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個体群数理チーム. チームリーダー 岩田 繁英. 個体群数理の目的. ・自然界 - 複雑、未知の現象が多い 現象の解明 観測、数理モデル等 保全活動、政策に応用 (!?). ・現象の解明、推測 ・保全活動、政策への提言. 個体群数理. アドリア海のサメと魚の関係 ⇒ ロトカ・ボルテラ方程式で個体数変動を記述 第一次世界大戦前 サメとその他の魚 他の魚は漁業により捕獲される. ↓
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個体群数理チーム チームリーダー 岩田 繁英
個体群数理の目的 ・自然界 - 複雑、未知の現象が多い 現象の解明 観測、数理モデル等 保全活動、政策に応用(!?) ・現象の解明、推測 ・保全活動、政策への提言
個体群数理 • アドリア海のサメと魚の関係 ⇒ロトカ・ボルテラ方程式で個体数変動を記述 第一次世界大戦前 サメとその他の魚 他の魚は漁業により捕獲される. ↓ 第一次世界大戦 危険なので漁業は一時休業 ↓ 第一次世界大戦後 漁業の再開 しかし、 大戦前に比較して漁獲量は激減 漁獲はやめているのに漁獲量 が減少しているのは何故??
Lotka-Volterra方程式 個体群動態を記述したモデル: 捕食 Y X 被食者 捕食者 X: 捕食者の個体群密度 Y: 被食者の個体群密度 a:捕食者の死亡率 b:変換係数(捕食者が捕食した被食者の頭数から捕食者の繁殖効率への変換効率) c:繁殖率 d:捕食係数(単位捕食者あたりが食べる被食者の量) 他の魚(被食者)の激減を定性的に説明
個体群動態は定性的な挙動を推測する上で重要個体群動態は定性的な挙動を推測する上で重要 個体群動態の推測の過程 ⇒ 未知の現象の発見 知られている現象、事実 ⇒ 個体群動態の予測 →面白い(!?)個体群動態 → 〃 現象 →政策に対する科学的提言 現象の説明としても活用できる 個体群数理チームのMOSEでの目的 ・知られている現象から面白い個体群動態、現象を発見する. ・数理モデルを使わなければわからない事象の発見.
一方で、 生物個体は常に同じ性質を持つとは限らない 例) ・植物の葉が植食者の捕食圧により翌年の 葉は硬くなり植食されにくくなる. (タンニン等の防御物質が増加するという報告もある.) ・微生物等生涯が短く、遺伝子の交配が頻繁に行われる場合は形質が頻繁に変化する場合もありうる. つまり、個体群動態もそれに応じて変化していく!!
本チームの対象の候補(チームのメンバーによる.)本チームの対象の候補(チームのメンバーによる.) ⇒・植物 ・魚群と漁業 遺伝的、生理的に何らかのきっか けで変化が起こるような生物種
現象(MOSEで考えるもののリスト) ・ 魚群の問題 ・ エンドファイト感染の問題 チームが決まった段階でチーム全員と相談 して決める予定.
魚群の問題 (1) 持続可能な漁業の必要性 ⇒ どのような漁獲をする? 個体群動態を数理モデルで記述し、持続可能な 漁業をするにはどうすればいいかを検証. 漁業 捕獲 漁業による魚群の性質に対する影響は??
魚群の問題 (2) 事実: 漁獲量の規制は主に観測された個体群動態に基づいて行われている. 漁獲のする体サイズの大きさによって個体群の性質が“急速”に変化することが報告された. Ecology Letter, 2006,9:142-148 観測地点:The east coast of NorthAmerica 対象魚:Menidia menidia (Atlantic Silversides 大西洋ギンザケ)
捕ってきた個体群 ③ ① ② 体サイズの小さい個体 サイズを考えずにランダムに選んだ個体 体サイズの大きい個体 魚群の問題 (3) 実験内容 1.4世代にわたって個体群を採取して取ってくる 2.その中から3つのタイプの個体を人為的に採取、取り除く 注意:Atlantic Silversidesは一年魚であるために一年で世代交代が起こる.
① ② ③ ① ① ① ① ① ① ② ② ② ② ② ② ③ ③ ③ ③ ③ ③ 魚群の問題 (4) ① ② ③ (a) 卵のサイズ (e) 成長効率(餌は十分存在する状況) (b) 卵を産むときの体の大きさ (f) 成長効率(餌が限られている状況) (c) 産卵後10日後の生存率 (g) 脊椎の数 (d) 消費率(餌の捕食率) (h) 襲撃に対する反応時間
魚群の問題 (5) つまり、 漁業によって大きい魚ばかり捕る ⇒ 最終的に遺伝的な形質変換が起こり小さい魚 が残る.残った魚は非常に(生理学的に)弱いものばかり. 目的 このような状況を踏まえ.持続可能な漁業となる漁獲方法は存在するのか??
エンドファイト感染の問題(1) 家畜と牧草の個体群動態を数理モデルで表現. 家畜と牧草の共存について考える. 捕食
エンドファイト感染の問題(2) 牧草と共生しているエンドファイトの病気と家畜への害 エンドファイトの病気 エンドファイトとは 植物体内で共生的に生活している真菌や細菌 広義:根粒菌や菌根菌も含まれる エンドファイト 感染した牧草は繁殖率や耐病性が上昇する 牧草 麦角アルカロイドおよびロリトレム等動物にとって毒となる物質を生成する 感染した牧草 出展:農業・食品産業技術総合研究機構HP http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/poisoning/index.html
エンドファイト感染の問題(3) 問題 感染した牧草と牧草,牛の持続 的な共存はありうるのだろうか? この問題に対して何らかの答えを出したい
エンドファイト感染の問題(4) エンドファイト感染問題の重要な点 理論的な観点から ・エンドファイト感染があることで3種の共存がありうるのであろうか? →植物と家畜の共存がエンドファイト感染を通じて促進するか? 応用(畜産関係者の立場から) ・家畜の死亡をできるだけ抑えたい ・食料となる牧草の成長率,繁殖率は高いものであってほしい エンドファイト感染を起こした植物に対する政策の提言 (感染した牧草を刈りとるか,残すか??)
MOSEで個体群数理チームで 取り上げる予定のテーマ というわけで 候補1:体サイズの大きい魚を漁獲すれば残る世代の 生理的特徴の質は減じることになる. →持続可能な漁業を行うにはどうすればよい? 候補2:エンドファイト感染している牧草の成長率は高い 一方でそれらを食べた家畜は中毒を引き起こ す可能性がある. →牧草と家畜が共存するためにはどのような政策 を行えばよい?