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日本人とヨーロッパ人における炎症性腸疾患の発症リスク

【 背景 】 『 炎症性腸疾患 (inflammatory bowel disease)』 とは、 『 複数の遺伝要因 』 と 『 環境要因 』 が相互に関わり合って発症する 『 多因子疾患 』 の 1 つである。消化器官において炎症や潰瘍が起こり、再発と再燃を繰り返し慢性の経過をとる。発症年齢が 10 代から 30 代と若年性であり、遺伝性が高い疾患である。消化器官全体において症状がみられる 『 クローン病 (Crohn’s disease)』 と大腸に限局してみられる 『 潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis)』 に分けられる。 【 結果 】 【 まとめ 】

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日本人とヨーロッパ人における炎症性腸疾患の発症リスク

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Presentation Transcript


  1. 【背景】 『炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease)』とは、『複数の遺伝要因』と『環境要因』が相互に関わり合って発症する『多因子疾患』の1つである。消化器官において炎症や潰瘍が起こり、再発と再燃を繰り返し慢性の経過をとる。発症年齢が10代から30代と若年性であり、遺伝性が高い疾患である。消化器官全体において症状がみられる『クローン病(Crohn’s disease)』と大腸に限局してみられる『潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)』に分けられる。 【結果】 【まとめ】 ヨーロッパ人においてクローン病との関連性が強く支持されている遺伝子座の多くは、日本人において 疾患との関連性はみられなかった。これは、地域によって疾患アレルの発症リスクが異なることを示し ている。また、TNFSF15の疾患アレルは、クローン病と潰瘍性大腸炎で遺伝子型リスクが異なることから、 疾患アレルの発症リスクは、その他の遺伝要因及び環境要因によって決まっていると考えられる 【参考文献】 Nakagome et al. (2010) Ann Hum Genet 74(2): 126-136 GG GA AA G orA 一塩基多型 (Single Nucleotide Polymorphism; SNP) 【日本人における炎症性腸疾患】 【ヨーロッパ人における炎症性腸疾患】 クローン病 クローン病 潰瘍性大腸炎 潰瘍性大腸炎 0.88 / 100,000(1985) 100 – 250 / 100,000 【発症率】 6.31 / 100,000 (1985) 患者集団 健常者集団 【発症率】 80 – 100 / 100,000 30個以上の原因候補遺伝子 10個の原因候補遺伝子 G 4 10 5.85 / 100,000(2006) (合計2万4千人) 18.12 / 100,000 (2006) (合計7万7千人) 遺伝要因 16 10 A 遺伝要因 いくつかの遺伝子(IL23R、NKX2-3、MST1)は クローン病と潰瘍性大腸炎の両方に関係する ヨーロッパ人において同定された原因候補遺伝子に着目し、日本人における疾患との関連性が調べられてきた ●IL23R:IL17の産生を誘導し、粘膜における炎症を促進する ●NKX2-3 :腸間膜のリンパ節においてT細胞やB細胞の局在に関係        するホメオボックス転写因子 ●MST1:腹膜に常在するマクロファージの貪食作用に関係するタンパク       質をコードしている 【標的遺伝子座】 NOD2, IL23R, ATG16L1, SLC22A4, SLC22A5, DLG5, 5p13.1, MST1, IL12B, IRGM, 10q21, NKX2-3, PTPN2, TNFSF15 11個の遺伝子座では、日本人において疾患との関連性がみられない 日本人とヨーロッパ人では 遺伝要因が異なる可能性が高い 免疫機能の異常 腸内細菌叢 環境要因 • 【標的遺伝子とSNPサイト】 • (アミノ酸置換 or 塩基置換) • NOD2 (Arg > Trp) • NOD2(Gly > Arg) • NOD2 (Del > In) • IL23R (Arg >Gly) • ATG16L1 (Thr > Ala) • TNFSF15 (G > A) • SLC22A4 (Leu > Phe) • IRGM (C > T) • 10q21 (A > G) 【 2×2の分割表】 日本人とヨーロッパ人における炎症性腸疾患の発症リスク 患者集団 健常者集団 Χ2検定により、アレル(G or A)と疾患の 関連性を統計学的に検証する NOD2 (Gly > Arg) NOD2 (Deletion > Insertion) 北部九州地方の日本人集団 (380個体) クローン病(CD):130個体 潰瘍性大腸炎(UC):82個体 コントロール(Control):168個体 【modified Genotype Relative Risk (mGRR) test】 IL23R (Arg > Gly) ATG16L1 (Thr > Ala) TNFSF15 (G > A) NOD2 (Arg > Trp) p < 0.05 非疾患アレルの頻度 p < 0.05 疾患アレルの頻度 SLC22A4 (Leu > Phe) IRGM (C > T) 10q21 (A > G) 中込 滋樹   数理・推論研究系 特任研究員 Likelihood ratio test mGRR (GA, GG) UC CD 1.000, 1.679 3.604, 4.310 - , - - , - 1.310, 1.310 3.580, 3.580 - , 1.679 - , 1.000 1.000, 2.000 3.383, 6.766 Hondo Kyushu-Okinawa

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