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論文の構成

論文の構成. 2004 年8月 井原章之. Introduction. 低次元半導体における光学遷移の研究は、励起子効果やフェルミ面効果などの物理において大きく注目されている。 低次元電子系において、フェルミエッジでの発光・吸収強度が強まる効果( FES )の研究は、 n 型ドープ量子井戸における2次元電子系で盛んに行われてきた。 また、一次元電子系でも同様に FES の研究、そして朝永 Luttinger 流体の研究が注目を集めている。

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論文の構成

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Presentation Transcript


  1. 論文の構成 2004年8月 井原章之

  2. Introduction 低次元半導体における光学遷移の研究は、励起子効果やフェルミ面効果などの物理において大きく注目されている。 低次元電子系において、フェルミエッジでの発光・吸収強度が強まる効果(FES)の研究は、n型ドープ量子井戸における2次元電子系で盛んに行われてきた。 また、一次元電子系でも同様にFESの研究、そして朝永Luttinger流体の研究が注目を集めている。 特に、量子細線における1次元高濃度電子系のPL・PLEの研究において、フェルミエッジでの吸収にFESが現れないという結果が報告された事は記憶に新しい。 このように2次元電子系とは異なる物理現象が様々に期待される一次元電子系だが、試料作製の困難さ、その測定の難しさのため、量子井戸のような様々な研究はまだ行われていないのが現状である。 そのような中で我々は過去に、高品質n型ドープ単一量子細線のPL測定結果を発表し、一次元系における励起子・荷電励起子の発光や、1次元電子プラズマの発光・BGRなどの多体効果について報告した。 今回は同様のサンプルでPLE測定を行い、1次元電子系における吸収の電子濃度依存性の測定、そして同サンプルで量子井戸のPL・PLEを測定する事に成功し、1Dと2D電子系のPL・PLEスペクトルの違いを発見するに至った。 1次元電子系における励起子や荷電励起子の吸収が、1次元電子プラズマの吸収に移り変わる様子や、FESが消失する様子を観測した。

  3. 図①sample サンプルはへき開再成長法・MBE・成長中断アニーリング法を用いて作製される。 まず表面が001方向の基板上に50nmのGaAsバッファ層を積み、さらに2.26μmのバリア層((GaAs)9 (Al0.33Ga0.67As)71超格子)、14nmのAl0.07Ga0.93As層(stem well)、100nmのAl0.33Ga0.67Asスペーサー層、4x10^11cm^-2のSiのデルタドーピング層、100nmのAl0.33Ga0.67Asバリア層、5.66μmのバリア層、そして30nmのGaAsキャップ層と続く。 次に110面でへき開をし、6nmのGaAs層(arm well)、200nmのAl0.45Ga0.55Asバリア層、そして100nmのSiドープのn+Al0.1Ga0.9As層を積む。 ただし、Arm wellの成長後、600℃で10分間のアニーリングを行った。 図のように、stem wellとarm wellのT型に交わった部分が単一の量子細線として機能する。 Siのデルタドーピングにより、stem wellの電子濃度は1x10^11cm^-2程度に増加している。 また、 Siドープのn+Al0.1Ga0.9As層と、stem井戸にコンタクトを取ったグラウンド電極の間にゲート電圧をかけることによって、量子細線やarm wellの電子濃度を変えることができる。

  4. 図②実験配置とスペクトル概要 励起光としてはcw titanium-sapphire laserを用いた。 図2の挿図のように、N.A.0.5の対物レンズを用いてレーザー光を1μmのスポットサイズに絞り、 110面方向から励起する。 発光は励起光とは垂直な001方向で検出を行った。また、励起光と検出の偏光方向を互いに垂直にした。 これらの工夫により、PLEスペクトルのS/Nが劇的に向上した。 分光器には0.75mのシングル分光器と、窒素冷却CCDカメラを用いた。 図は、5Kにおいて、ゲート電圧が0.15VのときのPLとPLEスペクトルの概要を示したものである。 ただし、PL測定の励起光エネルギーは*.**eV、励起光強度は*.**μW、分光器の分解能は*.**meV。 PLE測定でモニターしたのは量子細線からの発光(1.560-1.570eV)で、励起光強度は*.**μW 、PLEの分解能は*.**meVである。 1.565-1.570のピークが量子細線の発光・吸収、1.580-1.590のピークがarm wellの発光と吸収、1.615のPLEピークはarm wellのLight holeの吸収、1.62-1.64のピークがstem wellの発光と吸収にあたる。 Wireのピークとarm wellのピークは、ゲート電圧をかけると大きく変化する。 それらを解析することで、同じサンプルで1D電子系と2D電子系の違いを議論することができる。

  5. 図③電子濃度依存性 図2(a)は、wireのnormalized PL(細線) と PLE(太線)のゲート電圧依存性、つまり電子濃度依存性である。 ただし温度は5K、励起光強度は20μW、Vgは0Vから0.7Vまで変化させた。 0.0VのPLEスペクトルで1.568eVに強く見られるピークXは、excitonの吸収である。 ピークが分裂しているが、これはstem wellの構造ゆらぎに依るものと考えている。 電子濃度を上げると、excitonはブルーシフトしながら減衰する。 一方、1.566eVにピークX-が現れるが、これはtrionのピークと考えられ、束縛エネルギーは2meVである。 Trionのピークは電子濃度に対してシフトしない。 0.2または0.3Vのピークの形は非対称で、FESのべき減衰に対応。 さらに電子濃度をあげたとき、(0.35V~0.4V)Trionの吸収は減衰するが、一方3meV程度高エネルギー側にブルーシフトするブロードな吸収が現れる。

  6. 図③電子濃度依存性 図2(b)は、比較のために測定したarm wellのnormalized PL & PLEのゲート電圧依存性である。 ほぼ同じような傾向が観測されたが、興味深い違いがいくつか見つかった。 ①Trionの束縛エネルギーがwireでは2meV(Vg=0.0V)で、arm wellでは1.5meV(Vg=0.2V) ②電子濃度が増加したとき、wireの方がexcitonが急激に減衰する(0.0~0.2V)。Arm wellでは高電子濃度でもピークが残っている(0.2V~0.5V)。 ③1Dでは、Trionのピークと1D電子プラズマの吸収がはっきりと区別できる(0.35V~0.4V)。2DではTrionの吸収から電子プラズマの吸収へなめらかにつながる(0.4~0.6V)。この領域での吸収強度は1Dでは急激に減少するが、2Dでは一定である。 ④1Dプラズマ領域で、PLの肩(△)とPLEのピーク◆の間に大きなギャップがある。2Dではフェルミエッジ付近に吸収ピークが存在する。

  7. 図④エネルギープロット 図2の(a)、(b)の吸収ピークのエネルギー値や、そのエネルギー差、PLの幅との関係を調べるため、それらをプロットした。 PLの肩の70%のエネルギーを○(高エネルギー側)・△(低エネルギー側)でプロットした。 PLEピークのエネルギーを▲(exciton)・ ■(Trion)・◆(plasma)でプロットした。 有効質量近似を用いて見積もったEFを▽でプロットした。 ExcitonとTrionのエネルギー差(ω1-ω2)を▼でプロットした。 excitonはブルーシフト▲ Trionはシフトしない■ Excitonとtrionのエネルギー差は増大▼:他の報告と一致。 Plasmaはブルーシフト◆ フェルミエッジはシフトしない△ ◆と△のエネルギー差が1Dの方が大きい バンドエッジはレッドシフト○ ○と△のエネルギー差がフェルミエネルギー▽ :他の報告と一致。 低電子濃度では、Trionとexcitonのエネルギー差▼はフェルミエネルギーの増大▽とほぼ比例関係。 1Dの◆の起源は不明。2Dの◆はtrionの吸収におけるFESに相当:他の報告と一致。

  8. Discussion 1DではTrionのEBが大きい(0.0V)  ←閉じ込めが強い分、ホールと電子の相互作用が大きい。 1Dではexciton ▲が急速に減衰する(0.2V)  ←1Dはkベクトルの方向が限られているため、Trionになりやすい。状態密度を反映していると考えてもいいはず。 1D、2Dともに▲ー■が増加する(0.0~0.2V)  ←Excitonは電子が一つ、Trionは二つ⇔Fermi energyの増加に対して、シフトの大きさが異なる(差はfermi energyに相当) 1DではTrionの吸収■とプラズマの吸収◆が分離(0.35V)  ←2DではTrionのみ。1Dの特徴だと思われる。では、◆は何なのか? 1Dでは、Trionからプラズマの吸収への移行で、吸収強度が急激に減少(0.3Vから0.5V)  ←フェルミ面の消失。FESならば△で吸収が起きるはず。2Dでは強度はほとんど変化しないので、plasmaの吸収◆はTrionのFESに相当している。 △と◆の間の大きなギャップ(0.7V)  ←○:EB、△: EB + EF、◆: EB +(1+me/mh)EF とする論文もあるが、ギャップはもっと大きい。 吸収ピーク◆は、むしろexcitonの吸収▲のシフトに近い。フェルミ面が消失すると、excitonの吸収に戻るのかもしれない。吸収ピークがブロードになっている=運動量分布がなめらかになっている、だとすればこれらは全て朝永Luttingerの特徴(フェルミ面の消失)で説明される。

  9. Reference例① [1]へき開再成長法・成長中断アニーリング M. Yoshita, H. Akiyama, L. N. Pfeiffer and K. W. West, Jpn. J. Appl. Phys.40, L252 (2001). [2] 20nm量子井戸のPL・photocurrent(吸収)の電子濃度依存性 excitonのFESが顕著に観測されている G. Yusa, H. Shtrikman, and I. Bar-Joseph, Phys. Rev. B 62, 15390 (2000). [3] 本サンプルのPL測定。Fermi energyの見積もりを詳しく議論。 H. Akiyama, L. N. Pfeiffer, A. Pinzuk, K. W. West, and M. Yoshita, Solid State Commun. 122, 169 (2002). [4] Lateral superlattices (LSL’s) 高濃度1D電子系のPL・PLE ホールのlocalizationについて詳しく議論。 T.Melin and F. Laruelle, Phys. Rev. B65, 195302 (2002). [5]2次元電子系吸収スペクトルの電子濃度依存性の計算 M. Takagiwa and T. Ogawa, J. Phys. Chem. Solids63, 1587 (2002). [6]光電子分光 朝永Luttinger流体の特徴を表すスペクトル 未読 A. Sekiyama, A. Fujimori, S. Aonuma, H. Sawa and R. Kato, Phys. Rev. B51, 13899 (1995).

  10. Reference例② <2D> 1995 Bar-Joseph 20nm wellのPL・PLEでFESを観測 1996 S.A. Brown 5nm wellsのabsorptionでFESを観測 2000 V.Huard 10nm CdTe wellのabsorptionでFESを観測 w1-w2=EB+EFを観測 2000 G.Yusa 20nm wellのPL・photocurrentでexcitonのべき減衰を観測 2002 Takagiwa 2D electron gasのFES 電子濃度依存性を計算 <1D> 1995 Calleja QWWsのPL・PLEでFESを観測 2001 Kapon V-groove wires のPL・PLEで1D plasmaのFESを観測 2002 Lauruelle LSL’s のPL・PLEでplasmaのFESを観測、hole localizationを議論 2002 akiyama single T-wireのPLでtrionピーク・plasmaのFESを観測 <今回> single T-wireのPL・PLEでtrionのFESと、 1D plasmaへの変化(FESの消失)を観測 同サンプルで2D arm wellのPL・PLEを測定、1D・2D共にw1-w2=EB+EF を観測

  11. 用いたidea

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