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筑波大学社会経済特別講義 アフリカ経済発展の諸問題 2004 年秋 第 7 講: 食糧不足と食糧援助. 山野 峰 (国際開発高等教育機構・政策研究大学院大学). Contents. 食糧不足の原因としての紛争 貧しい人を援助を届ける方法 研究例 : Jayne, Strauss, Yamano, and Molla, “Targeting of food aid in rural Ethiopia: chronic need or inertia?” Journal of Development Economics, vol. 68:247-288
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筑波大学社会経済特別講義アフリカ経済発展の諸問題2004年秋第7講: 食糧不足と食糧援助筑波大学社会経済特別講義アフリカ経済発展の諸問題2004年秋第7講: 食糧不足と食糧援助 山野 峰 (国際開発高等教育機構・政策研究大学院大学)
Contents • 食糧不足の原因としての紛争 • 貧しい人を援助を届ける方法 • 研究例: Jayne, Strauss, Yamano, and Molla, “Targeting of food aid in rural Ethiopia: chronic need or inertia?” Journal of Development Economics, vol. 68:247-288 “Giving to the poor: targeting of food aid in rural Ethiopia,” World Development, vol.29: 887-910.
紛争と食糧不足 • アフリカで起きているほとんどの食糧不足は紛争のもとで起きている • 紛争がなければ、援助システムは食糧不足を未然に防ぐか規模を縮小できる(例、2001-2003年に南部アフリカで起こった食糧危機;モザンビークで2001年に起こった洪水による被害) • よって、紛争を未然に防ぎ解決することが食糧不足を未然に防ぐために重要である
援助を必要としている人を選ぶ難しさ • J.S. ミル は効果的な援助システムを構築する難しさについて、その難しさは “必要とされている最大の援助を、援助への依頼を最小限にとどめながら行なうことだ”といった “one of giving the greatest amount of needful help with the smallest amount of undue reliance on it.” • 必要としている人を選ぶことは、政府の予算が少なくなっているなかで、重要性を増している • 三つの要素:管理コスト、インセンティブ効果、政治経済
最適なターゲッティング Final income Net Transfer The marginal tax rate Poverty line Tax tax z y z 0 Original income (y) Aid (z - y) aid -z Original income (y) しかし、労働意欲を減少させてしまう
A uniform Transfer Final income (y+z) Net Transfer (z) tax z y 0 Original income (y) aid z -z z Original income (y)
管理コスト • 援助を必要としている人を選び、適正な援助額を与えることは難しく、費用がかかる R: プログラム予算 A: 管理コスト NP: 援助を必要としていない人への流出 P: 援助を必要とする人への援助 R = A + NP + P >> Targeting: F = P / (P + NP) 予算に占める管理コストの割合 C = A / (A + NP + P) Targeting is not free!! C F 0 1
インセンティブ(経済意欲)に関する問題: 援助を受け取れる事が、インセンティブに影響を与えるインセンティブ(経済意欲)に関する問題: 援助を受け取れる事が、インセンティブに影響を与える • 指標を使ったターゲッティング: 援助の必要性を詳しく知ることはコストがかかりすぎる。そこで、多くのプログラムではいくつかの指標を用いている。例えば、家族員数、土地所有量、資産の規模。 • あるいは、地域も指標となりうる。
セルフ・ターゲッティング • 公共へ労働者として参加し、食糧援助を賃金として受け取る。 • 公共事業への参加には選択効果と除外効果 • 選択効果: 事業への参加を強制することで、機会費用の大きな貧しくない人たちは参加する意欲をなくすので、援助が必要な人を選択することができる。 • 投資促進効果: 事業への参加を強制することで、ある技術の習得を促すことができる • 食糧援助を賃金として配布: 食糧などの物資で配布することで、粗悪な食糧を必要としない人たちの参加を鈍らせることができる
食料援助: 南部アフリカでの食糧危機 • USAID(アメリカの開発援助庁)は2002年から2003年の間に、南部アフリカ6カ国に住む1千4百万人が食料援助を必要とするだろうと警告した。 • この食糧危機は南部アフリカに蔓延しているエイズによって悪化したと考えられている。 • See handouts. • Some evidence in next slides.
南部アフリカにおける一人当たり穀物の生産量 (Mt / person) in 1997-2003
一人当たり食料生産量と援助の合計 in 2000-2003
南部アフリカでの食糧危機: 結果 • USAIDやその他の援助機関が警告したほどの食糧不足は起こらなかった。 • これは、援助が成功したと考えられる (紛争さえなければここまで出来るという好例となった) • しかし、どれほど援助が必要であったかは不明 • はたして、エイズがどれだけ食糧危機を悪化させたのかも明らかでない
研究結果Targeting the poor in rural Ethiopia • 食料援助はどれだけ良く貧しい人に届けられているか? • 地域によるターゲッティングと家計に対するターゲッティング: シミュレーション結果
食料援助のターゲッティング • 食料援助と所得(地域レベルと家計レベル)の間には弱い関係しかない • 公共事業への参加(Food for Work)に比べ、無償援助(Free Distribution)はよりよく貧しい人に届けられている。 • 過去に食料援助を受け取ったことが、現在の援助の受け取りに影響を与える: 慢性的な貧困かシステムの慣性か? • どうターゲッティングすればいいか?
シミュレーション: 様々なターゲッティング方法シミュレーション: 様々なターゲッティング方法
地域レベル vs. 家計レベルでのターゲッティング • 地域レベルのターゲッティング: • ターゲッティングの費用が低くすむ • しかし、エラーも大きい • 地域と家計レベルのターゲッティングの両方をあわせた方法が効果的であろう