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統計教育における 携帯端末の利用

統計教育における 携帯端末の利用. 寺尾 敦 青山学院 大学社会情報学部 atsushi@si.aoyama.ac.jp Twitter: @ aterao. 大学教育で の携帯端末の利用. 2009 年 5 月,青山学院大学社会情報学部は iPhone を全学生に配布 (毎年継続中) . iPhone を活用した教育の研究を始めた . 2010 年度からは,科学研究費補助金を受け,「携帯 端末 を活用した新しい大学教育の探求」の研究を行っている. 研究 代表者:寺尾敦,課題番号: 22500934 統計学 教育での携帯端末の活用例を話す.. トピック.

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統計教育における 携帯端末の利用

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Presentation Transcript


  1. 統計教育における携帯端末の利用 寺尾 敦 青山学院大学社会情報学部 atsushi@si.aoyama.ac.jp Twitter: @aterao

  2. 大学教育での携帯端末の利用 • 2009年5月,青山学院大学社会情報学部は iPhoneを全学生に配布(毎年継続中). • iPhoneを活用した教育の研究を始めた. • 2010年度からは,科学研究費補助金を受け,「携帯端末を活用した新しい大学教育の探求」の研究を行っている. • 研究代表者:寺尾敦,課題番号:22500934 • 統計学教育での携帯端末の活用例を話す. 心理統計教育におけるウェブの活用

  3. トピック • インタラクティブな講義の実現 • ウェブに用意された質問への回答から,学生の理解変化をモニタリングし,学生にフィードバックすることができる. • セカンドモニタとしての携帯端末 • スマートフォン(iPhoneなど)をセカンドモニタとして使用することで,PCモニタが小さいという問題を解決することができる. • Ustreamでの授業配信 心理統計教育におけるウェブの活用

  4. 1.インタラクティブな講義の実現 • ウェブに用意された質問に学生が回答することで,インタラクティブな講義を実現する. 簡易集計結果・ データ 回答送信 フィードバック 心理統計教育におけるウェブの活用

  5. 「統計入門」での授業実践1 • 無作為抽出について考慮されていない新聞投書意見をとりあげ,どれぐらい同意できるかをたずねた. • 無作為抽出について学習する前後の2回,同じ質問を行い,変化をフィードバックした. • 学術的関心:無作為抽出について学習することで,それに関連した実際的問題を批判的に検討できるようになるか? 心理統計教育におけるウェブの活用

  6. 参加者 • 青山学院大学社会情報学部1年生必修科目「統計入門」の受講登録者86名のうち,授業中に行った2回の質問にいずれも回答した40名. 心理統計教育におけるウェブの活用

  7. 材料 • 2008年11月24日朝日新聞 声・主張面に掲載された投書意見「庶民の本音は給付金ほしい」 • 大阪府寝屋川市 主婦 66歳 • 自分と周囲の人は定額給付金に賛成 • 63%が反対という世論調査は信じられない • 身近な人とのおしゃべりの中に本当の気持ちが出るのではないか 心理統計教育におけるウェブの活用

  8. 手続き • 新聞投書をA4の紙に印刷して,授業の最初に学生に配布した. • 投書した人の考えにどれくらい同意できるかを,6件法で回答.回答理由を記述. • 「正解」の選択肢はないということが注意された. • PC あるいは iPhoneから回答を送信.株式会社ネットマンが開発した,携帯端末を活用した授業システムC-Learningを利用した. 心理統計教育におけるウェブの活用

  9. 手続き • 回答後,テキストをまとめたパワーポイントスライドを用いて,無作為抽出の概念と方法について講義(およそ20分)を行った. • テキスト:ホーエル『初等統計学』 • 新聞投書への言及なし • 講義後に,投書意見への同意の程度を,再び6件法で回答.回答理由を記述. • 「正解」の選択肢はないということが注意された. 心理統計教育におけるウェブの活用

  10. 結果 • 「非常に同意できる」を1点,以下1点刻みで,「まったく同意できない」を6点と点数化. • 無作為抽出について学習後には,「同意しない」方向への変化が生じた. • 学習前:平均2.3 標準偏差1.0 • 学習後:平均2.8 標準偏差1.3 • 学習による変化(差得点):平均0.5 標準偏差1.2 • 差得点の95%信頼区間:下限0.09 上限0.86 心理統計教育におけるウェブの活用

  11. N = 40 心理統計教育におけるウェブの活用

  12. 心理統計教育におけるウェブの活用

  13. 心理統計教育におけるウェブの活用

  14. この実践のまとめ • ウェブに用意された質問への回答から,学生の理解変化をモニタリングし,学生にフィードバックすることができる. • リアルタイムの形成的評価ができる. • PC 教室でなくても,携帯端末があればよい. • 自由記述データの即時分析(データマイニング)とフィードバックも可能(テスト学会で報告予定) • 分析に用いるデータの収集や,簡単な心理学実験の実施も可能. 心理統計教育におけるウェブの活用

  15. 2. セカンドモニタとしての携帯端末 • PC 教室のモニタは小さく,複数のウィンドウを切り替えながらの操作はわずらわしい. • 説明文書を読みながらの実習など • iPhoneをセカンドモニタとして活用する. • 授業資料をウェブに用意して,iPhoneからアクセス. • iPhoneの利点:教材閲覧に十分な画面の大きさ.小型で邪魔にならない.すぐれた操作性. • 資料を印刷しなくてよい.欠席学生への資料配布を考えなくてよい. 心理統計教育におけるウェブの活用

  16. 「統計入門」での授業実践2 • エクセルを用いたデータ分析の実習 • 学生は以下の2条件それぞれで度数分布表を作成.いずれがよかったかを回答した. • シングルモニタ:PC の画面でエクセルと 説明文書PDF の両方を表示 • デュアルモニタ:PDF をiPhoneで表示. PC モニタではエクセルを全画面表示. 心理統計教育におけるウェブの活用

  17. 学術的関心:統計学の授業での,セカンドモニタとしてのスマートフォン(iPhone)の使用は,学生にどれほど支持されるだろうか?こうした使用法は有望なのか?学術的関心:統計学の授業での,セカンドモニタとしてのスマートフォン(iPhone)の使用は,学生にどれほど支持されるだろうか?こうした使用法は有望なのか? 心理統計教育におけるウェブの活用

  18. 1年目(2009年)の実践研究 • 参加者: • 「統計入門」受講者86名のうち,第3回の講義(2009年10月13日)に出席し,iPhoneを所持していた58名. • 材料: • Microsoft Excel 2007 を用いて,度数分布表とヒストグラムを作成する手順を示した PDF 文書を作成. • シングルモニタ条件:文書を学生の PC に配信. • デュアルモニタ条件:iPhoneのブラウザでアクセス. (株)ネットマンのC-Learningを使用. 心理統計教育におけるウェブの活用

  19. 手続き: • 学生は度数分布表を2回作成.1回はシングルモニタ条件,もう1回はデュアルモニタ条件.経験する条件の順序はカウンターバランスをとった. • 2条件を比較する質問項目に回答.質問項目はC-Learning に用意.学生は PC あるいは iPhoneからアクセスして回答. 心理統計教育におけるウェブの活用

  20. 質問項目: • PDFの閲覧がしやすいのはどちらか?(PC vs. iPhone) • エクセルの操作がしやすいのはどちらか? • 次の機会ではどちらを使うか?その理由は? 心理統計教育におけるウェブの活用

  21. 結果(2009年) およそ4割の学生がiPhoneを支持 心理統計教育におけるウェブの活用

  22. 実践研究(1年目)の結果 • iPhoneを支持した学生の多くは,ウィンドウを切り替える必要がなく,エクセル操作がしやすい点を支持理由とした. • 「Excelを全面に表示したまま作業できるから」 • 「iPhoneなら操作の仕方を見ながらパソコンを操作できるからやりやすい」 心理統計教育におけるウェブの活用

  23. 実践研究(1年目)の結果 • PC を支持した学生は,iPhoneよりも文字が大きいこと,操作の慣れ,iPhoneでの無線LANアクセスの手間を指摘した. • 「iPhoneは画面が小さくて見にくかったし画面がでてくるのに時間がかるため」 • 「パソコンのほうが慣れているので使いやすいため」 • 「iPhoneは画面が小さくて目がちかちかして非常に疲れるし,起動や設定に時間がかかりすぎていらいらする」 心理統計教育におけるウェブの活用

  24. 考察 • セカンドモニタとしての iPhoneの使用は40%ほどの学生の支持を得た.iPhone導入の意味は十分にあったと考える. • しかし,支持率をもう少し高くすることはできないか? • 注目した点:学生はなぜ「画面が小さい」と言うのか? • 小さければ拡大すればよい. 心理統計教育におけるウェブの活用

  25. 考察 • 画面をスクロールしたり,拡大したりして,必要な情報を適切に表示させることが,そもそも面倒. • 余分な操作なく,ひとつの画面から必要な情報が得られるべき. • 教材のレイアウトを改善する必要 心理統計教育におけるウェブの活用

  26. Word 2007 で作成した文書を PDF にした教材を iPhoneのブラウザで表示した画面. 心理統計教育におけるウェブの活用

  27. 教材PDFの一部を拡大した画面. 必要な情報が一画面に収められていない. 心理統計教育におけるウェブの活用

  28. 2年目(2010年)の実践研究 • Spatial Contiguity Principle: 対応する文と絵は近くに配置すると,学習が促進される. • Mayer (2009) による,マルチメディア学習でのデザイン原理のひとつ. • この原理にしたがって,教材レイアウトを改善した. • ひとまとまりの操作に必要な情報が,ひとつの画面に収まるようにする. 心理統計教育におけるウェブの活用

  29. PowerPoint 2007 で作成した文書を PDF にした教材を iPhoneのブラウザで表示した画面. 心理統計教育におけるウェブの活用

  30. 参加者: • 「統計入門」受講者96名のうち,第2回の講義(2010年9月28日)に出席し,iPhoneを所持していた67名. • 材料: • Microsoft Excel 2007 を用いて,度数分布表とヒストグラムを作成する手順を示した PDF 文書を作成. • シングルモニタ条件:文書を学生の PC に配信. • デュアルモニタ条件:iPhoneのブラウザでアクセス. (株)ネットマンのC-Learningを使用. 心理統計教育におけるウェブの活用

  31. 手続き: • 学生は度数分布表を2回作成.1回はシングルモニタ条件,もう1回はデュアルモニタ条件.経験する条件の順序はカウンターバランスをとった. • 2条件を比較する質問項目に回答.質問項目はC-Learning に用意.学生は PC あるいは iPhoneからアクセスして回答. 心理統計教育におけるウェブの活用

  32. 質問項目: • PDFの閲覧がしやすいのはどちらか?(PC vs. iPhone) • エクセルの操作がしやすいのはどちらか? • 次の機会ではどちらを使うか?その理由は? 心理統計教育におけるウェブの活用

  33. 結果(2010年) およそ7割の学生がiPhoneを支持 心理統計教育におけるウェブの活用

  34. 考察 • 教材改善の効果は劇的であった. • マルチメディア学習のデザイン原理にしたがった.Spatial Contiguity Principle • 2010年は,無線LAN使用の設定やC-Learningへのアクセスにとまどった学生が少なかった.このことも,セカンドモニタとしての iPhoneの支持率を引き上げた要因かもしれない. 心理統計教育におけるウェブの活用

  35. この実践のまとめ • PC教室での統計学の授業で,スマートフォン(iPhoneなど)をセカンドモニタとして使用することで,PCモニタが小さいという問題を解決することができる. • 教材はウェブに用意.端末にダウンロードすることも可能. • ペーパーレスの講義 • iPadのようなタブレット端末なら,なおよい? 心理統計教育におけるウェブの活用

  36. 3.Ustreamでの授業配信 • Ustreamの利用により,手軽に授業配信を行うことが可能になった. • PC 画面と音声の配信なら,費用も手間もほとんどかからない. • Ustream Producer を用いて配信した動画は,自動的に iPhoneでも閲覧可能となる. • だたし,大学の LAN 環境によっては,Ustream Producer による配信ができない場合もある. 心理統計教育におけるウェブの活用

  37. 「社会統計」での授業実践 • Ustreamのチャンネル aoyamassiを作成. • 「社会統計」および「社会統計演習」の授業を配信. • いずれは他の授業,他の教員にも広げたい. • 大学の LAN 環境が Ustream Producer での配信を許さないため,授業後に自宅から配信を行っている. • 2010年度は,SCFH DSF を利用しての授業配信も実施.この方法はたいていの環境で可能. 心理統計教育におけるウェブの活用

  38. PC での授業の視聴 心理統計教育におけるウェブの活用

  39. PC での授業の視聴(フルスクリーンモード) 心理統計教育におけるウェブの活用

  40. iPhoneアプリでの検索 心理統計教育におけるウェブの活用

  41. iPhoneアプリでの授業の視聴 心理統計教育におけるウェブの活用

  42. この実践のまとめ • Ustreamの利用により,手軽に授業配信を行うことが可能になった. • Ustream Producer を用いて配信した動画は,自動的に iPhoneでも閲覧可能となる. 心理統計教育におけるウェブの活用

  43. トピック • インタラクティブな講義の実現 • ウェブに用意された質問への回答から,学生の理解変化をモニタリングし,学生にフィードバックすることができる. • セカンドモニタとしての携帯端末 • スマートフォン(iPhoneなど)をセカンドモニタとして使用することで,PCモニタが小さいという問題を解決することができる. • Ustreamでの授業配信 心理統計教育におけるウェブの活用

  44. 謝辞 • 紹介した実践・研究は,科学研究費補助金(研究代表者:寺尾敦,課題番号:22500934)による支援を受けています. • 統計学教育の実践・研究は,科学研究費補助金(研究代表者:山田剛史,課題番号:20530595)による支援を受けています. 心理統計教育におけるウェブの活用

  45. ありがとうございました 相模大野高校 国松稔之先生作成 「ドア開けロボ」 心理統計教育におけるウェブの活用

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