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生命保険業界の現状とこれから. 10551409 三輪可奈子. 第1章 まえがき. 私たちの周りには多くの危険が潜んでいる。病気やケガなど、万が一のことが起こったときのために安心を提供するのが生命保険である。現在、日本においては950種類以上の生命保険商品が存在し、全世帯のうち93%以上は何等かの生命保険に加入している。このことから日本は世界的な生命保険大国であるとも言える。 バブルの崩壊後、運用利率が予定利率を下回るという「逆ざや」などの影響で破綻する会社が相次いだ。
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生命保険業界の現状とこれから 10551409 三輪可奈子
第1章 まえがき 私たちの周りには多くの危険が潜んでいる。病気やケガなど、万が一のことが起こったときのために安心を提供するのが生命保険である。現在、日本においては950種類以上の生命保険商品が存在し、全世帯のうち93%以上は何等かの生命保険に加入している。このことから日本は世界的な生命保険大国であるとも言える。 バブルの崩壊後、運用利率が予定利率を下回るという「逆ざや」などの影響で破綻する会社が相次いだ。 そして今また、不払い問題の発生による契約者の「生保不信」や、金融危機の影響により、生命保険業界を取り巻く環境は厳しさを増している。 そんな生命保険業界の現状を調べ、抱えている課題とこれからについて考えていく。
第2章生命保険の歴史2-1生命保険の誕生 10年でなくなる 17世紀 イギリスの牧師たちが葬式代をまかなうためにお互い出しあって 積み立てていったのが生命保険の始まり 天文学者エドモンド・ハリーが生命表作成 18世紀 イギリスで死亡率に基づいた保険料を集める制度 1762年 イギリス・ロンドンに最初の近代生命保険のEquitable Life Assurance Society(※英国・エクイタブル生命)設立 1868年 福沢諭吉が『西洋亜旅案内』で紹介したことがきっかけで 日本の生命保険事業が始まる
2-2 生命保険会社の破綻 ●1997年から約5年間で7社が破綻 ●生命保険会社の破綻の要因 ○バブルの崩壊後、高い予定利率の保有契約を多数抱え てしまったこと ○資産運用による収益力が落ち込み ○超低金利政策 「逆ザヤ」の発生
第3章 生命保険業界の現状3-1 加入状況第3章 生命保険業界の現状3-1 加入状況 ●生命保険加入率88.5% 2000年は91.8%で世界一位!しかし、年々減少傾向にある。 ●生命保険会社の保有契約金額1484兆9045億円 対前年比5.3%減少。保険種別構成比は、個人保険が69.3%、個 人年金保険が5.7%、団体保険が25% である。 ●新契約件数1107万件 対前年比9.3%減少。 種類別新契約件数構成比でみると、上昇傾向にある医療保険が最も高く31.5%、次いで定期保険14.7%、終身保険13.9%、がん保険11.2% n順である。
3-2 ニーズの変化 ●「死亡時のリスク」 「長生きするリスク」 従来の死亡保障商品より、老後保障や介護保障、個人 年金や医療保障等の第三分野商品にニーズが高まる。 ◇要因◇・女性の社会進出 ・平均寿命の延長 ・少子高齢化 ●高齢者の死亡保障 ・女性の社会進出により、晩婚化・晩産化が進行。 ・フリーター、ニートの存在 →高齢になってからも子供を養わなければならない親が増加。 →従来では不要となっていた年齢層で、死亡保障のニーズが生じる。 高齢でも十分な保障額で加入でき、長期間の保障が可能な定期保険や、 終身保険のニーズが増す。 ●定額な商品に対するニーズ 収入の不安定なフリーターや非正社員の増加
3-3 金融自由化3-3-1 金融自由化の経緯3-3 金融自由化3-3-1 金融自由化の経緯 ●平成6~8年 日米保険協議 日本の保険市場の規制緩和と競争を促す ●平成7年5月 保険業法の全面改正 子会社方式による生損保の相互参入解禁 ●平成10年3月 保険持ち株会社の設置 ●平成11年10月 保険・銀行間の子会社方式による相互参入の解禁 ●平成1年7月 算定会料率の使用義務の廃止 ●平成13年7月 第三分野の将来的な解禁 ●平成19年12月 窓販全面解禁
3-3-2 金融自由化の影響 ●保険会社 ・保険会社の商品開発・サービス競争、業界 再編を促す ・窓販専門の生命保険会社の誕生 ●消費者 ・商品内容・価格を比較して商品を選べる ・保険契約を行う場所の拡大
第4章 不払い問題4-1 不払い問題の概要第4章 不払い問題4-1 不払い問題の概要 ●平成17年2月 明治安田生命の営業職員が不適切な募集行為を行っていたと発表 ●38社合計435件の不払い発覚 明治安田生命は1053件 ●38社のうち、37社から合計約135万件、約973億円 金融庁 ●明治安田生命に対し、保険業法に基づく業務停止命令及び業務改善命令 ●平成17年7月生命保険会社全社に対し不適切な不払いについての調査報告求める ●平成17年10月明治安田生命に対し、2度目の業務停止命令及び業務改善命令 ●すべての生命保険会社に対し、実態把握のための再調査 ●平成20年7月10社に対して、保険業法に基づく業務改善命令
【調査対象期間:平成13年度~17年度】 (単位:件、百万円)
4-2 不払いの背景 ●3利源のうちの「死差」の確保 死差益を増やす手段として、支出である保険金を正当な事 由であっても払い渋るという行為に出る ● 契約獲得競争の激化 新契約を取り付けることばかりに注力するあまり、顧客に対して不適切 な募集行為を行ってしまう
4-3-1 保険各社の対応 ●連絡の取れない契約者への、営業職員の訪問 ●契約の一部でも請求すれば、他の特約も自動的に調べられる新システムの導入 ●保険金支払いの妥当性を検証する審査会等の設置 ●支払査定部門の増員 ●社外取締役を増員し、審査会には、社外委員を採用 ●総代の「立候補制」の導入(明治安田生命) ●「三利源」と呼ばれる生保事業の利益の内訳を公表 ●約款の簡素化 ●契約期間全般にわたる契約者への適切な情報提供や顧客対応
4-3-2 金融庁の対応 ●平成17年8月、「金融改革プログラム」の一環として、「保険会社向けの総合的な監督指針」を策定 ●平成18年6月、相次ぐ不払いを受けて、保険会社の保険金支払いに係る監督指針を改正 保険金の支払いを「保険事業の根幹たる最も重要な機能」であると位置づけ、監督指針の改正によって、「迅速かつ適切な支払管理態勢の確立」のための「保険金支払いに係る監督上の着眼点」を明確化
第5章 生命保険業界の課題とこれから 生命保険会社は今、最大の転換期を迎えている。 ●ニーズの変化、多様化に対応した保険サービスの開発 急ピッチで進む高齢化社会は、「家族のための保険」から「自分の老後のための保険」へと、加入者の意識が変化している ●生保業界をとりまく金融環境の激変 金融の自由化の進行により、企業間競合、業界間競合がさらに激化 ●資産運用能力が今後の大きな課題 生命保険業界が「価格競争の時代」に突入していく可能性が高い ●「株式会社化」の進行 ●販売チャネルの多様化
第6章 あとがき ●生命保険業界は今、激動の時代を迎えている。少子高齢化、金融の自由 化、金融危機など、生命保険会社を取り巻く環境は厳しい。保険会社は、社 会の環境の変化や金融業界の変化に迅速に対応していかなければならな い。 ●今後、業界再編の流れが強くなり、生命保険業界は大きく変化していくの ではないだろうか。 ●不払い問題の発覚により、今まで以上に生命保険業界に対する世間 の眼は厳しくなっている。生命保険会社は、もはや中途半端な対応は許され ない。そんな中で今、生命保険業界の経営体質そのものを見直すチャンス であると思う。