370 likes | 921 Views
大分県教育センター 「 LD ・ADHD等教育研修」 高機能自閉症分科会資料より抜粋. 「高機能自閉症 ・アスペルガー症候群」. 大分県教育センター 特別支援教育部 . 高機能自閉症とは. H igh- f unctioning A utism. 高機能自閉症とは、 3歳位までに現れ、 ①他人との社会的関係の形成の困難さ、 ②言葉の発達の遅れ、 ③興味や関心が狭く特定のものにこだわる ことを特徴とする 行動の障害 である自閉症のうち、 知的発達の遅れを伴わないもの をいう。.
E N D
大分県教育センター 「LD・ADHD等教育研修」 高機能自閉症分科会資料より抜粋大分県教育センター 「LD・ADHD等教育研修」 高機能自閉症分科会資料より抜粋 「高機能自閉症 ・アスペルガー症候群」 大分県教育センター 特別支援教育部
高機能自閉症とは High-functioning Autism 高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、 ①他人との社会的関係の形成の困難さ、 ②言葉の発達の遅れ、 ③興味や関心が狭く特定のものにこだわる ことを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものをいう。 中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される 今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)より
高機能自閉症児の特徴 特徴の基本 • 自閉症という異文化の理解 • 素直で正直、悪意のない子ども • 興味あることに没頭 ・見る、聞く、触る、味わうなどを私たちと同じように感じたり、理解したりしていない(独特な視点で見ている) ・不可解でわかりにくい世界だと感じている 高機能自閉症の特徴を理解すると、なぜそんな行動を取るのかがわかってきます ・自分を偽ることがない ・好ましい特質の持ち主 ・興味を持ったことには、すべてを忘れて没頭
発想の転換をしよう 教師から子どもの世界に近づく ○『自閉症という異文化』 ※基本的な考え:「自閉症という障がいは克服させるものではなく、その特性を理解して上手につきあっていくものである」 子どもの立場に立って考える 例) 教師:軽く触れただけなのに・・・ 子ども:触られたところがピリピリしてして痛いよう 周りからの適切な支援で、 その子の困難な状態を減らしていこう!
三つの支援のポイント 1 子どもの周りを変える 2 子どもに自信をつけさせる 3 子どもの特性から指導法を考える 高機能自閉症の子どもにわかりやすい環境は、他の子どもたちにもわかりやすい環境
1 子どもの周りを変える 周りを変える三つの視点 (1)教室の環境を整える (2)教師自身の接し方を見直す (3)保護者の心を支える ①過敏性に配慮する ②不必要な情報を排除する(刺激を整理する) ③見通しのある生活を提供する ○共感的な見方を ○情報の提示は一度に1つ ○要点だけを伝える ○断定的に言う ○肯定的に伝える ○誤解させない表現で伝える ○良好な親子関係こそが、子どもの情緒安定につながる ○「いつかは治る」を捨てさせる
過敏性に配慮する 視覚‥光のきらめきの感じ方。目に入るものを追う →強い日差しには、カーテンをする 触覚‥さわること、さわられることに極端な反応を示す →身体接触がある場面をできるだけ避ける 聴覚‥音に対して敏感。耳に障がいがあるわけではない→大きな声で叱るのは逆効果 味覚‥味覚の違いや歯触り等の感じ方に違いがある →わがままや単なる偏食ではない 嗅覚‥ささいな刺激でも苦痛と感じている場合がある →香水をつけない等の配慮が必要
教室の環境を整える 光や音など、感覚の特異性のある子どももいるので、座席の位置などに配慮し、周りに気を取られず、学習に集中できるようにすることが必要です 外の景色が見えない、掲示物を貼っていない、壁際などが適切。 できれば、先生の話が聞きやすい前の方が望ましい。 あまり騒がない子どもを側に位置づけるなど、人的環境にも配慮が必要。
見通しのある生活を提供する TEACCHプログラム Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren ・1970年代の初め、エリック・ショプラーにより開発 ・自閉症の子どもたちのありのままを受け入れる ・暮らしやすさを支援する ・生活空間を構造化する ・時間の流れを意識させる ・理屈や知識より、実践を重視する ・身だしなみの習慣を覚えさせる →「子どもの特性から指導法を考える」へ
教師自身の接し方を見直す ・思ったことを素直に言えない子どもだなあ ・いつも、友だちの後ろからばかりついて行って、依頼心が強い子どもだなあ ・おとなしくて、慎重で控えめな子どもだなあ ・いつでも友だちと仲よくしていたい、一緒にいたいと思っている子どもだなあ
断定的に言おう 「ていねいに」「おだやかに」話そう 共感的な見方をしよう 情報提供は、一度に一つにしよう 肯定的に 伝えよう 誤解させない 表現で伝えよう 要点だけを伝えよう 接するときに気をつけること
2 子どもに自信をつけさせる 自信をつけさせる4つの視点 ① 達成感を味わわせる ・できることを増やす ② こだわりを生かす ・特性を利用する ③ いじめから守る ・事象の裏側(理由)をしっかりと見抜く ・いじめのない学級経営をする ④ 社会常識を教える ・場面ごとに、一つ一つていねいに教える ・受け入れられる行動、そうでない行動をはっきりと教える
物理的構造化 ・・・どこで スケジュール ・・・何を ワークシステム ・・・どれだけ 視覚的構造化 ・・・どのように 3 子どもの特性から指導法を考える 構造化
物理的構造化 活動の領域別に教室等を区切り、この場所ではこの活動をするというように、活動と場面を対応させて構成する 教科ごとにグループを替える 机の配置や向きを変えるなど 【特別教室】 いつも一定の活動をするので、何をするのかがわかりやすい 教室の後ろにいすを用意して休憩する場を作る など
物理的構造化2 【活動ごとに教室を区切り活動と場面を対応】 着替え、学習、食事等をする場所を区切る 着替えの場 個別の教材置き場 学習する場所 遊び場
音楽 時 間:10:30~11:15 場 所:音楽室 準備物:教科書 リコーダー スケジュール 「いつ」「どこで」「どのような活動」をすればよいかを理解させる ①全体スケジュール クラス全体としての学習の時間、休憩時間、食事やおやつの時間などが示されているもの ②個別スケジュール ○具体物を提示してのスケジュール 具体的な物を使ってスケジュールを伝える方法 ○パート・デイ・スケジュール(一日の一部) 一日の一部だけが提示されているスケジュール ○フル・デイ・スケジュール(一日の活動) 一日の活動のすべてが提示されているスケジュール ○オール・デイ・スケジュール(週の特定の日) 週の特定の曜日にしかない活動を示すためのスケジュール
視覚的構造化 自分で課題を進めることができるように、視覚的情報、視覚的指示を使って作業を進めさせる方法 ①コンテクスト(文脈・場面)の提示 場面や前後関係を示したり、使う教材を見せたりして何をするのかを教えていく ②一対一対応 一対一のマッチングで同じ物や数を教える ③左から右の系列 作業の手順を左から右に構成していく ④ジグの利用 作業のやり方や作業手順を、視覚的な手がかりによって、学習しやすくするための補助具がジグである ⑤完成品の提示 最初に課題の完成品を見せて、それと同じ物を作るようにする
支援をする前に理解を! 一人一人異なる特性を持っている ○発達障がいとその特性への正しい理解 ○子どもの困難な状態を把握 ※型どおりの支援→かえってその子を苦しめる 周囲の理解が新たな障がいを防ぎます 子どもの気持ちに寄り添う ○得意・苦手の把握 ○「自分をわかってくれる」→自信・安心感 ○短所を直すことより、長所を伸ばすこと ○大人が子どもの生活に寄り添う
「障がい」を認めたくない 自分は「ふつう」じゃない 「空気の読めない子」 「話の通じない子」 人より劣っている 友だちグループに入れない 金銭トラブルに巻き込まれる 「付き合いづらい子」 思春期の課題 思春期・・・自己形成、人間関係の複雑化
劣等感 心身症 対人恐怖症 いじめ 攻撃感情 不登校 など 二次障がい 二次障がいとは・・発達障がいによる困難が続いた結果、心身が疲れ果て、二次的に別の障がいが現れること
・空気が読めない ・話がかみ合わない ・付き合いづらい ・・・ 『特性』と『障がい』 特性を背景とした適応行動の問題(障がい状態) 特性+障がい状態を表す用語としての診断名 二次障がいとしての情緒・行動・精神障がい 特 性 高機能自閉症 アスペルガー症候群 ・字義通りにとる ・裏の意味がわからない ・省略されるとわからない ・・・ 不安 抑うつ 暴力 自傷 不登校 ・・・
引用・参考文献 ○ 「高機能自閉症・アスペルガー症候群及びその周辺の子どもたち」 同成社 尾崎洋一郎 草野和子 著 ○ 「アスペルガー症候群(高機能自閉症)のすべてがわかる本」 講談社 佐々木正美 監修 ○ 「アスペルガー症候群(高機能自閉症)の子どもを育てる本」 講談社 佐々木正美 監修 ○「思春期のアスペルガー症候群」 講談社 佐々木正美 監修 ○平成21年度発達障害教育指導者研究協議会(於:横浜)資料 ○「ふしぎだね!?アスペルガー症候群(高機能自閉症)のおともだち」 ミネルヴァ書房 内山登紀夫監修 安倍陽子 諏訪利明 編 ○ 「小・中学校におけるLD(学習障がい)、ADHD(注意欠陥/多動性障がい)、高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)」 文部科学省 平成16年1月 ○ 「小・中学校における軽度発達障がい児の支援体制の整備 (CD-R) 」 大分県教育委員会