200 likes | 331 Views
2003 年に発見された 新しいハドロンたち. 東京大学 CNS 織田 勧 2003 年 11 月 28 日 ( 金 ) CNS 若手コロキウム. 1/20. 今年になってクォーク 4 個や 5 個でできている のかもしれない新粒子が発見された。. どういうことなのかを見て行こう!. 2/20. 素粒子と相互作用. 4 つの相互作用があって、 力を媒介する粒子がある。 電磁相互作用 光子 ( γ ) 強い相互作用 グルーオン ( g ) 弱い相互作用 ウィークボゾン ( W ± , Z ) 重力相互作用 重力子 ?. 3/20. 強い相互作用.
E N D
2003年に発見された新しいハドロンたち 東京大学CNS 織田 勧 2003年11月28日(金) CNS若手コロキウム 1/20
今年になってクォーク4個や5個でできているのかもしれない新粒子が発見された。今年になってクォーク4個や5個でできているのかもしれない新粒子が発見された。 どういうことなのかを見て行こう! 2/20
素粒子と相互作用 4つの相互作用があって、 力を媒介する粒子がある。 電磁相互作用 光子(γ) 強い相互作用グルーオン(g) 弱い相互作用 ウィークボゾン(W±, Z) 重力相互作用 重力子? 3/20
強い相互作用 クォークは色電荷(赤、青、緑)を持っている。 反クォークは反色(反赤、反青、反緑)を持っている。 グルーオンは色と反色両方を持ち、 粒子の持つ色を変えることで力を伝える。 だから色を持たない(白い、中性)粒子だけが自由に動くことができる。 白くなるのは、 3色混ぜたとき クォーク3つ baryon(重粒子) 色と反色を混ぜたとき クォーク2つ meson(中間子) でも、クォーク4つや、5つでも白くはなるから存在してもいいはず。 4/20
Meson Summary Table 5/20
Baryon Summary Table 6/20
ペンタクォークΘ+の発見 クォーク5個からなる粒子Θ+粒子というものが 日本のSpring-8のLEPS実験で発見された。 T.Nakano et al. Phys. Rev. Lett. 91, 012002 (2003) 8GeVの電子にArレーザー(351nm, 3.5eV)を 照射し、逆コンプトン散乱されて出てくる2.4GeV のγ線をビームとして使う。低エネルギーのガン マ線のバックグラウンドが少ない。 跳ね返る電 子の運動量を測ることでγ線のエネルギーが15 MeVの分解能でわかる。 7/20
8/20 Θ+の見つけ方(1) γ線がプラスチックシンチ(標的)に 当たり、K+K-が出てきた事象を選ぶ。 φからK+K-に崩壊したものは取り除く。 γp→ K+K- pと γn→ K+K- nをSSDを使って区別する。
9/20 Θ+の見つけ方(2) γとK-のエネルギー運動量はわかっている。 しかし、C原子核中の中性子はフェルミ運動 しているので補正が必要。 γn→K+Σ-→K+π-nの場合には で十分に補正できるので、 と補正をするとΘ+のピークが見える。 γp→ K+K- p(点線) γn→ K+K- n(実線) Θ+の質量 1.54±0.01GeV 幅 25MeV以下
他の実験で見つかったΘ+ • DIANA(ロシア) Xe泡箱にK+ビーム(850 MeV/c) M=1539±2 MeV, Γ<9MeV, hep-ex/0304040 • CLAS(アメリカ) 液体重水素標的にγ線(<3.1 GeV) M=1542±5 MeV, Γ<21MeV, hep-ex/0307018 • SAPHIR(ドイツ) 液体水素標的にγ線(<2.8 GeV) M=1540±4±2 MeV, Γ<25MeV, hep-ex/0307083 10/20
Θ+は予言されていた。 • 1997年にロシアのD. Diakonovらが、核子をπメソン場の孤立波解として表すスカーミオン模型をSクォークを含むSU(3)群に拡張し、反10重項の存在を予言した。 • Sがひとつ増えるごとに質量は180MeVずつ増える。 • S=0の粒子をN(1710)とすると、一番軽い粒子の質量は1530MeVであり、幅は15MeV以下である。 11/20
12/20 2,3番目のペンタクォ-クΞ3/2の発見 CERN(スイス)のSPSの NA49実験では別の種類の ペンタクォークが見つかった。 hep-ex/0310014
Ξ3/2の見つけ方 13/20 • Λから崩壊したpπ-を探した。 • Ξ-から崩壊したΛπ-を探した。 • Ξ-とπ-で、Ξ-とπ+で不変質量を組んだ。 • 両方とも1.86GeV付近にピークが現れた。
Ξ3/2の質量 • 同じことを反粒子についても行なうと同様にピークが現れた。 • とその反粒子のヒストグラムを足し合わせて、質量を求めると1862±2 MeVとなった。 • とその反粒子の質量は1864±5 MeV。 • Diakonovの予測は2070MeVで一致しない。 14/20
4クォーク状態X(3872)の発見 KEKのBファクトリー のBelle実験で 4クォーク状態 かもしれない粒子が 見つかった。 hep-ex/0309032 15/20
X(3872)の見つけ方 • J/ψが崩壊してできたe+e-、μ+μ-を見つける。 • J/ψとJ/ψπ+π-の質量差をヒストグラムにする。 • 大きいピークはψ(2S)、小さいピークは新発見。 • 新発見の粒子にK+またはK-を組み合わせて質量を求めるとB+またはB-の質量5279 MeVになる。 • 新発見の粒子の質量は3872.0±0.8 MeV、幅は2.5±0.5MeV。 • X(3872)と名付けた。 16/20
どうしてX(3872)は4クォーク状態であると言えるのか(1)どうしてX(3872)は4クォーク状態であると言えるのか(1) • 自然に考えるとX(3872)は2S+1LJ=3D2の状態のはず。 • 3D2ならγχc1への崩壊確率がJ/ψπ+π-への崩壊確率の5倍以上あるはず。 • しかしγχc1へは崩壊しにくい。 17/20
どうしてX(3872)は4クォーク状態であると言えるのか(2)どうしてX(3872)は4クォーク状態であると言えるのか(2) • 通常の中間子だとして3D1,3D2状態の質量を正しく再現するモデルはない。 • X(3872)M=3872.0±0.8MeVはD0D*0barの質量の和3871.1±1.0MeVとエラーの範囲内で一致している。D0とD*0barが分子のようになった状態であるかもしれない。 • 中間子分子だとすれば質量、寿命、崩壊パターンが一致するらしい。 18/20
X(3872)は強い相互作用でも生成する pp-bar衝突型加速器の Tevatron(2TeV)のCDF 実験でもX(3872)は観測 された。 19/20
DsJ(2317), DsJ(2460)の発見 BaBar, CLEO, Belleでcクォークと反sクォークからな る中間子DsJが発見されたが質量が小さくや幅が狭く 通常の中間子と仮定し た理論と合わない。 20/20