310 likes | 492 Views
植物の多様性ゼミ. 静岡大学創造科学技術大学院 岩田 繁英 D1. 話の流れ. ☆ 生物の種の多様性について( Review ). ☆ 植物の特徴の紹介. ☆ 植物の特徴と種の多様性. ○ 栄養塩と生物の種多様性について. ○ エンドファイトと植物種の多様性について. ☆ 今後の 展望. 話の流れ. ☆ 生物の種の多様性について( Review ). ☆ 植物の特徴の紹介. ☆ 植物の特徴と種の多様性. ○ 栄養塩と生物の種多様性について. ○ エンドファイトと植物種の多様性について. ☆ 今後の展望. 生物の種の多様性について(1).
E N D
植物の多様性ゼミ 静岡大学創造科学技術大学院 岩田 繁英 D1
話の流れ ☆ 生物の種の多様性について(Review) ☆ 植物の特徴の紹介 ☆ 植物の特徴と種の多様性 ○ 栄養塩と生物の種多様性について ○ エンドファイトと植物種の多様性について ☆ 今後の展望
話の流れ ☆ 生物の種の多様性について(Review) ☆ 植物の特徴の紹介 ☆ 植物の特徴と種の多様性 ○ 栄養塩と生物の種多様性について ○ エンドファイトと植物種の多様性について ☆ 今後の展望
生物の種の多様性について(1) • 生物の種多様性を促進する様々な理論 • ● 密度依存性(Janzen 1970Connell1970) • ☆Takenaka2006, Iwata(submitted) • ●ニッチ分割(MacArthur 1958) • ● 中立説(Hubbell 1997) • ● 空間構造・移動分散(MacArthur, Levins 1969) • ● 撹乱(Connell 1978, Huston 1979, Kondoh 2001) • ● 非平衡(Connell 1978,Chesson&Warner 1981,Huisman 1999)
生物の種の多様性について(2) 生物の種多様性を促進する様々な理論 ● 栄養塩の利用 (Tilman 1982, 1988, Daufresne et al. 2005Iwata et al. 2007) ・栄養等の物質循環を考えたモデル (Yamamuraet al.2001,Miki et al) ● 食物網の中での相互作用 (Abrams1993,Abrams et al.1996) 特にエンドファイトと植物の結びつきの中で・・・ ・ 捕食者の存在 (Keith Clay et al . 2005) ・ 形質の変化による効果 (エンドファイトについてはOmachi et al 2001)
話の流れ ☆ 生物の種の多様性について(Review) ☆ 植物の特徴の紹介 ☆ 植物の特徴と種の多様性 ○ 栄養塩と生物の種多様性について ○ エンドファイトと植物種の多様性について ☆ 今後の展望
最終消費者 植物の特徴の紹介(1) 二次消費者 一次消費者 生産者 ☆ 植物→ 固着性である (繁殖する際 空き地⇒重要) ☆ 栄養→ 1.光合成による栄養(有機物) 2.土壌から吸収する栄養(無機物) ☆ 生態系の中の生産者 消費者にとっても分解者(微生物 のような)にとっても必要 ☆ 昆虫等の棲家としての働き ○ 食料としてではない上位消費者との関係
植物の特徴の紹介(2) ☆ 落葉等のリターによる栄養塩循環 ○ 枯死→ 栄養塩に分解 ○ 周辺環境の物理的環境の改変 ☆ エンドファイト(植物内生菌)と共生関係(にある植物も存在する.) ○ 植物は二次代謝物質により対乾性,耐虫性を得る.
話の流れ ☆ 生物の種の多様性について(Review) ☆ 植物の特徴の紹介 ☆ 植物の特徴と種の多様性 ○ 栄養塩と生物の種多様性について ○ エンドファイトと植物種の多様性について ☆ 今後の展望
植物の多様性 (1)ー植物の栄養利用の違いを考えてー 一般の植物 ・ 植物の死亡 → 空き地の生成 ・ 植物の定着 → 空き地 植物の栄養の利用 ・ 種子生産に栄養塩を利用する 種子の生産量に影響を与える. ・ 更に種子に含まれる栄養塩量に依存して発芽率が変わる. その意味で ○ 種子生産にどれだけの栄養塩量を使うか. ○ 単位種子あたりにどれだけの栄養塩が分配されているか 重要な 問題
植物の多様性 (2)ー植物の栄養利用の違いを考えてー ポイント ○ 1種類の栄養塩に対して何種類の 植物が共存することができる? ○ 植物の栄養塩の利用方法の違いは 共存にどのような影響を与えているか?
植物の多様性 (3)ー植物の栄養利用の違いを考えてー 時刻: t 繁殖βi(αi(x)) 種子 生存 定着 死亡 δi 時刻: t+1
植物の多様性 (4)ー植物の繁殖ー 種子 発芽 繁殖 βi(αi(x)) 種 i 種子生産 成長 ・・・ ・・・ αi(x) (1-q)xT S 栄養塩(XT=Xpt-Σαj(x)Pj)
生き残り 再生産 (繁殖項) ・・・(2) 種 iが時刻tで生産した種子の量 すべての種の種子量
繁殖関数 βi(αi(x)) TYPE I I TYPE I TYPE III li li 種子を作り始める条件 どんな栄養塩量に対して 少しでも種子を作ることができるのに十分な栄養塩量(α(x))がある場合 一定量以上の種子数を 作るだけの栄養塩(α(x)) がある場合 種子が生成されてその中で発芽する種子の量
0.04 20 0.05 酸化カリウム 窒素 ミネラル 縦軸・・・発芽率(%) 横軸・・・種子あたりの栄養塩含有量(mg) A bies sachalinensisの種子の発芽率と種子に含まれる栄養量の関係 (Ujiie,1991より)
結果 ☆ TYPE I TYPE II ○ 2種までは共存する (AREA III)3種以上は無理. ☆ Type III 3種以上でも共存する. l2 l2-m2相平面における種2がTYPEIIの場合の各種の生存領域 l2-m2相平面における種2がTYPEIの場合の各種の生存領域
・・・栄養塩 x TYPE III 数値計算の結果( 3種 n=3) ・・・種 1 P1 ・・・種 2 P2 ・・・種 3 P3 AREA I AREA V 種3 不利 (m3,l3)=(1,0.5) (m3,l3)=(1.751,0.5) l3 AREA II AREA IV m3 種3 有利 AREA III (m3,l3)=(2.4,0.5) (m3,l3)=(4,1) (m3,l3)=(4,0.5)
栄養塩と生物の種多様性についてーまとめー • TYPE IIIの繁殖関数にすると多種が共存するようになる. ⇒栄養利用方法は重要 ○ 2つの資源(空き地と栄養塩)に対して3種が共存できる. • 植物の栄養摂取 ⇒ ( 利用可能な栄養塩の減少) ・栄養塩が多い状況でたくさんの種子を作れる種→不利 ・ちょっとでも少ない種子を作ることができる種 →有利 ある種にとっての好適,不適な環境が植物の栄養利用による!!
話の流れ ☆ 生物の種の多様性について(Review) ☆ 植物の特徴の紹介 ☆ 植物の特徴と種の多様性 ○ 栄養塩と生物の種多様性について ○ エンドファイトと植物種の多様性について ☆ 今後の展望
植物の多種共存-Endophyteを考慮して(1) - ・Endopyte・・・植物と共生関係にある微生物の総称 エンドファイトに感染 → 植物: 耐乾性や耐虫性等の有益な形質を得る 一方で,植食者にとって毒となりうるアルカロイド系の物質を生成する. ・ 植食者が食べる植物が限定される → 食物網への影響 (生態系への影響を示唆Oomachiet al. (2001)) ・ 時間をかけて植物とEndopyteが共生関係になる場合もある Epichloë Endophyte : 植物にとっては問題のある病気 (有性生殖) Neotyphodium Endophyte: 植物と共生関係にあるEndophyte (無性生殖)
植物の多種共存-Endophyteを考慮して(2) - ポイント ○ 1種類の植物がエンドファイトに感染した 種と感染していない種でどのような条件 で共存できるのか? ○ 植食者を考慮した時に,植物の共存に対 してどのような影響があるのか?
植物の多種共存-Endophyteを考慮して(3) - エンドファイトに感染していない種i エンドファイトに感染している種i 時刻: t 時刻: t+1 栄養の影響はなし!!
植物の多種共存-Endophyteを考慮して(5) - 簡単の為に捕食者は常に定常状態(x*>0)にいると仮定する. 内部平衡点の存在条件 内部平衡点の安定条件 内部平衡点が存在 ⇒ その点は安定 (でありそう) (シミュレーションの結果から) だけれども数学的にはわかっていない.
植物の多種共存-Endophyteを考慮して(6) - 0.16 捕食者の定常状態での密度x*が増加すれば内部平衡点が出てくる ⇒ 共存する可能性がでてくる!! ○ 捕食者の存在が共存を促進している!!
植物の多種共存-Endophyteを考慮して(7) - と仮定する. 捕食者いる 捕食者なし Xはすぐに平衡点に向かう状態 エンドファイトに感染した種も生き残ることができる. エンドファイトに感染した種は絶滅する.
植物の多種共存-Endophyteを考慮して(8) - と仮定する. xはr-1に向かう.r<1だと絶滅,r>1だとx*は大域的に安定. における各種の占有面積 rが1.16になると は生き残ることができるようになる. x*=r-1=0.16
植物の多種共存-Endophyteを考慮して まとめ- • エンドファイトを考慮することで2種(エンドファイトに感染しているものとしていないものを区別して)が共存する状況が起こりうる. • エンドファイトと共生している植物が生き残れない状況で 捕食者を入れる ⇒ 共存できるようになる (捕食者を媒介とした共存)
話の流れ ☆ 生物の種の多様性について(Review) ☆ 植物の特徴の紹介 ☆ 植物の特徴と種の多様性 ○ 栄養塩と生物の種多様性について ○ エンドファイトと植物種の多様性について ☆ 今後の展望
今後の展望 植物についてより具体的な特徴を考える(理論的に考えられていない特徴) ⇒ 種の共存に結びつく事がある ☆種の多様性や植物自身が環境を変えることもある. ☆植食者の影響により植物の形質が変化することもある. 今後は これらの変化が種の多様性にどのような 影響を与えるか? が重要(!?)になる.