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『 障害受容再考 』 ~障害の価値 / 自由、リハビリテーションの意義、セラピスト-クライエントの関係~

『 障害受容再考 』 ~障害の価値 / 自由、リハビリテーションの意義、セラピスト-クライエントの関係~. 平成22年度 奈良県作業療法士会 教育部研修会 20100920 於: 奈良県社会福祉総合センター 5 階研修室A 吉備国際大学保健科学部作業療法学科 田島明子 . 自己紹介. 作業療法士として働いて 17 年(臨床 15 年、教育 2 年目) 東京都心身障害者福祉センターで8年 → 「障害受容・障害理解が悪いから一般就労にこだわる」? ・ 社会学との出会い → うまく説明できない不快・違和感に言葉を与えてくれるのではないかという期待感

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『 障害受容再考 』 ~障害の価値 / 自由、リハビリテーションの意義、セラピスト-クライエントの関係~

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  1. 『障害受容再考』~障害の価値/自由、リハビリテーションの意義、セラピスト-クライエントの関係~『障害受容再考』~障害の価値/自由、リハビリテーションの意義、セラピスト-クライエントの関係~ 平成22年度 奈良県作業療法士会 教育部研修会 20100920 於:奈良県社会福祉総合センター5階研修室A 吉備国際大学保健科学部作業療法学科 田島明子 

  2. 自己紹介 • 作業療法士として働いて17年(臨床15年、教育2年目) • 東京都心身障害者福祉センターで8年 →「障害受容・障害理解が悪いから一般就労にこだわる」? ・ 社会学との出会い →うまく説明できない不快・違和感に言葉を与えてくれるのではないかという期待感 ・ 東洋大学の修士課程へ-障害者の就労を研究テーマに選ぶ →障害を持つ当事者が望む就労のあり方とは? →http://www.arsvi.com/2000/030900ta.htm

  3. 本の章立て  第一章 なぜ「障害受容」を再考するのか …1 第二章 日本における「障害受容」の研究の流れ …13 第三章 「障害受容」は一度したら不変なのか …37 第四章 南雲直二氏の「社会受容」を考える …61 第五章 臨床現場では「障害受容」はどのように用いられているのか …95 第六章 「障害受容」の使用を避けるセラピストたち …113 第七章 教育の現場では「障害受容」をどのように教えればよいのか …131 第八章 「障害受容」から「障害との自由」へ――再生のためのエネルギーはどこに? …147 補遺 …187 おわりに …205

  4. 第1章リハビリテーションの内在価値ー障害者の就労の3つの位相をめぐる一考察ー第1章リハビリテーションの内在価値ー障害者の就労の3つの位相をめぐる一考察ー

  5. 問題意識の所在 問題設定:  作業療法士というリハビリテーションの援助職として、対象とする人たちの「存在価値」のための規範・倫理をどう設定し、どう理論枠組みに組む込むか。 ↓入口・導入として 研究目的:   これまでのリハの位置、内在価値のおかしさを、「ひとの価値」「存在価値」という観点から指摘する

  6. 作業療法における内在価値(歴史的流れ) • 理学療法士法および作業療法士法 • 「作業療法の核を問う」(1975-1989) ー第9回OT学会「私の考えるOT」(1975) ー第20回(1986)、第21回(1987)、第23回(1989)OT学会「作業療法の核を問う」 ・ 佐藤剛,1992,四半世紀からの出発-適応の科学としての作業療法の定着を目指して-,作業療法11,PP8-14. ・ 人間作業モデル、カナダ遂行作業モデル

  7. 作業療法の内在価値 • 「適応」概念  →「人間と環境の相互作用」に着目  →「人と環境が調和している状態」が良い状態 ・ 2つの働きかけ:「回復モデル」と「代償モデル」 →「回復モデル」:不十分な能力を向上させる    「代償モデル」:不十分な能力のままでもできる  →「障害」を、本人の機能をよくしたり、周囲との関係の調整により、解消していこう  ↓対象者にどのような変化を期待? 「障害」によって生じた環境・社会との不調和を、「障害」をなくす、解消することで「調和した関係」にしていこう ○肯定的価値:できること、適応状態 ●否定的価値:不調和な関係を生じさせる「障害」=できないこと

  8. 障害者の就労の3つの位相 対象:    一般就労、福祉的就労、共同事業所、   ピアカウンセラー(資料①) 分析方法:     これら就労形態が「能力主義」(資料②)とどのような位置関係にあり、「障害」をどのように価値づけているかを分析軸、特徴を浮き彫りに

  9. 結 果 1 能力主義の肯定/障害の無化・否定 ・「一般就労」「福祉的就労」 ・リハビリ(回復モデル・代償モデル)、障害者の就労支援 2 能力主義の否定/障害の肯定 ・「共働事業所」 3 能力主義への対抗/障害への積極的な価値付与 ・「ピアカウンセラー」(資料③)

  10. ひとの価値と作業療法ーーリハへの問題提起 1 何を支援の上位概念に持ってくるか 存在の価値より上位に「能力主義」を肯定し、「できること」をよいとする価値を持ってくるべきではない 2 「適応」概念への問題提起 「適応」概念は「能力主義」的価値観と共鳴しやすく、容易に価値の逆転が生じるからよくない。つまり、「適応的」であることに価値が置かれるので、何への適応が求められるかで、人の価値の在処が変動するから → リハは、対象者の価値の肯定から出発し、自由のために何ができるかを考えるのが本業では?   「適応」概念は再考を要する

  11. 第2章日本における「障害受容」研究の流れ

  12. 対象 ・作業療法・理学療法を中心とした学術雑誌 →①障害を有する本人、②肢体・精神機能の障害③中途障害、に着目 ・論文形式:論考、研究論文、総説、実践報告、短       報の体裁を持つもの ・雑誌名:『総合リハビリテーション』『リハビリテーション医学』『作業療法』『理学療法』『作業療 法ジャーナル』『理学療法ジャーナル』『理学療法学』『理学療法と作業療法』

  13. 方法 • 言説の変遷の特徴を明確にできるよう、1970年代、1980年代、1990年代以降という時代区分を行った • 1970年代・1980年代:各雑誌からの文献を年代ごとに1つのまとまりとし、さらに内容が類似していると思われるものを分類し、その分類を説明する題目をつけた • 1990年代以降:「新しさ(従来にはない知見であること)」、「批判性(従来の知見に対して何らかの批判をしている)」があると判断された文献についてのみ、上記と同様の方法で分類を行い、その分類を説明する題目をつけた

  14. 結果1 1970年代 ① いろいろな定義 ② リハビリテーション実施のための『障害受容』 ③ 段階理論の紹介、段階理論を根拠づける研究 ④ 『障害受容』を促進する個人要因、障害を持つことの心理的特性への関心 ⑤ 専門職の役割の検討、検査法の開発

  15. 結果2 1980年代 ① 、③ 「価値転換論」と「段階理論」の融合、『障害受容』の定義の確立 ② リハビリテーションの目標・目的へ ④ 個人要因から訓練スタッフの関わりや環境要因へ着目 ⑤ 様々なアプローチ法の登場、心理的アプローチの効果の前提性

  16. 結果3 1990年代以降 ① 潜在化している場合もある ② 「QOL」「障害告知」「自己決定」概念との連結 ③ コミュニティ(共同体)における援助の必要性 ④ 「リカバリー」概念の紹介 ⑤ 段階理論、モデルへのあてはめへの批判

  17. 考察2つの確証 • 1970年代、1980年代 →①「障害受容」の定義の確立    ②「障害受容」の促進要因:個人要因→環境要因へ    ③リハビリテーションの手段から目的へ    ④専門職の役割検討→効果の確証性へ ↓臨床現場への影響力とは? 2つの確証だったのではないか? 1 「障害受容」が支援の対象である(すべき) 2 「障害受容」は支援できる

  18. 考察2つのアプローチの価値設定の違い 「回復アプローチ」と「代償アプローチ」 価値設定が異なる(価値転換を要する) 回復:正常な身体 ←→代償:自立的に生活が行える 治療者:「社会適応」概念によって一貫性を持つ   対象者:身体回復への期待ある、その価値転換は容易      ではない ↓ 「移行困難性」=「障害受容」 ↓ 上田[1980](「段階理論」「価値転換論」融合) 「回復アプローチ」-「障害受容」-「代償アプローチ」

  19. 考察1990年代以降 異議申し立て ① 潜在化している場合もあるという知見 →「訓練の流れ図」には顕在化しない「障害受容」問題がある ② 「QOL」「障害告知」「自己決定」という概念の投入 →「訓練の流れ図」には適合しない難病ゆえに表象できた「障害受容」問題を明らかに ③ (代償アプローチではなく)コミュニティに基づく援助の必要性 →「訓練の流れ図」を解体しようとする試み ④ 「リカバリー」概念の紹介 →新たな概念を提示、「訓練の流れ図」の一環としての「障害受容」を批判 ⑤ 段階理論、モデルへのあてはめの批判 →対象者の「固有性」に目を向けることの必要性を指摘

  20. 第三章 「障害受容」は一度したら不変なのか第三章 「障害受容」は一度したら不変なのか

  21. はじめに • 「障害受容」は一度到達できればその後は不変なのか。一度、肯定的自己像が形成されたならそれは永続するものなのか。それが揺れ動くとすればそれは何が起因しているか。 • 中学校・高校時代に徐々に視覚障害が進行し、大学生時に光がわかる程度となった男性の障害と生をめぐる「語り」から、「自己肯定感の形成」「羞恥感情の揺れ」に注目し、上記の疑問に対する回答をみつける。

  22. インタビュー対象と方法 ・対象  *視覚障害を有する知人の男性Aさん ◇大学院在学中、28歳(当時)     ◇先天性黒内障により、学童期に徐々に目が見えづらくなり、 高校生の時にほとんど見えない状態になった ・方法 「ご自身の障害を取り巻く様々なことについて聴かせてほしい」とインタビューを依頼したのみで、質問票も用意せずに自由に語ってもらった。

  23. Aさんのライフストーリー(資料④) • 小学校の頃 • 中学校の頃 • 高校の頃 • 盲学校での経験 • 大学進学後 • 土地に付着する羞恥感情

  24. 図 時間変化と障害・障害肯定感・羞恥感情の変化との関係図 時間変化と障害・障害肯定感・羞恥感情の変化との関係         小学校   中学校    高校    大学・その後 障害変化         弱視    悪化    ほぼ全盲 障害肯定-否定感   否定                 肯定 羞恥感情         ある               ある(地元)、なし(大阪)

  25. 図からわかること • 障害の肯定―否定感は、障害の重症度とは連関しない(障害が重いから否定感が増すわけではないこと) • 否定感と羞恥感情は、それが生起する関係性とともに深い関わりがある • 肯定感が形成された後にも、障害にまつわる否定感・羞恥感情は再燃する

  26. 1 スティグマ経験 【宮城】 ・「保守的で障害者に全然理解がなく」、「好奇の目でみる」、「かわいそうと思われる」というイメージ ・親が障害児を産んだことの自責の念 ・分離教育を受けざるを得なかった ・進路の十分な情報提供がなかった ・迷惑をかける存在とみなされる 【関西】 ・開放感 ・障害に対しても、過度の関心を寄せない ・理解がありそう △盲教育における常識的障害観を越境 △障害に対する否定感・羞恥感を改変

  27. 障害受容定義とAさんの比較 「障害の受容とはあきらめでも居直りでもなく、障害に対する価値観(感)の転換であり、①障害をもつことが自己の全体としての人間的価値を低下させるものではないことの認識と体得を通じて、恥の意識や劣等感を克服し、②積極的な生活態度に転ずること」

  28. 問いの答え • 過去の「スティグマ経験」により形成された否定感・羞恥感情は、その後、肯定的自己像が形成されても、「スティグマ経験」に起因する場や人に対するイメージが引き金になり、そのイメージが喚起される状況設定において再燃する可能性はある • それは本人の意志的行動を規定・限定する大きな要因となる

  29. 問われるべきは、他者・社会がもつ障害の否定観(感)問われるべきは、他者・社会がもつ障害の否定観(感) <Aさんの障害をめぐる生> 他者から付与された障害への価値付けをいかに否定から肯定へと変容させ、羞恥感情や否定感覚から自由になるか ⇔ 他者による障害への否定的な価値付けという契機さえなければ生じ得なかった生の振幅 社会をも含めた他者による障害への否定的な価値付けがなければ、『障害を受容』するという、個人が行う障害への否定から肯定への変換の営みも要らない

  30. 第四章 南雲直二氏の「社会受容」を考える

  31. はじめに • リハビリテーション領域では、「障害受容」は支援の目的となる重要な概念である。 • 「障害受容」については、上田[1980]の定義が大きな影響力を有してきた。 • しかし、昨今、上田[1980]の「障害受容」に対する批判がなされるようになってきた。 • なかでも、南雲の「社会受容論」は、他者・社会のあり様に視点のシフトを促した点で画期的だった。

  32. 社会受容論の概略 • 自己受容と社会受容 • 社会受容問題の1つの定式化として、ゴフマンのスティグマ論を紹介 • ハーバート・ブルーマーのシンボリック相互作用論を援用しつつ、「相互作用」において形成される「意味」が社会的アイデンティティに与える影響力を指摘 ↓ 社会受容論とは・・・   ・障害を持つ人に対する他者や社会からの「排除」を問題の主眼   ・なぜなら、孤立化がその人に苦しみを生じさせ、適切な社会的アイデンティティの構築に支障をきたすから・社会受容の具体的実践として、自立生活センターなどの自助グループに求めた

  33. 社会受容論に対する3つの疑問 • 疑問1:苦しみは、他者や社会の態度からのみ生じ     るものか • 疑問2:社会受容論における排除/受容の2項関       係では、承認や肯定の重要性が見過ごされ       がちになるのではないか • 疑問3:障害で苦しむ人がいたとして、自助グループ     を形成するというような方法が唯一の解とは     ならない可能性があるのではないか

  34. 本研究の目的 社会受容論に対する 3つの疑問を検討すること ↑ 「元の身体に戻りたい」と涙する事例  へのインタビュー結果を通して

  35. 事例紹介 野中さんと演者との関わり 野中さん(仮名、女性、54歳) • 夫と子どもの3人暮らし。夫が野中さんの実家の家業を継ぎ、野中さんは家族の世話と同時に、家業の経理も担当 • 平成16年5月、左視床出血により右片麻痺を呈し、T病院入院 • T病院外来通院におけるリハビリテーションを経て、演者の勤務する介護老人保健施設利用となる • 演者は、野中さんの作業療法を担当

  36. インタビュー方法 • インタビュー日時:退所日が近い平成17年6月28日、13時30分~15時まで1時間30分程度実施 • インタビュー場所:当施設内の、人の出入りのない静かな一室 • インタビュー方法:   1) 野中さんには事前に「施設生活の不満やリハビリテーションに    関すること、障害に対する今の気持ち等、どんなことでもよいか    ら野中さんの現在の心情を聞かせてほしい」とインタビューの依    頼を行った   2) インタビューは、特に質問票は用意せず、自由面接法により自    由に語ってもらった • 個人情報取り扱いに対する倫理的配慮:   インタビュー内容の録音について、また、インタビュー内容は本人が特定できないよう加工し、学術的な使用以外には一切用いないことの説明を行い、了解を得た。さらに、草稿が完成した段階で草稿に目を通してもらい、文章内における個人情報の扱いについて、御本人の希望どおり修正を行った

  37. 分析対象と方法 • 分析対象:  1)「元の身体に戻りたい」と思う背景要因としての価値意識や規範意識を探るために 2)相互行為や関係性に焦点化し  3)価値意識や規範意識に関する逐語録部分を抽出し、分析の対象とした • 分析方法:   重複する内容の逐語録は、よりその内容を説明出来る逐語録を掲載、逐語録から得られた情報は、すべて記録に反映した。

  38. インタビューの結果(資料⑤) • 発障前の生活 • 脳出血を起こしたとき • 心情 • 夫との関係 • 他の利用者とのかかわり

  39. 考察1 野中さんの価値意識・規範意識 • 「よい妻」「よい母」であるべきという規範意識が強い。 • 「よい妻」「よい母」を実践してきた自分には自己肯定感を有している。 • 「自分でできることがよい」-「相手に迷惑をかけることは悪い」という価値観を形成し、自己規範化している。 • 野中さんと夫との関係は、これまで、支配―被支配的関係と言えるほど、夫の意向が優先されてきたようだ。

  40. 考察2 野中さんの心的状況       ~「価値」の内実~考察2 野中さんの心的状況       ~「価値」の内実~ • 「~すべき(それがよい)」という価値観(価値a)は、野中さんにとって重要な他者(夫、家族)からみて自己を肯定的に位置づけ、良好な関係を形成するべく自己を形成するための自己規律装置 • 身体状況A→Bに変化 • 価値aは、身体Bを否定的にみる • 身体Bを肯定できる価値bが創出できればよいが… • 価値bに移行できない理由:   ・野中さんにとって重要な他者の視点による自己の肯定性 を保障できない   ・自己の肯定性を保障できる価値bがみあたらない

  41. 考察3 社会受容論の批判的検討1 疑問1:苦しみは、他者や社会の態度からのみ生じ     るものか • 野中さんの苦しみの発生要因は、他者や社会の態度や見方が直接的な原因としてあるわけではない • ポイントは3つ。(1)(野中さんにとって)重要な他者とのこれまでの関係のあり方、(2)関係性における行動の指針となる価値意識や規範意識の存在、(3)その価値意識や規範意識が現在の身体(能力)をどうみるか

  42. 考察3 社会受容論の批判的検討2 疑問2:社会受容論における排除/受容の2項関係では、承認や肯定の重要性が見過ごされがちになるのではないか • 野中さんにとって、妻や母としての役割や仕事は、自己の肯定性を保障するための手段として必要 • 受容や参加によって苦しみが軽減するのではなく、苦しみの軽減は受容や参加の「あり方」に規定されると考える • 承認や肯定の観点から、受容や参加の実質を確定していくことがむしろ重要

  43. 考察3 社会受容論の批判的検討3 疑問3:障害で苦しむ人がいたとして、自助グルー     プを形成するというような方法が唯一の解     とはならない可能性があるのではないか • 自助グループは、 現在の身体状況を肯定できる価値を発見・創出・共有できる他者との出会いの場である可能性はあるが、その価値は、長年を経た夫婦や家族の関係のなかから生成されてきた価値とは異なるものであり、夫や家族との関係において摩擦、あるいは亀裂を生じさせる可能性がある

  44. 考察4 価値転換の困難=支援の困難   障害受容論      社会受容論 (障害に対する)価値観を-から+にしましょう SHG に期待 個人の変容 に期待 方法論違い しかし いづれにせよ、価値転換の困難はある、というのが今回の話し…

  45. 第五章 臨床現場では「障害受容」はどのように用いられているのか第五章 臨床現場では「障害受容」はどのように用いられているのか

  46. はじめに 「障害受容」の使用に対する批判 南雲直二,1998,『障害受容-意味論からの問い-』,荘道社. 上農正剛,2003,『たったひとりのクレオール』,ポット出版. 専制的・押しつけ的 反省的態度のみで終結しない「仕掛け」があるのでは?

  47. 対象者 • 作業療法士として臨床で働く7名 • 選定方法:無作為に選出せず、第39回OT学会において筆者の発表に関心を持ってくださった方、養成校時代の友人、友人からの紹介により選出 • 専門領域、経験年数が重ならないよう配慮 →人数、選出方法等鑑み、本結果が必ずしも実際の臨床を一般化できてはいない

  48.    対象者内訳  仕事内容(資料⑥)

  49. インタビューの方法 1)あらかじめ作成した調査票を元に半構造的に実施 2)質問項目 一般情報:①現在、過去の仕事内容         ②勤務年数、 障害受容に関して:①職場での使用頻度              ②誰がどのように使用するのか              ③その言葉による変化              ④障害告知について              ⑤「障害受容」についてどのように習ったか

  50. 分析方法 1)逐語録より、「障害受容」に関して述べられているものをすべて抜き取り、カード化 2)各事例ごとに内容が類似するカードを集め、それぞれにカード番号と見出しをつけた。 3)重複する内容のカードは省略したが、各事例のカードから得られたすべての結果を反映できるよう、文章を組み立てた。

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