパス係数.19は非有意

  46. 仮説(d) • 「子どもの反社会的行動」が取り入れられたとき、「多動」から「子どもの早期非行行動」へのパスは非有意になる 1.「多動」→「早期非行行動」は有意 2.「多動」→「反社会的行動」→「早期非行行動」は有意「多動」→「早期非行行動」は非有意

  47. 結果(d) • Figure4. • 「多動」から「早期非行」へのパス係数.69は有意 • Figure5. • 「反社会的行動」を導入 • 上記のパス係数.03は非有意 • 「反社会的行動」から「早期非行」へのパス係数.86は有意 • 適合度は良い

  48. 結果(d)の補足 • 多動→反社会的行動→早期(14歳以前)に逮捕される • という一連の進行過程のデータを検討 • OYSデータの4分の1の少年が早期に逮捕 • 早期に逮捕された少年の89% • 以前反社会的として知られていた • 反社会的少年の87% • 多動児として診断されていた

  49. Discussion • 結果から言えること • 多動→反社会的行動→非行 • 反社会的な少年のほとんどあるいは全ては、少なくともある程度の多動を示す • 多動少年の半分は反社会的にはならない • 崩壊したしつけが多動と反社会的行動の関係を説明する

  50. 続き • 仮説(c)=親の反社会的な行動が、多動児から反社会的子どもになるのは誰かということに影響する変数である • 結果はこの仮説を控えめに支持 • より強力な変数を探す必要がある(例) 反社会的な行動の強化

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