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バベッジのスチーム・コンピュータ と分業論 ver.2013.06.05

バベッジのスチーム・コンピュータ と分業論 ver.2013.06.05. 林晋 2013.5.29 2013.6.5. On the Economy of Machinery and Manufactures, 1832 機械と製造業の経済について  1832 年刊. 1832 年:天保 3 年盗賊鼠小僧処刑される、頼山陽死去 Google Books で無料で読めるのは 1846 年の 4 版 。

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バベッジのスチーム・コンピュータ と分業論 ver.2013.06.05

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  1. バベッジのスチーム・コンピュータと分業論ver.2013.06.05バベッジのスチーム・コンピュータと分業論ver.2013.06.05 林晋 2013.5.29 2013.6.5

  2. On the Economy of Machinery and Manufactures, 1832機械と製造業の経済について 1832年刊 • 1832年:天保3年盗賊鼠小僧処刑される、頼山陽死去 • Google Books で無料で読めるのは1846年の 4版。 • バベッジのこの本についてのおそらく唯一の日本語の本での詳しい言及:「コンピューター200年史―情報マシーン開発物語, マーチン キャンベル‐ケリー , ウィリアム アスプレイ」 • 現代的には生産工学(テイラリズム、トヨタ生産方式)、経営学のような感じ。目次。 • Chap I :バベッジの時代、イギリスを特別な国家としていた産業革命について • … • Chap XX: 知的労働の分業について

  3. Chap XX. 「知的労働の分業について」の内容目次 • フランスの大対数表 (§241-246) • 機械による算術計算の実行 (§247) • 数学的原理の説明. 階差による2乗の表 (§248) • 三つの時計による説明 (§249) • 鉱山における労働力の配分 (§252)

  4. 階差原理の説明と蒸気計算機計画 • 機械による計算という,当時としては当たり前とは言えない考え方を読者に説明する。(247) • その原理は「階差計算」。の例、つまり、「x の2乗」の数表。(248) • これは全く数学的なので、それを機械で実行できることを説明するために、として、三つの「時計」A,B,Cの説明を表を使い行う。そして、これにより限定された場合だが、(248)の階差計算が「時計」の紐(string)を繰り返し引くという操作で、行えることを説明する。そして、the first model of the calculating-engine (蒸気計算機の最初のモデル)が、このように作られつつあるという。(249)

  5. 階差機関と解析機関 • バベッジは蒸気エンジンで動作する,歯車とクランクのコンピュータを2種類構想した: • 階差機関 difference engineYouTube • 解析機関 analytic engine • 英国政府から多額の資金を得て,それを構築を試みたが,結局失敗した.その額は,一説によると軍艦を作れるほどだったという.

  6. 階差機関:The differential Engine • 階差機関の原理 階差計算 • バベッジの著書より.F(x)=x2 • x 1 2 3 4 5 6... から • F(x) 1 4 9 16 25 36…を作る • 階差3 5 7 9 11…. • 階差2 2 2 2…. • これを下から,上に作れば,足し算だけで F(x)=x2が計算できる.

  7. 階差計算の能力advanced • 数学の理論により,殆どの(連続)関数は,多項式 F(X) で近似できることが知られている. • マクローリン展開、テイラー展開など。さらには、こちらの定理。 • 易しい解説:高校生のためのマクローリン展開 • Excel で cos(x) を4次多項式で近似するサンプルを作りました。自分でもやってみたい人は、これを使って色々やってみてください。 • 1回の階差計算は,1回微分することにあたる.したがって,n次の多項式は,n回階差計算すれば,定数になる. • F(x)=x2 を2回階差計算したら,定数 2, 2, 2, … になった. • よって,近似の誤差を処理すれば,ほとんどすべての関数の計算,したがって,実質,どんな関数でも,その計算が可能. • 計算するために必要なのは,数列を記憶しておくこと.そして,数列の項に対して足し算を行うこと. • バベッジは,これを機械にやらせようとした. • 注. 階差計算を機械に実行させるというアイデアは,バベッジ以前にもあった.

  8. 階差機関はなぜ生まれたか (1/3)2013.06.05追加 • 先ほどの、YouTube の動画 YouTube の説明で、数表と、それを印刷する為の「鉛版」 (stereotype plate)を作る為の石膏の母型(flong)が見えた。 • 該当箇所 • クリックでは動画が正しく起動しないときは、次のURLをブラウザに直接入力してください。http://www.youtube.com/watch?v=0anIyVGeWOI#t=58s • 石膏母型の箇所 • 数表の箇所 • 数表とは: Wikipedia, x^2 (xの二乗)の数表(Babbageも説明にこれを使っている)

  9. 階差機関はなぜ生まれたか (2/3)2013.06.05追加 • この印刷の仕組について、解説の人は次の様に言っている: • The purpose of all that was to eliminate the risk of human error. • 該当箇所 • http://www.youtube.com/watch?v=0anIyVGeWOI#t=1m11s • 現代軍事力の中心にはコンピュータがある • SF映画「ターミネーター」では、コンピュータ(人工知能)が暴走(?)して核戦争が起こるというシナリオ。 • これはフィクションだが、実際に現代の軍事超大国であるアメリカの兵器の多くがコンピュータにより運用され、戦闘における多くの計算や決定、兵器のコントロールがコンピュータにより行われている。例えば、このCIWSなどはコンピュータ無しではイメージさえできない。 • Goalkeeper 動画 • いわゆる弾道計算(重力や風で弾道が曲がる)が重要

  10. 階差機関はなぜ生まれたか (3/3)2013.06.05追加 • では、19世紀の超大国である大英帝国の軍隊、たとえば戦艦はどうやって砲撃に必要な弾道計算をしていた? • その当時の計算は、数表を用いて行われていた。 • つまり、数表に誤りがあれば、戦闘に支障がでるかもしれない。航海における位置の確認にも支障がでる。商取引にも、建築における計算にも… • 計算力は国力!! • ところが、その数表に実際には多くの間違いがあった。 • 間違いの原因は主に二つ • 計算の間違い • 印刷の間違い • 人は誤るものだ、だったら機械に全部やらせよう!(バベッジ) • → 階差機関、解析機関

  11. 解析機関: The Analytic Engine • バベッジは,英国政府から多大の研究費を得て,階差機関を作ろうとしたが,当時の機械技術では,難しかった.そのため,ヨーロッパ各地の工場を使える技術を求めて視察し,その結果が On the Economy of Machinery and Manufactures の執筆となったとも言う. • しかし,バベッジの計画は,遅々として進まず,英国政府からも信用されなくなり,資金も続かなくなる. • さらにまずいことにバベッジは,階差機関を完成させずに,解析機関という,さらに進んだ機械の設計に没頭するようになる. • この機械は,一戸建ての家くらいの大きさで,6台の蒸気機関で動かす設計になっていた.

  12. 解析機関の能力は現代のコンピュータと同等 advanced解析機関の能力は現代のコンピュータと同等 advanced • 階差計算の出力を,再び,階差計算の入力にできるように,出力を入力に結びつけていた. これは現代的用語で「ループ」という. • 足し算,数列の記録,ループ,条件分岐(つまり、条件を判定して、次の仕事を2つの候補の中から選ぶこと)の四つがあると,現代のコンピュータと,同じ計算ができることが知られている. • 解析機関は、この4条件を備えており,さらには計算手従,つまり,「プログラム」を,ジャガード織機のために使われていたパンチカードで指定することができた.つまり、原理上はであるが,現代のコンピュータと「同じ能力」を持っていた。 • このパンチカードによるプログラミングの部分は、最初のデジタルコンピュータの一つとも言われるENIACより進んでいるとさえ言える。ENIACにおけるプログラミングはケーブルによる配線で行っていた。 • もし,バベッジが成功していたら,世界はどんな風だったろうか、と空想したいのは人情!

  13. 小説「ディファレンス・エンジン」 • 「もし,バベッジが成功していたら,世界はどんなだったろう」,これをテーマに,SF作家,ギブスンとスターリングが書いたスチーム・パンク小説. • 英語版表紙 • 日本語版表紙 • スチーム・パンクとは:1,2 • 話を[まじめな]経済学に移して…

  14. 分業と計算機 (250) • これにより、分業 (division of labour)の効果が機械的(mechanical)な作業(operation)でも、知的(mental)な作業でも見られ、それにより「非熟練労働者の雇用を避けることができる」という(250) • we avoid employing any part of the time of a man who can get eight or ten shillings a day by his skill in tempering needles, in turning a wheel, which can be done for six pence a day; • 「つまらない計算のために数学者を雇わなくても済むということも言っている: and we equally avoid the loss arising from the employment of an accomplished mathematician in performing the lowest processes of arithmetic.

  15. 分業と資本 (251) • 分業の効果は大量生産のデマンドを前提とする。そして、それは、大資本を必要とする。この前提がない限り、分業は成功しない: • The division of labour cannot be successfully practiced unless there exists a great demand for its produce; and it requires a large capital to be employed in those arts in which it is used. • 時計の生産では成功するだろう….

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