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TPPは社会的共通資本を破壊する 農の営みとコモンズの思索から

TPPは社会的共通資本を破壊する 農の営みとコモンズの思索から. 日本学士院会員・東京大学名誉教授 宇沢 弘文. TPPのめざしているもの.  TPPとは自由貿易をめざすもの. ● 2006年5月、シンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4カ国が  ///// 自由貿易協定を締結 ● TPPは、それを 環太平洋地域全体 に適用しようとしたもの ● オーストラリア・ペルー・アメリカ・ベトナム、つづいてコロンビア・カナダが ///// 参加の意向を表明

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TPPは社会的共通資本を破壊する 農の営みとコモンズの思索から

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  1. TPPは社会的共通資本を破壊する 農の営みとコモンズの思索から 日本学士院会員・東京大学名誉教授 宇沢 弘文

  2. TPPのめざしているもの  TPPとは自由貿易をめざすもの ● 2006年5月、シンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4カ国が /////自由貿易協定を締結 ● TPPは、それを環太平洋地域全体に適用しようとしたもの ● オーストラリア・ペルー・アメリカ・ベトナム、つづいてコロンビア・カナダが/////参加の意向を表明 ● 2015年までに工業製品・農産物・金融サービスなどすべての商品について、/////関税その他の貿易障壁を実質的に撤廃し、環太平洋全域に亘って、究極的な貿易/////自由化を実現しようとするもの ● アメリカが事実上主導して、日本政府に参加を強要している。 ● 民主党の菅内閣は、「平成の開国」と称して、TPPへの参加を目指して準備を/////進めている。 -1-

  3.  自由貿易が成立するためには ● 自由貿易は、新古典派経済理論のもっとも基本的な命題のひとつ ● しかし、自由貿易の命題が成立するためには、   各国それぞれの、自然的・歴史的・社会的・文化的諸条件の違いによって形成さ/////れてきた「社会的共通資本」の存在を全面的に否定し、次の諸条件を前提にしな/////ければならない。(現実的には存在し得ない)/////・生産手段の完全な私有制                         /////・生産要素の可塑性                            /////・生産活動の瞬時性                            /////・全ての人間的営為に関わる外部性の不存在 ● 自由貿易の命題は、拡大しつつある帝国にとって好都合の考え方        //// (19世紀から20世紀初頭にかけてのイギリスや20世紀後半のアメリカ)  ● その結果、世界の多くの国々で、長い歴史を通じて大切に守られてきた社会的共/////通資本が壊され、自然・社会・経済・文化そして人間の破壊をもたらしてきた。                      -2-

  4. 社会的共通資本  それぞれの地域にはそれぞれの社会的共通資本がある  ● 3つの範疇 ////(自然環境)                                 ////////山、森、川、海、水、土、大気など////(社会的インフラストラクチャー)                                      ////////道、橋、鉄道、港、上・下水道、電力・ガス、郵便・通信など////(制度資本)                                              ////////教育、医療、金融、司法、行政、出版・ジャーナリズム、文化など ● 社会的共通資本は、官僚的基準や市場的基準ではなく、それに重要な関わりを持/////つ生活者の集まりやそれぞれの分野における職業的専門家集団によって、管理・/////運営されなくてはならない。 ● 政府の経済的機能とは、さまざまな社会的共通資本の管理・運営が社会的信託の/////原則に忠実に行われているかどうかを監理し、それらの間の財政的バランスを保/////つこと。 -3-

  5. 新自由主義と市場原理主義  新自由主義は社会的共通資本の考え方を根本的に否定する  新自由主義は、企業の自由が最大限に保証される時にはじめて、一人一人の人間 の能力が最大限に発揮され、さまざまな生産要素が効率的に利用できるという信念 に基づいて、すべての資源、生産要素を私有化し、すべてのものを市場を通じて取 得するような制度をつくるという考え方。  市場原理主義は新自由主義の極限のかたち 儲けるためには、法を犯さない限り、何をやってもいいという考え方。法律や制 度を「改革」して、儲ける機会を拡げる。これを守るためには武力の行使も辞さない。  戦後のパックス・アメリカーナの根幹には、新自由主義の政治思想が存在する。  小泉政権の5年半ほどの間に、この市場原理主義の日本侵略が本格化し、社会の ほとんどすべての分野で格差が拡大し、殺伐とした、陰惨な国になってしまった。 -4-

  6. 農の営みのもつ重い意味  農の持つ多面的な役割 ● 農業という時、耕種の他に畜産業はもちろん、林業、水産業をも含めて広い意味/////に用いている。 ● 農業は、自然と直接的な関わりをもちつつ、自然の摂理にしたがって、自然と共/////存しながら、食料、衣料、住居のための原材料を提供してきた。しかも、それを/////人々の主体的な意志に基づいて行われてきた。これは、工業部門の生産過程とき/////わめて対照的である。 ● 農業は、水田の保水機能や地球温暖化の防止等の効果を持っている。 ● 林業は、洪水調節機能など、自然環境の維持のために重要な役割を果たしてきた。 ● 農業は、一つの産業としての観点から見るだけでなく、農の営みという、人間本/////来のあり方に深く関わるものとして考えたい。 ● 農業は、効率性基準を適用しようとする時、工業と比較してきわめて不利な条件/////にある。 -5-

  7. 社会的共通資本としての農村  農を営み、そこに働き、生きる人々を総体としてとらえる ● 一つの国が経済的な観点だけでなく、社会的、文化的な観点からも、安定的な発/////展を遂げるためには、農村の規模がある程度安定的な水準に維持されることが不/////可欠である。 ● 農村では、都会と違い、健やかでたくましい人間性が育まれてきた。 ● このまま市場原理が適用されていくと、農村が消滅しまう危険がある。 ● 農村の最適規模は、市場的効率基準で事後的に決まるのではなく、社会的な合意/////に基づいて事前的に決められるべきである。 ● 農村の最適規模を維持するためには、経済的、社会的、文化的、そして自然環境/////を整備して、農村での生活を魅力的なものにすることが必要である。 ● 工業と農業の大きな格差を埋めるためには、農家に対する所得補助が必要である。 ● これまでの日本の農政は、工業や他の国々の農業と比較して、農業の経済効率性/////を高めることに偏ってきた。 -6-

  8. コモンズとしての農村  農業の経営単位は農家ではなく、コモンズとしての農村 ● 農業基本法は、一戸一戸の農家を経営単位として考えてきた。 ● この農家を工業部門の企業と対比させ、工業と競争できうる農家を自立経営農家/////として位置づけた。 ● そして、生産基盤の整備、構造改革、価格維持政策などのさまざまな保護政策を/////展開してきた。 ● 農業部門における生産活動に関して、独立した生産、経営単位としてとらえるべ/////きものは、一戸一戸の農家ではなく、コモンズとしての農村でなければならない。 ● それは、生産、加工、販売、研究開発等を統合し、計画的に実行する社会的組織/////である。 専業農家だけでなく、兼業農家もコモンズの主体的な構成員である。 ● 1990年代の半ばころから、政府の農業政策は大きく転換した。農業の概念を/////拡大して、農村ととらえ、産業としての農業を超えて、ひろく社会的、文化的、/////自然的環境の中で生きる生活者の集まりとして位置づけはじめた。 -7-

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