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「誤解だらけのメディア情報」. 毎日新聞の小島正美 2013年2月1日 保物セミナー. 「メディアのメディア」が必要. ◎記事、ニュースがどこまで的確かをどうやって判断するか。 ◎間違い、バイアスを知りたいが、それを知る方法がない ◎専門家なら、だまされないか。 ◎記者たちは情報不足の中でも、記事、ニュースを発信する。. 12年前の私は情報不足!. 遺伝子組み換えの真実. ◎私を変えたのは「事実」。批判、非難には屈しなかったが、事実には屈した。 ◎世界中で増えているのはなぜか。 ・農薬の節約、土壌の流失防止、増収、省力
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「誤解だらけのメディア情報」 毎日新聞の小島正美 2013年2月1日 保物セミナー
「メディアのメディア」が必要 ◎記事、ニュースがどこまで的確かをどうやって判断するか。 ◎間違い、バイアスを知りたいが、それを知る方法がない ◎専門家なら、だまされないか。 ◎記者たちは情報不足の中でも、記事、ニュースを発信する。
遺伝子組み換えの真実 ◎私を変えたのは「事実」。批判、非難には屈しなかったが、事実には屈した。 ◎世界中で増えているのはなぜか。 ・農薬の節約、土壌の流失防止、増収、省力 ・BTコーンは無農薬、ウサギなど増加、飲み水の農薬汚染が減少、つまり「環境によい」 ◎世界の企業は将来を見ている。アフリカ、南米は特に有望
的確かどうかの判断は? ◎記事の趣旨「事故から2~3カ月、がれきの足下が高線量だったのに、手足被ばくを測定していなかったのは問題」 ◎東京電力は「胸部の測定で線量管理できていた」と反論。 ◎専門家は疑問視と書くが、安斎育郎・立命館大学名誉教授ひとり。「末端部の線量を推計する必要あり。がん発症時との因果関係解明にも」
記事へのコメント ◎「不均等被ばく」と「ベータ線被ばく」を混同、サイエンスから見て、客観的ではない ◎高線量の作業現場で重要なのは実効線量限度(100・5年、50・1年)。等価線量限度(皮膚なら500ms・年)の局所被ばく測定がなかったからといって非人道的とは思えない。局所測定が困難なら、計算で推計すると放射線障害防止法にもある ◎ベータ線がガンマ線より危険、もおかしい
一面トップは正しいか? ◎一面トップ記事でも、第三者のコメントを聞くと、どれくらい正確かが分かる ◎一般の読者は、その記事が専門家の支持をどれくらい得ているかが分からない ◎他社の記者も、追いかける価値があるかの判断すら分からない ■翌日に、コメントがすぐに読めたら、どんなにすばらしいか。
この指摘はどこまで正しいか? ◎「県の健康管理調査は不十分。親が診断記録にアクセスする権利を否定されている ■一方的な記者会見の内容を報道されても、どこまで信じてよいか分からない。他者の視点、批評が必要
シロクマは絶滅するか? ◎縄文時代、中世温暖期(1000年前後)はいまより、もっと暖かかった。当時、工業はなく、化石燃料を使っていない。原因は何か? ◎学生に聞くと、CO2しか浮かばない ◎これは日頃のマスコミのバイアスのせい ◎過去の歴史を見て、温暖化の最大の要因は何か?
いま太陽活動は 《常田(つねた)佐久(さく)・国立天文台教授》 ◎太陽活動のデータを送る「ひので」の情報を見ていて、2008年に「変だ、おかしい」 ◎太陽は元気だと黒点が多い。不活発だと少ない。増えるはずが、黒点がほとんど出現せず。黒点が少なかった1645年~1715年(マウンダー極小期)に似ている。テムズ川が結氷していた。宇宙線が関係?
新潟県の広告9月29日(2012年、毎日新聞)新潟県の広告9月29日(2012年、毎日新聞) ◎明治時代の銃猟と昭和の高度経済成長時代・・・
河田氏のコメント ◎教授は「やせる」とは言っていない」「太った人がトマトを食べたら、中性脂肪が減るということを証明したわけではない」「人の効果を言うには、人での臨床試験を重ねることが必要 ■報道=朝日「マウスでの量は人なら1日600㍉㍑のトマトジュース」。毎日「トマトなど新鮮な野菜を食べるのが基本」。日経「人に即あてはまるわけではない」
エビデンスとおもしろさは反比例 ■マウスの実験、個人的な体験話は、おもしろく報道できる ◎エビデンスが高くなるほど、ニュースとしてのおもしろさ、共感、感動は少なくなる ◎体験話、学会段階の発表のほうが、ニュースとしてはおもしろい。ネズミの実験で何々が、がんに効く、は記事になる。科学的な論文を待っていたら、記事として書けるかどうか未知 ■その結果、読者へはジャンク情報が多く届く
記者の農業観は異常? ◎脱サラの若者が目指す農業 ・農業は自己実現。原発や化石燃料に頼らない生き方をしたい。収穫量は二の次。 ・化学肥料、農薬を使わない太陽光、バイオマスなど自然の恵みを生かした農園 ・みなで協力して、収穫を喜び、不作の時は悲しむ活気ある農業 (不作でも悲しむという喜びの農業!
ICRPの勧告の変遷 ◎1977年、1000㍉Svで2・5%のがん増加。同じ1000㍉でもじわじわ被ばくは1・25%。つまり、線量・線量率効果係数は2倍。公衆被ばく限度は年5㍉Sとした。90年勧告で1㍉Svと厳しくした。 ■ 1977年の1000㍉で1・25%から、90年勧告では10%と7倍近くも厳しくしてきたのが歴史的事実。
2012年最悪の記事 ◎「ICRPは、原発推進団体から低線量被ばくのリスク基準の設定を求められ、科学的根拠に乏しい基準を定めていたことを内部関係者の証言で暴いた」 ◎「再稼働を意識した動き」とまるで原発推進のための抗議に見える?
素人専門家もだまされた ◎西尾正道氏(北海道がんセンター院長)は本で「低線量のリスクに科学的根拠はなかったのに、ICRPの判断で決めた」とNHKが放送した。「これがICRPの実態だ」。これに原子力学会が抗議した。「真実を報道すれば、圧力がかかる。これでは真実は国民に伝わらない」と書いた。 ■反原発、低線量危険派には、誤った報道でも高く評価される。
環境哲学の先生は? ◎「原子力ムラのNHKへのあからさまな圧力である。電気事業連合会は、事実関係の誤認という名目の「抗議書」を送り続ける戦略をとってきた。NHKへの抗議もその延長線上のものだ」(岩佐茂・一橋大名誉教授ら) ◎マスコミの間違いを指摘することが、なぜ、圧力と映るのか? 反原発は絶対に正しいというイデオロギー論争か。反原発記事は間違っても支援してくれる人たちがいる!
BSEと似たICRP? ◎「まさか牛が自分たちの内蔵などを処理した肉骨粉を食べていたとは?」。消費者、記者は生産現場を知って驚いた。 ◎そこに、メディアが切りこみ、不自然なえさを食べていたと糾弾。 ◎肉が安全という神話が崩れる ■ふだん、生産現場が見えないと驚きは大きい。ICRPは遠い存在。なじみがないと原発推進団体というだけで信じる・・・。
あるある大辞典と相似? ◎科学的な根拠もないのに、納豆でやせる? ◎制作者の「意図、思いこみ」で「勝手にストーリー」をつくって、納豆でダイエットあり ◎まともな科学者は見向きもしない論文を捜して、制作者の意図に合えば、放映。 ◎大なり小なり、あるある大辞典的手法の健康番組はあとを絶たない。 ◎あるあるは制作者の倫理にもとる行為と非難された。ならば、NHKはどうか?
NHK番組の本質は? ◎このドキュメントは、一方から高く評価され、もう一方から間違いだと抗議を受けた ◎評価したのも、抗議したのも、専門家 ◎間違っても、援護射撃されたので、HNKの記者たちは良心の呵責が軽くなったはず ◎もし、ICRP委員の抗議がなかったら、NHKの記者たちはまた同じ番組をつくったかも! ■抗議、訂正がいかに大事か
NHKは特異か? ◎大なり小なり、どのニュースも、記者の主観バイアスあり。今回のNHKは特にひどかっただけ。 ◎悪意なし。自身の信念、正義感に基づき、反原発派に応え、世論を変えようとした。どの記者も大なり小なり、この意識でニュースをつくる。どのニュースも小さなバイアスの集まり。 ◎だから、評価する学者が現れる。
ドキュメントは見立てに基づく物語 ≪記事と検察の誘導調書は同じ構図≫ ◎最高検察の改ざん報告書を見て、幹部「検事は記者と似たところがある。気をつけよう」 ◎取材の途中で物語を描く。あとは、物語に沿った材料を集めてゆく ◎デスクは読みやすいように、表現を変えてゆく ※あまりにも分かりやすい物語は要注意
ネガティブ報道の帰結 ◎人々の「体感リスク」(主観的なリスク)は、ニュースで左右される。ICRPは科学的な根拠を曲げて、原発推進に進んだと報じれば、ICRPへの憎しみ、怒り、科学への信頼性の欠如がもたらされる。 ◎「ICRPが決めた基準、勧告なんて信用できない」という空気が生まれる ■放射線リスクが低くても、政府や企業の体質を批判することで体感リスクは高くなる
ニュースの矛盾? ◎ニュースの内容は間違いでも、その意図は共感される場合、意図はすばらしいと高く評価する人たちがいる。 ◎これは視聴者のニーズに応えているので、こういう記者たち、ニュースは生き残る。いや生存競争に勝つ ■専門家がだまされるほど、あまりにも分かりやすいストーリーは要注意だが・・
メディアには「天敵」いない! ■NHK2011年12月28日「低線量被ばく」の番組。間違いだらけ。専門家の英語が誤訳。原発の近くに住む1住民が「がんになった。34%も増えている」。「ICRPは低線量リスクを半分にしていた」(ゆっくりの被ばくは2倍にするという係数なのに) ◎ICRPはBPOに提訴。委員は作家や弁護士なので科学のことは分からないと却下。メディアに対抗する手段がない。三権分立は?
ためしてガッテンは見てはだめ! ◇NHKのニュースから学ぶことは何か ◎最初から、ストーリーを決めている。数値が出ないと、ストーリーにならない。ストーリーからはずれた情報は隠す ◎ニュースは記者の意図でどのような内容にも加工できる。 ◎専門家が協力できないと言った番組流れる ◎NHKだから、公正中立、信じられるはウソ
文春の状況証拠 ◎エコー検査した医師と弁護士がすぐに「事実と異なる」と会見をした。これは「がんにならない良性の腫瘍です」と。 ◎「良性、悪性、どちらでも、原発とは無関係」と甲状腺の別の専門家。「3、4年たたないとがんにならず」は常識。 ◎記者たちは甲状腺がんの基本知識に欠ける ■あなたは記者と医師のどちらを信じるか?
信濃毎日新聞 ◎2011年10月、長野県に避難していた16歳以下の130人を血液検査。甲状腺ホルモンが基準以下、腫瘍マーカーが基準値をやや上回った。鎌田実氏「被ばくの可能性は捨てきれない」。 ◎鎌田氏ブログ「将来、甲状腺がんになるわけではない。おそらく時間とともに正常値になっていく」。◎日本小児内分泌学会「一過性変動。被ばくと結びつける積極的理由はない」
不安報道の特徴 ◎不安をもつ親、子供を捜す。その声を記事に入れる。非科学的なこと「私(高校生)って、子供が産めるのかしら?」でも載せる ◎科学的なエビデンスよりも気持ちを重視 ◎その不安に合った専門家のコメントを載せる「少量のセシウムでも免疫が低下し、がんなどになる。細心の注意が必要だ」 ■パターンはどれも同じ
体感リスクと報道 ◎メディアはリスクそのものではなく、不安だという体感リスクの高い人たちを取りあげる→複数のメディアが報じる→社会全般に不安が広がる。 ◎企業の不祥事、モラルの欠如を批判的に報じる(伊藤ハム、不二家など)→その企業の製品のリスクも高いに違いない。不買→マスコミが介在することで不祥事=体感リスクに変換
企業の不祥事報道は高い評価 ◎企業の悪質な姿勢、不透明な部分に切り込むメディア情報は、信用される(調査済み) ◎不正追及は評価される ■行政が冷静で科学的なリスクを示しても、企業の不祥事、政府の不正追及を行うメディアがある限り、通用しない ■企業の偽装、政府の情報隠しがあるとマスコミは優位に立てる→ますます体感リスクを高める
北海道新聞は特異的か? ◎北海道新聞の手法は、実は、どの記者も似たような手法で書く ◎1人ひとりの記者は、「警告したい」という意識で不安を強調。これはどの記者も同じ。つまり、大半の記者は、普通の気持ちで普通の警告意識で不安を強調→これがどのメディアにも登場→結果的にメディア全体が不安を強調、とはいえ極端に煽っているわけでもない
ニュースの価値は何で決まる? ◎ニュースの価値、大きさは =「特異的な現象」×「物語」×「アクション」 ◆特異的な現象=珍しい主張、少数派、時流に乗って内部告発、 ◆物語=感動を呼ぶ半生、平均的な世界とは違う体験をもつ、「共感」がポイント ◆アクション=目立つ行動、緊急記者会見、政府にメール、★「映像」になる
新規制値は子供を守る? ◎「不安」に思う特定の少数の女性たちをあえて取り上げて、不安を訴えるマスコミ→新基準値でも「不安」だよと訴える ◎情報の主体が異なるだけで、北朝鮮と効果は同じ。善の顔をまとう分だけ悪質か?
マスコミは涙に弱い マスコミが取り上げる条件 ①涙 ②正義感と内部告発 ③女性と子供を守る ■これで学者は正義の味方
不安報道の自己拡大 ◎一記者としては、小佐古氏を取りあげるだけ。新基準値に不安な女性を取りあげるだけ。よかれと思って→あらゆるメディアの記者が同じ行為をする→世論が変わる→変わった世論を見て、記者は自分の記事がニーズに合ったものと見る→さらに不安を取りあげる ■メディアが造り出した世論にメディアも太刀打ちできない。制御不能の事態が出現!
どんなとき記者は揺らぐか? ◎BSEのとき、政府が自信喪失。「30カ月以下で十分」と検査体制に自信をもっていえない。処理したはずの肉骨粉が流通していたと分かり、行政不信は頂点に。 ◎これで記者に「リスクは非常に小さい」と確信がもてるか? 記者に確信がもてないと小佐古教授の言動のほうに揺れ動く ■BSEと似た行政不信が原発事故後に生じた
そもそも不安の正体は? ◎不安、安心できないという主観的な気持ちは、結局、その「人特有」の問題であり、価値観、思想から来るもの。科学でなく、倫理、宗教の世界だ。イスラムをキリスト教に? ■1億円あっても、不幸な人。年収300万円でも幸せな人。価値観次第。年1㍉Sでも恐怖を感じる人、10㍉でも楽観的(安心している)な人。人それぞれ。どんな価値観をもてば、幸せになれるかという問いも重要。