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Consensus2005 に則った新生児心肺蘇生法ガイドラインの開発と全国の周産期医療関係者に修得させるための研修体制と登録システムの構築とその効果に関する研究 分担研究者 田村正徳 研究協力員:木下洋、杉浦正俊、茨聡、中村友彦、内田美恵子、加部一彦、奥起久子、西田俊彦、滝敦子、 細野茂春、森臨太郎、廣間武彦、近藤乾、和田雅樹、真喜屋智子、井上信明、 側島久典、鈴木啓二 、國方徹也、佐橋剛、江崎勝一、高山千雅子、櫻井淑男、山口文佳. A. 新生児心肺蘇生法ガイドライン普及のための周産期医療関係者向けの研修体制と登録システムの構築 周産期医療関係者向け実技講習会
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Consensus2005に則った新生児心肺蘇生法ガイドラインの開発と全国の周産期医療関係者に修得させるための研修体制と登録システムの構築とその効果に関する研究分担研究者 田村正徳 研究協力員:木下洋、杉浦正俊、茨聡、中村友彦、内田美恵子、加部一彦、奥起久子、西田俊彦、滝敦子、細野茂春、森臨太郎、廣間武彦、近藤乾、和田雅樹、真喜屋智子、井上信明、側島久典、鈴木啓二、國方徹也、佐橋剛、江崎勝一、高山千雅子、櫻井淑男、山口文佳Consensus2005に則った新生児心肺蘇生法ガイドラインの開発と全国の周産期医療関係者に修得させるための研修体制と登録システムの構築とその効果に関する研究分担研究者 田村正徳 研究協力員:木下洋、杉浦正俊、茨聡、中村友彦、内田美恵子、加部一彦、奥起久子、西田俊彦、滝敦子、細野茂春、森臨太郎、廣間武彦、近藤乾、和田雅樹、真喜屋智子、井上信明、側島久典、鈴木啓二、國方徹也、佐橋剛、江崎勝一、高山千雅子、櫻井淑男、山口文佳 A. 新生児心肺蘇生法ガイドライン普及のための周産期医療関係者向けの研修体制と登録システムの構築 • 周産期医療関係者向け実技講習会 • 新生児心肺蘇生法の講習会の教材の作成 • 効果的な講習会の機材の開発と効果的な講習会プログラムの開発 • 蘇生機材・設備の導入・開発とその安全性と効果の検証 • 新生児蘇生法普及実技講習会の効果の評価方法 B. EBMに基づく日本発の新しい新生児心肺蘇生法の提言 C. LCORのCoSTER2010作成作業を踏まえた日本版新生児心肺蘇生法ガイドラインの改訂
新生児心肺蘇生法ガイドラインを全国の周産期医療関係者に習得させるための研修プログラムと研修体制と登録システムの構築新生児心肺蘇生法ガイドラインを全国の周産期医療関係者に習得させるための研修プログラムと研修体制と登録システムの構築
講習会用教材の配布と販売 テキスト メジカルビュー社より出版 (印税は事業へ!) アルゴリズム図 インストラクターマニュアル 講習会用スライド 日本周産期・新生児医学会領布 (実費)
適切な薬剤や蘇生機材・設備の導入・開発とその安全性と効果の検証 (杉浦正俊,田村正徳)適切な薬剤や蘇生機材・設備の導入・開発とその安全性と効果の検証 (杉浦正俊,田村正徳) 蘇生法講習会に使用する器材をリストアップ、重要な器材について、サンプルにより評価。 日本周産期・新生児医学会 「新生児蘇生法(NCPR)講習会に使用する物品について」として、インストラクターに配布。 検討項目:インファントウオーマー、蘇生モデル人形、喉頭鏡、蘇生バッグ、消耗品、事務用品
新生児蘇生法講習会必要物品の選定と推奨(選択基準の呈示)新生児蘇生法講習会必要物品の選定と推奨(選択基準の呈示) ラジアントウオーマーと 蘇生人形モデル 喉頭鏡、蘇生バッグ、消耗品
新生児心肺蘇生法に有用な機材の開発 NCPR講習会用タイマー 胎便吸引用カテ-テル • Consensus2005で強く推奨されているが • 日本では輸入中止となっていた • T-piece resuscitator試作中 • 片手で操作可能 • PEEP とPIPを安定設定 • 吸気時間を指で調整 • 過剰圧カット
各種圧力設定方法 2.Pmaxの設定方法 ※注 Pmaxは機器の安全弁の役割があるため、 通常は変更しない Pmax調節ツマミ PIP調節ツマミ ①レサシテータにガス供給ホースを接続し、 流量計又は流量計付ブレンダを用いて 流量調節されたガス供給を開始する ②Tピースバルブにテスト肺を接続する ③PIP調節ツマミを最大に回す ④PEEP孔を塞ぐ ⑤フタを開け、回路内圧計を見ながら Pmax調節ツマミを回し圧力を調整する ⑥調節終了後、フタを閉じる テスト肺 PEEP孔
日本周産期新生児学会新生児蘇生法普及事業新生児蘇生法「専門」コースインストラクター養成講習会日本周産期新生児学会新生児蘇生法普及事業新生児蘇生法「専門」コースインストラクター養成講習会 基本手技の実習とシナリオ実習 講義
日本周産期・新生児医学会認定 新生児蘇生法講習会インストラクター養成数 2008年12月末現在 812名
新生児蘇生法講習会開催件数/月別 2007年7月期~2008年12月期
新生児蘇生法講習会 受講者数/県別 2007年7月期~2008年12月期 累計 各県出生数(H18)比較
新生児蘇生法講習会 受講者職種の分類 3519名 但し、実施報告書による記載分のみ。 812 名 1363 名 1344 名
新生児蘇生法講習会 ポストテスト不合格率 「実施報告書」未提出または集計中のデータは除く。 (対象個数:1692名) NG県 O県 不合格が多い都道府県 G県 NS県 HS県 F県 東京都 ※ 711 CH県 受講者数
新生児蘇生法講習会 受講・認定/月別 2007年7月期~2008年12月期 受講者数
新生児蘇生法講習会 認定数の状況 2007年7月期~2008年12月期の累計 812 名 1947 名 1841 名 既認定者 処理中 未認定者
2008年 (2008. 01.01 ~ 10.10)NCPR講習会の実績 コース名 I コース A コース B コース 回数 11回 69回 69回 受講者 合格者 合格率 470名 464名 98.7% 1,115名 1,083名 97.1% 1,146名 1,085名 94.7%
NCPRA コース開催回数 2008. 01.01 ~ 2008.10.10 計69回 5回 1回
NCPRB コース開催回数 2008. 01.01 ~ 2008.10.10 計69回 5回 1回
2008年 (2008. 01.01 ~ 10.10)NCPR講習会テスト結果の分析 (**p<0.01, * p<0.05) コース名 I コース A コース B コース 回数 11回 69回 69回 プレテスト ポストテスト 合格者(464名) 23.51+/-2.16** 24.35+/-1.00 不合格者(6名) 18.00+/-6.00 ** 18.83+/-0.41 合格者(1,083名) 21.33+/-3.96 ** 24.01+/-1.31 不合格者(32名) 13.47+/-4.07 ** 17.22+/-1.75 合格者(1,085名) 8.02+/-2.04 * 23.73+/-1.40 不合格者(61名) 5.33+/-1.99 * 17.64+/-2.01
各コースの合格者と不合格者のテスト結果の比較各コースの合格者と不合格者のテスト結果の比較 ** P < 0.01 * P < 0.05 ** ** ** ** * * ■合格者 ■ 不合格者 プレ ポスト プレ ポスト プレ ポスト I コース A コース B コース
事前学習の重要性 各コース毎に異なった難易度の問題(難易度:I > A > B)を用意して試験を行っているが、各コースともポストテストは高い正答率となっていた。 一方、特にA コースやB コースにおいてはプレテストの成績が芳しくない講習会もあった。 不合格者は一般的にプレテストの成績も不良であることから、事前学習の重要性が明らかとなった。
I コースの受講者の職種によるテスト結果の比較 ■ プレテスト■ポストテスト 小児科・新生児科医 産婦人科医 看護師・助産師 その他 合格者 196名 合格者 233名 合格者 38名 合格者 3名 不合格者 0名 不合格者 6名 不合格者 0名 不合格者 0名
制度発足2007年7月今後の展開 日本周産期・新生児医学会 「専門」コースインストラクター養成講習会 周産期・新生児医学会専門医制度暫定指導医 新生児領域 200-300施設(人) 産科領域 200-300施設(人) 日本産婦人科医会 各都道府県5名 日本助産師会 日本助産学会 新生児看護学会 総合周産期医療センター 地域周産期医療センター研修事業 (都道府県補助) 地域や病院における新生児蘇生法講習会(Aコース、Bコース)
新生児蘇生法修了認定者数の予測(当初5年間の最大みこみ)新生児蘇生法修了認定者数の予測(当初5年間の最大みこみ) コアインストラクター 約40名 「専門」コースインストラクター 養成講習会年6回,1回40名 「専門」コース インストラクター認定 「専門」コース インストラクター 「専門」コース講習会1,440回/5年 240名/年=1200名/5年 (5年間に2回指導義務) 「専門」コース修了認定 11,520名/5年 「一次」コース インストラクター +補助実績を経てインストラクター認定 「一次」コース講習会 5名に1名がなったとして2,304名/5年 27,648名/5年
看護師・助産師の講習会3ヶ月後の学習成果保持状況(内田等)回答者の背景看護師・助産師の講習会3ヶ月後の学習成果保持状況(内田等)回答者の背景 N=74 その他 2.7% 准看護師 6.8% 50代 20.3% 20代 35.1% 助産師 48.6% 40代 24.3% 看護師 41.1% 30代 20.3% 3年未満 8.1% 無回答 2.7% 診療所 12.2% 3-10年 28.4% 10年以上 60.8% 病院 87.8%
看護師・助産師の受講コースとコース別登録率看護師・助産師の受講コースとコース別登録率
看護師・助産師の蘇生法の知識の確認と技術の自己評価:3ヵ月後看護師・助産師の蘇生法の知識の確認と技術の自己評価:3ヵ月後 知識(確認テスト)N=74 技術(自己評価) 2.7% 31.1% 27.0% 24.3% 39.2% 33.8% 41.8% 上達している 自力で8割できた 資料を見て8割できた 低下している 8割できなかった 分からない やらなかった
講習会後の再履修体制に関する意見(複数回答)講習会後の再履修体制に関する意見(複数回答)
実技講習会による蘇生の改善率の成果 全てのレベルの施設で改善するが特に一次施設で大きな効果 助産師や看護師による医師の業務の負担軽減 結局は二次三次施設の負担軽減
アウトカムを指標とした講習会受講効果の評価案(森臨太郎、西田俊彦)(対象:大阪府医師会蘇生講習会)アウトカムを指標とした講習会受講効果の評価案(森臨太郎、西田俊彦)(対象:大阪府医師会蘇生講習会) • 講習会受講後の影響の調査 • 目 的:NMCS施設へ生後搬送された児の改善率を比較検討する。 • 検討項目:5分Apgarスコア、Sarnat臨床所見、神経学的評価、退院時死亡率 • 比較検討対象 A群:講習会参加施設から搬送した仮死児 B群:講習会未参加施設から搬送した仮死児 • 調査方法:NMCS個票から抽出
EBMに則った新生児心肺蘇生法ガイドラインの開発EBMに則った新生児心肺蘇生法ガイドラインの開発 • 早産児の蘇生時の高濃度酸素投与 (江崎、鈴木、田村等) • 羊水混濁+仮死時の気道吸引法 (廣間、中村等) • 選択的脳低温療法 (茨等) • 臍帯血ミルキング (細野等)
早産児において蘇生時の酸素投与が血中酸化ストレス指標およびその後の慢性肺疾患、未熟児網膜症の発症率の及ぼす影響早産児において蘇生時の酸素投与が血中酸化ストレス指標およびその後の慢性肺疾患、未熟児網膜症の発症率の及ぼす影響 ☆早産(在胎35週未満)で生後1分のApgar score7点未満の帝王切開出生例について、100%酸素により蘇生した群(100%酸素群 n=21)とSpO2をモニタしながら蘇生中の投与酸素濃度を下げた群(酸素減量群 n=23)で血漿中のフリーラジカルと抗酸化力レベル、およびその後の慢性肺疾患、未熟児網膜症の発症頻度を比較検討した。 酸素減量群では100%酸素群に比べて、5分後のApgar scoreが高かった。 酸素減量群では100%酸素群に比べて、日齢0のフリーラジカルレベルの低下と潜在的抗酸化力レベル(フリーラジカル/抗酸化力)の上昇がみられ、この傾向は日齢7でも続いていた。 酸素減量群では100%酸素群に比べて慢性肺疾患と未熟児網膜症の発症率が低い傾向がみられたが有意ではなかった。 中等度以下の仮死の早産児の蘇生において、SpO2をモニタしながら投与酸素濃度を減量することにより、酸化ストレスを軽減し児の予後を改善できる可能性があると考えられた。 ☆現在 maskCPAPと高濃度酸素投与とで同じSpO2の維持を目標として蘇生した場合の比較試験を実施中。
従来蘇生群と積極的酸素減量群のフリーラジカルの比較(江崎、田村等)従来蘇生群と積極的酸素減量群のフリーラジカルの比較(江崎、田村等) 入院時 日齢7 :従来蘇生群 入院時 222±55 U.CARR 日齢7 201±42 U.CARR dROM (U.CARR) :積極的酸素減量群 入院時 148±33 U.CARR 日齢7 133±40 U.CARR p=0.012 p=0.002
在胎35週未満の帝王切開により 出生した児を対象としたCPAP vs O2研究
両群の背景 (mean±SD, no significant differences)
プロトコール 在胎26週以上の帝王切開出生児 生後1分までは酸素投与なし 1 min 心拍数 ≧ 100bpm (1min) 非CPAP群 口元100%酸素(10L/min) CPAP群 マスクCPAP5cmH2O (40%酸素 6L/min) 3 min SpO2≧85%を維持する よう酸素濃度を調節 SpO2≧85%を維持する よう酸素濃度を調節
Total hydroperoxide(フリーラジカルの指標) Redox potential(抗酸化力の指標) 3500 3000 300 3103±576 3076±496 2940±398 2500 250 2654±377 2000 200 M) 109±36 m 150 1500 RP ( TH (U.CARR) 104±29 100 1000 92±36 88±33 50 500 0 0 Day 0 Day 7 Day 0 Day 7 No CPAP (mean±SD, no significant differences) CPAP
要約 (3) • 在胎35週未満で用手換気を必要としない帝王切開出生の新生児に対して口元フリーフロー酸素により蘇生した群(非CPAP群)とマスクCPAPにより蘇生した群(CPAP群)で血漿中のフリーラジカルと抗酸化力レベルを比較検討した。なお両群ともSpO285%以上になるよう酸素濃度を調節した。 • CPAP蘇生をすることによる酸素投与量の有意な低下はみられなかった。 • 両群間にフリーラジカルおよび抗酸化力レベルの差はなかった。 • 両群間のApgar score 5分値、気管挿管率、RDS発症率に差はなかった。 • この原因として、①抗酸化力がより低いと思われる、重症な早産児が少なかったこと、②酸化ストレスは投与酸素量よりもむしろSpO2と相関しているなどの可能性も考えられる。
結論 • 早産児の蘇生時にSpO2をモニタしながらFiO2を調節することによって酸素暴露を減じ、酸化ストレスを軽減することが可能である。 • 投与酸素量を下げることは、第一啼泣を促進する方向に作用する可能性があり、ROP、CLDなどの慢性期合併症の発症率を下げる方向に作用する可能性がある。 • 重症度の高くない早産児においてCPAP蘇生による酸素暴露量、呼吸の確立に対する有効性は明確ではなかった。
気管内吸引の三方法 2.気管挿管による方法 1.Meconium aspiratorを 用いた方法 3.太くて固い吸引チューブ を用いた方法
胎便吸引症候群の予防・治療法に関する検討 長野県立こども病院 新生児科中村友彦 Figure1. Collection rate of meconium Collection rate of Meconium ( % ) 目的: コンセンサス2005で推奨されている、羊水混濁があって出生した児に対するmeconium aspiratorによる気管内吸引の繰り返しと、従来日本でおこなわれている、気管内吸引法の有効性と安全性について動物MASモデルを使って検討した。 meconium instillation N.S. Figure 2. Changes of SpO2 during acute stage after meconium instillation. N.S. Arterial Oxygen Saturation (%) ○ MA 5 group (n=8) ● MA 10 group (n=8) △ MA 15 group (n=8) □ CS group (n=8) • 結果:1. 胎便の回収量に差はない. • 2. 再挿管に15秒かかる場合、有意にSpO2 levels が低下し、回復にも時間がかかる。 • 結論: 気管内吸引カテーテルによる胎便吸引法は、Mecoium aspiratorによる吸引法に比べ、効果に差がなく、より安全である。 MA group (n=8) CS group (n=8) 50 100 150 200
ILCORのCoSTER2010作成の動向と、日本発の新しい新生児心肺蘇生法の提言ILCORのCoSTER2010作成の動向と、日本発の新しい新生児心肺蘇生法の提言
我が国で初めてのILCOR会議 • 日程 2009年3月16日−18日 • 場所 大阪リーガロイヤル • 関連会議 ☆Jeff Perlman教授(ILCOR新生児部会長) 講演会 3月16日夜 (近畿新生児医療研究会主催) ☆I-ReSS 国際蘇生科学シンポジ ウム International Resuscitation Science Symposium <http://i-ress.com/> 3月19日(木) 大阪中央公会堂 日本蘇生協議会 (JRC)主催
Neonatal ILCOR Revised Questions in PICO Format for CoSTER2010 In babies(P),, does milking of the cord(I) vesus none(C), improve outcome(O) 臍帯血ミルキング RCT(細野茂春先生等)
ご静聴有り難うございました。 研究協力員の皆様 木下洋、杉浦正俊、茨聡、中村友彦、内田美恵子、加部一彦、、細野茂春、森臨太郎、廣間武彦、近藤乾、和田雅樹、奥起久子、西田俊彦、滝敦子、真喜屋智子、井上信明、側島久典、鈴木啓二、國方徹也、佐橋剛、江崎勝一、高山千雅子、櫻井淑男、山口文佳(順不同、敬称略) と資料収集にご協力頂きました日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法普及事業小委員会及び事務局の皆様に深謝します。